農林水産省・新着情報

坂本農林水産大臣記者会見概要

日時 令和6年5月17日(金曜日)9時10分~9時19分 於: 本省会見室
主な質疑事項
  • 令和6年能登半島地震漁業地域復旧・復興技術検討会の開催について
  • 熊本県漁連と佐賀県有明海漁協への排除措置命令への対応について
  • リニア中央新幹線の工事に伴うため池等の水位低下による農業への影響について
  • サンゴ類の特別採捕許可の勧告に対する沖縄県の回答と今後の対応について
  • キャベツ、ブロッコリー等の野菜価格の高騰について

質疑応答

記者

  能登半島地震で被災した漁港の機能回復に向けて、水産庁は有識者で構成する技術検討会を設け、昨日金沢市で初会合を開きましたが、検討会の意義と、どのように漁港復旧等を後押しするか、聞かせてください。

大臣

  農水省では、これまでに復旧工事の経験がほとんどない地盤隆起等による被害を受けた漁港の復旧・復興の技術的な問題、方法、手順等について検討することを目的として、有識者で構成する技術検討会を設置しました。
  昨日の検討会では、漁港施設の被害状況、被災パターンの分析、被災パターンに応じた復旧方針・方法の考え方と留意点など漁港の復旧・復興の考え方についてご検討いただき、有意義なご意見をいただいたところです。今後、2回の検討会によって成果をとりまとめる予定です。
  検討会の成果は、適宜、石川県の「能登地域の水産業に係る港の復興に向けた協議会」及びその下に設置されている分科会へ提供します。また、本検討会では個別の漁港の復旧・復興計画についてもアドバイスを行うこととしています。
  今後とも、被災地の一刻も早い復旧・復興に資するよう、現地に寄り添いつつ、石川県や関係市町村と連携しながらスピード感を持って取り組んでまいります。

記者

  有明海で養殖されるノリ販売について、公正取引委員会は15日、組合員に全量出荷を強制したとして、独占禁止法違反で熊本県漁連と佐賀県有明海漁協に対して、行政処分で最も重い排除措置命令を出しました。これに対して両漁連は、全量出荷は強制でないとして、命令の取消訴訟を提起する考えを示すとともに、公取委の一連の審査手続きが違法として、国に損害賠償を求める訴訟を熊本、佐賀地裁へそれぞれ提起しました。公取委は水産庁に対しても、独禁法や水産庁が策定した「適正取引推進ガイドライン」の遵守を全国の漁協に周知するよう要請していますが、両者の主張が食い違う中で、どのような対応をとっていくのか、水産庁から両漁連に対して何か指示・指導をする考えがあるのか、受け止めとあわせて教えてください。

大臣

  農水省としては、漁協が独占禁止法違反のおそれがある行為を行わないよう、令和3年11月に策定した「水産物・水産加工品の適正取引推進ガイドライン」を通じて指導を行ってきたところであり、「排除措置命令」が発出されるような事態に至ったことは、遺憾であると考えています。
  農水省としても、関係する県とも連携しつつ、事実関係や漁協等の認識について報告を求めたところであり、今後、その内容を踏まえ厳正に対応してまいりたいと思います。
  また、公正取引委員会から要請があった、独占禁止法や「水産物・水産加工品の適正取引推進ガイドライン」の遵守の周知徹底については、今後、公正取引委員会と連携して対応してまいります。
  なお、取消訴訟等についてのご質問がありましたが、個別事件の裁判に関することについて、コメントすることは差し控えたいと思います。

記者

  リニア中央新幹線のトンネル掘削工事について、掘削工事が進む岐阜県内で、ため池や井戸などの水位低下を確認したとの報道がありましたが、この問題についてのご所見と、農業や農村の生活への影響について今時点で把握されていることがあれば聞かせてください。

大臣

  リニア中央新幹線のトンネル掘削工事が近くで進む、岐阜県瑞浪市の大湫地区のため池2カ所で、水位が低下しているとの報道があったことは承知しています。
  岐阜県に確認したところ、水位が低下したため池は、周辺のほ場整備等によって、いずれも現在は利用されていないため池であり、農業への影響は確認されていないとのことです。
  いずれにしても、トンネル工事による農業への影響がないか、沿線の他地区も含めて引き続き注視してまいります。

記者

  沖縄県の名護市辺野古にあるサンゴの採捕について、勧告が10日付けで出されましたが、昨日が期限になっており、沖縄県知事から「許可処分に向けた手続きを進めたい。勧告の期限までに許可を行うことは困難である。」と回答があったと認識していますが、受け止めと今後の対応方針について教えてください。

大臣

  5月10日(金曜日)に、地方自治法に基づく代執行を念頭においた手続として、沖縄県知事に対し、昨日16日(木曜日)までに許可をするよう「勧告」を行いました。
  しかしながら、昨日、沖縄県知事からは、「勧告の期限までに許可を行うことは困難である」との文書による回答がありました。
  農水大臣としては、許可が行われていない状況は速やかに是正されるべきであると考えており、必要な対応を進めてまいります。

記者

  ブロッコリーやキャベツなどが、天候不順で高騰していますが、所感と、今後暑さが厳しくなる中で、対策等があれば教えてください。

大臣

  キャベツについては、暖冬により生育が前進したため出荷時期が早まった産地がある一方で、後発の産地でも2月下旬以降の低温による生育遅延に加え、4月以降の天候不順、多雨の影響によって品質劣化が多く発生し、全体として出荷量が減少していることから、価格が平年比で200%を上回る日が続いています。
  キャベツについては、産地間のリレーにより、通年供給する体制が構築されており、今後の産地の生育状況や価格動向を注視したいと考えています。
  ブロッコリーについても、雨が多く病害虫が発生していることもあり、高値になっていると承知しています。なお、「ばれいしょ」「レタス」など、価格が平年並みに落ち着いている品目もあり、こういった、その時々のお手頃価格の野菜について、消費者に対する情報発信に努めてまいります。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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