議案審議経過情報

(注)下記の表で内容がない箇所は、現時点で情報が未定のもの、もしくは情報がないことが確定したものです。

項目 内容
議案提出者 鈴木馨祐 君外五名
衆議院審議時会派態度 多数
衆議院審議時賛成会派 自由民主党・無所属の会; 日本維新の会・教育無償化を実現する会; 公明党
衆議院審議時反対会派 立憲民主党・無所属; 日本共産党; 国民民主党・無所属クラブ; 有志の会; れいわ新選組
議案受理年月日 2024-05-17
公布年月日 2024-06-26

要項または提出時法律案

第1 国会議員関係政治団体の代表者の責任の強化等
 1 代表者の監督責任(監督内容の具体化)
  (1) 収支報告書の記載に係る会計責任者の職務の監督
    国会議員関係政治団体の代表者は、収支報告書の記載に係る会計責任者の職務が政治資金規正法の規定に従って行われるよう、当該国会議員関係政治団体の会計責任者を監督しなければならないこと。 (第19条の12の2関係)
  (2) 会計帳簿等に関する随時又は定期の確認
    国会議員関係政治団体の代表者は、随時又は定期に、次の事項を確認しなければならないこと。
   ① 会計帳簿、明細書、領収書等、領収書等を徴し難かった支出の明細書等、振込明細書、残高確認書及び差額説明書が保存されていること。
   ② 会計帳簿には収入及び支出の状況が記載されており、かつ、会計責任者が当該会計帳簿を備えていること。 (第19条の12の3関係)
  (3) 会計責任者による代表者に対する説明
    国会議員関係政治団体の会計責任者は、収支報告書を提出するときは、あらかじめ、当該国会議員関係政治団体の代表者に対し、収支報告書が政治資金規正法の規定に従って作成されていることについて、収支報告書及びこれに併せて提出すべき書面を示して説明しなければならないこと。 (第19条の14の2第1項関係)
  (4) 代表者による確認書の交付
    国会議員関係政治団体の代表者は、(2)による確認の結果及び(3)による説明の内容並びに政治資金監査報告書に基づき、当該国会議員関係政治団体の会計責任者が政治資金規正法の規定に従って収支報告書を作成していることを確認し、その旨を記載した確認書を会計責任者に交付しなければならないこと。 (第19条の14の2第2項関係)
  (5) 確認書の収支報告書への添付
    国会議員関係政治団体の会計責任者は、収支報告書を提出するときは、(4)により交付された確認書を収支報告書に添付しなければならないこと。確認書の添付をしなかった者は、50万円の罰金に処すること。 (第19条の14の2第4項及び第25条第5項関係)
 2 監督義務違反に対する罰則の強化
  (1) 収支報告書の不記載又は虚偽記入があった場合において、1の(4)に違反して確認書を交付せず、又は確認をしないで確認書を交付した者((2)の行為により確認をすることができなかった者を除く。)は、50万円以下の罰金に処すること。 (第25条第3項関係)
  (2) 1の(3)による説明をせず若しくは虚偽の説明をした者又は1の(3)による説明の義務がある者で代表者による確認を妨げたものは、100万円以下の罰金に処すること。 (第25条第4項関係)
  ※ (1)に違反した代表者、(2)に違反した会計責任者のいずれも、公民権の停止の対象となる。
 3 収支報告書の不記載・虚偽記入に係る収入等の国庫納付に関する公職選挙法の特例
   国会議員関係政治団体の収支報告書に記載すべき収入の金額の全部若しくは一部の記載がなかった場合又は収支報告書に記載すべきでない支出の金額の記載があった場合において、当該収支報告書が公表されている間に、当該国会議員関係政治団体がそれらに相当する金額の範囲内の金銭を国庫に納付するときは、その納付による国庫への寄附については、公職選挙法第199条の2から第199条の5まで(公職の候補者等の寄附の禁止等)の規定は、適用しないこと。 (第19条の16の2関係)
第2 政治資金監査の強化
 1 預貯金による政治資金の保管
   国会議員関係政治団体の政治資金については、国債証券等又は金銭信託による運用に係るものを除き、銀行その他の金融機関への預貯金の方法により保管するものとすること。 (第19条の8の2関係)
 2 国会議員関係政治団体の範囲の拡充
  (1) 政策研究団体(第5条第1項第1号に掲げる団体)を「国会議員関係政治団体」とすること。 (第19条の7第1項第3号関係)
  (2) 政策研究団体は、当該団体を主宰する国会議員又は主要な構成員である国会議員の氏名及びその者に係る公職の種類等を届け出なければならないこと。 (第6条第1項関係)
 3 翌年への繰越しの金額の確認等
  (1) 国会議員関係政治団体の会計責任者は、政治資金監査を受けるまでの間に、収支報告書に記載すべき翌年への繰越しの金額が、収支報告書に記載すべき年の12月31日又は解散等の日における預貯金口座の残高を確認することができる書類(以下「残高確認書」という。)に記載された残高の額と一致しているかどうかを確認しなければならないこと。 (第19条の11の2第1項関係)
  (2) 国会議員関係政治団体の会計責任者は、(1)による確認により翌年への繰越しの金額が預貯金口座の残高の額と一致しないことが判明したときは、政治資金監査を受けるまでの間に、その旨及びその理由を記載した書面(以下「差額説明書」という。)を作成しなければならないこと。 (第19条の11の2第2項関係)
 4 登録政治資金監査人による政治資金監査の拡充
   登録政治資金監査人による政治資金監査において確認する事項として、残高確認書及び差額説明書に基づいて翌年への繰越しの状況が収支報告書に表示されていることを追加すること。 (第19条の13第2項第5号関係)
第3 政治資金の透明性の向上のためのデジタル化の推進
 1 収支報告書等のオンライン提出の義務化
   国会議員関係政治団体に係る収支報告書・政治資金監査報告書・確認書について、オンラインによる提出を義務付けること。 (第19条の15関係)
 2 収支報告書等のインターネット利用による公表
  (1) 総務大臣・都道府県の選挙管理委員会は、収支報告書・政治資金監査報告書・確認書をインターネットを利用する方法により公表しなければならないこと。 (第20条第1項及び第2項関係)
  (2) (1)に伴い、官報又は都道府県の公報による収支報告書の要旨の公表に係る規定を削るものとすること。 (旧第20条第1項及び第2項関係)
第4 政治資金パーティーの対価支払者の氏名等の公開基準の引下げ
   収支報告書における政治資金パーティーの対価の支払をした者の氏名等の公開基準額を、現行の「20万円超」から「10万円超」に引き下げること。 (第12条第1項第1号ト及びチ関係)
第5 政治資金パーティーの対価の支払方法の制限
 (1) 何人も、政治資金パーティーを開催する者の預貯金口座への振込みによることなく、政治資金パーティーの対価の支払をすることができないこと。
 (2) 政治資金パーティーを開催する者は、口座振込み以外の方法によってされる政治資金パーティーの対価の支払を受けることができないこと。
 (3) (1)・(2)にかかわらず、政治資金パーティーの開催日に開催場所においてする対価の支払等については、口座への振込み以外の方法によってすることができること。この場合において、口座への振込み以外の方法によって当該対価の支払を受けた者は、遅滞なく、その政治資金パーティーの対価に係る金銭を開催者の預貯金口座に預け入れるものとすること。 (第22条の8の2関係)
第6 いわゆる政策活動費の使途公開
 (1) 政党に所属している国会議員に係る公職の候補者は、当該政党からの支出(1件当たりの金額(数回にわたってされたときは、その合計金額)が50万円を超えるものに限るものとし、経常経費の支出を除く。)で金銭によるものを受けたときは、当該政党からの支出に係る金銭に相当する金銭を充てて政治活動のためにした支出について、当該支出に係る収支報告書の記載項目と同様の項目別の金額を当該政党の会計責任者に通知しなければならないこと。
 (2) (1)による通知を受けた政党の会計責任者は、収支報告書の記載をするときは、当該通知に係る(1)の政党からの支出について、(1)により通知された事項を併せて記載しなければならないこと。 (第13条の2関係)
第7 国会議員関係政治団体から寄附を受けたその他政治団体の透明性確保
 (1) 国会議員関係政治団体以外の政治団体(政党及び政治資金団体を除く。)のうち、各年中において①又は②のいずれかに該当する寄附の金額が1,000万円以上となった政治団体は、その年及びその翌年において国会議員関係政治団体であるものとみなして、国会議員関係政治団体の特例に係る規定(これに係る罰則を含む。)を適用すること。
  ① 国会議員関係政治団体(②の国会議員関係政治団体を除く。)から受けた寄附の金額(国会議員関係政治団体に係る公職の候補者が同一の者である2以上の国会議員関係政治団体から受けた寄附にあっては、その金額の合計額)
  ② 第2の2の(1)の国会議員関係政治団体から受けた寄附の金額 (第19条の16の3第1項関係)
 (2) 国会議員関係政治団体は、国会議員関係政治団体以外の政治団体に対して寄附をするときは、当該政治団体に対し、文書で、当該寄附が国会議員関係政治団体からの寄附である旨、当該寄附をする国会議員関係政治団体の名称及び主たる事務所の所在地、当該国会議員関係政治団体に係る公職の候補者の氏名等を、併せて通知しなければならないこと。 (第19条の16の3第2項関係)
 (3) 国会議員関係政治団体以外の政治団体は、各年中において(1)の寄附の金額が1,000万円以上となったときは、当該金額が1,000万円に達することとなった寄附に係る(2)の通知を受けた日から7日以内に、その旨、当該寄附に係る公職の候補者の氏名及びその者に係る公職の種類等を届け出なければならないこと。当該届出を受けた都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣は、届出事項を都道府県の公報又は官報への掲載、インターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならないこと。 (第7条第2項及び第7条の2第2項関係)
第8 個人寄附者等の個人情報の保護
  収支報告書に記載された個人寄附者等(寄附をした者又は政治資金パーティーの対価の支払をした者であって、個人であるもの)の住所に係る部分を公表するときは、都道府県、郡及び市町村の名称に係る部分(外国の場合は、当該外国の国名)に限って行うものとすること。 (第20条第3項関係)
第9 施行期日等
 1 施行期日
   この法律は、令和8年1月1日から施行すること。ただし、(1)及び(2)に掲げる規定は、それぞれ次に定める日から施行すること。
  (1) 第2の2の国会議員関係政治団体の届出に関する規定 令和7年10月1日
  (2) 第3の1の収支報告書等のオンライン提出の義務化に関する規定及び第8の収支報告書に記載された個人寄附者等の住所に係る部分の公表に関する規定 令和9年1月1日
(附則第1条関係)
 2 経過措置
   第8の収支報告書に記載された個人寄附者等の住所に係る部分の公表に関する規定は、当分の間、収支報告書がオンラインにより提出された場合に限り適用し、オンライン以外により提出された場合で、個人寄附者等の住所に係る部分について都道府県、郡及び市町村の名称に係る部分のみを記載した書面が併せて提出されたときは、当該書面を公表すること。 (附則第5条第3項及び第4項関係)
 3 検討
   政治資金の透明性を確保することの重要性に鑑み、この法律による改正後の規定については、その施行の状況等を勘案して必要があると認められるときは、独立性が確保された政治資金に関する機関の活用も含めて検討が加えられ、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとすること。 (附則第12条関係)