農林水産省・新着情報

坂本農林水産大臣記者会見概要

日時 令和6年5月21日(火曜日)8時39分~8時46分 於: 衆議院第17委員室前
主な質疑事項
  • 捕鯨船「関鯨丸」の出航と商業捕鯨の今後の見通し等について
  • 農林中央金庫の経営状況等について
  • 一部地域におけるコメの卸売価格の上昇と今後の対応について
  • 商業捕鯨における捕鯨対象鯨種にナガスクジラを追加することについて
  • 中国税関当局が5月から日本の水産施設の登録効力を停止したことについて

質疑応答

記者

  捕鯨船「関鯨丸」が今日、下関港を出港し、今週末にも、東北・北海道沖での操業を始めます。捕鯨には様々な課題があると言われていますが、いよいよ新しい船での捕鯨を開始することについて、所感と対応をお願いします。

大臣

  我が国の母船式捕鯨業者である共同船舶株式会社が所有する関鯨丸が、本日、下関港を出航することについては承知しています。
  捕鯨については、鯨類は重要な食料資源であり、他の海洋生物資源と同様に科学的根拠に基づき持続的に利用すべきであるとともに、我が国において伝統的な食文化などを継承することが重要であると考えており、今回の関鯨丸の出航は、今後の捕鯨業の持続的な発展の観点から、非常に意義深いものであると考えております。
  依然として、鯨肉の販売面など解決しなければならない課題がありますが、農水省としては、科学的根拠に基づく鯨類の持続的な利用を確保し、商業捕鯨が持続的かつ自立的に営まれるようにするため、引き続き、関係者と連携して取り組んでまいります。

記者

  農林中金について、2025年3月期で5000億超の損失を計上し、1兆円を超える資本増強との報道がありますが、事実確認と、結果として農家や生産者に負担を強いる形になった経営責任等について所感を伺います。
  また、コメ政策について、一部報道でスポット価格が前年より最大8割高騰との調査があり、インバウンドや猛暑などで需給環境の変化も指摘されていますが、コメ政策について所感を伺います。

大臣

  まず、農林中金の報道については承知していますが、個別の民間金融機関の資本政策について、農水省としてお答えすることは差し控えます。
  その上で、農林中央金庫は農協等から預かった資金の運用収益を還元し、系統金融機関の経営基盤を強化する役割を担っており、農水省としては、引き続き、金融庁とも連携し、金融市場の動向等を踏まえつつ、農林中央金庫の経営について、十分注視してまいります。
  コメの価格の問題については、主食用米の需要量が、近年、毎年10万トン程度減少している中、農水省では、毎年の生産量や需要量の「需給見通し」をお示しし、需要に応じた生産を推進しているところです。
  現在の価格や在庫の状況をみると、まず、令和6年4月の「相対取引価格」は、前月比プラス98円の1万5,526円、出回りから令和6年4月までの年産平均で、前年比プラス1,449円高の1万5,293円であり、コロナ禍前の平成29年から令和元年までの価格よりもやや低い水準です。
  また、「集荷業者」及び「卸売業者」の3月末の在庫量は、対前年比36万トン減の215万トンですが、年間の需要量 681万トンに対する在庫率でみると約32%と、コロナ禍前の時期とほぼ同水準です。
  このため、現時点で主食用米の需給がひっ迫しているとは考えていませんが、今後も需給や価格の動向を注視してまいります。現在、各産地において6年産米の作付が始まっていますが、産地の作付意向についても把握しながら、需要に応じた生産・販売が進むよう、情報提供にも努めてまいります。

記者

  捕鯨について、ナガスクジラを4種類目に追加するとしてパブリックコメントをかけていますが、共同船舶の「関鯨丸」の出航も含めて、日本の捕鯨を後押しするという意図もあるのでしょうか。

大臣

  ナガスクジラについては、これまで積み重ねてきた資源調査の結果から、北太平洋において資源量が豊富であることが確認されたことを踏まえ、商業捕鯨における捕獲対象鯨種にナガスクジラを追加することについて5月7日にパブリックコメントを開始しました。
  パブリックコメントの結果を踏まえ、6月中旬に水産政策審議会を開催し、漁獲可能量(TAC)を諮問する予定となっていることから、現時点では、お答えを差し控えさせていただきます。

記者

  中国の税関当局は、今月に入って日本の水産加工施設の登録効力を停止しましたが、所感と今後の影響について教えてください。

大臣

  中国政府において食品輸入を管轄する海関総署のウェブサイトにおいて、我が国からの水産物の輸出が可能な、登録水産物製造施設等の情報がすべて削除されていることを、5月上旬に確認したとの報告を受けています。
  今回のウェブサイトからの登録情報の削除に関する理由等について、外交ルート等を通じて中国側に説明を求めていますが、現在まで回答は得られていません。
  今回の登録情報の削除による影響については、中国側から何ら説明を受けていない中で、断定的なお答えは差し控えますが、昨年8月以来の中国の日本産水産物の輸入停止は、全く科学的根拠に基づかない措置であり、引き続き、政府一丸となって日本産食品の輸入規制の即時撤廃を強く求めてまいります。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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