厚労省・新着情報

(令和6年5月21日(火)8:58-9:11 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
私からは特にございません。

質疑

記者:
15日に行われた社会保険審議会の部会にて出産費用の保険適用化に向けた議論を行うため検討会を設置すると発表されました。国が少子化対策の一環として進める出産費用の保険適用化に向けては、一部医療関係者から「出産費用には地域間格差があり、保険適用によって多くのクリニックが経営難に陥る可能性がある」として反対の声も上がっています。こうした課題について国としてどのように対応していく予定なのか、大臣のお考えをお聞かせください。あわせて、保険適用することのメリットについてもお聞かせください。
大臣:
妊婦の方々が安心して出産できる環境を整備することは重要です。経済的な負担を軽減する観点から、出産育児一時金を昨年度から大幅に増額するとともに、今月から出産費用の「見える化」を本格的に稼働することとしています。昨年12月に閣議決定された「こども未来戦略」において、これらの取組の次の段階として、2026年度を目途に、出産費用、これは正常分娩ですが、この保険適用の導入を含めて、出産に関する支援等の更なる強化について検討を進めるとされたことを受けて、今後、有識者による検討会を設置し、議論を行っていく予定です。出産費用の保険適用については、サービスの質が確保されるというメリットがある一方で、全国一律の診療報酬で評価することで、かえって妊婦の選択の幅を狭めることになってはいけないという課題もあり、これら双方の考え方を踏まえて検討していく必要性があると考えています。検討に当たっては、今回の出産育児一時金の引上げの際の「平均的な標準費用について妊婦に自己負担が生じないようにする」という基本的な考え方を踏襲しつつ、ご指摘の地域の産科医療提供体制の確保という観点にも十分留意しながら、出産に関する保険給付全体の在り方という非常に広い観点から、関係者の意見を伺い、これは確実に丁寧に進めていきたいと考えています。
記者:
地域医療構想についてお伺いします。岸田首相は19日に視察先で、地域医療構想に関し「地域の医療提供体制が効率的で質の高いものになるように、都道府県の責務を明確にすることを含めて、実効的な仕組みを構築していきたい」と発言されていました。厚生労働省で想定、もしくは検討している具体的な方策についてお聞かせください。
大臣:
地域医療構想については、まず、2025年に向けてさらに推進していくために、国がモデル推進区域等を設定して、そして都道府県に対してアウトリーチの伴走支援等を行うこととしており、これにより実効性を高めていきたいと考えています。また、2040年頃を見据えた新たな地域医療構想については、医療・介護の複合ニーズの増大等に対応できるよう、病院のみならず、かかりつけ医機能の在宅医療、そして医療・介護連携等を含め、現在、有識者による検討会を設置し、中長期的課題を整理して検討を進めているところです。この中で都道府県の責務や権限といったものを、在り方を含めて検討していくつもりです。
記者:
モデル年金について伺います。標準的な世帯の年金受給額を示すモデル年金について、厚生労働省は、働き方の多様化や家族構成に合わせて複数のモデルを示す案を社会保障審議会年金部会に提示しました。年末までに最終案を取りまとめる方針ですが、改めて、このモデルを複数示すことの意義と狙い、また今後年末までにどのように検討を進めるか教えてください。
大臣:
男性の平均的な賃金で40年間就業した場合の老齢厚生年金と、夫婦2人分の老齢基礎年金の合計額を「モデル年金」と呼んでいます。従来から、年金の給付水準を表す所得代替率の計算にこれを用いています。他方で、これまでの年金部会の議論においても、共働きや単身世帯の増加等を背景にして、多様なライフコースを想定した年金の給付水準の示し方を求めるご意見があったこということを踏まえ、5月13日の年金部会において、収入も含めた多様な世帯構成を踏まえた示し方の検討例をお示しし、ご議論いただいています。今回議論いただいたような、多様なライフコースに応じた年金の給付水準を毎年度の年金額の周知の際などにお示しすることで、よりわかりやすい年金制度の広報に繋げたいと考えています。先日の年金部会においていただいたご意見を踏まえて、どのようなお示しの仕方が適当であるのか、年末頃の社会保障審議会年金部会の取りまとめに向けて丁寧に検討を進めている段階です。
記者:
小林製薬の紅麹サプリ摂取後の体調不良等の問題について伺います。武見大臣は、この問題の原因究明に向け「疫学的な調査も含め徹底的に行う」と発言されています。そこで伺います。紅麹サプリ摂取後に健康被害があったとされる方々の新型コロナワクチンの接種歴は調査されますか。調査されている場合、例えば、5月16日時点でサプリ摂取後の死者数が5名、入院治療をした方が276名となっていますが、このうち新型コロナワクチンを接種していた人数や割合等を教えてください。
大臣:
厚生労働省においては、日本腎臓学会と連携して、今回の事案を受けて健康被害を訴えた189の症例について疫学的調査を行い、その病像の把握を行っています。その中では、ご指摘の新型コロナワクチンの接種歴については調査していません。また、ご指摘の「入院治療を必要とした276名、死亡者5名」については、小林製薬から報告を受けているものであるため詳細についてはまだ承知していません。必要に応じて、小林製薬にお尋ねいただけると大変助かります。
記者:
ワクチンの接種歴を調べるべきだと思いますが、その根拠を述べますと、予防接種健康被害救済制度において、コロナワクチンによる腎不全などの腎臓関係の疾患の認定数は現在112件あります。そのうち97件は、ほとんどですが、武見大臣が大臣就任後に認定したものです。腎臓関係の死亡認定された方も9名います。今回の新型コロナワクチンは国民の約8割が接種しており、腎臓関係の疾患を引き起こした事例を武見大臣自身が100件近く認定しているので、疫学的調査をするのであればワクチン接種歴も必須と考えますがいかがでしょうか。
大臣:
これはやはり日本腎臓学会の専門家の先生方と相当詳細を詰めてこの調査、疫学的調査を行っていると聞いていますので、そのまさにおっしゃる分野の専門家の先生方の必要性というものに応じて、こうした調査が行われるべきものと考えます。
記者:
予防接種の健康被害救済制度について伺います。死亡一時金が配偶者のほかは生計を同じくしていた遺族にのみ支給されるという現在の運用ルールについて再度お尋ねします。時間が空きましたが、4月2日の記者会見の際、大臣から「死亡者遺族に対する給付の対象を生計同一の遺族としているということは他の公的給付制度においても一般的である」とのご説明がありました。ただ、所管は異なりますが、公害の健康被害者遺族への「遺族補償一時金」、犯罪被害者の「遺族給付金」は、「同一生計の遺族」がいない時でも他の遺族に給付される仕組みになっているようです。他方この予防接種の健康被害救済制度では、接種で亡くなった方が1人暮らしで、配偶者も「同一生計の遺族」も1人もいないときは、両親や子供など遺族への国の補償が0となってしまいます。周囲に感染させないためという社会防衛的見地から勧奨した予防接種のために犠牲になった方への救済として、これで十分に適切だとお考えでしょうか。改めて大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
この予防接種健康被害救済制度における死亡者遺族への給付は、遺族に対する生活保障の観点を踏まえ、配偶者以外の遺族については、生計を同じくしていた方に対して支給するものという位置付けになっています。この給付は、生活に一体性があった遺族が受けた損失を補填する趣旨で生計同一の遺族を対象としているところであり、この考え方は不合理なものとは考えておりません。
記者:
4月17日にコロナワクチンの遺族の方々による集団提訴がありました。その後の会見では訴状が届いていない段階でコメントをされていましたが、もうすでに訴状は届いているかと思いますので改めてお尋ねします。今回提訴されたのは、いずれも健康被害救済制度において被害の認定を受け、一定の補償、給付を受けた遺族や被害者の方々と聞いています。にもかかわらず、今回の提訴に至っているわけですが、大臣はその訴えをどのように認識し、今後どのような姿勢、方針で対応されていくお考えでしょうか。お考えをお聞かせください。
大臣:
現時点で訴状を受け取っておりませんので、詳細を把握していません。いずれにしても、係争中の案件についてはコメントは差し控えます。
記者:
まだ受け取っていないということですね。
大臣:
はい。

(了)

発信元サイトへ