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土屋復興大臣記者会見録[令和6年5月27日]

令和6年5月27日(月)15:58~16:10 於)株式会社デンソー福島正面玄関前

1.発言要旨

 皆さんこんにちは。今日はありがとうございます。

 昨日から本日にかけて南相馬市、大熊町、富岡町、楢葉町、川内村、田村市を訪問いたしました。

 南相馬市では国の重要無形民俗文化財である相馬野馬追を視察しました。初めてお邪魔しましたけれども、本当に大勢の皆様が観覧されて、すばらしい野馬追ができたのかなと思いました。そしてまた5月に変更になったことで、馬にも人間にもとてもいい環境ができたかなと思いまして、若い方たちも大勢参加していましたし、これからも続けてすばらしい地域の民俗文化財を皆さんで盛り上げていただければなと思った次第でございます。

 また大熊町では、大熊インキュベーションセンターを訪問いたしました。シェアオフィスを視察して、水素燃料を利用したドローンを開発する企業、画像認識による無人レジの開発企業、世界中の国の人と地域の子どもをつなぐ教育プログラムを提供する企業、ダイヤモンドを素材とする半導体を開発する企業と意見交換をさせていただきました。皆様それぞれがやっぱり新しいことにしっかりと挑戦していくという夢を持っていらして、非常にお邪魔してよかったなと思いました。これからも、若い人たちがこういうふうに挑戦できる場がこの大熊に存在しているということがすばらしいなということで、復興再生の力強い原動力になると感じたところでございます。

 それから富岡町では、子育て支援の拠点施設である富岡わんぱくパークを訪問しました。お子さんたちが本当に楽しそうに目いっぱい動き回っておりまして、なかなか都会で過ごしている子どもたちはあれだけ体を動かして遊べるところがないので、それも室内ですから雨が降っても大丈夫です。いい施設ができたと思っております。そしてお母さんたちとお話しさせていただきましたけれども、お母さんたちにとっても、子どもが遊んでいる間にお母さん同士で交流ができて、ここへ来ていろいろ友人ができたという話を聞きまして、これもまた非常に町の中で人と人との交流がしっかりとこの富岡わんぱくパークでできているんだなというのを感じた次第です。

 それから楢葉町では、以前意見交換をさせていただいたことがあるんですけど、女性の方が経営しているシェアハウスと食堂kashiwayaを訪問しました。お試しの移住体験、地域の人との繋がりを持てるイベントワークショップといった取組を現場でお聞きしました。こういった取組が、移住促進に期待できると感じたところでございます。

 川内村では、かわうちワイナリー及び秋風舎を訪問いたしました。川内村では8年前よりワイン醸造用のブドウ栽培に取り組まれてきたと伺いました。ワイナリーの現場に入っていくところのブドウ畑を見ていると、フランスの一角に来ちゃったのかなというような感じもいたしまして、すごく爽やかな気持ちになりました。ワイナリー内では最後に蝋で、ワインボトルに封をするんですけど、その体験もさせていただいてとても楽しかったです。多くの消費者に知ってもらって、災害からの復興の象徴として、また村の産業振興の一翼を担う存在として、ますます御発展することを期待しているところでございます。

 秋風舎では、店内で川内のキノコを使ったクリーム煮などを食べながら、とてもおいしかったです。若手女性経営者の方とお話をさせていただきましたが、いわきから古民家を移築して、地域振興に向けて若い女性が活躍されてる姿。移築はお父様がしたそうですけども、大変、若い方の地域思い、地域愛というのをすごく感じました。地域の皆様の寄り集まるところを作ろうという思い、それから女性の集まりをしたりとかいろいろなイベントをしている姿を見て、すごくうれしかったです。あとは、古民家が非常にやっぱりああいうふうに使えることは大事だなと思いました。もうこれからの時代、古民家を見ることもない人が多いと思いますので、都会からああいうところへ来て、静かに物を考えるという意味ではとてもいいかなと思った次第でございます。

 最後に、田村市では、みやこじスイーツゆい及びデンソー福島を訪問いたしました。みやこじスイーツゆいでは都路町商工会が中心となって、都路町の再生と住民の帰還に向けて、地元で生産されている鶏卵を使ったゆいプリンなどの開発販売をしており、これも大変おいしくいただきました。また、商工会がこれだけ熱心にこの事業をやっているということにも驚いた次第でございます。地元の女性のパティシエ、販売員や商工会の担当者の皆さんが本当に生き生きと一生懸命やっておられる姿、すごく努力して工夫しているお話を伺いまして、感動した次第でございます。これからも頑張ってほしいと思います。

 それからデンソーさんでは今、工場を視察させていただきましたけれども、正にこれは日本の将来を背負って立つ仕事だなというのを痛切に感じたところでございまして。今、日本は世界と競争していかなきゃならない中で、大変厳しい環境にありますけれども、是非これからもデンソーさんに頑張っていただいて、日本が世界に先駆けていろいろなことを提案できるように頑張っていただきなという思いでございます。

 今回の訪問を通じて、被災地の各地における女性も含めた様々な復興再生に向けた取組、経験談を具体的に見聞きすることができまして大変有意義であったと思います。引き続きできる限りまた福島訪問させていただいて、1人でも多くの方にお会いしてお話を伺いながら、まだまだ福島の復興はスタートを切ったところだという認識を持っておりますので、これからも皆さんと一緒に頑張っていきたいと思っております。

 以上でございます。

 

2.質疑応答

(問)2日間お疲れさまでした。水素活用のところについてお伺いしたいと思います。今回、デンソーの水素活用事業というのを御覧になられたかと思うんですが、東京都でもこれからますます水素の活用は広がっていくのかと思います。そういう期待感というのは今日感じられましたでしょうか。

(答)大変強く感じました。今から何年前か、相当前なんですけども、私は日本アイスランド議連の会長しているんですけども、アイスランドが世界に先駆けて水素社会を作るんだということを、もう10何年前になりますか始めたのを、アイスランドの現地視察したことがあるんですが、結局は駄目になってしまったということで。それは何かというと、水素スタンドがあまりにもなかったという話を伺っておりますので、そこの部分は国がしっかりやっていかなきゃいけない部分なのかなと思います。

 これから水素社会を作るには、やっぱり隅々まで行き渡るための装置、そういうものを国とまたデンソーさんともいろいろお話をしながら、環境づくりをしていくことこそが社会に浸透することになるかと思います。今デンソーさんとお話ししましたけど、この場所で作ってこの場所で使うと。これは非常に大事なことだなと感じました。

(問)今回の訪問では、女性や子ども、若い方、移住者の方と接する機会が多かったと思います。今までは、首長さんのお話がメインになったり、多かったりですが、今回はそういう方ともお話したいと先週の閣議後会見でおっしゃっておりましたが、そういう方と接して皆さんの地域愛を復興庁としてはどのように支援していくことができるとお考えでしょうか。

(答)私が直に会って、御要望とかお困りごととか、小さなことでも聞くようにしておりまして、そういうことからできる限りいい答えが出るようにしていきたいなというのが思いでございます。

 それからどこの町も今、やっぱり人口減少で悩んでいるというのは痛切に感じておりまして、その中でやはり移住者がこの町に住みたいと思う町をどう作っていくか、どこに魅力を感じられるか、そういうところをしっかりとやっぱり自治体と協力しながら進めていくのが、やっぱり復興庁の役割であるということも感じてまいりました。

(問)先ほど水素の話をしていただいたかと思うのですが、追加ですがデンソーさんでは自分たちのところで水素を作っている取組、今日見られたかと思うんですが、拡大というか、広く浸透していくようなことが今後の課題かと思われるんですけど、国として関われることとか、考えているようなことがもしありましたら教えていただきたいです。

(答)今デンソーさんは日本の中でも、正に一番前を進んで前を走っている会社と認識しております。先日国会において、可決成立しました水素社会推進法、これは非常に大事な法律が通ったと思います。既存燃料との価格差に着目した支援とか、水素などを供給する拠点整備支援等の措置を通じて、低炭素社会、低炭素水素などの供給及び利用を促進するということでございますので、カーボンニュートラル社会を実現していくためにも、この法律を通したということは国としてもしっかりやっていくという証でございまして、これからデンソーさんに続く会社がどんどん出てくることを期待しております。

 ありがとうございました。

(以  上)

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