経産省・新着情報

2024年5月31日(金曜日)
9時17分~9時24分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

特になし。

質疑応答

特許法裁定請求取下げ

Q:昨日iPS細胞の関連技術の使用をめぐって、開発者で元理化学研究所の高橋政代氏が経済産業大臣に特許の使用権を求めていた裁定が和解しましたが、こちらの受け止めをお願いします。

A:昨日当事者間で和解が成立して、請求人から裁定請求取下書が提出されたと特許庁から報告を受けています。
裁定制度は、その請求前に当事者間で協議を行うべき旨規定されています。和解により自発的な解決がなされ、新たな事業がこれにより実施される方向性となったことは、発明の利用により産業の発展に寄与するという特許法の趣旨に合致したものであると考えています。
再生医療は機能不全の臓器の根本治療につながる技術であり、中でもiPS細胞の研究は我が国が強みを持つ分野です。本件は、眼疾患の再生医療に用いられる細胞をiPS細胞から製造する方法の特許に関するものであり、今後眼科領域をはじめとする再生医療の治療が一層拡大されることを期待したいと思います。

電気・ガス価格激変緩和措置

Q:電気・ガス価格の激変緩和措置について伺います。
今月使用分をもって終了することになりますけれども、これまでの効果についてどのように評価されていますでしょうか。
また、加えて規制料金の場合は再び高い料金水準に戻ることにもなりますけれども、改めて終了する理由をお聞かせいただければと思います。

A:まず、激変緩和措置の開始直前の2022年11月には、燃料高騰の影響を受け、全ての大手電力会社において規制料金の燃料費調整額が上限に達しており、多くの会社が値上げを申請していました。また、自由料金は値上げが続いて、これまでで最も高い水準の価格になるとともに、事業撤退を選択する新電力も出てきている状況でした。
そうした中で激変緩和措置を開始したわけですが、例えば、消費者物価指数の上昇を抑制した効果を見てみますと、2023年2月から9月までは1%ポイント程度、2023年10月から2024年4月までは0.5%ポイント程度の抑制効果があります。したがって、家計や企業の負担軽減に確実に寄与してきたのではないかと考えています。
その後、LNGや石炭の輸入価格がピーク時の半額程度に落ち着いてきたことなどを踏まえ、激変緩和措置は5月末まで講じることとしたわけです。
この結果、規制料金だけでなく家庭向けの6割以上を占める自由料金との平均で見れば、6月使用分の料金は激変緩和開始直前と比較して1割程度低い水準になっています。
こうした点を踏まえれば一定の効果があったと考えていますが、今後予期せぬ国際情勢の変化等により価格急騰が生じ、国民生活への過大な影響を回避するための緊急対応が必要となった場合には、迅速かつ適切、機動的に対応していきたいと思います。

東電福島第一原発燃料デブリ取り出し

Q:原子力発電所の燃料デブリについてお伺いいたします。
昨日東京電力が福島第一原子力発電所のデブリの試験的取り出しの開始時期について、8月から10月頃と時期を具体化いたしました。この時期が明確になったことについて受け止めを教えてください。
また、中長期ロードマップというもので当初はこの作業着手時期を2021年12月と予定されていたので、単純に言えば3年程度後ろ倒しになると思われますが、廃炉完了時期を2051年という前提になっていますが、この時期について現時点で見直しの必要性はあるか、お考えを教えてください。

A:東京電力福島第一原子力発電所の2号機での燃料デブリの試験的取り出しについて、原子力規制委員会の認可やテレスコ型の取り出し装置を投入する貫通孔内の堆積物除去の完了などを踏まえ、東京電力において、取り出し着手時期の見通しを具体的に「8月から10月頃を見込む」と発表されました。
今後、高線量エリアであります原子炉建屋内に、関連設備や取り出し装置を設置する難易度の高い作業などを行うこととなりますが、燃料デブリの試験的取り出しの着手に向けて、東京電力においては、準備作業をまずは安全かつ着実に進めていただきたいと思います。
なお、燃料デブリの試験的取り出しにつきましては、当初の予定よりも実施が遅れていますが、試験的取り出しの作業を通じて得られる原子炉内の状況や、ロボットアームの精度向上などの知見は、次のステップにも生かされるものでして、現時点で廃炉全体の工程に影響は生じないものと考えています。そのため、現行の中長期ロードマップに基づいて2041年から2051年までの廃止措置完了を目指す方針に変わりはありません。

以上

最終更新日:2024年5月31日

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