経産省・新着情報

2024年6月4日(火曜日)
8時55分~9時07分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

シンガポール出張

おはようございます。
明日5日から7日まで、IPEF閣僚会合及びクリーン経済投資家フォーラム等に出席するとともに、関係国の経済閣僚と会談を行うため、シンガポールに出張します。
IPEFは、インド太平洋地域における21世紀にふさわしい新たな経済秩序を構築するための取組です。
閣僚会合では、今年2月に発効したサプライチェーン協定や、昨年11月に実質妥結に至ったクリーン経済協定の進捗確認や今後の協力についての議論を行います。
また、この機会にIPEF地域のクリーン経済移行に向けたプロジェクトへの投資促進を目的としたクリーン経済投資家フォーラムが開催されます。このフォーラムには、IPEF域内の政府、企業・スタートアップ、投資家など約300人程度が出席し、域内の脱炭素化について議論します。
さらに、この出張機会を活用し、日本とシンガポールのオープンイノベーションを促進するプラットフォームの立ち上げを記念するキックオフセミナーに参加します。また、日本から海外展開に取り組む15社のスタートアップに同行いただき、本セミナーへの登壇等の機会を提供し、現地での事業展開を支援したいと思います。
これらの取組を通じ、インド太平洋地域において信頼できるパートナーと共に、持続可能で包摂的な経済成長を実現してまいります。
私からは以上です。

質疑応答

自動車メーカー型式不正

Q:トヨタ自動車など大手自動車会社が型式指定の不正を公表しました。まず、この受け止めと、あと出荷停止後にサプライを含めた影響も考えられますが、経産省の把握状況と今後の対応についてのお考えをお願いいたします。

A:昨日、トヨタ、マツダ、ヤマハ、ホンダ、スズキの自動車メーカー5社から、型式指定申請において不正行為があった件について、国交省に報告した旨、経済産業省にも報告がありました。
型式指定申請において不正を行うことは、自動車ユーザーの信頼を損ない、かつ、自動車認証制度の根幹を揺るがす行為です。今回、新たな不正行為が明らかになったことは、極めて遺憾であります。
今般の事案によって、一部の自動車会社においては、昨日から出荷、生産を停止していると承知しています。経済産業省としては、生産停止に伴うサプライヤー等への影響を速やかに調査し、その結果を踏まえ、必要な対策について検討したいと思います。

日EU水素ビジネスフォーラム

Q:昨日の水素フォーラムについてお伺いいたします。昨日、日EUで水素普及に向けた共同の工程表を作ると合意されました。また、合意内容の中では、水素と化石燃料の価格差支援を担う政府系機関同士のMOUも含まれました。
日本では年内に支援先の企業を選定を目指すと、以前、閣議後会見で大臣はおっしゃっていましたけれども、今回の日EUの連携によって、新たに具体的に日本企業にどんな影響があるか、また、もう一点、今年度はエネルギー基本計画改定の年度でもありますので、今回の工程表の内容というのがエネルギー基本計画にどんな影響があるか、教えてください。

A:我が国は、今後、カーボンニュートラルの実現に向けて、先日成立した水素社会推進法に基づき、低炭素水素等のサプライチェーンを構築していく方針です。
その際、脱炭素や安定供給といった価格以外の要素が正当に評価をされる市場を協調して創出することが重要であり、昨日、欧州委員会のシムソン委員と日EUクリーンエネルギー産業政策対話を設置することで合意しました。
こうした取組を通じて、日欧で歩調を合わせながら水素市場を構築し、日本企業が持つ高い技術や品質が適正に評価され、日本企業の競争力強化や市場獲得につながることを期待しています。
なお、工程表は、ビジネスプラットフォームの設立、規格調和、日欧共同での水素銀行構想を進めることを目指し、今後作成を進めていきたいと思っています。
水素による発電量などを規定するものではないので、次期エネルギー基本計画に直接的に関連することは想定していませんが、日欧で水素のサプライチェーンを早期に広げていくためにも、できるだけ工程表の具体化を急ぎたいと思っています。

日産自動車下請法違反

Q:先週日産が記者会見を開きまして、内田社長がサプライヤーから不満の声が上がっているのは事実として、誤解を招く取引上の見積りのフォーマットやメールを廃止したと発表しました。ただ、今回の調査は日産側による日産社内の調査にとどまっておりまして、下請企業側への調査がないという点から、本当に適正な取引環境があるかどうかという点では不十分ではないかなと思います。この点について、大臣の受け止めと、今後求める対応というのはどういうものか、お考えをお聞かせください。

A:日産自動車に対しては、従前から報道されている事案について早急に調査を終え、その結果をしっかりと対外説明することを求めてきました。そうした中で、先週金曜に内田社長らが出席する形で記者会見が行われたと承知しています。
記者会見においては、今般の報道に関する事実関係について、弁護士による外部調査の結果の説明がありましたが、法令違反の有無については、一般論として、独禁法や下請法に基づき、公正取引委員会において適切に判断されるものと思います。
今回の記者会見において、誤解を招くフォーマットの廃止や取引先からの相談・通報を受け付ける社外ホットラインの設置など、取引適正化に向けた前進があった部分もありますが、他方、今般の事例は氷山の一角ではないかという指摘も現にあります。こうした中、日産においては、本事案に限らず取引全体について点検を継続されていると承知しています。
これを機に徹底的に点検を進め、取引先との信頼関係は競争力の原点であるという認識に立っていただき、新たな体制も活用して、サプライチェーン全体での取引適正化につなげていただきたいと考えています。
経済産業省としても、日産から定期的な進捗報告を求め、改革の進捗状況をフォローし、必要に応じて指導してまいりたいと考えています。

日本原子力発電敦賀2号機

Q:日本原子力発電の敦賀2号機についてなんですけれども、原子力規制委員会が先週の金曜日でしたか、敷地内断層の活動性を否定することは困難というふうに結論付けまして、それで、廃炉となると、既設炉の最大限活用を掲げる原子力政策にも影響が出るのではないかなと見られますけれども、大臣の受け止めをお願いできますでしょうか。

A:日本原子力発電の敦賀発電所2号機については、原子力規制委員会において審査が継続している最中と承知しており、その内容や評価について私がコメントすることは適切でないと考えていますので、まだ結論も出ていませんし、コメントは差し控えるしかないと思っています。

自動車メーカー型式不正

Q:自動車メーカーの認証不正問題について伺います。自動車産業は非常に産業の裾野が広いわけですが、サプライヤーや日本経済への影響の大きさについて、現時点ではどう考えていますでしょうか。
それと、必要な対策について検討を行うということですが、具体的にどういった対策があり得るとお考えなんでしょうか。よろしくお願いします。

A:先ほども申し上げましたが、一部の自動車会社においては、昨日から出荷・生産を停止していますので、経済産業省としては、この生産停止に伴ってサプライヤーにどういう影響が出るかについて速やかに調査し、その結果を踏まえて対策を検討していきたいと考えます。対策として資金繰りその他が想定されますが、調査結果をまずは待ちたいと思っています。

節電不要請

Q:この夏の電力需給について、3年ぶりに安定供給で最低限必要な電力が見込めるとして、夏の時期3年ぶりに節電要請を行わない方針を示したということですが、こちらについて大臣の御所感をお伺いしてもよろしいでしょうか。

A:この夏は、最低でも予備率4%以上を確保できる見通しであることから、3日の審議会での御議論を踏まえ、節電要請を行わないことを決定しました。
ただ一方で、老朽化した火力発電所への依存などの構造的な課題は現実にあるので、電力需給は予断を許さない状況と認識しています。
このため、供給面では、再エネの最大限の活用や、安全性の確保を大前提に原子力発電所の再稼働を進めるとともに、連系線等の増強を通じた系統対策にも取り組んでいかなければならないと考えています。
また、需要面でもエネルギーコストの上昇に強い省エネ型の経済・社会構造への転換を図るため、様々な対策も講じていますが、企業や家庭の省エネ対策にも引き続き取り組んでいかなければならないと考えています。

以上

最終更新日:2024年6月4日

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