農林水産省・新着情報

坂本農林水産大臣記者会見概要

日時 令和6年6月4日(火曜日)9時34分~9時43分 於: 本省会見室
主な質疑事項
  • (大臣から)「令和5年度森林・林業白書」の閣議決定について
  • JA全農が供給する秋肥価格の値上げに対する受け止めと影響緩和対策について
  • 諫早湾干拓事業に係る請求異議訴訟の相手方当事者等への説明会について

冒頭発言

大臣

  本日、私から1点、報告がございます。本日の閣議において、令和5年度森林・林業白書が閣議決定されました。今回の白書では、特集を花粉と森林として、花粉症対策を取り上げています。スギの伐採・植替えの加速化や木材需要の拡大、苗木生産の拡大等によって将来的にスギ花粉を減らしていくという方向について理解を得られればと考えています。
  また、トピックスでは、森林環境譲与税を活用した取組の拡大、クリーンウッド法の改正、令和6年能登半島地震による山地災害等への対応などを取り上げています。
  この白書により、多くの国民の皆様が、森林·林業に関心と理解を深めていただけることを期待しています。詳細は、この後、プレスリリースします。本日、私からは以上です。

質疑応答

記者

  肥料価格について、JA全農が6月から10月に供給する秋肥の価格を引き上げると発表しましたが、受け止めと今後の対応を聞かせてください。また、改正食料・農業・農村基本法では、農業資材の価格の著しい変動が育成すべき農業経営に及ぼす影響を緩和するために必要な施策を講ずると規定しましたが、今回の価格上昇がこれに該当するかも含めて、所見を聞かせてください。

大臣

  先日5月31日(金曜日)、全農が化学肥料の卸売価格について、基準銘柄で前期に比べ10.6%の引き上げを公表したことは承知しています。
  その主な要因としては、大幅な円安や物流費や人件費など製造コストの上昇などが挙げられています。
  また、今回の値上げ後の価格については、前々期、すなわち昨年の秋肥価格と比べると2%程度のわずかな上昇にとどまっていると承知しています。
  このため、農水省としては、輸入肥料原料価格の影響を受けづらい構造への転換を進めていくことが重要と考えており、堆肥などの国内資源の活用等に向けて、引き続き、堆肥製造施設などの整備支援等を行ってまいります。また、自治体による重点支援地方交付金の活用を促しつつ、今後の肥料小売価格の動向を注視していく考えです。
  昨年12月、食料安全保障強化政策大綱には、平時より通関における肥料原料価格等を調査し、肥料小売価格の急騰が見込まれる場合に影響緩和対策を実施する旨、位置付けたところです。
  今回の改定は、令和4年度に高騰対策を実施した際と比べても、急騰に当たる局面とまでは言えないと考えています。

記者

  6月1日に諫早湾干拓事業関連の説明会が長崎県で開かれ、関連訴訟の原告の漁業者からは、有明海の再生に向けて具体的な成果が欲しいという声が上がっていましたが、今回開かれた説明会の成果と今後の対応を聞かせてください。

大臣

  6月1日の説明会では、請求異議訴訟の相手方当事者であった45名のうち17名及び弁護団が参加され、事務方から大臣談話の趣旨等を直接説明することができました。
  出席者からは有明海再生への道筋を示すべきなどの様々な御意見がありましたが、お会いした皆様とは、有明海再生に向けた思いは同じだと受け止めました。
  また、今回と同様の説明会を開催してほしいとの要望があったと聞いていますので、事務方には、引き続き、ていねいに対応するよう指示したところです。

記者

  説明会では、農水省側から開門請求権の放棄が協議の条件であることと、間接強制金の返還については国として求めないということが示されましたが、それぞれの考え方と、所感をお願いします。

大臣

  まず、開門請求権について、令和5年3月の大臣談話の趣旨は、開門によらない有明海再生をめざすということであり、関係者が一致団結して取組を進めるため、大臣談話の趣旨に沿った平穏な環境づくりに御協力いただきたいとの趣旨でお願いしたものです。
  なお、裁判を受ける権利は憲法が保障する権利であり、これを奪おうとする意図はまったくありません。
  間接強制金は、平成22年の福岡高裁判決に基づく平成26年の裁判所の強制執行の決定に従い、45名の勝訴原告の方々に支払ったものです。裁判所の決定に従い支払義務を履行したものであり、令和4年3月の請求異議訴訟の確定判決によって支払いの位置づけに変更が生じるものでありません。このため、返還を求めるものではありません。
  農水省としては、このような認識について、当事者の方々に直接お伝えすべきと考え、説明会の機会を捉え、お伝えしたところです。

記者

  間接強制金に関して、国はこれまで返還を求めるような主張もされてきていたかと思いますが、求めないことにした理由を改めて伺いできますか。

大臣

  間接強制金は、平成22年の福岡高裁判決に基づく平成26年の裁判所の強制執行の決定に従い、45名の勝訴原告の方々に支払ったものです。裁判所の決定に従い支払義務を履行したものであり、令和4年3月の請求異議訴訟の確定判決によって支払いの位置づけに変更が生じるものではないため、返還を求めるものではないということです。詳細については、事務方にお尋ねいただきたいと思います。

記者

  大臣談話の中で触れられた話し合いの場について、今後、原告の方々が開門請求権を放棄しない場合、原告らを除いて協議をするような考えもあるのか聞かせてください。

大臣

  その辺についても、事務方にお尋ねいただきたいと思います。相手がある事柄であり、引き続き大臣談話の趣旨にご賛同いただけるように呼びかけていきたいと思います。


報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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