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伊藤大臣閣議後記者会見録 (令和6年5月28日(火)09:30~09:50 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 まず、外来生物法施行令の一部を改正する政令の閣議決定について御報告申し上げます。
 本日の閣議において、外来生物法施行令の一部を改正する政令を決定いたしました。アフリカヒキガエル、そしてオオサンショウウオ属のうち、日本固有種のオオサンショウウオ以外の生物を、その交雑種も含め、新たに特定外来生物に指定するものです。特定外来生物の指定により、今後、飼育や移動等が規制され、生態系への被害の防止につながることが期待されます。なお、指定する種の詳細については、お手元の資料を御覧ください。
 次に、地域脱炭素に関する国と地方の意見交換会について御報告申し上げます。昨日、地域脱炭素に関する国と地方の意見交換会を開催し、地方3団体の皆様と、地域脱炭素を推進する上での課題や今後の施策の方向性について、意見交換を行いました。意見交換会の場でも発言しましたとおり、本年6月から開始する地球温暖化対策計画の見直しの議論に併せて、令和3年に策定した地域脱炭素ロードマップに基づく取組の進捗状況について、専門的見地から総括し、今後の施策の方向性を示すべく、来月をめどに地域脱炭素に関する有識者検討会を立ち上げます。昨日の意見交換会での地方3団体の皆様からいただいた御意見をしっかり受け止め、有識者検討会における議論を進めてまいります。
 次に、環境の日、環境月間についてでございます。来月6月は環境月間、そして6月5日は環境の日です。環境省は環境の保全について国民の皆様に理解を深めていただくよう、環境月間の期間中に、SNSなどを通じた情報発信を集中的に行っています。今年度はライフスタイルの変革を促進することを目的に、自然や生き物、食品ロス、サステナブルファッションなど、身近なテーマを取り上げます。一人一人の環境保全の取組がより良い暮らしの実現、さらには経済・社会の発展や、地球の未来につながることを共有し、同心円で取組を広げてまいります。
 次に、令和6年能登半島地震への対応についてでございます。令和6年能登半島地震に関する公費による家屋等の解体については、これまで解体の申請窓口を行う地方自治体職員の派遣等による申請受付事務の支援や、解体工事に先立って行う現地調査や解体費用算定といった工事前調整の専門の技術者の大幅な増員等を行ってきました。こうした支援により、石川県内では、4月末から現在にかけて、公費解体の申請棟数が約1万棟から約1万5,000棟に増加し、解体実施棟数も約300棟から約800棟に増加しています。このたび、家屋等の解体のさらなる加速化に向け、本日、公費による解体、撤去の申請手続のさらなる円滑化に関する事務連絡を法務省とともに発出しましたので、お知らせいたします。
事務連絡の内容は、大きく次の2点でございます。家屋等が倒壊、消失、流出等により滅失し、建物性が失われた場合には、建物所有権等が消滅することを明記し、関係者全員の同意がなくても、公費による解体、撤去を行うことが可能であることを明らかにしました。また、倒壊していない損壊家屋等については、共有者等の意向を確認することが困難な場合の、いわゆる宣誓書方式について、具体的な手順等をお示しするとともに、その積極的な活用を促しております。環境省としては、これまで御尽力いただいた各自治体の御担当者の皆様に改めて感謝を申し上げるとともに、この事務連絡が公費による解体、撤去の手続の円滑化につながるよう、被災市町村にしっかり周知を行ってまいります。引き続き、公費解体の円滑かつ迅速な実施に向け、関係省庁とも連携して取り組んでまいります。
以上でございます。
 

2.質疑応答

(記者)おはようございます。よろしくお願いします、幹事社のフジテレビの岩田です。
 先ほどお話に上がりました、被災家屋の公費解体について、こちら現在の進捗状況をどのように評価されていますでしょうか。また、今般の公費解体の申請手続のさらなる円滑化に向けた取組を進めるとのことですが、これにより公費解体に向けた課題は解消されるとお考えでしょうか。残っていると認識されている課題があれば、今後どのように対応されていきたいか、考えを教えてください。よろしくお願いします。
(大臣)はい。今冒頭でお伝えしましたとおり、石川県内では公費解体の申請棟数が約1万5,000棟、解体実施棟数が800棟と、ともに増加しており、公費解体は着実に進捗していると思います。また、今回の事務連絡により、これまで関係者全員の同意を得ることが困難であった場合においても、申請が可能になるなど、公費解体の申請手続のさらなる円滑化が期待されております。
 今後は、このような解体申請手続の円滑化や、解体工事の加速化を進めるとともに、解体工事で発生する大量の廃棄物の処理を着実に進めることが重要となると考えております。具体的には、解体廃棄物に関する必要に応じた仮置場の増設、陸上輸送や海上輸送、県外の広域処理などを計画的に進めていく必要がございます。今後とも石川県と緊密に連携し、各市町で解体工事及び災害廃棄物処理が円滑に実施されるように全力で支援を行ってまいりたいと考えております。
 
(記者)熊本日日新聞の髙宗です。水俣病の件でちょっとお尋ねしたいと思います。
 現在の特殊疾病対策室長が、2023年に石綿健康被害対策室長であったときに、中央環境審議会の小委員会の運営をめぐって、被害者側から運営の在り方に対して抗議文が環境省に出ているのですけども、この抗議声明について、どのように総括されて改善していくべきだというふうに内部で協議されたか、ちょっと教えてもらってもいいでしょうか。
(大臣)抗議声明の詳細が、現在私の手元にございませんので、詳細なお答えは今日の時点ではお答えできませんけれども、後で調べて事務方からお答えしたいと思います。
(記者)抗議声明を受けていろいろ改善策とか議論されたと思うのですが、そういう経緯があった中で、なぜ今回のマイク切れが起きたのか、大臣の所感を教えてもらってもいいでしょうか。
(大臣)先日の記者会見でも申し上げましたけれども、今後、環境省においてこういった事案が起きないようにしっかり指導してまいりたいと、そのように思います。
(記者)それは理解するのですが、総括された結果が生かされていないのではないかと思うのですが、その点はいかがでしょう。
(大臣)生かせるように努力したいと思います。
 
(記者)NHKの林と申します。
 冒頭におっしゃった能登半島地震の公費解体について、幹事社質問とも大きく重複する部分はあるかもしれないのですけれども、広域処理等に言及されましたが、改めて、今の課題というのは、まさにそこにあるのか、それとも今進んでいる中で、ほかにも公費解体の課題というのはあるという認識はあるのか。そして、改めてそれを解消するために、環境省として、この公費解体が復興のためにどのようなものだというような位置づけをもって政策を進めているかというのを伺ってよろしいでしょうか。
(大臣)冒頭で申し上げたことが多分中心だと思いますけども、公費解体をめぐっては、手続の話、それから実際にどのようにやっていくか、いろいろ諸課題はあると思います。環境省としては、その諸課題を一つ一つ解決して、石川県、また関係市町村と連携して、しっかり公費解体が円滑に進むように努力してまいる、そのように考えております。
(記者)当然のことかもしれないですけど、やはり発生から今までこういう支援を続けているというのは、改めて公費解体、そして災害廃棄物の処理というのが、やはり環境省にとっても、復興に何よりも大事というか、そういう位置づけのために、こういう政策を継続されているということなんでしょうか。
(大臣)環境省の所管としては、し尿処理、それから公費解体、そしてまた、そこから発生する災害廃棄物の処理というのを所管しておりますので、そこを中心に、アニマルウェルフェア(被災ペット)も所管しておりますけれども、環境省として努力して、公費解体、そしてまた、災害廃棄物の処理が円滑に、なるだけ石川県がお示しになっている期間内に完了するように全力を挙げたいと、そのように考えております。
 
(記者)日刊工業新聞社の松木です。
 先ほど、地域の3団体の方と意見交換をされたということでしたけども、どのような意見があったのか、例えば、地域側からどのような要望というのがあったのかどうか、地域脱炭素先行地域の拡充を求めるような声があったのかどうかというところと、あと、その脱炭素有識者会議をまた作るということでしたけれども、開催頻度ですとか、取りまとめの時期とかが、あるのかないのか。あとそのメンバー、さっきは有識者ということでしたけども、例えばその中に若者が入るのかどうか、その辺りをお聞かせください。
(大臣)まず、昨日行われた意見交換会でございますけれども、環境省のほうからは、地域脱炭素の取組の状況や課題について御説明した上で、地方3団体の皆様から地域脱炭素政策に関する御意見をお伺いいたしました。3団体の皆様からいただいた意見をある程度集約して申し上げれば、地域脱炭素に取り組む地方公共団体の財源確保、人的支援、地域と共生した再エネの推進、それから再エネ設備の撤去・廃棄を適切に進めるための方策等について、幅広い御意見をいただいたところでございます。
 今回いただいた御意見の内容については、環境省としてもしっかり受け止めて、来月をめどに立ち上げる有識者検討会において、地域脱炭素の課題及び今後の施策の方向性について、議論していきたいというふうに考えております。
 それから、次回は本年秋頃に、今後の地域脱炭素施策の方向性について、地方3団体との意見交換の場を設けさせていただきたいというふうに考えております。検討会の詳細については事務方にお尋ねいただきたいと思います。
 
(記者)エネルギージャーナル社の清水です。
 今の松木さんの質問に関連するんですが、脱炭素地域、これは先行地域のことですけれども、当初予定した24年度いっぱいを了すると、100地域がほぼ決まってくるということで、次期計画なり脱炭素の先行地域のフレームや何かをどうするかということが課題だろうと思うんですが、その辺のお考えと、今度の有識者会議でもそれを議論の対象にするのかどうか、その点よろしくお願いします。
(大臣)脱炭素先行地域というのは、そこだけに留めるということでなく、それが横展開するということを期待して指定しているわけでございます。御下問の、第2期でどれぐらい増やすのかとか、それについては、まだ具体的な計画は決まっておりません。今回の脱炭素先行地域の指定、それが地域全体に、それこそ同心円に広がっていくかどうか、そこも踏まえながら計画を策定していきたいというふうに考えております。
(記者)地球温暖化対策計画を見直しして、強化・拡充の方向だということからいくと、100地域以外の水平展開以上に、全国津々浦々にやることが、やっぱり役割というか、必要だと思うんですけど、どうですか。
(大臣)基本的には同じ考え方です。ただ方法論について、脱炭素先行地域そのものの数を増やすやり方がいいのか、また別のフレームがいいのか、ここも含めて検討を進めてまいりたいと、そういうふうに考えております。
(記者)それからもう1件、別件なんですが、岸田首相が日中韓の首脳会談を昨日、行われたと。それで、日中環境協力というのも非常に重要なテーマだと思うんですが、報道によれば、気候変動対策とか持続可能な開発、中国製品の問題も入っているんだろうと思うんですけれども、やっぱり日中の環境協力の在り方が、今回の3首脳会談で相当やっぱり変わってくるといいますか、どういう方向を目指すべきだというのは何か明確になったのでしょうか。その辺の、今度の会談の環境関連のことが、どういうやり取りだったか伺いたい。
(大臣)現時点で、会談の詳細については外交上のこともあり、私も完全に把握しておりませんけども、いずれにしても、日中韓が首脳でこれから意思疎通をはかっていくことは、環境問題に関しても、より意思疎通が円滑になるというふうに考えております。
 私は、もう既に、日中韓の環境大臣会合というものが(昨年)名古屋で開かれて出席しておりますけれども、次回も、今年、適切な時期に開かれるものというふうに予定しております。その日中韓の環境大臣会合だけではありませんけれども、あらゆる場合において、日中韓、また、とりわけ日中において、環境問題についてお互いに理解を深めて、地球環境という共通の課題について前進してまいりたいと、そういうふうに考えております。
(記者)やっぱり中国の気候変動対策を強化するということは、世界中のニーズだろうと思います。アジアで、隣国で中心の日本が、そういう働きかけなり、あるいは、どういうことだったらできるんだという、その辺の議論というか、提起というか、そこをやっぱりやるべきだと思うんですけど、どうですか。日中韓の環境大臣会合や何かも踏まえて、今後の対応として、お考えはありませんか。
(大臣)日中韓環境大臣会合もございますし、COP28のときも2か国会談を行っておりますし、今御指摘の点も含めて私のほうから発言しております。
 

会見動画は以下にございます。
https://youtu.be/-fWJHF8xeYs?si=jpnKm5WSYZrQwKdk
 
 

(以上)

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