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土屋復興大臣記者会見録[令和6年6月5日]

令和6年6月5日(水)18:00~18:13 於)石川県庁1階展示ロビー

1.発言要旨

 本日は、珠洲市、能登町を訪問し、珠洲市長、能登町長と面会をし、被災地の現状を聞くとともに意見交換を行いました。

 また珠洲市宝立町、飯田港、能登町、白丸地区の津波被災状況や白丸地区の仮設住宅を視察いたしました。この後、馳知事と駅事務所にて意見交換を行う予定にしております。

 視察を通して、地区全体が壊滅的な津波被害をこうむったケースが多かった東日本大震災と異なり、能登半島地震では、地区の中でも被害状況に差があり、同じく地区でも津波もあるし、地震によっておうちが倒壊したのと同じ場所に点在している状況であるなと思いました。今後の復興まちづくりに向けては、住民の合意形成を丁寧に行うことが重要だと感じたところでございます。

 また、視察の中で大変な御苦労と復旧復興に向けた一歩一歩の取組をお聞きしまして、政府として生活となりわいを支えていく取組が必要という思いを新たにしたところでございます。

 復興庁が東日本大震災の被災地に長く寄り添う中で蓄積した教訓が能登半島地震からの復旧復興の一助となるよう、復興大臣としても尽力してまいりたいと思います。

 以上でございます。

 

2.質疑応答

(問)今日お会いになった市長、町長からはそれぞれ具体的な要望であるとか、今後の支援についての話というのはあったんでしょうか。

(答)要望というよりも、現状、発災直後のお話もいろいろ伺いましたし、またその後の今の現状についてもお伺いすることができました。

 その中で、今もお話ししましたけども、珠洲の宝立町では住民の意見を聞いて合意形成に取り組み復興に向けたまちづくりを行っていくということをおっしゃっておりまして。その件につきましては、東日本でもかなり住民の意見を聞いたところと、聞いたんだけどもなかなか合意形成ができなかったところとまちまちなんですね。そういう意味では、丁寧に住民の意見を聞いて、合意形成できればコミュニティーが一緒の方が結果的には良くなっている地域もありますよというお話はさせていただきました。

 それから能登町白丸地区では、地区に残りたいという住民の希望を聞いて、ここが地区内の仮設住宅の建設戸数を当初希望した数よりも、同じ地区で、同じ地域に住んでいた人が当初よりも後からまた入りたいという人が増えて、最初に造る予定の場所にその数が建てられないんで、すぐ近くにまた増やしたということで。それは今までの中ではなかなかそういうことできなかったんですけども、県と相談してその許可を得て、地域の人が近くでしっかりコミュニティーできるような形成をしたということを聞きまして。お話の中で、いろいろ東日本の知見を聞いて、それが役に立っていますというお話を伺いました。

 それから仮設住宅も見させていただいたんですけども、仮設住宅の中の設備が、クーラーもあれば二重サッシにもなっているし、それからキッチンもシンクもかなり大きいんで使い勝手がいいかなと思ったのと、それからお風呂も温度が一定に保たれるようになっているとか、トイレもウォシュレットがついていたりと、非常に元々の生活に合ったような形に作られていて、狭いは狭いと思うかと思う方も多いかもしれないけど、取りあえずは生活しやすい空間ができたのかなと思いました。

 それからびっくりしたのは、いろいろなところから食器とか、善意の寄付みたいなものがあって、洗剤とか、もうすぐに入ったら使える最低限のものが用意されている。ここら辺も大変総合的に見て、きめの細かい支援だなと思って感心したところでございます。

 それから私のほうからは、東日本大震災の教訓知見を取りまとめた東日本大震災復興政策10年間の振り返りという、重い厚い本をお渡しいたしました。是非参考にしてくださいということでお渡しした次第でございます。

(問)今回の能登半島での地震の影響で長期間にわたって住み慣れたところから離れていくようなことを強いられているというような地区もあります。東日本大震災でも、津波でやはり長期間にわたって避難生活を余儀なくされた事例があったと思いますが、その辺りの避難の長期化、あるいは住みなれたところに戻るにあたっての施策、あるいは支援策、被災者の方にどのようにしていくかという知見として、どのように生かしていけるとみられていますか。

(答)その話も出まして、東日本の場合は本当に発災直後にばらばらに皆さんいろんな地域に移られた方が多くて、日本中あちこちに点在している状況で、そういう中で今やはり人口が減少しているというのが大きな課題になっていると思います。戻ってくる方がなかなか少ないということもありまして、特に津波の地域はまだ高台移転とかいろいろしまして、人口もある程度いるんですけど、福島に関しましては、一番そこは比較できないんだろうと思いますけども。

 そういう意味では、今回先ほど話したように、町内に災害住宅を建てた、仮設住宅を建てたということは非常にいいんじゃないかと思います。能登の方たちってコミュニティー結構しっかりしていて非常に助け合っているということでありまして、そういう人たちが離れたくないという話が今日も聞かれまして、そういう意味ではできる限り土地が少ないところだけども、地域に近いところに住めるように早くスピードを持って、住民の避難場所をしっかり確保する災害住宅、仮設住宅を確保するように努力したいという話でした。

 それから今後の方針として、どういうまちづくりにするかとかいろんなことがあると思うんですけど、そういう中で私のほうからは住民の意見は聞くことは大事であると、だけども長くなるにつけ、あまりにも長くなるとやはり住民の帰還が厳しくなるので、ある程度で皆さんの合意をしっかり取り付けた方がいいんじゃないんですかという話はさせていただきました。

(問)時間がない中で簡潔にいきたいと思います。今回の県復興プランなんかも話していて、その中にはうたわれていないんですけど、やっぱり一つ今回の課題っていうのは、令和の復興でないかというか、元に戻す、全部1人ごとに戻していいのか、集約化すべきではないかとか、いろんな国内から出ています。

 その辺り、改めて大臣として、令和の復興と能登半島地震、どういうふうに向き合っていけばいいか、特に集約化のところですね。その辺りのお考えはどうでしょう。

(答)無理な集約化っていうのはかえって心が離れるということがあるかなと思うんですけども、できる限りやはり住民との話し合いをしながらの集約化はしていかないと、日本の国の人口も減っていきますし、あと地方自治体の財政面でも相当厳しいものがありますので、やはりそういう協力していただくっていう姿勢を首長さんなんかも訴えていく必要があるのかなと思ったところでございます。大変大きな重いテーマだとは思います。

 どうもありがとうございました。

(以  上)

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