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伊藤大臣閣議後記者会見録 (令和6年5月31日(火)09:30~09:48 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日から令和6年度食品ロス削減推進表彰の募集を消費者庁と合同で開始いたします。この表彰は、食品ロス削減に効果的であり、波及効果が期待できる優れた取組を表彰するものです。7月31日まで募集を行い、9月下旬頃に受賞者を決定する予定でございます。食品ロスの発生量は事業者や国民の皆様の御協力のおかげで減少傾向が続いておりますが、この流れを確かなものにするためには、食品ロス削減の取組をさらに拡大・定着させる必要があります。全国で様々な取組を進めている皆様の御応募をお待ちしております。
 次に、令和6年能登半島地震復旧・復興支援本部について御説明申し上げます。本日、能登半島地震復旧・復興支援本部に出席し、公費による解体の進捗状況、面的な解体・撤去の加速化等について御報告いたしました。工事発注の加速化のため、現地調整や費用算定といった、工事前調整の効率化・体制確保に取り組み、解体実施総数が1,000棟を超えました。また、建物性が失われた倒壊家屋等について、法務省と連携し、関係者全員の同意取得を不要として公費解体の申請手続を簡素化することにより、面的な解体・撤去に取り組んでまいります。特に大規模な火災が発生した輪島朝市エリアにおいては、一部の箇所で既に解体・撤去工事を実施しているところですが、同エリアにおける登記官の職権による滅失登記を受け、面的な解体・撤去を加速させてまいります。引き続き、石川県、関係省庁と連携し、被災市町を全力で支援してまいります。
 以上ございます。
 
 

2.質疑応答

(記者)幹事社のフジテレビの山下です。よろしくお願いします。まず水俣病患者連合との再懇談の日程について御質問させてください。
 先日に水俣病患者の連合が再懇談の日程について、7月の10日と11日の2日間と言っていました。まだ調整が進んでいない団体もある中ですが、確度はどうなっていますかというのと、あと別の日程を希望している団体があるのかどうか。また、開催の形式として前回同様に会場に集めるのか、それとも2日にわたっているので複数のグループに分けたり、それぞれ個別に回られるなど検討状況はどうなっているでしょうか。教えてください。
(大臣)水俣病の再懇談の日程については、7月に開催する方向で関係団体との間で調整中でございます。開催の形式については、複数の回に分けて開催という希望も伺っており、その点も含めて調整中でございます。
 以上でございます。
 
(記者)毎日新聞の山口です。よろしくお願いします。北海道の知床岬の太陽光パネルの件でお尋ねしたいと思います。
 今、オジロワシの繁殖の状況を確認するということで、工事を見合わせている状況かと思うんですけれども、環境省として今後、事業者への指導の在り方とか、事業自体の進め方を見直すというような考えは今のところ何かあるんでしょうか。
(大臣)この知床半島における携帯電話基地局の設置に関連し、工事箇所の近くにオジロワシが営巣していたことのある樹木が確認されました。このため環境省は、事業者とともに専門家の協力を得て、5月23日に知床岬の現地において、その樹木の調査を実施いたしました。調査の結果、その樹木では現在、オジロワシが営巣・繁殖していないことを確認いたしました。
 この結果について、6月7日に開催される、知床世界自然遺産地域科学委員会で報告することを予定しており、それまで着工を見合わせていただいております。環境省としては、科学委員会から得られる助言を含め、引き続き、事業者には希少種等への配慮の徹底を求めてまいりたいと思います。
(記者)ありがとうございます。今の件でちょっと続きで、地域委員会からの指摘で今回、調査を5月中旬にされたということだったんですけれども、そもそも地域科学委員会への説明というのが、今回、不十分だったんじゃないかというふうなことも問われましたと。地元への工事の太陽光パネルの設置規模というのも、後から地元首長さんが驚いたというような御発言もされているんですけれども、環境省として今回、環境を保護するという観点で、これまでのこの事業の進め方というのは、適切だったとお考えでしょうか。
(大臣)これまで諸法令に基づき手順を踏んで、環境省としてはこの問題に対応してきたというふうに考えておりますけれども、もう少し詳しくお話を申し上げますと、この知床岬における携帯電話基地局の整備事業において、太陽光発電パネルや蓄電池が設置される敷地は7,000平方メートルでございます。ただし、その敷地の中で太陽光発電パネルが設置される箇所は、水平投影面積で386平方メートルでございます。また蓄電池が172平方メートル、フェンスが187平方メートル違いますが、このほかの大部分の箇所には、人工物を設置する予定はないと聞いております。
 それから生態系への影響については、携帯電話事業者は事前に環境調査を行い、希少植物の生育地点を避けて設備を設置することとしており、影響を軽減する措置が取られていると認識しております。
 また、景観の影響でございますけれども、景観への影響については、海上の観光船など、一般の国立公園の利用者からの見え方が重要だというふうに考えておりまして、アンテナを知床岬の灯台と同じ色にして、灯台に敷設して、太陽光発電施設の位置を海岸部から離して、見えにくくするなどの景観にも配慮されております。
 そういうことでございますけども、こういう事業については、生態系や景観に関する影響は限定的であると考えておりますが、事業者や様々な機会を通じて、改めて環境配慮の徹底を求めていきたいと思っております。
(記者)ありがとうございます。環境面のことは承知しました。今になってですね、工事を進めてからいろいろと声が上がったり、中断を余儀なくされているという状況なんですけれども、進め方自体に関しての合意形成の在り方というのは適切だったというふうにお考えでしょうか。
(大臣)諸般の手続や手順に基づき行われてきたと私は認識しております。
 
(記者)北海道新聞の大能です。関連してお伺いします。
 知床の携帯基地局についてですね、一部報道で設置主体のKDDIさんが、環境省が6月上旬まで生態系の調査を行うというふうにコメントしておりますが、環境省として現地調査を行う御予定はございますでしょうか。
(大臣)環境省が直接行う規模ではないのですけれども、現時点では諸法令とか手順においては、直接行うという予定はしておりません。
(記者)あともう一点ですね、昨日、斜里町の町長がホームページにて先行しているウトロ地区とニカリウス地区の整備後に先端部をやったほうがいいんじゃないのかという趣旨の文書を提示しているのですが、直接、環境省に対してこういった申出は現地でもありますでしょうか。
(大臣)今おっしゃったとおり、斜里町のホームページに知床岬携帯基地局整備についての町長の考えが掲載されたということは認識しております。ただ現時点では、斜里町長から環境省に対して直接要望は伝えられてございません。
(記者)書いているとおりにやるとすると、かなり時間がかかるのではないかと思うんですけれども、この文書についての大臣の御見解をお聞かせ願えますか。
(大臣)今申し上げましたように直接伝えられておりません。いずれにしても、斜里町、羅臼町の両町から知床は構成されておりまして、斜里町長の真意を確認するとともに、羅臼町の意向を確認することも重要と考えております。
(記者)両方の首長の意見を確認した上で判断するという、そういうお考えでしょうか。
(大臣)はい。
(記者)ありがとうございます。
 
(記者)テレビ朝日の中尾です。おはようございます。話が変わりまして、本日発表になった公費解体の件でお伺いいたします。
 資料も配布されまして、その右下のほうに輪島朝市というのを特に念頭にしたプランを提示いただきましたけれども、輪島朝市というのを特にその地域に限定した、このようなプランを示された理由とか、背景とかがあればお示しください。
(大臣)今回の滅失手続、あるいは全員の同意がなくても宣誓書方式やるというのは別に朝市のためだけにやったわけではございません。
 しかしながら、輪島朝市は皆さんもたくさん報道なさいましたけども、やはりあそこがなかなか面的な公費解体が進まないということは、ある意味で非常に復旧・復興の1つの大事な課題でもあろうと思います。そこで輪島朝市を言及したということですが、今回の公費解体にわたる事務連絡の発出が、輪島朝市のためだけにやったわけではないということは申し上げたいと思います。
(記者)ありがとうございます。この件で先日も記者説明を事務方のほうからやっていただきまして、その際に輪島朝市を復旧・復興の象徴にするというような記載もありまして、それに関連し、例えば大臣としてもそういった復旧・復興の象徴にしたいというような考えをお持ちなのか、この朝市を復旧・復興することによってどういうことにつなげていくかというお考えがあれば教えてください。
(大臣)象徴にしたいという表現をどう捉えるかですけども、やはり今回の能登半島地震において、多くの方が被災されておりますけれども、輪島朝市は地震、そしてまたそれに関連した火災によって全面的に倒壊また焼失しているわけです。
 そういう意味におきまして、能登半島地震の復旧・復興が進んでいるな、という実感を皆さんにお感じいただくためには、輪島朝市のまずは公費解体、そして復旧・復興が大事だというふうに私は考えております。
(記者)重ねてで恐縮です。そういったことを何らか政府の計画に具体に文言として盛り込んでいくというような、そういう政令とか、あるいは計画の中に具体に文言として盛り込んでいくというようなお考えはお持ちでしょうか。
(大臣)これは環境大臣の範囲を超えるかもしれませんけど、これは防災担当大臣、総理と相談して、進めてまいりたいと思います。
 
(記者)朝日新聞の市野です。水俣病のことで、最初の御回答に念のため確認なんですけど、まだ調整中ということなんですけども、7月の開催の方向で、どのような方式で開催していくのか。それは個別にお話をしていくのか。あるいは全体で5月1日のときと同じように聞いて、最後にお答えしていく形なのか。その辺りの方式の話で何か決まっている部分がありましたら、あるいはこのようにしたいという意図などがありましたら教えていただきたい。
(大臣)まだ具体的には決まっていませんけど、私としては十分な時間を取る。そして、また充実した意見交換ができるような形で、日程調整も含めて進めてまいりたいというふうに考えております。
 
(記者)NHKの林と申します。水俣病の関連で、方式もそうなんですけれども、今回やはり問題になったのは、制限時間を設けて、それを強制的に切るということが一番の問題だったと思うんですが、その制限時間であったり、そこの運用の在り方は一番の中心だと思うんですが、そこは大臣自身はどういうふうな思いを持っていて、それを事務方がどういうふうに検討を進めているということでしょうか。
(大臣)今、申し上げたことなんですけど、そういう意味も含めて、まず十分な時間を取るということだと思います。それから、私の思いとしては十分な意見交換ができるような場にしたいと。ですから、そういう形の運営ができるように審議官を含めて事務方に指示をしていると。そしてまた、相手方があることなので、相手方とそれをよく協議して、相手方が求めるものを、なるだけお答えできるような形の運営にしたいと、そういうふうに考えております。
(記者)今のお答えにも含まれていたかもしれないんですけど、改めてこの再懇談をする意義というのは、大臣自身どう考えていらっしゃって、そこに環境省として、意義についてどう考えているでしょうか。
(大臣)まずは十分な時間を取ることによって、関係者、関係団体の御要望なり、御意見をしっかりお聞きするとともに、環境省側のでき得る回答なり、それに対する考え方についても、その中でやはり少しでも前進する、また新しい解決方法が見つかってくるというふうに私は信じています。
(記者)ごめんなさい。話が変わって恐縮なんですけど、改めて、輪島朝市の公費解体の関連で、こちらのほうは先ほどテレビ朝日さんの御質問があったと思うんですけれども、輪島朝市をある意味象徴にということで、ちょっと言及していたら恐縮なんですけれども、いわゆる滅失登記が完了するような時期であったりとか、その手法のめどとかは。さらにはそれを加速させたいのか、着実に進めるのかとか、そういった情報というのは大臣のほうに入っているのでしょうか。
(大臣)滅失登記の終わりの期限というのは別に決まっていないと思いますが、詳細については事務方に説明をさせますのでよろしくお願いいたします。
 

会見動画は以下にございます。
https://youtu.be/d94dLYBNf98?si=vK8N8OEXbIMojDwc
 

(以上)

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