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土屋復興大臣記者会見録[令和6年6月11日]

令和6年6月11日(火)09:05~09:16 於)復興庁記者会見室

1.発言要旨

 昨年6月に福島特措法を改正し、特定帰還居住区域制度が創設されてから1年を迎えました。改めて、この1年間の取組状況につきまして御報告いたします。

 これまでに大熊町、双葉町、浪江町及び富岡町の4町の特定帰還居住区域復興再生計画を認定いたしました。これらの計画では、帰還意向調査において、対象世帯全体の約35%に当たる計714世帯の住民の方々が御帰還の意向を示されたことを踏まえ、こうした方々全員の御自宅を含めた、日常生活に必要な一体的な日常生活圏として、約19平方キロメートルにわたる特定帰還居住区域が設定されたところです。

 復興庁といたしましては、御帰還を希望される住民の方々が一日でも早く御帰還できるよう、特定帰還居住区域の避難指示解除に向けて、除染やインフラ整備等に全力を尽くしてまいる所存でございます。

 また、農地に関しましても、御地元からは「営農は地域における生活と一体である」との御指摘を頂戴しております。これまで認定した特定帰還居住区域におきましても、一体的な日常生活圏を構成する区域を対象とするという考え方に基づいて区域が設定されており、その中には一部の農地も含まれておりますが、営農再開に向けては、こうしたお声もしっかりと受け止めつつ、地元自治体とも十分に御相談しながら必要な対応の検討を進めてまいります。

 残る帰還困難区域におきましても、今後、御帰還の意向が増加した際には、これに伴う新たな区域の設定や追加も想定されるところです。引き続き、地元自治体から御相談があれば、丁寧に対応してまいります。

 その上で、残る帰還困難区域の多くを占めている山林を含め、残された土地・家屋等の扱いについては、引き続き重要な課題であり、地元自治体とも協議を重ねながら、しっかりと検討を進めてまいる所存でございます。

 詳細につきましては、お手元の資料を御確認いただくとともに、事務方のほうへお問い合わせ願います。以上でございます。

 

2.質疑応答

(問)冒頭発言のありました特定帰還居住区域についてお尋ねいたします。特定帰還居住区域の面積は約19平方キロメートルということで、一部報道などで先に出ているところもあったのですが、対象面積の1割足らずじゃないかというところで、まだまだ復興はそういうところについては道半ばかなという印象を持っているのですが、こうしたところの受け止め及び今後の施策というところについて教えてください。

(答)特定帰還居住区域は、各自治体において住民の帰還の御意向を踏まえながら、住民の日常生活に必要な一体的な日常生活圏を区域として設定されたものであります。また、残る帰還困難区域についても、山林が多くを占めているという認識をしております。

 まずは、2020年代をかけて帰還意向のある住民の方々が全員帰還できるよう、特定帰還居住区域の避難指示解除に向けた除染やインフラ整備等の取組をしっかりと進めてまいりたいと考えております。

 今後の見通しについては、葛尾村において昨年夏に実施した帰還意向調査の結果を踏まえ、計画作成に着手するものと承知しているところでございます。その他の自治体についても、計画の作成や変更について相談があれば丁寧に対応してまいりたいと考えております。

 政府としては、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除して、復興・再生に責任を持って取り組むという決意に、いつも話しておりますが揺らぎはございません。今後とも、引き続き地元自治体とも協議を重ねながらしっかりと検討を進めてまいりたいと思います。

 地元自治体が住民の方々と丁寧に話し合いをしていると思いますので、それに沿って我々も支援していきたいと思っております。

(問)先週の金曜日に、福島県の内堀知事ら地元の知事たちが訪問されて要望活動をされていたと思います。特に福島県の内堀知事については、来年度の予算をしっかり確保するとともに、第2期復興・創生期間以降の財源の確保でしたり、支援の枠組みをしっかりとやってくれという要望があったと思います。大臣から、そういった要望を受けて、どういったやり取り、返答をされたのか。また、改めてこういった財源の確保の問題についての姿勢を教えていただければと思います。

(答)知事からは、復興に向けた総合的な施策の推進、第2期復興・創生期間後も見据え令和7年度予算に必要な予算を十分確保すること、第2期復興・創生期間後においても、復興需要を把握して十分な財源と枠組み、復興を支える制度をしっかりと確保すること、帰還困難区域の復興・再生、福島イノベーション・コースト構想の更なる推進、福島国際研究教育機構の取組の総合的な推進、ALPS処理水の処分に係る責任ある対応、除去土壌等の県外最終処分に向けた取組の推進等の要望があったところでございます。

 私のほうからは、復興庁としては、必要な復興事業に支障を来さぬよう、予算確保等に責任を持って取り組むことをお伝えしました。福島の復興・再生を着実に進めるため、事業全体の在り方の見直しに向けた効果検証等が必要であることもお伝えいたしました。

 避難地域の復興実現については、現場主義を徹底して、被災地に寄り添いながら国が前面に立って福島の本格的な復興・再生に向けて全力で取り組むこと等お答えしたところでございます。

(問)今の質問に関連なのですが、同じく金曜日、岩手県の達増知事も訪問されたと思うのですが、地震・津波被災地域とはまたちょっと性格が違うかなとは思うのですが、そのあたりはどのようなやり取りがあったのかというところもお聞かせ願えればと思います。

(答)達増知事とは、今お話ししたように、復興の推進に必要な予算の確保、取組の継続等についての御要望がございました。発災から13年が経過した中で復興は着実に進捗していると。特に、もうインフラ整備は完全に終了したという考えを持っていらっしゃったと思います。その中で、特に前からおっしゃっているのですが、依然として心のケア等の被災者支援、被災地における中核産業である水産業及び水産加工業の販路開拓等が地域の課題として残っているということ、被災者の方がそれぞれ状況に応じた必要な支援を受けられるように取り組む必要があるということをおっしゃっておりました。

 こうした課題の中には、例えば心のケアなどは長期的な対応が必要になるものもあり、持続的に取り組んでいけるような方策を考えることが重要であることから、第2期復興・創生期間の終わる時期に当たって、政府全体の施策の総合的な活用も含めて検討していくことが必要と考えます、ということでお答えしました。そういう中で、復興庁といたしましても、一般施策も含めて支援をしっかりしていきたいということはお答えさせていただきました。

 それから、特に被災者支援等については、当面、復興事業による支援を継続する場合であっても、復興財源を広く国民の皆様に特別な負担を求めているものであることも踏まえまして、地域の課題を東日本大震災に起因するものとそうでないものに区別していかなければならないこともお話しさせていただきました。

 そういうことで、これからも、現在、復興推進委員会の下に第2期復興・創生期間までの総括に関するワーキンググループを設置して、これまでの復興施策の総括に関する議論を行っているところでありまして、その議論も踏まえながら具体的な方向性については検討を進めていくということで、お答えしたところでございます。以上です。どうもありがとうございました。

(以  上)

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