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伊藤大臣閣議後記者会見録 (令和6年6月7日(金)08:35~08:48 於:衆議院分館)

1.発言要旨

本日の閣議において、令和6年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書を決定しました。今年の白書のテーマは、自然資本充実と環境価値を通じた「新たな成長」による「ウェルビーイング/高い生活の質」の充実です。先月閣議決定した環境施策の最上位計画である第六次環境基本計画の理念や基本的な考え方が、国民の皆様に分かりやすく伝わるよう、現在及び将来の国民一人一人の「ウェルビーイング/高い生活の質」の向上を、環境政策の最上位の目的としたことなどについて紹介しています。
 本白書の公表を契機に、国民、地方公共団体、事業者、NPO等の団体、関係府省庁と一層連携して、新しい資本主義の具現化とも言える「循環共生型社会」の実現を目指してまいります。
 さらに、この白書を多くの皆様にお読みいただいて、今後の環境保全について考え、行動するきっかけとなることを期待しています。
 次に、令和5年度原子力規制委員会年次報告の閣議決定について御説明申し上げます。
本日の閣議において、原子力規制委員会の取組状況をまとめた令和5年度原子力規制委員会年次報告書を決定しました。今後、原子力規制委員会設置法に基づき国会に対して報告してまいります。なお、報告書の詳細については、原子力規制庁にお尋ねください。
 次に浪江町の特定帰還居住区域の除染、解体工事の開始について御説明申し上げます。
 特定帰還居住区域では、昨年12月から大熊町及び双葉町の一部の地域で、除染や家屋等の解体に着手しています。このたび、本年1月に計画が認定された浪江町の特定帰還居住区域において、除染、解体工事に着手する準備ができましたので報告します。6月20日木曜日から工事を開始する予定でございます。
 なお、富岡町においても、工事の着手に向けた準備を進めております。
 今回の工事は、福島の復興・再生のさらなる前進に向けた重要な一歩となります。環境省としては、故郷に戻りたいという御意向のある住民の方々が、一日でも早く帰還できるよう、着実に除染等の事業を行ってまいります。
 以上でございます。
 

2.質疑応答

(記者)おはようございます。フジテレビ岩田です。5日に行われた公害被害者総行動実行委員会、こちらについて伺います。
 まず、こちらの受け止めと、(水俣病関係団体との)再懇談の場について大臣から説明や意見をお話ししたいというふうに話されていましたが、大臣はどんなことを団体側にお話ししたいのか、お伝えしたいのか教えてください。
(大臣)(全国公害被害者)総行動デーに御参加いただいた皆様から、長年にわたる苦しみ、訴え、思いをお伺いして、胸が痛む思いでございます。大変重く受け止めております。環境汚染の被害、これは被害者の方の平穏な日常を奪って、人生を変えてしまうものと、改めて痛感したところでございます。
 こうした被害をなくすため、私を含め、環境省職員一同が、被害者の皆様のお話を伺い、公害の歴史から真摯に学び、「人の命と環境を守る」という、環境省の不変の原点を追求し続ける必要があることを改めて胸に刻んだところでございます。
 今回の総行動デーで、率直なやり取りがありましたが、それを含め、関係者との意見交換を重ねながら信頼関係を育み、より良い環境行政を追求していきたいと思います。
 再懇談の場において私からお話しさせていただく内容については、本日この場においては差し控えたいと思います。
 
(記者)朝日新聞の市野です。水俣の総行動デーの関連で、大臣、その際、新しい解決法という言葉を使われたと思うんですけど、今は懇談でお話しする中身はまだということなんですけれども、そういう新しい解決法を懇談で提示していくのか、あるいは懇談での意見を踏まえてそういうことを作っていくという意図なのか。この新しい解決法という言葉に込められた思いというのがどういうものなのか教えていただけますか。
(大臣)今度の懇談、十分な時間を取って、まずは関係団体の皆さんからお話をよく伺って、今まで数次にわたり、書面あるいは口頭でいろいろな御要望、御要請もいただいておりますので、それらについて能う限り、私のほうからお話しさせていただきたいと思います。
 そういった懇談、意見交換の中で、新しい解決法が見つかっていくことを期待する、その旨を申し上げたところでございます。
(記者)懇談があって、その意見を踏まえて、そういった解決法を見つけるという。
(大臣)はい。それを関係団体とともに紡いでいきたいという、私の思いを言ったことでございます。
(記者)ありがとうございます。
 
(記者)毎日新聞の山口と申します。
 知床の太陽光パネルの問題について聞きたいんですけれども、今現在、工事が中止されている状態で、総務省の担当者に取材すると、今回このような事態になったことは非常に残念だというお話だったんですけど、環境大臣として、環境保全の観点から工事はどうだったのかということと、進め方の合意形成については適切だったのかというのを改めて受け止めをお願いできますでしょうか。
(大臣)事実関係も含めてお答え申し上げますと、昨日、斜里町長が、環境省(事務方)を訪問したということがありました。そしてまた、斜里町長からは、一旦工事を見合わせて、他の基地局の電波状況や新設による知床岬の電波改善状況を確認した上で、必要ならば整備を検討してはどうかという話があったことも承知しております。
 他方、昨日、羅臼町長の意向も確認したところでございます。羅臼町長のほうは、やっぱり知床岬先端部の海域において、昆布やウニを捕る漁業者の安全や命を確保するためには、引き続き携帯電話基地局の整備を強く要望されるということでございました。
 環境省としては、漁業者などの知床半島先端部の利用者等の安全確保という公益性、これを認めた上で、自然環境への影響を軽減する措置が取られていることを確認し、やむを得ず自然公園法に基づく許可を行う判断をしたところでございます。なお、本日開催されます、知床世界自然遺産地域科学委員会から得られる助言を踏まえて、引き続き事業者に対しては、希少種等への配慮の徹底を求めていきたいというふうに考えております。
 
(記者)熊日の髙宗です。
 水俣病の話にまた戻るんですけれども、この前の総行動デーでの際に、課題の解決に向けて懇談を継続したいという大臣の発言がありましたけども、大臣としては具体的に水俣病にはどういう課題があると思ってああいう発言をされたのでしょうか。
(大臣)水俣病の課題はまさに多岐にわたり、数十の違った御要望、御要請もいただいております。ですから、一概にその課題がこれだということは言えないと思いますけども、そこも含めて十分時間を取った懇談の中で、前進できるように努力したいと、そういうふうに考えております。
(記者)一概には言えないというお話だったんですけれども、救済漏れの可能性というのは含まれるのかどうか教えてもらっていいですか。
(大臣)そういう御意見があることは承知しております。そこを含めて、懇談の中でいろいろな話題が出てくると承知しております。
 
(記者)日経新聞の大高と申します。
 ちょっと話題変わりまして、昨日新潟県の花角知事がいらした件について質問します。避難路の整備を国のほうで乗り出すということでしたけれども、柏崎・刈羽の判断に至った背景と、あと重ねての要望がございましたけれども、これに対する対応、方針がございましたら教えてください。
(大臣)昨日、新潟県の知事がお見えになりまして、御要望を受けました。その中では、まず、昨年の7月に新潟県からいただいた御要望に対して、政府としての対応方針を具体的にお示ししたところでございます。米山サービスエリアへの緊急進入路の整備については、今年度、内閣府の原子力発電施設等緊急時安全対策交付金を活用して調査を行い、調査の結果を踏まえて、来年度以降、同交付金のメニューの一つである緊急時避難円滑化事業を活用して、整備を行いたいと考えております。
 それから、県道柿崎小国線におけるトンネル新設など、既存県道の改良整備については、今年度、内閣府の原子力発電施設等緊急時安全対策交付金を活用して調査を行い、その結果を踏まえて、今後の対応方針を検討したいと思います。
 この他についても、関係省庁と連携して早期の整備に向け取り組んでまいりたいと思います。また、詳細については、事務方にお尋ね願いたいと思います。
質問の最後のところでありますけども、いただいた御要望に対しては真摯に受け止めておりますので、今の繰り返しになりますけど、関係省庁や関係自治体とよく相談して前に進めてまいりたいと思います。
(記者)すみません、重ねてなんですけども、昨日、花角知事が避難路の整備を巡っては、県民の安全性とかを確保するのに限界はないというふうにおっしゃられていました。その原子力発電を国策として進めるのであれば、避難路の整備は国が責任を持ってやってくださいという発言をされているんですけども、国としてはその発言を全面的に支援した上で整備に乗り出すのか、それとも御要望を一つ一つ吟味しながら対応を検討していくのか、温度感というかスタンスを確認させていただきたいんですけど。
(大臣)おっしゃられることは、両方だろうと思います。どっちかだけではないと思います。実際に整備するには、関係省庁との連携も必要ですし、予算もかかります。ですから、原子力防災担当大臣としては、やっぱり今回の能登のことも受け、自然災害と原子力災害が同時に起きるということも想定しながら、避難路についてもしっかり考えて前に進めてまいりたいと、そういうふうに思います。
 

会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZgcZ8uOZmWQ
 

(以上)

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