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伊藤大臣閣議後記者会見録 (令和6年6月11日(火)08:45~08:55 於:環境省第一会議室)

1.発言要旨

  おはようございます。
 まず、みちのく潮風トレイル5周年について、御報告申し上げます。一昨日の6月9日で、みちのく潮風トレイルが全線開通から5周年を迎え、6月8日には岩手県宮古市で開通5周年記念式典が開催されました。
 私自身は式典に参加しておりませんが、代理で出席した八木副大臣からは天候にも恵まれ、多数の沿線自治体の首長や関係者が集まり、成功裏に終わったこと、また9日のウオーキングイベントも多くの方に参加いただき、盛況であったと、直接報告を受けたところでございます。私としても、これを受け、東北の太平洋沿岸の風景や文化を、震災や津波の記憶とともに未来に引き継ぐための、歩いて旅をする道として設定されたみちのく潮風トレイルの認知を、国の内外にさらに広げていきたいと考えています。
 来月には、我が国の最初の長距離自然歩道である東海自然歩道が完成50周年を迎えます。みちのく潮風トレイルの成功事例も踏まえ、東海自然歩道の再活性化を目指して、人間性の回復、そしてまた、長く歩く旅の浸透を図ってまいります。
 以上でございます。
 

2.質疑応答

(記者)幹事社NHKの林と申します。よろしくお願いします。
 知床半島での携帯電話基地局整備についてお伺いしたいんですが、今月7日の金曜日に開かれた専門家による委員会で、工事の中断と地元との協議を求める意見というのが出たと思います。これについて、環境省としての受け止めと今後の対応を伺います。
(大臣)知床岬における携帯電話基地局の整備について、6月7日金曜日に知床世界自然遺産地域科学委員会に報告したところ、主として次の助言があったと聞いております。
 希少植物やオジロワシを含め、環境及び生態系調査が不十分であり、顕著で普遍的な価値への影響を判断することはできない。このため、工事を一時中断して、調査を実施し、改めて影響を評価すべきであること。また、科学委員会が助言する役割にはないものの、携帯電話基地局の整備の必要性について地域で検討してほしいという旨のことでございます。
 環境省としては、これらの科学委員会からの助言を精査、分析して、今後の対応を検討してまいります。なお、工事を一時中断して調査を実施すべきという科学委員会からの助言については、既に事業者に伝えており、事業者においても自主的に工事の見合せを継続していただいているところでございます。
 
(記者)北海道新聞の大能と申します。
 関連でお伺いしたいんですけれども、7日の科学委員会では、計画そのものだけじゃなくて、環境省が委員への説明をするのが事業を許可した後だったことであったり、オジロワシの営巣を確認しないで許可を出したということなどの環境省の対応についても批判が相次いだと思うんですけれども、大臣として環境省のこれまでの対応について、どの点が問題であったとお考えでしょうか。
(大臣)その御発言の詳細について、私は承知しておりませんけれども、環境省としては、所定の手続を経て、地元協議会の要請を受け、手続を進めたものというふうに考えております。
(記者)問題はなかったというふうにお考えですか。
(大臣)問題があったかどうかというのは、ちょっと抽象的な質問だと思いますけれども、環境省としては、所定の手続なり環境調査も踏まえながら、ある意味ではやむを得ず許可したということだと思います
(記者)もう1つは、地元との協議ということなんですけど、羅臼町は携帯電話の基地局の設置を、強く要望されているということですけども、今後地元との合意形成を図る上で、環境省としてはどのように御説明して対応されていくおつもりでしょうか。
(大臣)この知床岬の携帯電話基地局の整備については、公益上の必要性が認められるものとして、自然公園法に関する許可を行ったものです。一方、このたび斜里町長が考えを変更したということにより、前提となる地域の合意形成に疑義が生じたという状況になっていると認識しております。
 今後は、考えを変更した斜里町が、羅臼町と合意形成を図ることを期待し、地域における合意形成の状況を注視したいというふうに考えております。
(記者)もう1点だけ、冒頭に、既に工事中断について事業者にお伝えしたということですが、いつお伝えなさったんでしょうか。
(大臣)7日の時点だと思いますが、細かくは事務方にお聞きしてください。
 
(記者)共同通信の堀口です。関連でお伺いします。今の、地域として合意形成をということでしたけれども、これは羅臼町と斜里町の間で話し合ってくれということで、環境省はタッチしないで2町でやってくれということなんでしょうか。
(大臣)もともと、携帯電話の基地局は、斜里町と羅臼町からの要請に基づき協議会を設置して進めてきて、そのことについての環境影響の評価なり環境大臣意見を行ってきたところでございます。
 今回、斜里町がお考えを変えられたということでございますので、まずはその斜里町と羅臼町でお話をしていただくということが大事ではないかと考えております。
(記者)分かりました。やむを得ず許可を出したということですが、結果的にやはりこういう形で科学委員会から指摘を受けたことについては、大臣としてはどのように考えますか。
(大臣)科学委員会としては、2点申し上げているわけですけれど、オジロワシについては、現在営巣がないという調査の結果でございましたので、その(植生の)調査結果を受けて許可を出しているところでございますが、今回、オジロワシだけではなく、生態系に対してという言及もありますので、そこは改めて複数調査をしてまいりたいと思います。細かくは事務方にお聞きしていただきたいと思います。
 
(記者)河北新報の古賀と申します。冒頭ありました、みちのくトレイルについて伺います。5周年ということですけれども、現地だと外国語対応の宿泊施設が不足していたり、国内外のハイカーの宿泊施設一括予約サイトみたいなものがないということで、不便だなというような声もあったり、あと、たき火とかポイ捨てへの啓発なんかの課題も指摘されていますが、今後、被災地復興に向けてハイカーが増えることもあると思うんですけど、現在、みちのくトレイルが抱える課題について、何か大臣のお考えあったら教えてください。
(大臣)みちのく潮風トレイルは非常に長い距離があります。そして、その中でいろいろな整備や状況についての御要望があることも承知しております。
 環境省が予算、また所掌範囲で、できることとできないことがありますけれども、できることについては、なるべくお応えしたいとそう考えております。
 

会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=iOba31VH1Yw

 

(以上)

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