厚労省・新着情報

日時

令和6年5月23日(木) 10:00~12:00

場所

厚生労働省 共用第8会議室
(オンライン会議)

議事

○事務局 それでは、若干定刻より早めですけれども、第15回「サリドマイド及びレナリドミドの安全管理に関する検討会」を開催いたします。
 本日御出席の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 今回の会議の公開につきましては、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしておりますので、御理解、御協力のほどお願いいたします。議事録につきましては、後日、厚生労働省のホームページに掲載いたします。
 本日はオンライン開催ですので、対面での進行と一部異なる部分がございます。前回と同様ではございますけれども、議事に先立ちまして、議事の進行方法について事務局より説明させていただきます。
○事務局 それでは、事務局より御説明申し上げます。
 まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
 御質問、御意見をいただくときには、ミュートを解除し、初めにお名前をお知らせください。
 発言のタイミングが重なったりした際は、座長から順に発言者を御指名いただきます。
 その他、システムの動作不良などがございましたら会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡をお願いいたします。また、もし、事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合には、事務局にて一斉にメールで連絡いたしますので、御確認をお願いいたします。
 御不便をおかけするかもしれませんが、何とぞよろしくお願いいたします。
 事務局からは以上になります。
 それでは、ここからの議事進行につきましては、座長の林座先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○林座長 おはようございます。座長の林です。
 委員の皆様には、円滑な議事進行に御協力をよろしくお願いいたします。
 今回もオンライン開催ということで、事務局から御説明がありましたが、これまでの御説明について、質問や御意見等ございますか。
 特にないようですので、本日の議題においては、個別の患者さんの事案の経過について、今後の安全対策につなげるための重要性を鑑みて、透明性を持って議論することになります。このような形で議論できるのは、患者さんやパートナーの方の御理解、御同意が前提となっています。本検討会として、当該患者さんへの意図しない批判が起こることは本意でないことから、最大限の配慮として該当患者さんの詳細な経過情報については、委員限りとさせていただきます。厚生労働省のホームページには掲載しておりませんので、傍聴の皆様には御理解いただきますようお願いいたします。なお、議論の中で委員の発言を制限するものではないことを打ち合わせておりますので、併せてお伝えさせていただきます。
 それでは、議事に入る前に、構成員の出欠状況と利益相反の確認状況等について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 本日の構成員の出欠状況ですが、中田構成員より御欠席の御連絡をいただいておりまして、7名中6名の構成員に御出席いただいております。過半数の御出席をいただいておりますので、本日の会議は成立することを御報告申し上げます。
 前回、第14回の検討会では、TERMS及びRevMateの整合性と、レナリドミド後発品のTERMSによる安全管理についての報告書の取りまとめについて御議論いただいたところです。
 今般、レブラミド製剤に係る男性患者さんのパートナーの方の妊娠事例の報告を踏まえ、報告書の補遺(案)について御審議をいただく形としております。
 この関係で、本日は、ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社より今関隆夫様、西尾充史様、小林典子様、前田敦様に御参加をいただいております。
 また、企業の皆様には、座長より発言の求めがあった場合のみ、御発言をお願いする形で議事進行をお願いできればと思っております。
 利益相反につきましては、レナリドミド後発品について複数の企業が承認を取得しておりまして、両管理手順について御検討いただくということに鑑みて、薬事審議会参加規定の18条を準用いたしまして、本審議により影響を受ける企業のうち影響の大きい3社、TERMSを運用している藤本製薬株式会社、RevMateを運用しているブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社、その他、多発性骨髄腫治療薬で売上の最も大きい医薬品を製造販売しているヤンセンファーマ株式会社について確認させていただいております。
 本日御出席の構成員から、過去3年度における該当の製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況について確認しましたところ、遠藤構成員より、ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社より50万円を超えて500万円以下のお受取り、尾崎構成員より、ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社及びヤンセンファーマ株式会社より50万円以下のお受取りと御申告をいただいているところでございます。
 つきましては、遠藤構成員につきましては、前回の検討会と同様に、検討会への出席と意見陳述は可能ということになりますけれども、議決への参加はできないという形になります。他の構成員の先生方におかれましては、意見陳述、議決のいずれも参加可能という形になります。
 これらの申告につきましては、ホームページで公表させていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 構成員の皆様には会議開催の都度、御負担をお掛けしておりますけれども、引き続き、御理解・御協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
 報告は以上になります。
○林座長 ただいまの報告のとおり、薬事審議会の取扱いにならいますと、遠藤構成員につきましては、検討会への出席と、意見陳述は可能であるものの、議決には参加できないことになります。
 つきましては、遠藤構成員におかれましては、引き続き会議に出席いただき、意見交換の場では自由に御発言いただくこととし、議題の最後で議決を行う場合は、議決を行うことを明示した上で、議決には参加いただかないこととする。
 また、議決の場において、座長から意見を求められた場合には、発言いただくことが可能という形で議事に参加いただければと考えております。
 事務局からの説明がありました審議参加の取扱いについて、関係企業、関係品目・影響企業の妥当性も含め、何か御意見や御質問はございませんでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、この取扱いについては御確認いただいたものといたします。ありがとうございました。
 続きまして、資料の確認を行います。よろしくお願いします。
○事務局 事務局でございます。
 本日はオンライン会議としておりまして、構成員の先生方には事前に電子媒体で資料をお送りさせていただいております。会議資料は厚生労働省ホームページに掲載をしておりますので、傍聴の方におかれましては、そちらから御覧いただければと思います。
 資料につきましては、議事次第の資料に記載しておりますとおり、本日の資料といたしまして、資料1、資料2といたしまして、ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社さんから公表されている資料をお付けしております。
 また、資料3といたしまして、厚生労働省より発出した通知をお付けしているところでございます。
 資料4につきましては、私が先ほど申し上げました報告書の補遺の案についてお付けしております。
 参考資料1といたしまして、先般、取りまとめました検討会の報告書。
 参考資料2といたしまして、それに関連して寄せられたパブリックコメントの意見をお付けしているところでございます。
 以上になります。
 お手元に御用意のない先生がいらっしゃいましたら、お知らせいただければと思います。
○林座長 よろしいでしょうか。
 それでは、議題1「サリドマイド、レナリドミド及びポマリドミドの安全管理について」に入ってきます。
 まず、資料1、資料2について、ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社より御説明いただきます。よろしくお願いします。
○ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社(今関氏) 配付しております資料1、資料2に関しまして説明する前に、冒頭、私のほうから少しコメントをさせていただければと思います。
 私、ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社信頼性保証部門総括製造販売責任者をしております、今関隆夫と申します。
 今回のレナリドミドの処方例について、妊娠事例があったということについては、RevMateを通じて、処方医の先生から御報告をいただきました。
 御報告をいただいた後に、ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社といたしましては、安全管理部門を中心といたしまして、今回の事例は非常に重篤な事案であるということも含めまして、製造販売業者、責任役員であります社長のスティーブ・スギノも含めて、メディカル部門、安全管理部門、私、総括、メディカル部門等々、社内横断的にこの対応について検討してまいりました。そして、各所も現在、安全確保対策を取っている最中でございます。
 その説明資料としまして、本日、お手元に資料1、資料2があると思いますけれども、それについては、詳細な説明をRevMateの責任者、安全管理責任者であります前田のほうから説明させていただきたいと思います。
○ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社(前田氏) ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社の安全管理責任者及びRevMateの責任者をしております、前田敦と申します。
 ただいま、座長の林先生から御指示いただいた資料1及び資料2について、御説明申し上げます。
 お手元の資料1を、まず、説明申し上げます。
 本資料の位置づけですが、タイトルにありますように、男性患者に対する避妊の教育徹底のお願いとして、RevMate合同運営委員会から発出した資料でございます。
 この経緯として、先日、レナリドミドを処方された男性の患者様において、そのパートナー様の妊娠事例が報告されました。
 RevMateにおいて、男性患者様に対しては、妊孕性、妊娠するための力でございますが、それにかかわらず、治療開始時から治療終了4週後まで避妊、具体的には、性交渉を控えていただく、または性交渉を行う場合は適切な日に、男性で言えば、コンドームを使用することとなりますが、これが規定されています。
 また、治療開始時には、レナリドミド、ポマリドミド治療に関する同意書を用いた患者様への説明と同意取得、その後も処方ごとに遵守状況確認表を用いた遵守状況の確認または理解度の確認が義務づけられております。
 今回の事案の調査の結果、当該患者様において治療終了後の避妊に対する規定の誤解があったことにより、治療終了直後から避妊なしの性交渉を行ったことが確認されております。
 また、処方医の先生は、患者様が本規定を理解していると考え、処方ごとの遵守状況確認時に、治療終了4週後までの避妊日についての理解度を詳細に確認しておりませんでした。
 弊社では、情報入手後速やかに厚生労働省、合同運営委員会並びに第三者評価委員会へ報告いたしました。
 厚生労働省医薬安全対策課の御指導も仰ぎながら、本件を直ちにRevMate登録医療機関及び医療関係者にお知らせし、RevMate遵守をお願いする本文書、資料1になりますが、合同運営委員会として作成し、医療機関宛てにファクス、医療関係者宛てにメールにて御連絡を申し上げました。
 この注意喚起文書には、このような事案の経緯のほか、男性患者に本剤を投与する際は、その妊孕性にかかわらず、治療前に、治療開始から治療終了後4週後まで避妊する、また、女性パートナーにも避妊の実施を推奨することを説明すること、また、処方ごとに、本剤によって発現する可能性のある催奇形性、避妊の必要性と期間、また、終了後4週間までなど、RevMate遵守状況確認表記載の事項を患者に十分説明することについて徹底するよう、注意喚起を改めて記載し、広く注意喚起するものでございます。
 また、この文書の別添として、何枚かめくっていただいて御確認いただければと思うのですが、症例経過、男性患者の避妊に関するRevMate規定、治療開始時の患者様への説明と同意取得の規定及び処方ごとの遵守状況または理解度確認のRevMate規定の内容を改めて添付しております。そして、これを医療関係者の皆様に御確認をお願いするものとなっておりますのが、資料1でございます。
 一方、資料2に関しましては、2つ目の資料2でございますけれども、今回の事案並びに資料1を医療関係者に発出したことを、一般の方も含めて、同じく弊社ウェブサイトに公表したものになります。
 私からの説明は以上でございます。
○林座長 ありがとうございました。
 続いて、事務局より資料3について御説明いただきます。よろしくお願いします。
○事務局 事務局でございます。
 資料3を御覧いただければと思います。表題は「サリドマイド製剤、レナリドミド製剤及びポマリドミド製剤の使用に当たっての安全確保の徹底について」ということで、5月14日にブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社さんから公表のあった日と同日付で、医薬品審査管理課長及び医薬安全対策課長の両課長通知として発出したものになります。
 この内容につきましては、先ほどブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社から御紹介いただいた事案の発生を受けてというものになりますけれども、2パラグラフ目の下から4行目辺りから記載させていただいていることといたしまして、これらの薬剤についてTERMS及びRevMateからの逸脱は、場合によっては深刻な事態を生じかねない重大な問題と考えていること、その上で、これらの製剤の安全確保の徹底がなされるように、医療機関に対し注意喚起をお願いするということで、都道府県等を通じて医療機関への注意喚起をお願いしたものになります。
 注意喚起の内容といたしましては、RevMate、TERMSに記載された内容をしっかりと対応してくださいという内容になりますので、説明は割愛させていただきたいと思います。
 以上になります。よろしくお願いします。
○林座長 ありがとうございました。
 では、ただいまのブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社及び事務局の説明について、構成員の皆様、何か御質問、御意見などがあれば、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 どうぞ。
○入山構成員 こういった事例というのは、前にもあったことなのか、物すごくまれなことが起こったのか、その辺りの経緯を、私は把握していなくて、それによって、また対策等も変わってくると思うのですけれども、教えていただいてもいいですか。
○林座長 御質問ありがとうございます。
 それでは、ブリストル・マイヤーズスクイブの方から御回答をお願いします。
○ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社(今関氏) 御質問ありがとうございます。
 今までの発生状況、今回の症例について過去にあったのか、ないのかも含めまして、安全性情報を収集している責任部署におります、安全管理責任者の前田のほうから回答をさせていただきます。
○ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社(前田氏) それでは、回答申し上げます。
 まず、今回のような男性患者様の女性パートナーの妊娠に関しては、国内で初めての症例となります。
○入山構成員 よく分かりました。ありがとうございます。
○林座長 事務局から補足があるようですので、お願いします。
○事務局 事務局から補足をさせていただきますと、過去の事例といたしましては、サリドマイド、ポマリドミドを含めてということになりますけれども、避妊せずに、患者さんのパートナーが妊娠した事例というのは、報告されておりません。
 そのほかには、誤投与という形で、本来投与すべき患者さんでない方に投与されたような事案、あるいは妊娠されている看護師さんが、少し薬剤を触っていらっしゃったような事案というのはあったように記憶しておりますけれども、RevMateからの重大な逸脱という意味では、本事例というのは、重く受け止めるべき事案と思っております。
 以上です。
○林座長 補足説明ありがとうございます。
 以上の点については、よろしかったでしょうか。
 ほかの論点も含めて、御意見や御質問などございますでしょうか。
 久保田先生、どうぞ。
○久保田構成員 久保田です。
 これは、今まで報告がなかったということで、本当にこれ1件だけなのかどうかについての推測は困難です。今回については、単に逸脱があったというだけではなくて、実際にパートナーが妊娠したために、はっきりした事例だと思います。私は実際に妊娠するというところまでは行かないけれども、同様な逸脱というのはあったのかもしれないと考えて、今後の対処を考えるべきなのではないかと思います。
 この事例を読んで感じたことは2つあり、その1つは、薬をやめた後だったということと関連しています。薬を開始するときは、みんな緊張しており、不安もありますので、いろいろ注意して、緊張感を持って薬を開始しようとすると思います。本人もそうでしょうし、周りもそうなのだと思います。これに対し、やめた後というのは、そういう緊張感が少し緩むことがあり得るのかなという気がいたします。
 もう1つ、この患者さんについては、大量のメルファランによる化学療法を受けていて、さらに不妊に関するアドバイスのために産婦人科の先生へ相談するよう勧めたというようなことがあったと書かれています。御本人は、自分は、もう妊娠させる力がないのだと考えていたという可能性も、恐らくあるのではないかと思うのです。
 だから、治療中止後の注意に関しては単に「妊孕性にかかわらず」とするよりも、「たとえ化学療法を受けていても、必ずしも妊孕性がゼロになるというわけではない」ということを、特に治療を終了するときに、改めて確認する必要があるのではないかと思います。担当医など医療提供者が治療終了時に時間を十分取れないというのであれば、薬をやめる方に対して「化学療法を受けても妊孕性が必ずしもゼロになるわけではないのだ」ということを含めた、確認のための文書を渡して簡単に説明するということを、これまでのリスク管理の方策に少しプラスしてやったほうがいいのではないかということを私は感じました。
○林座長 御意見、御指摘ありがとうございます。
 ただいまの御意見、御指摘について、ブリストル・マイヤーズスクイブの方、何かコメントはございますでしょうか。
○ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社(今関氏) 御質問、コメントありがとうございます。
 弊社といたしましても、現在も安全管理部門、現在の対応についても十分かどうかも含めて検討を鋭意進めているところでありますが、安全管理対策を含めて取りまとめている安全管理責任者の前田のほうからも、少しコメントをいただきたいと思います。
 前田さん、コメントいただけますか。
○ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社(前田氏) 承知いたしました。
 久保田先生、御質問、コメント、どうもありがとうございます。
 まず、私どもとしましては、久保田先生からも御指摘いただいたように、まず、しっかりとRevMateの基準を守っていただくことが必要だと考えており、今回、今一度、先生方のほうに、先ほど申し上げたように、資料1についてファクス、eメールにてお願いを差し上げているところになります。
 また、会社としましても、その後、MRのほうにも各施設を訪問して情報提供とともにお願いを差し上げているところになります。
 先ほども資料でお示ししたとおり、投与終了後4週間までは、しっかりと避妊をしていただく、あるいは性交渉をしないということを注意喚起しているところではございますが、先生のアドバイスにつきましては、しっかりと我々としても受け止め、今後しっかり検討していきたいと思っております。
 本当に、どうもありがとうございました。
○林座長 ほかにどなたか、同じような御意見あるいは別の観点の御意見などございますでしょうか。
 座長なのですが、私からも一言だけ、久保田先生の御指摘と類似するような認識を少し持っておりましたので、確認の発言をさせていただきます。
 ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社の皆さんから御説明いただいたように、レナリドミド服用中の患者さんについて、RevMateに基づいて患者指導して、レナリドミドに催奇形性があること、服用中は胎児への影響を避けるために避妊が必要であるということは、もうかなり、胎児暴露を防止するという観点で、きちんと徹底されてきているのだろうと認識しています。
 一方で、今回の件に関しましては、医療の進歩がもたらす環境の変化といいますか、レナリドミド自身ではなくて、周囲の医療環境の変化が一定程度あることに少し留意する必要があるようにも感じました。
 具体的には、造血幹細胞移植をされている場合には、基本的に造血幹細胞移植のインフォームド・コンセントにおいて前処置をする中で、妊孕能が、その精子の形成能あるいは妊孕能が下がる可能性あるいは失われる可能性を説明されていると思うのです。
 そのことの説明を受けた上で、同意して移植している患者さんが、その後、また、レナリドミドの治療に復帰する際に、妊孕能が失われているという認識が、レナリドミドのRevMateに沿った行動を取ることに、何らかの認識の影響を与えている可能性があることに、少し留意すべきではないかなという印象を持ちました。
 また、昨今では治療の選択肢が増えてきていますし、患者さんにとってのベネフィットリスクバランスをコントロールする意味で、このお薬を途中で休薬したり、中止したりするような事例が一定程度認められているのではないかと思います。
 こういう一時中止する、あるいは休薬する、中止する、終了するという場合に、やはり久保田先生もコメントされておられましたけれども、単に4週間ずっと飲んでいる間と、飲んだ後4週間だねと言って均一に注意喚起するよりは、そういうターニングポイントに合わせて、一定の上乗せの注意喚起をするような、何らかのより安全を目指す可能性について、もし御検討の過程あるいは今後の御検討の可能性があるようでしたら、少しお考えをお聞かせいただければなと思いました。いかがでしょうか。
○ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社(今関氏) 林先生、久保田先生を含めて、貴重な御意見をありがとうございました。
 現在、このような医療環境の変化、化学療法の有無、そして、治療終了時の、やはり治療に入る前よりも治療終了時が大切ではないか、注意喚起が大切ではないかというコメントをいただきましたので、この対応策につきましては、当然、私どもブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社だけではなくて、ほかの同製剤を扱っているメーカー様とも検討を進めていくことが必要なのかなと考えておりますので、合同運営委員会でしっかりと今の件を含めまして、対応については継続して検討を進めていきたいと考えております。
○林座長 御回答ありがとうございました。
 委員の先生方、何か追加の御発言や、ほかの論点に関する御意見、御質問などございましたら、どうぞよろしくお願いします。
○入山構成員 入山ですけれども、続けてよろしいでしょうか。
○林座長 お願いします。
○入山構成員 今回の患者さんは、御自身が治療されて、それで妊孕能は、自分はもうないから大丈夫と思って避妊しなかったという認識で合っていますでしょうか。妊孕能がないと思ったから、避妊をしなかったとおっしゃっているわけですね。
○林座長 御質問ありがとうございます。ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社の方から御回答をお願いします。
○ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社(今関氏) 御質問ありがとうございます。
 その質問に関しましても、先生と情報を入手しております、責任部署であります安全管理部門の前田のほうから回答させていただきたいと思います。
○ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社(前田氏) 回答申し上げます。
 御指摘のとおりで、私どももコンタクトしております処方した先生からは、そのように伺っております。
○入山構成員 分かりました。
 そうしますと、結局、男性患者さんの問題になることというのは、本人に妊孕性があるなしにかかわらず、精液中に含まれたレナリドミド製剤が、妊娠初期の妊婦さんと性交渉をすることによって、要は胎児奇形を発生させてしまうというのが問題になるわけですね。
 そうしますと、結局、本人が妊孕能のあるなしにかかわらず、精液中にレナリドミド製剤が出るわけだから、だから駄目なのですよというところの理解がされていなかったところが問題のわけですね。
 結局、本人が妊孕能のあるなしにかかわらず、精液中に含まれている薬が非常によろしくないから避妊しなければいけないのだという理解がなかったということですね。だから、あまり男性患者さんに対して妊孕能の有無とかということを意識させるような指導があると、そういう誤解を生んでしまうのではないかと、少し感じたので発言させていただきました。
○林座長 貴重な御指摘ありがとうございました。
 その点についても御意見を受け止めて、御検討いただく方向でよろしいでしょうか。
○ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社(今関氏) 貴重な御意見をいただきました。御意見につきましては、しっかりと持ち帰り、検討を進めてまいりたいと思います。
○林座長 よろしくお願いいたします。
 御意見ありがとうございました。
 ほかに、この件に関しまして、何か御意見や御質問のある構成員の方はいらっしゃいますでしょうか。
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、本件に関する質疑については、以上にしたいかと思います。ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社の皆様におかれましては、御説明いただき、ありがとうございました。
 これ以降は、御意見を求める予定はございませんので、途中で御退席いただいて差し支えありません。ありがとうございました。
○ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社 ありがとうございました。
○林座長 それでは、資料4について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 この資料の作成趣旨につきましても、資料4に含まれておりますので、資料4を読み上げさせていただきます。
資料4TERMS®及びRevMate®の整合性とレナリドミド後発品のTERMS®による安全管理についての補遺(案)。
令和6年5月23日 サリドマイド及びレナリドミドの安全管理に関する検討会
本検討会は、令和6年1月18日に『TERMS®及びRevMate®の整合性とレナリドミド後発品のTERMS®による安全管理について』の報告書(以下「令和5年度報告書」という。)を取りまとめた。
 サリドマイド、レナリドミド及びポマリドミド製剤については、男性患者に対しては妊孕性に関わらず治療開始時から治療終了4週間後まで避妊(性交渉を控える、または性交渉を行う場合は有効な避妊法の実施)が規定されているが、今般、A男性患者が投与終了後1週間以内に避妊を行わず性交渉を行い、患者のパートナーが妊娠したとの報告があった。本件については、RevMate®合同運営委員会及び厚生労働省から、当面の対応として、再発防止に向けた注意喚起が行われた。本件は、現時点では、投与対象の男性患者に一律に一般化できるものなのか明らかでないが、過去に悲惨な被害をもたらしたサリドマイドの関連製剤について、安全な使用を揺るがす重大な逸脱事案であり、厚生労働省及び製造販売業者等による、徹底的な原因究明と必要な再発防止策の検討が待たれるところである。
 令和5年度報告書の取りまとめに際しては、本検討会は、TERMS®及びRevMate®の双方において、胎児暴露の重大な逸脱が生じていないことを前提として議論を進めてきたところである。令和5年度報告書の目的は、現時点で考えられるTERMS®及びRevMate®の差異の是正を図るものであること、一方で、藤本製薬が行おうとするレナリドミド後発品のTERMS®による安全管理を許容し得るとの判断に疑義を生じさせるものではないことを踏まえ、令和5年度報告書の考え方には変更を生じないことを確認した。
 ただし、令和5年度報告書に記載しているとおり、TERMS®及びRevMate®が実際に、患者や医療現場の方々等にとって適切なものとなるよう不断の努力を継続するとともに、必要に応じて見直しを行うべきであり、また、今後とも、患者の治療アクセスを阻害することなく、医療現場にも十分配慮した上で、各企業が連携して薬剤の胎児曝露防止のための安全管理が徹底されることを強く期待するところである。
 以上になります。
 また、参考資料2として、前回の検討会で取りまとめられました報告書について、パブリックコメントを実施した結果を添付しております。
 御説明は以上になります。
○林座長 御説明ありがとうございました。
 今回の検討会で先生方とお打ち合わせしたい、この補遺に関して、ただいま御説明いただきましたが、今回この補遺を取りまとめることに関しまして、構成員の先生方から、何か御意見がありますでしょうか、あるいは事務局からの説明について、何か御質問がございますでしょうか、御発言をよろしくお願いします。
 皆様、特に御質問あるいは追加の確認の必要性、追記の必要性、修正の必要性等については、特段御意見がないということで大丈夫でしょうか。
 念のために、確認させていただきます。こちらについて、特に御意見、御質問、追加の確認がないという先生、画面で恐縮ですが、挙手していただいてもよろしいでしょうか。
(挙手あり)
○林座長 全員の構成員の先生方に挙手いただきましたので、今回の補遺について、このような内容で検討会として取りまとめることを、出席された構成員全員の一致として、お認めいただいたことを確認させていただきました。ありがとうございます。
 なお、私が手を挙げてくださいと言ってしまったので、少し齟齬があったかもしれませんが、確認の意味で議決という形で再確認させていただきます。
 本件について議決を取りたいと思います。本件について、お認めいただける先生は、確認の意味で手を挙げてください。なお、遠藤構成員におかれましては、少しお待ちいただければと思います。
(挙手あり)
○林座長 ありがとうございます。
 議決権のある出席構成員の全員の一致をもって、お認めいただきましたことを確認させていただきました。ありがとうございます。
 それでは、今回、構成員の先生方から特段の御指摘、御意見はないということですが、報告書補遺の修正はないということになりますが、事務局にて形式的な修正を含めて、何らかの内容の修正があった場合には、内容確認については、座長に一任いただくことでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○林座長 ありがとうございます。
 それでは、本日の御意見を踏まえて、事務局において改めて整理をお願いして進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 以上で議題1を終わりにいたします。
 本日予定されている議題は以上ですが、事務局から連絡事項などございますでしょうか。
○事務局 事務局でございます。
 本日も丁寧な御意見、御議論をいただきましてありがとうございました。
 先ほど確認いただきました報告書の補遺(案)の取扱いにつきまして、先ほど林先生からも御発言がありましたけれども、確認の時間が少し短かったということもあるかと思いますので、もし、再度御確認いただきまして追加の御意見等ございましたら、30日木曜日までをめどに御連絡をいただきますようお願いいたします。
 その後、もし御意見がございましたら事務局にて整理を行い、林座長に確認をいただく形を取らせていただければと思います。
 また、最終的な報告書と、この報告書の補遺につきましては、今後、薬事審議会の医薬品等安全対策部会安全対策調査会において御議論いただく予定としております。
 また、本検討会の次回以降の開催につきましては、追って御連絡を差し上げたいと思います。
 事務局からは以上になります。
○林座長 それでは、本日の検討会をこれにて閉会とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。

 

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