議案審議経過情報

(注)下記の表で内容がない箇所は、現時点で情報が未定のもの、もしくは情報がないことが確定したものです。

項目 内容
議案提出者 近藤昭一 君外十四名
衆議院審議時会派態度
衆議院審議時賛成会派
衆議院審議時反対会派
議案受理年月日 2024-06-18
公布年月日

要項または提出時法律案

第二一三回
衆第三二号
   水俣病問題の解決に向けて講ずべき措置に関する法律案
 (趣旨)
第一条 この法律は、水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法(平成二十一年法律第八十一号。以下「特別措置法」という。)第五条第一項の救済措置(以下この条及び次条第一項において「水俣病被害者救済措置」という。)の実施後もなお救済すべき者が存在することその他水俣病問題をめぐる状況に鑑み、水俣病被害者救済措置に係る申請を行わなかった者に対する救済措置及び水俣病に係る健康調査の実施並びに特別措置法の抜本的な見直しその他の水俣病問題の解決に向けて講ずべき措置について定めるものとする。
 (未申請者に対する救済措置)
第二条 政府は、特別措置法第二章の規定の例に準じて政令で定めるところにより、平成二十二年五月一日から平成二十四年七月三十一日までの間に水俣病被害者救済措置に係る申請を行わなかった者に対する一時金、療養費及び療養手当の支給等のための措置(以下この条及び第四条において「未申請者に対する救済措置」という。)を実施しなければならない。
2 前項の一時金は、特別措置法第五条第五項の一時金とみなして、特別措置法第五章の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)及び第三十三条の規定を適用する。
3 前二項に定めるもののほか、未申請者に対する救済措置に関し必要な事項は、政令で定める。
4 未申請者に対する救済措置を講ずるに当たっては、その対象となる者の多くが高齢者となっていることその他これらの者の置かれている状況に十分配慮するものとする。
 (水俣病健康調査の実施)
第三条 政府は、特別措置法第三十七条第一項の調査研究としての水俣病に係る健康調査(以下「水俣病健康調査」という。)を実施しなければならない。
2 水俣病健康調査は、次に掲げる方針に基づき、実施されなければならない。
 一 実施する期間は、おおむね二年間とすること。
 二 実施する地域の範囲については、水俣病が多発していた時期における魚介類の流通の状況その他の経済的社会的状況を考慮するとともに、現在までに収集された水俣病問題に関する資料を参考にして設定すること。
 三 特別措置法第三十七条第三項により開発が図られたメチル水銀が人の健康に与える影響を把握するための調査、効果的な疫学調査、水俣病問題に関する社会学的調査等の手法を十分に活用しつつ、医療機関その他の関係団体との緊密な連携を確保すること。
 四 水俣病健康調査に係る調査票の適切かつ効果的な利用その他水俣病健康調査の対象となる者に過重な負担を課するものとならないような方法によって実施すること。
 五 水俣病健康調査の対象となる者又はその家族の秘密又は私生活若しくは業務の平穏が害されることがないよう配慮すること。
3 政府は、前項の方針を踏まえ、速やかに水俣病健康調査を実施する地域並びにその内容及び方法等を明らかにした工程表を定め、これを公表するものとする。
 (周知)
第四条 政府は、広報活動等を通じて、未申請者に対する救済措置及び水俣病健康調査の実施について十分かつ速やかに周知するための措置を講ずるものとする。
 (特別措置法の抜本的な見直し)
第五条 政府は、水俣病健康調査の結果を踏まえ、その終了後一年以内に、特別措置法の抜本的な見直しを行い、その結果に基づいて必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとする。
2 政府は、前項の措置を講ずるに当たっては、水俣病問題に係る地域の現地においてその当事者、その家族その他の関係者との協議の場を設ける等これらの者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
 (水俣病に関する資料の収集等に対する支援)
第六条 政府は、水俣病に関する資料の収集、保管及び展示のための財政上の措置その他の措置を講じなければならない。
   附 則
 この法律は、公布の日から施行する。

     理 由
 水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法の救済措置の実施後もなお救済すべき者が存在することその他水俣病問題をめぐる状況に鑑み、当該救済措置に係る申請を行わなかった者に対する救済措置及び水俣病に係る健康調査の実施並びに同法の抜本的な見直しその他の水俣病問題の解決に向けて講ずべき措置について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

   本案施行に要する経費
 本案施行に要する経費としては、初年度約三億四千万円の見込みである。