厚労省・新着情報

日時

令和6年4月24日(水) 16時00分 ~ 19時00分

場所

AP虎ノ門 Aルーム

議題

  1. 1.検討会報告書(案)について

議事要旨

議事内容
はじめに
○ 製造業支援の観点から、経済産業省がオブザーバーとして出席した。

議題1  検討会報告書(案)について
○ 資料1について事務局から説明が行われた。構成員からの主な意見・質問は以下のとおりであった。
 
・「後発医薬品企業」について定義を明らかにするべきではないか。長期収載品がメインで後発医薬品を少し出している企業が入っているのか。
 
・現在の章立てに「はじめに」や「おわりに」を追加して、将来的な検討や課題についても記載するべきでないか。
 
・後発医薬品の低収益構造について人に起因する問題もある。誤記、齟齬等薬事上のレベルの低下、品質管理・品質保証のシステム上の脆弱化、十分な人的リソースを割けないというところと低収益構造がスパイラルにつながり容易に改善できない構造的問題となっている。企業の平均勤続年数が短くなる傾向にあり、優秀な人はほかの会社に行ってしまうので、常に熟練度、経験の足りない人間が後発医薬産業の製造に従事することが課題の一つ。
 
・在るべき姿を取り戻すための対策について、業界自らのイニシアチブで進めていく中で厚生労働省がロードマップを作成とあるが、どちらが主体なのか。業界団体が持つべき認識や厚生働省の役割がクリアになるといいのではないか。
 
・薬価が継続的に下がる中で赤字だと製造に向けた取組がなかなか進まないという問題もある。赤字になっている旨を入れると現状を適切に反映できる。
 
・5年程度の集中改革期間について、業界側が5年過ぎてもいいくらいの感覚を持つといけないので、実施状況についてきめ細かくマイルストーンを設けながら見ていく必要がある。
 
・在るべき姿の実現に当たって、業界団体が果たすべき役割があまり明確ではない。普段から業界団体が主体的に問題を起こさないような業界全体の体制をつくり、もし何かがあったら業界団体自らが主体的に動いていくとか、業界団体が主体的に果たすべき役割を具体的に記載するべきではないか。例えば、一斉点検をやってもそれが点検になっていないような点検をやって、またやらなければいけないなどというのは、そもそも業界団体が機能していない。
 
・課題について少量多品目生産などオペレーションがメインで記載されているが、医薬品産業は設備産業であり設備投資が非常に重い。中小の企業はその最新鋭の設備がなかなか入れられない。そういうことが人材の待遇と対になって存在している問題。その解決には、設備面での更新や生産能力の確保等のハード的な刷新が必要。対応策とは別に課題のところで設備面について記載するべきでないか。
 
・ガバナンスの強化について、企業間におけるベストプラクティスの共有などを業界団体を中心にやっていく中で、厚生労働省も何かサポートするのか。薬機法の法令遵守体制は各社でリソースや解釈が違う。総括製造販売責任者として役員を選任しただけにとどまる会社もあるが、会社によっては、これを機に総括を執行役員まであげて元々半年や四半期に一回だったものを毎月など取締役会に三役が全員出るようにした、などの対応をするところもある。GMPと異なり、ガバナンスこそ各社様々なので一律に適する形は難しいが何かチェックする機会があったほうが実効性があるのではないか。
 
・製造管理者や総括製造販売責任者について、必置資格者としての要件と能力が不十分。薬剤師要件だけ満たすよう若い方がなっていたり十分な職務経験がない場合もあり、真の問題に気がつかない、知らないということが多々ある。日本版QP制度のような医薬品製造管理に関する職能や経験を評価、信任できる制度があったらいいのではないかという議論があった。必置資格者としての能力要件と実能力の乖離が後発医薬品業界ではよくある。
 
・人材育成が耳障りいい言葉になってしまっているので、具体的に何をすべきか深く記載するべき。中小企業においてはGMP教育や作業教育に時間が取られておらず、それより作業して生産した方がいいと思っている会社もある。そうした企業に対して、再教育はどうすべきか、GMPの最新の教育はどういうふうに掘り下げるかなど記載するべきでないか。また、リスキリングやリカレント教育など再教育の部分も現場では必要。
 
・ジェネリック医薬品供給ガイドラインについて、今年1月に日薬連において改定しており、在庫も昨年6月に平均3か月以上にしているので、最新のものに書き換えるべき。
 
・安定供給マニュアルを作成している企業は多いが形だけで終わらせてしまっているところもある。「適切な運用」として何か起こったときにそのマニュアルが不足しているのであれば原因究明し反映させていく、改善を図るということを徹底する必要がある。
 
・司令塔機能やマネジメントシステムなど、具体的には薬機法の範囲の中でやるのか。
 
・司令塔機能やマネジメントシステムに係る記載について、需給状況のモニタリングを行うのは国かと思うが、マネジメントは産業界で対応すると思うので、主語が分かりやすいように記載するべきではないか。
 
・検討すべきであると記載されているところについて、検討する場が決まっているものは言及するべき。また、検討する主体についても明記するべき。
 
・企業を超えた品目集約に関して、製造所変更や製造方法変更については企業内の変更よりも迅速に取り扱われない。例えば供給制限されている品目について、承認のない事業者が手を上げた場合に、元々承認を持っている企業から適切な委譲があるならば時限的な措置などで企業内での製造方法・製造所変更と同じような扱いにするなど弾力的に運用することはできないか。又は、可能ならば品目整理を加速するために時限的に、企業間での製造所変更・製造方法変更について、企業内での製造所変更・製造方法変更と同等の特例的な措置などを講じてもいいのではないか。
 
・設備が老朽化してきた中小の製薬会社で、製造は他社に委託して製造販売だけにしたい場合、機械・製法が違う同じ既承認の後発薬の工場に統合するとき、届出だけで集約できれば業界再編は早く進むと思うが、機械が変わるならもう一回プロセスバリデーションをして3回生産してデータを見るということだと結構きつい。屋号の統合の特例などもう少し具体的にあるとよい。そうすれば、統合化されたコンソーシアムの中で、工場を手放して製造販売業に集中し、従業員も徐々に減らしながらソフトランディングする事業承継があり得るのではないか。
 
・「業界再編が行われる機運を高めていく」ことについて、誰が機運を高めるのか主語を記載することで役割分担が明確になるのではないか。複数の旗振り役が必要になる。誰が旗振り役をやるのか、旗振り役をどう出していくのかということが連携を進めるためのポイント。
 
・業許可は承継できないが、事業譲渡の場合実質変わりませんねということで迅速に許可してくれる自治体もあれば慎重なところもある。特に、ファンドや金融機関が推進力となって再編を進める場合、企業を買収するにあたり、LBO (レバレッジド・バイアウト)ローンを入れる際SPC(特別目的会社)に元々ある会社を合併させる場合があるが、業許可の取り直しになる。合併なので本来実地調査も要らないはず。機運を高めるにあたっては、例えば時限的措置で承継できるようにすることや、合併にあたっての手続やタイムラインをクリアに見せることもあるのではないか。
 
・金融・財政措置について、本当に撤退戦のような整理の場合、銀行もファイナンスの支援がしにくい。赤字品目をどうするか、特殊な品目をどうするかそういったところに備えてリスクマネーを出せる仕組みを検討してほしい。
 
・消費者として品質をないがしろにした状態で既得権にしがみついているような構図が何年も続いて、国民の生活、健康にリスクを与え続けているのは正常ではない。今その反省が抜けてきて補助金をくださいという空気になっているのは言語道断。本当に品質面で淘汰を促進していく形にならざるを得ない。本来はそう厳しくあるべき。
 
・駄目な企業を生き残らせてしまうようなものにしてはいけない。本当に、国民に医薬品を提供していく社会的責任を負っているんだという意識を持った企業が、安定的に医薬品を出せるようにしていくということが大事。駄目な企業同士が合併して補助金をもらって生き残りを図れるようなものにしてはいけない。
 
・よりレベルの高いものをつくる、ちゃんと安定供給に責任を持てる体制をつくる、グローバルで競争力を持っていくという気概のある後発品業界になっていただくというのが我々の期待。既得権者すべてが満足する護送船団ではなく、退場しやすい道も整えたうえで退場する企業には撤退してもらい、残る会社を選択していく姿勢は示すべき。
 
・大手・中堅が旗振り役にならないと再編は難しい。大手・中堅中心に旗振り役になって連携が進めば、連携に加わらず品質や数量が確保できない会社は必然的に損益が下がって退場せざるを得ない状況になってくる。集中改革期間の時間軸でそうなるかは別であるが。
 
・コンソーシアムについては、少しでも前に動かす仕組みとして議論していたが、あえて掲げなくても、企業結合を伴う再編が前提で、報告書からコンソーシアムを消してしまってもいい。
 
・物流ベンダーによる保管・配送の集約等による事業再編を進めていくモデルについて、特定のチェーン薬局が安く買えることによって薬価を下げてしまう議論にもつながり、「医療機関・薬局等の需要の集約」などの表現は慎重になるべきではないか。
 
・物流ベンダーによる保管・配送の集約等による事業再編を進めていくモデルについて、価格抑制のための需要の集約・共同購買というよりも、安定供給、優先供給のために川下側で結束し川上側へ影響力を行使するような形ではないか。
 
・企業間の連携・協力に係る例示のモデルついて、業界再編を促す様々な旗振り役の多様性があり、それぞれ切磋琢磨してその業界を再編に貢献するということではないか。

おわりに
○ 事務局から、第13回については追って案内することとし、散会となった。

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