経産省・新着情報

2024年6月21日(金曜日)
10時04分~10時16分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

米国出張

おはようございます。初めに、私から5点申し上げます。
1点目ですけれども、諸般の事情が許せば、6月25日火曜日から28日金曜日まで、日米韓商務・産業大臣会合へ出席するため、アメリカ・ワシントンDCに出張します。この会合は、昨年のキャンプ・デービッドにおける日米韓首脳会合での合意を踏まえ、今回初開催するものです。
日米韓は基本的価値を共有するパートナーです。会合では重要・新興技術等の協力、サプライチェーン強靱化、クリーンエネルギー等の経済分野における3か国の連携強化に向けて議論をする予定です。
また、日米両国間のビジネスを促進するイベントに出席するとともに、関係閣僚とのバイ会談なども実施をしたいと思っています。
詳細はこの後、事務方から説明をさせていただきます。

北海道出張

2点目です。明日22日、北海道苫小牧市に出張し、CCSで用いるCO2の船舶輸送や貯留に関する実証施設を視察します。
今国会では、先月、CCSの事業環境整備の基盤となるCCS事業法が成立・公布をされたところであります。今後は苫小牧での実証成果も踏まえ、2030年までのCCS事業開始に向け、事業者の円滑な参入・操業を可能とする支援制度の在り方について検討していきたいと考えています。
そのために、当日は、CCSの技術実証の現場を実際に確認するとともに、地域理解をいかに進めるかについて、苫小牧市長を始め、地域の方々との意見交換を行う予定です。

洋上風力人材育成

3点目です。洋上風力の人材育成に関して申し上げたいと思います。
昨日、浮体式洋上風力技術研究組合「FLOWRA」による国際フォーラムが開催され、日本の発電事業者18社の経営層のほか、米国、英国、EU等の大使も参加し、FLOWRAとしてこれら有志国と連携していくことも表明されました。
さらに、本日、新たに洋上風力人材育成推進協議会「ECOWIND」が設立されます。この協議会では、発電、建設施工等の事業者を構成員に、教育研究機関と連携して、産業界のニーズも踏まえたカリキュラムを策定するなど、洋上風力人材を育成してまいります。
経済産業省としても、このような我が国産業界が主導する洋上風力に関する産業競争力強化に向けた取組を強力に支援していきたいと考えています。

書店振興プロジェクトチーム

4点目です。書店振興PTの活動について一言申し上げたいと思います。来週26日、東京都狛江市で啓文堂書店の再出店イベントが開催される予定で、経済産業省から上月副大臣が出席します。
狛江市では、昨年7月に市内唯一の書店が閉店しましたが、その後、地域の本を愛する皆さんが本を持ち寄って駅ナカに本を読むことができる場を設けたところ、多くの市民が利用し、書店を望む声が多く寄せられたそうです。こうした声に後押しされて、一度閉店した書店が再度出店されることが決まりました。
全国で書店が減り続けている中で、地域の力で書店を復活させる動きは貴重でして、経済産業省としてもこうした動きを広く共有し、全国に広げていきたいと考えています。来週のイベントでは、そうした思いを上月副大臣から直接お伝えいただくこととしています。
詳細につきましては事務方にお問い合わせいただけたらと思います。

価格交渉促進月間フォローアップ調査結果

5点目です。中小企業の価格交渉・価格転嫁の実態に関して、今年3月の価格交渉促進月間を踏まえた調査の結果を本日公開します。
価格交渉については、発注企業からの交渉の申入れが増加するなど、交渉しやすい雰囲気が醸成されつつあると考えています。価格交渉ができた企業の約7割では、労務費についても交渉できたとの結果も得られました。
価格転嫁率は46.1%へ微増しました。コスト増加分を全額転嫁できた割合が増加して、価格転嫁の裾野が広がる一方、転嫁できた企業とできない企業で二極化する兆しもあり、引き続き、価格転嫁対策を徹底していきたいと思います。
今後、8月上旬を目途に、今度は発注企業ごとの交渉転嫁の状況を公表するとともに、状況が芳しくない発注企業の経営トップに対し、所管大臣名で指導・助言を行う予定です。
詳細はこれも事務方から説明させたいと思います。

以上、5点ありましたけれども、私からは以上です。

質疑応答

燃料油価格の激変緩和措置、エネルギー価格高騰対策

Q:1点目ですが、電気、ガスの補助金が5月で終了していますけれども、ガソリン補助金の出口戦略について、大臣は国際情勢などを見極めて判断する必要があるとのお考えを示していましたけれども、現状の認識と今後の見通しについて御見解をお願いします。
2点目が、岸田総理が先日19日の党首討論で、エネルギー価格高騰を受けた対策について、年金世帯や価格転嫁ができない中小、零細企業対応に向けた対応を今年の秋に行うと表明をしていますが、これを受けた経産省の対応についてお願いします。

A:まず、燃料油価格の激変緩和事業については、一時的な緊急避難措置として実施しているものでして、GXや脱炭素化等を進めていく観点を踏まえると、いつまでも続けるものではないと考えており、可能な限り国民生活や経済活動への影響を含め、状況を丁寧に見定めながら出口を見据えた検討を進めていきたいと思っています。
19日に行われた党首討論について御質問がございましたが、岸田総理は、賃上げの流れを確実なものとするため、今月から実施している定額減税に加えて、エネルギー高騰などについて、年金生活者や中小企業等に対しての配慮を秋に向けて行っていく旨述べられたと承知しています。
今後の方針については、現時点でこれ以上申し上げることはありません。

半導体製造装置輸出管理

Q:先日、米商務次官が来日し、先端半導体向けの輸出管理を強化するよう要請との一部報道がありました。これについての事実関係と、経済産業省としての今後の対応方針があれば教えてください。

A:昨日6月20日、保坂経済産業審議官ほかが、米商務省のアラン・エステベス次官と面談したという報告を受けています。様々な論点について有意義な意見交換を行ったと聞いていますが、内容につきましては、外交上のやり取りですので控えさせていただきたいと思っています。

ジェット燃料

Q: 航空燃料が不足しているという問題についてお聞きします。
今週、官民のタスクフォースの第1回目が開催されました。ここでは、原因の特定ですとか、まだそこまで至らず、今後の、現状の課題の認識の共有というところで大筋まとまったということを聞いております。経産省として、燃料政策を担うお立場からして、この問題についてどのようにお考えか。また、その2回目もまだいつ開かれるか分からないという現状を聞いておりますが、今後いつ頃、どのような形で開かれる方針なのか併せて教えてください。

A: 国内空港でジェット燃料の供給を受けられずに、国際線の新規就航や増便を断念する事例が生じていることは承知しています。ジェット燃料の日本全体での必要量は確保できていますが、足元の供給不足には、製油所からの輸送体制や空港における給油体制など、様々な要因があると認識しています。
そこで、御指摘の経済産業省と国土交通省が主催する形で、去る18日、石油元売会社、航空会社、空港運営会社などを集めた「航空燃料供給不足への対応に向けた官民タスクフォース」を開催し、現状認識の共有や、どのような策を講じていくべきかの議論を開始したところです。
今後の段取り、スケジュールについては、今申し上げることはできませんが、ただ、今後短期的に何ができるか、また、中長期の視点に立って解決すべき課題の対応を、スピード感を持って検討していきたいと考えています。

太陽光パネル

Q: 中国の過剰生産について伺います。中でも太陽光パネルなんですけれども、昨年より価格が半分になっているというような報道もございまして、欧州の方では工場がつぶれたりというようなこともあるようですが、まず、我が国の影響ということについてどう捉えられているか、これを伺いたいと思います。

A: まず、報道の内容は承知しています。先週のG7首脳会合の共同声明においても、中国の過剰生産が市場をゆがめ、G7各国の経済的強靱性と安全保障などを損ねている旨の懸念が表明されました。太陽光パネルは、正にその典型的な一例です。
特に、クリーンエネルギー技術の重要性が高まる中、エネルギー安全保障上、特定の国に依存しないサプライチェーンの構築を進めていくことが、我が国の方針です。
このため、例えば脱炭素や安定供給といった価格以外の要素が正当に評価される市場を、米国や欧州といった同志国と連携して設計していきたいと考えています。特に我が国が技術や原材料で強みを有するペロブスカイト太陽電池について、強靱なエネルギー構造を実現する観点から、その社会実装を進めていくことが大事と考えています。

以上

最終更新日:2024年6月21日

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