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伊藤大臣閣議後記者会見録 (令和6年6月21日(金)10:00~10:11 於:環境省第一会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 まず、2022年度の食品ロス発生量について御説明申し上げます。
 環境省と農林水産省が推計をしております食品ロス発生量の最新の結果がまとまりましたので、御報告いたします。家庭から排出される家庭系食品ロスと事業者から排出される事業系食品ロスを合計した食品ロス発生量は、2022年度に約472万トンとなりました。この結果、2030年度までに2000年度比で半減するという政府目標を初めて達成いたしました。
 環境省では、食品ロス削減推進法に基づき、食品ロス削減に向けたマニュアルの策定や地域でのモデル事業、飲食店の食べ残しを持ち帰るmottECOや、フードドライブの普及などの取組を進めてきました。これにより、国民の皆様、事業者、地方自治体による食品ロス削減の取組が着実に進展しているものと捉えております。
 一方、家庭系では、まだ目標を達成できておらず、家庭系、事業系それぞれにおいて政府目標を着実に達成していくには、こうした取組の定着が必要です。食品ロスの削減は循環経済への移行、またネットゼロの実現に向けても重要であり、国民及び事業者の皆様のさらなる御協力をお願いいたします。
 

2.質疑応答

(記者)NHKの林と申します。よろしくお願いします。
 冒頭に発言された食品ロスについて、発言されたとおり全体としては目標達成したということなんですが、家庭系では、まだ目標を達成していないと。そうした中で、今後の環境省の取組としての見通しというのはどういったものになるんでしょうか。
 また、いずれにしても大幅に目標達成が前倒しできる、家庭系についてもそのようなこともあるかもしれないんですけれども、新たな目標などについて、現時点で検討していることなどはあるんでしょうか。
(大臣)食品ロスの発生量は減少傾向にありまして、このたび、発表しましたとおり、政府の削減目標を初めて達成しましたが、まだ楽観視はできないと考えております。環境省としては、関係省庁や地方自治体等と連携しながら、消費者の行動変容を促すことによって、政府目標を継続的に達成していくことが重要と考えております。具体的には、特に家庭用に関して言えば、デコ活を通じての食品ロスの削減も含めた国民の皆様、消費者の行動変容、ライフスタイルの転換を後押しすること、また、地方自治体や食品関連事業者等、地域の関係主体と連携し、飲食店での食べ残しを持ち帰る、mottECOの推進、そしてフードドライブ、またいろいろなモデル事業による地域主体の取組への支援を強化してまいりたいと思います。
 目標の見直しについてでございますけれども、食品ロスの発生量の今後の変化を踏まえつつ、消費者担当大臣が会長でもあります食品ロス削減推進会議において、関係省庁と連携して検討してまいりたいと考えております。
 
(記者)北海道新聞の大能と申します。
 知床半島の携帯電話基地局についてお伺いしたいんですけども、地元の羅臼町長が町のホームページに意見を公開しました。内容としては、海難が繰り返された知床の歴史を踏まえて、人命を第一に考えて計画どおりに推進してほしいという内容ですけれども、大臣の受け止めをまずお聞かせください。
(大臣)羅臼町長が18日火曜日に、知床半島携帯基地局整備について計画どおり推進していただくことを切に願う、との考えをホームページに掲載したと承知しております。
 この中で、羅臼町長は、一として、知床岬地区の携帯電話基地局の整備により、羅臼昆布の優良な漁場である赤岩地区の不感地域(携帯電話が通じない地区)を解消する必要がある。二として、世界自然遺産を理由に、知床の漁師がデジタルツールを利用した安心・安全な生産活動が許されないのであれば、到底納得できない。三として、20年前の知床世界自然遺産登録時には、知床の海を生業の場として行われる生産活動に不利益をもたらすことはないことが関係者の共通の認識だったなど、切実な思いを訴えていらっしゃいます。
 知床岬における携帯基地局の整備については、地元の斜里町と羅臼町からの要望に基づき、携帯電話事業者、地元町、地元の漁業者、観光協会、北海道、関係省庁からなる知床半島地域通信基盤強化連携推進会議の枠組みで、環境配慮を含め、意見交換を重ねてきたものでございます。
 今回、羅臼町長の考えがホームページに掲載されたことにより、羅臼町の考えは一貫して変更がないということが確認されました。
 一方、斜里町長が考えを変更したことにより、前提となる地域の合意形成に疑義があるという状況になっておりまして、地域における調整状況を注視したいというふうに考えております。
(記者)斜里町も羅臼町もそれぞれ意見を表明したという状況ですけれども、環境省としては、これを踏まえて、例えば推進会議をまた開くですとか、改めて両町の意見を聞くですとか、そういったお考えはありますでしょうか。
(大臣)推進会議は、環境省が主催しているものではございませんので、地元の協議団体で合意がどのようになされるのか、それを注視したいという考えでございます。
 
(記者)共同通信の堀口です。よろしくお願いします。
 冒頭御発言のあった食品ロスの関係で、家庭用のものについてお伺いしたいんですが、ちょうど時期的には、新型コロナウイルス禍で、飲食店などがしまったり、行動が制限される中で、家庭での消費が増えるんじゃないかと、巣籠もり需要が増えるのではないか、食品ロスについてですね、増えるのではないかという、一部懸念というか、そういった動きもあったかもしれませんが、実際にはちょっと減っている形が続いていると思いますが、それの受け止めの部分をお願いできますか。
(大臣)新型コロナウイルス感染症と食品ロスの量の変化については、一概に言うことは難しいんですけれども、2022年度において引き続き、コロナ禍によって、外食や買物機会の減少、在宅時間の増加といった、消費者の行動の変化、それから外食事業者の営業形態の変化等による影響が残っていた可能性もあると推察されます。
 ただ、定量的にそれがどうという分析は、現在のところできないと思います。
 
(記者)南日本新聞の山下と申します。よろしくお願いします。
 水俣病のことでお伺いいたします。今週、立憲民主党のほうから、水俣病の新たな救済ということで法案が提出されましたけれども、大臣は環境委員会の中で、患者、被害者を救うものであれば賛成して後押ししたいというような答弁をされておられますが、受け止めをお伺いいたします。
(大臣)立憲民主党から、水俣病問題の解決に向けて講ずべき措置に関する法律案が提出されたことは承知してございます。
 議員立法については、国会で御議論いただくことであり、環境大臣としてのコメントは差し控えたいと思います。
 いずれにしても、環境省としては、水俣病問題の歴史と経緯を踏まえつつ、水俣病対策を前進させるために、全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
 

会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=VI2GclHClO8
 

(以上)

 
 

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