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令和6年6月25日(火曜日)
教育、科学技術・学術、文化、その他

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G7教育大臣会合等イタリア・フランス出張,京都府にある島津製作所基盤技術研究所の視察,クリエイター・アーティスト等育成事業の採択先決定,文化芸術団体の機能等に関する検討会議の設置,「こども霞が関見学デー」(8月7、8日)のプログラム等公表,JAXAに対するサイバー攻撃,北海道旭川市いじめ報告書がネットに流出した疑いのある報道,授業料の値上げに係る東京大学の総長と学生の「総長対話」について,経済財政運営と改革の基本方針2024(骨太の方針2024)について,東京女子医科大学の同窓生子女推薦枠入試について

盛山正仁文部科学大臣記者会見映像版

令和6年6月25日(火曜日)に行われた、盛山正仁文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和6年6月25日盛山正仁文部科学大臣記者会見

令和6年6月25日盛山正仁文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

盛山正仁文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 今日は少し多くて6件ございます。まず1点目、明日26日から7月2日火曜日にかけまして、イタリアとフランスを訪問します。イタリアでは、昨年、我が国が議長を務めました、G7富山・金沢教育大臣会合に続き、イタリアでの初めての教育大臣会合が開催されますことから、これに出席をいたします。各国に共通する教師不足やICTの活用といった課題に対してどのように対応しているのかについて、我が国の取組を紹介するとともに、各国の取組を把握したいと考えています。また、イタリアのヴァルディターラ大臣をはじめとするG7各国の教育大臣との会合に先立ち、ローマにてサンジュリアーノ文化大臣及びベルニ-ニ大学・研究大臣との面会を予定しております。フランスでは、核融合実験炉「イーター」の建設地を訪問し、日本が製作を担当した主要機器「TFコイル」の納入完了記念式典に出席する予定です。イタリア・フランス出張については以上です。詳細については、担当課にお尋ねいただければと思います。
 2件目です。昨日24日でありますが、京都に出張し、島津製作所基盤技術研究所を視察いたしました。今回の訪問では、産学官連携やオープンイノベーションを通じた先端的な分析技術の開発として、光格子時計や、質量分析技術の開発など、最先端の研究開発の現場を視察させていただきました。博士人材の活躍促進に向けた方策などについても意見交換を行いました。産学官が連携して、研究環境の整備、研究活動の支援、人材育成などの取組を進める必要性を再認識いたしました。今回の視察を通じて得られたことを踏まえ、引き続き関連施策の充実に積極的に取り組んでまいります。
 3件目です。この度、若手研究者による、自由で挑戦的な研究を最長10年間安定的に支援する「創発的研究支援事業」について、4回目の採択者が決定され、本日公表されますので、御報告いたします。今回の公募では、国内外の大学等から2,600名を超える応募があり、その中から243名の研究者が採択されました。皆様には、それぞれの皆様には、御自身の研究構想に、思う存分、挑戦していただきたい、 成果を上げていただきたいと考えています。本事業は、今年度にも引き続き公募を予定しております。ぜひ、多くの優れた研究者の皆様に積極的に応募していただくことを期待しています。
 4件目です。令和5年度補正予算における基金を活用した「クリエイター・アーティスト等育成事業」について、採択先を決定しましたのでお知らせいたします。これまでも、文化庁において、各年度の予算において若手芸術家の活動を支援してまいりましたが、本事業は、その中でも、今後、国内外で活躍が期待されるクリエイターなどを戦略的に選抜し、公演の企画、制作から海外展開までの一体的な活動を複数年度にわたって支援するものとなります。今回、120件の応募に対し、専門家による審査を経て、舞台芸術、メディア芸術等の幅広い分野から、これまでにない個社を超えた連携・協働の企画を含め、29件を採択することといたしました。本事業を通じて、次代を担うクリエイター・アーティストの活動を後押しし、経済産業省、外務省とも連携しながら、我が国の誇るソフトパワーの国際的なプレゼンスの向上につなげてまいります。
 5件目です。文化芸術団体の機能強化等に関する検討を行うため、24日昨日、文化庁に有識者会議を設置いたしました。世界からも注目される我が国の優れた文化芸術の継承・発展のためには、芸術家等の個人が尊厳を持って自由に創造活動を行う環境の整備が重要です。他方、残念ながら、ハラスメントや芸術家の資格・地位に関して生じる問題など、外部から見えにくいところで個人の創造活動を損なうような課題も存在しているのが現状です。文化芸術の自主性・自律性を尊重しつつ、その改善を図るためには、個々の芸術家等を超えた横断的課題に取り組む文化芸術団体の役割が重要です。また、団体の主体的な取組は、先ほど申し上げた「クリエイター等育成事業」等の文化投資拡充に対する国民の理解を得る上でも不可欠と考えています。これらの点を含め、有識者会議において、団体に求められる機能等について御検討いただき、今年8月をめどに一定の方向性を取りまとめていただきたいと考えています。
 最後、6件目です。今年度も、各省庁とともに、「こども霞が関見学デー」を実施することとしましたのでお知らせいたします。今年度は、子供たちの夏休み期間中である8月7日水曜日、8日木曜日を中心に開催し、28府省庁等がそれぞれの特色を生かしたプログラム等の実施を予定しております。文部科学省では、私と子供たちの懇談をはじめ、62の体験型プログラム・オンラインプログラムを実施し、親子の触れ合いを深めつつ、子供たちが夏休みに広く社会を知る体験活動の機会を提供することとしております。できるだけ多くの親子に参加をしていただいて、子供たちの夏休みを有意義なものにしていただきたいと期待しています。以上です。6件でした。
 
記者)
 先日、JAXAに対する一連のサイバー攻撃に関する発言が大臣からあったと思いますが、その後も機密情報の漏洩に関する報道というのが各社さんからありまして、その事実関係と今後の文科省としてどのように対策をしていくのかということをお伺いしたいのと、また、7月から内閣サイバーセキュリティセンターが政府関係のサイバーセキュリティ確保のための施策として専用のシステムを導入して連携する方針をとるという報道がありますが、これに関する事実関係について教えていただけますでしょうか。
 
大臣)
 繰り返しになります、前回ご説明したことと。昨年来、外部からJAXAに対して複数のサイバー攻撃が行われたという報告は受けています。これらの影響の範囲等の詳細については事案の性質上、現時点でお答えは差し控えさせていただきたいというものです。
 しかしながら、情報漏洩に関する事実関係について、漏えいの有無を含め、公表可能な情報の整理がつき次第、JAXAよりお知らせをさせていただく予定です。それから、内閣サイバーセキュリティセンター、NISCとの関係でございますけれども、これにつきましては横断的アタックサーフィスマネジメント、ASMというようですが、それに関する取組について、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)において、政府機関等のサイバーセキュリティ確保のための方策として導入を検討しています。今後、各府省庁に向けた説明会が開かれる予定と承知をしております。本取組の対象となる機関を含め、詳細についてはNISCにお問い合わせをいただきたいと思いますけれども、いずれにしても、我々文部科学省としては、NISCとの協力等を通じて、サイバーセキュリティ対策のさらなる強化に取り組んでいくつもりです。以上です
 
記者)
 旭川市で2021年にいじめを受けていた女子中学生が凍死した事件のことで、市教委の第三者委員会がまとめた報告書の全文と見られる内容がインターネット上で黒塗りなく流出したとされる問題について、大臣の御見解と今後の対応についてお聞かせください。
 
大臣)
 北海道旭川市のいじめ事案における第三者委員会の調査報告書について、非公表の部分の内容が流出した疑いがあるとの報道は我々も承知しております。詳細について、現在、旭川市教育委員会において保管状況等を調査しているということでございますので、現時点で見解を述べることは差し控えさせていただいます。一般論として申し上げますと、調査報告書の内容が、関係のない第三者に流出することは、個人情報保護の観点からも絶対にあってはならないことであります。そう考えております。いずれにせよ、旭川市教育委員会の調査結果等を待ちたいと考えています。
 
記者)
 東大の授業料の関連でお尋ねします。先週21日の金曜日に学生と総長の対話の場が設けられ、学生からは授業料の値上げに反対する意見が相次いだようです。加えて、東大の発表によると、対話があった21日の夜に学生らが安田講堂内に侵入し、制止しようとした警備員が怪我をしたとのことで、警察が出動する事態にもなったようなのですが、こうした大学側と学生の議論が紛糾しているような状況を大臣としてどう受け止められているか、改めてお考えをお聞かせください。
 
大臣)
 先週21日金曜日に、東京大学において、学生と総長が対話をする機会が設けられたということは知っております。今後、東京大学において、先日の対話の内容を踏まえながら、引き続き議論を進めていく予定だと聞いておりますので、適切な対応がなされることを期待しているということ、それから怪我があったかないか、ちょっとその辺も詳しくは知りませんですけれども、いずれにしろ、そういうふうな形になっていることは決して望ましいことではありませんですから、会話がうまく進み、学生さんにとっても理解してもらえるような、そういう状況になることを期待しているというところです。
 
記者)
 先週金曜日に今年の骨太の方針が閣議決定されましたけれども、文科省としてはここがうまく入っていないというところとか、今後これを踏まえて予算要求ということになると思いますけれども、どういうところに力を入れていきたいかというのを聞かせてください。
 
大臣)
 骨太でございますが、質の高い公教育の再生、研究の質を高める仕組みの構築、科学技術の振興・イノベーションの促進、文化芸術・スポーツなど、我々の施策が記載されていると理解しています。具体的には、例えば、質の高い教師の確保・育成に向け、働き方改革のさらなる加速化、教師の処遇改善、指導・運営体制の充実、育成支援の一体的推進、そして、大型研究施設の高度化や国家戦略分野における大胆な投資、そして国立劇場の再整備やメディア芸術ナショナルセンター(仮称)の機能を有する拠点の整備の推進など、当省の重要な施策が盛り込まれておりますので、我々としては、今後、この骨太の方針に盛り込まれた施策を実行するための概算要求に向けて全力で取り組むということかと思います。作文は終わった。次は具体的な要求ということかと考えています。
 
記者)
 加えてお伺いしたいのですけれども、質の高い教師の確保の部分で教員の給与の教職調整額を4%から10%にという中教審の取りまとめがありましたけれども、少なくとも10%以上というのを踏まえてというような書き方、踏まえてという書き方なのですが、これはこれから財務省と調整していくことになると思うのですけれども、この数字が入ったのが大きいのかなと解釈したのですが、ある程度大きな前進と捉えていいのか、それともまだまだこれから調整が必要だということなのか、どういうふうに大臣考えていらっしゃいますか。
 
大臣)
 正直何とも言えませんですね。これは中教審でそういうふうに書かれているという記述でありますのでね。政府全体でそれを認めるという、そういう記述ではありません。ですから、まずは我々が8月末に向けてどのような概算要求をまとめていくかということになりますし、実際にどういう金額になるのかというのは年末にかけての調整ということになりますから、政府の予算原案が決まるところまで今後、折衝が続いていくと、そこまで行かないと何とも評価はできないということではないかと思います。
 
記者)
 東京女子医大で行われていた推薦入試の件でお伺いしたいのですが、同窓会組織の理事が面接の場で保護者らに寄付を打診したケースがあったと一部で報道されていました。入学に関する寄付金は受け取ることも、募集することも禁じられているかなと思うのですが、第三者委員会でももちろん調査が行われているかとは思っているのですが、文科省としての大学側への対応をどうしていくかを教えていただけたらなと思います。
 
大臣)
 今御指摘の東京女子医科大学の同窓生子女推薦枠入試において、同窓会組織が推薦者を決めるために、大学や同窓会組織の寄付金が考慮されたという報道は承知しております。仮に、公平・公正に行われるべき大学入試の信頼性に疑念を持たれる事案が生じているということであれば、大変遺憾なことであります。本件は、大学や学校法人ではなく、直接的には別の法人格を持つ団体における推薦プロセスに関する内容とはなりますけれども、文部科学省としては、東京女子医科大学に対して、同窓生子女推薦枠入試に関する事実関係について報告を求めております。その内容も踏まえた上で、今後必要な対応を考えたいと思います。
 
記者)
 冒頭でありました若手クリエイターの支援の採択が決まったという件なのですけれども、29件の中で簡単に特徴とかあったら教えていただきたいのと、あと大臣が注目している事業がもしあれば教えていただきたいです。
 
大臣)
 複数年度にわたる戦略的な若手クリエイター等の育成や海外でのネットワーク形成等の取組に重点を置いて選ばれたというふうに承知をしております。そして、分野の専門家に加えて、国内外のマーケティングや情報発信の専門家にも審査に参加していただいて決められたものであります。採択結果においては、例えば、音楽分野では、ポピュラーミュージックとアニメのタイアップ作品の海外展開、メディア芸術分野では、有力な海外出版社等の目利きを受けた若手マンガ家の海外展開、伝統芸能分野では、海外の名作映画や日本のマンガを題材にした新作文楽や、若手邦楽家による新作の海外上演など、卓越した構想が選定されたというふうに聞いております。このような海外展開において、個社を超えた連携・協働がなされてこなかったメディア芸術分野については、今回の採択を通じて、個社を超えた複数社によるプラットホーム形成の後押しにもつながったのではないかと考えます。今後、日本芸術文化振興会や専門家とともに、進捗確認や伴走支援を行いながら、クリエイター等の創造活動をしっかり後押しし、我が国の文化芸術の国際的なプレゼンスの向上につなげていきたいと考えております。あと、具体的なところは担当の方にお尋ねいただければと思います。
 
(了)

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