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2024年6月28日

経済産業省では、デジタル時代の人材政策に関する検討会での議論を踏まえ、「生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方2024」 ~変革のための生成AIへの向き合い方~ を取りまとめました。

1.背景

生成AIの技術は、生産性や付加価値の向上等を通じて大きなビジネス機会を引き出すとともに、様々な社会課題の解決に資することが期待されています。

2023年8月に、生成AIを適切かつ積極的に利用する人材・スキルの在り方について「デジタル時代の人材政策に関する検討会」において集中的に議論し、「生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方」として採るべき対応をとりまとめました。その後、生成AI技術の急速な進展、国内企業の導入が進んでいますが、本格的な利活用には課題があります。

2023年10月以降、本検討会において、企業や専門家のヒアリングを重ね、今般、生成AIの利活用を妨げる課題と解決に向けた示唆、生成AI時代のDX推進人材のスキル、政策対応を取りまとめました。

2.「生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方2024」について

本とりまとめのポイントについては、以下のとおりです。

(1)生成AIの利活用の現在地

開発者の貢献や企業の前向きな生成AI導入(国内企業の生成AI社内利活用・推進は1年前から大きく進展)。一方で、組織として生成AIの日常業務への組み込み、新サービス創出、これを後押しする経営層の関与が停滞(世界平均より低い)。

(2)生成AI利活用の段階と課題、解決策と今後

組織として生成AIを日常業務に組み込んで利用する取組や、新たなサービス創出につながる活用、また、これを後押しするような経営層の関与において停滞。

  • 利活用を妨げる課題解決に向けた示唆
    ・生成AIへの理解不足と向き合い方:目的志向のアプローチ、環境整備と実験、答えでなく問いを深める
    ・経営層の姿勢、関与:経営層自身がビジョン・方針を定め、変革推進人材の役割を定義
    ・推進人材とスキル:スキルトレンドをデータドリブンに捉え、人材定義・教育・活躍の場作り
    ・データの整備: 全社的なデータマネジメントとデータ「目利き」人材の育成・確保
  • 経験機会の喪失と実践的な教育・人材育成
  • 開発生産性の革新で、新たなベンダー・ユーザーの契機

(3)生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキル

  • 生成AIの業務での活用により知識や技術が補填されるため、DX推進人材はより創造性の高い役割としてリーダーシップや批判的思考などパーソナルスキルやビジネス・デザインスキルが重要となる
  • DX推進人材には「問いを立てる力」や「仮説を立て・検証する力」、に加えて「評価する・選択する力」が求められる
  • 求められるスキル
    ・ビジネスアーキテクト:選択肢から適切なものを判断する選択・評価する力
    ・デザイナー:独自視点の問題解決能力、顧客体験を追求する姿勢
    ・データサイエンティスト:利活用スキル(使う、作る、企画)、背景理解・対応スキル(技術的理解、技術・倫理・推進の各課題対応)
    ・ソフトウェアエンジニア:AIスキル(AIツールを使いこなす)、上流スキル(設計・技術面でビジネス側を牽引)、対人スキル
    ・サイバーセキュリティ:AI活用の利益とリスク評価、社内管理スキル、コミュニケーションスキル

(4)生成AIを踏まえた人材・スキルの在り方に関する対応

経済産業省の対応として、「デジタルスキル標準(DSS)」の見直し、「デジタルガバナンス・コード」の見直し、AI学習機会の裾野の拡大、生成AI時代に求められる継続的な学びの実現に向けた環境整備に取り組んでいく。

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担当

商務情報政策局 情報技術利用促進課長 内田
担当者:米山、平山、中野、島田
電話:03-3501-1511(内線3971)
メール:bzl-digital★meti.go.jp
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