内閣府・新着情報

日時

2024年5月28日(火)10:00~11:16

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

【委員】
今村部会長、中田部会長代理、穐山委員、阿部委員、小川委員、笠岡委員、川口委員、監物委員、河野委員、菅委員、鈴木委員、前田委員、森田委員
【消費者庁】
依田審議官、清水食品表示課長、今川食品表示課保健表示室長
【事務局】
小林事務局長、後藤審議官、友行参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 食品表示に関する最近の動向について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○友行参事官 定刻となりましたので、始めさせていただきたいと思います。

本日は、皆様、お忙しいところを御参加いただきまして誠にありがとうございます。

ただいまから、「消費者委員会第70回食品表示部会」を開催いたします。

本日は、第8次消費者委員会発足後、初めての食品表示部会でございます。参考資料1として本部会の委員名簿をお配りしておりますので、御確認ください。

本日は、今村部会長、中田委員、穐山委員、小川委員、笠岡委員、川口委員、監物委員、河野委員、菅委員、鈴木委員、前田委員、森田委員が会議室にて御出席、阿部委員はオンラインにて御出席いただいております。

なお、田中委員は所用により御欠席でございます。

過半数に達しており、定足数を満たしていることを御報告いたします。

本部会の部会長ですが、第412回消費者委員会におきまして、今村知明委員が鹿野委員長より指名されております。どうぞよろしくお願いいたします。

また、本日、消費者庁から依田審議官、清水食品表示課長が御出席、それから、遅れておりますが、今川食品表示課保健表示室長も御出席される予定となっております。

議事に入る前に、進め方と配付資料について確認させていただきます。まず、本日は報道関係者のみ会議室にて傍聴いただき、一般傍聴者にはYouTubeによりオンラインにて視聴いただいております。議事録につきましては、後日、消費者委員会のホームページに掲載いたします。議事録が掲載されるまで、YouTubeでの見逃し動画配信を行います。

初回でございますので、テレビ会議システムにおいての進行について御説明いたします。本日はテレビ会議を併用して進行いたします。テレビ会議にて御参加の委員におかれましては、ハウリング防止のため、発言者以外の方はマイクをミュートの状態にしていただきますようお願いいたします。

御発言の際は、挙手ボタンまたはチャットを利用して発言する旨をお知らせいただき、部会長から指名がありました後に、マイクのミュートを解除して、お名前をおっしゃっていただき、御発言をお願いいたします。また、差し支えなければ、カメラ付の方は御発言の際、ビデオ通話をオンにしていただければ幸いでございます。会議室で御参加の方は、挙手にてお知らせいただき、部会長から指名がありました後に発言をお願い申し上げます。御発言の際、配付資料を参照する場合は該当のページもお知らせいただくと幸いでございます。

なお、音声が聞き取りづらいなどの場合には、チャット機能などでお知らせいただけますようお願いいたします。

本日お配りしております資料は、議事次第に記載しております資料1、参考資料1から参考資料4となっております。もし不足等がございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。

それでは、今村部会長、以降の進行をお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございます。消費者委員会委員の今村です。

消費者委員会委員長の鹿野委員長より御指名をいただきまして、表示部会の部会長を務めさせていただくことになりました。よろしくお願い申し上げます。

最初に、部会長代理につきまして、消費者委員会令により、部会に所属する消費者委員会委員の中からあらかじめ部会長が指名するとなっております。第8次部会長代理につきましては、中田華寿子委員にお願いしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

○中田部会長代理 御紹介ありがとうございます。このたび、部会長代理を拝命いたしました消費者委員会委員の中田華寿子でございます。

国内外の民間企業のマーケティング・コミュニケーション業務及び経営に携わっております。委員の皆様の御議論を承りながら、任務を務めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○今村部会長 よろしくお願いします。

続きまして、委員の皆様にも一言ずつ御挨拶をいただきたいと思っております。

私も紹介させていただきますと、私は奈良医大で公衆衛生をしておりますが、昔、厚生省で食品表示を担当したこともありまして、アレルギー表示とか遺伝子組換え表示を作った当初の担当者であります。横の穐山先生もそのときに御一緒させていただきましたけれども、食品表示部会もここ10年ほどさせていただいていまして、今回、部会長を拝命いたしました。よろしくお願い申し上げます。

では、五十音順で、穐山委員から順にお願いいたします。

○穐山委員 星薬科大学の穐山と申します。

私は食品衛生学、食品化学あるいは分析化学の研究をしていまして、以前から今村先生にもいろいろお世話になりまして、遺伝子組換え表示、アレルゲン表示、あるいは期限表示等の科学的検証の部分で研究をしてきました。これからもよろしくお願いいたします。

○小川委員 東京海洋大学の小川と申します。

専門が経営学で、食品安全マネジメントの研究をしております。外食・中食でのアレルギー表示やアレルギー対応、あるいは最近注目されている食品安全文化の醸成等について、企業の方々と一緒に取り組んでおります。どうぞよろしくお願いいたします。

○今村部会長 阿部先生があいうえお順で最初でございました。申し訳ございません。

阿部委員、御挨拶をお願いいたします。

○阿部委員 おはようございます。

本日は午後に急な会議が入っておりますので、ウェブのほうで参加させていただいております日本栄養士会の常務理事の阿部でございます。よろしくお願いいたします。

私の前職は公衆衛生の行政栄養士をしておりまして、食品表示の担当部局にもおりましたので、そのときの経験なども生かしながら参加させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございます。

続きまして、笠岡委員、お願いします。

○笠岡委員 おはようございます。株式会社サンベルクスホールディングスの笠岡と申します。

弊社は、東京、埼玉、千葉で47店舗を展開しておりますスーパーマーケットになります。

私の担当としては、スーパーマーケットのお店でインストア加工をしているお弁当とかお惣菜のお店で出力するプリンターラベルの作成時の表示のチェック、あと店頭表示しているPOPのチェックなどを行っております。

スーパーマーケットの視点から本委員会に関われればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○川口委員 おはようございます。国民生活センター参与の川口徳子でございます。

私は、食品表示部会は第4次で委員をさせていただいて、原料原産地表示に関わらせていただきました。

もともとは食品メーカーで、コンシューマー商品の商品企画開発をずっとしていて、その後、顧客満足を高める仕事をしておりました。2019年から4年間、国民生活センターの理事をしまして、相談情報部、広報部、商品テスト部を所掌しておりました。

今回は、消費者の視点で発言させてもらえたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○監物委員 女子栄養大学出版部の監物南美と申します。

『栄養と料理』という月刊誌の中で、栄養成分を表示したり、テーマを扱ったり、また、市販品としての食品成分表の編集を担当しておりまして、ユーザーの方から表示に関する御相談とか議論をする機会が多くございます。

成分表改訂により成分表示の値と食品標準成分表の値との違いにいまだに混乱していまして、いろいろ悩むことが多いです。よろしくお願いいたします。

○河野委員 一般財団法人食品産業センター事業推進部の河野と申します。

今回、初めて委員を務めさせていただきます。事業者視点での意見ということで発言できたらと思っています。あわせて、一消費者としての意見も述べられたらと思っています。どうぞよろしくお願いします。

○菅委員 大阪で弁護士をしております菅と申します。

食品表示部会のメンバーに加えていただくのは、早いもので私も5期目になるかと思います。弁護士として、食品や医薬品・医薬部外品などによる健康被害等の救済などにも携わってきましたし、日弁連消費者問題対策委員会食品安全部会の委員もしておりますが、私としてはこれまでの任期と同様に、あくまで日々表示に触れながら自分でよく買い物をする一消費者としての素朴な疑問や視点を大切にして意見を述べてまいれたらと思っております。

今後、じっくり検討されるべき全体的な未来像の話だけではなくて、機能性表示食品の在り方や食品ロス対策など次々課題が生まれていると思うのですけれども、任期中に関わり合いがあるものについては議論に加われるように考えてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

○鈴木委員 食品表示検定協会の鈴木と申します。

テキストの作成に15年関わりまして、この4月から事務局長ということで務めております。

私の前職ですけれども、大手小売のPBの開発とか品質管理をしている機能会社に30年勤めてまいりました。その間、食品表示検定のテキストの作成をしたり、地域振興の事業を、経済産業省さんの事業などで小規模の事業者さんと関わりを持ち、指導をしてきたというところがございます。 その他の業務の一環として,フードチェーンの部分で6次化産業をされている事業者さんのお手伝いをしたというところもあります。畑から消費者のところに届くまで、実際の商品と表示の内容にそごがないようにというところが非常に課題となっている部分、あと、食品表示検定協会の立場といたしますと、検定の開始から15年たってきて、皆様もよく御存じのとおり法改正が激しいものですから、15年前に検定で資格を取られた方の技能の保持が今課題になってきております。そういった観点からも、食品表示の普及、実際に食品表示を作るサイドの方の技術とか技能のところの保持がなかなか難しいというところも含めて、いろいろな観点からこちらの委員として参加ができればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○前田委員 アレルギーの正しい理解をサポートするみんなの会、前田と申します。

アレルギーの患者会として活動しております。こちらの会議には、前期に続きまして参加させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○森田委員 一般社団法人Food Communication Compassの森田満樹と申します。

食品安全や食品表示に関して情報発信を行う消費者団体として活動しておりまして、全国消団連にも所属して、会員間で情報共有を行っております。

食品表示に関しましては、2000年代にJASの調査会から始まりまして、消費者庁でも検討会の委員などをさせていただいております。消費者としての立場で発言してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○今村部会長 ありがとうございました。

これから、この任期中、このメンバーで議論していきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

本日は、第8次発足初めての食品表示部会ですので、当部会の規程について簡単に事務局からの御説明をお願いします。

○友行参事官 それでは、お手元の参考資料2の「食品表示部会設置・運営規程」を御覧ください。3点ほど簡単に御説明申し上げます。

まず、第三条に、本部会の所掌について記載がございます。

次のページ、第六条では、審議の公開についての記載がございます。この第2項には、「部会は、会議を公開することにより、当事者若しくは第三者の権利若しくは利益又は公共の利益を害するおそれがある場合その他の部会長が非公開とすることを必要と認めた場合を除き、公開する」となっております。

また、第3項には、「前項の規定により部会長が会議を非公開とすることを認めた場合は、部会はその理由を公表する」となっております。

また、第5項には、「第2項の規定により部会長が会議を非公開とすることを必要と認めた場合は、議事要旨を速やかに作成し、公表するものとする」となっております。非公開の部分についても、議事要旨を作成することになります。

第七条にある部会の議決についてです。「部会の議決については、委員長の同意を得て、消費者委員会の議決とすることができる」とされております。

参考資料3として、「下部組織の会議運用の在り方に関する申し合わせ」が当委員会においてなされております。時間の都合上、御紹介だけにとどめさせていただきます。

以上でございます。

○今村部会長 ありがとうございます。

今御説明がありました規程に沿って進めてまいりたいと思いますので、委員の皆様の御協力をよろしくお願いします。

≪2.「食品表示に関係する最近の動向について」について≫

○今村部会長 それでは、本日の議題、「食品表示に関係する最近の動向について」に入っていきたいと思います。

昨年来、消費者庁におきまして食品表示に関する様々な議論が行われております。今後、食品部会で取り上げる可能性のある物もその中には多くあります。

なお、消費者庁では「機能性表示食品を巡る検討会」を開催していただいていまして、その取りまとめを行ったと聞いております。その議論はまた別の機会に行いたいと思いますが、まず消費者庁から、今の取り扱っている問題点などについて少し短めに説明をしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。

○消費者庁食品表示課清水課長 消費者庁で食品表示課長をさせていただいています清水と申します。よろしくお願いします。

30分ほどと伺っておりますので、資料1に基づきまして、資料1は41枚もあって30分でできるか分かりませんけれども、かなり駆け足の説明になってしまうと思いますが、何か御質問などがありましたら、また後ほどいただければと思います。

早速、始めてまいります。

まず1枚おめくりいただいて目次でございますけれども、今日は5つのテーマについてお話しさせていただきたいと思っております。「食品表示懇談会について」、「分かりやすい栄養成分表示の取組に関する検討会について」、「栄養強化目的で使用した添加物の表示について」、「栄養成分表示に関する改正予定について」、最後に「食品ロス削減の観点からの課題について」でございます。

1つ目の「食品表示懇談会について」ということでお話しさせていただきます。3ページを御覧いただければと思います。

食品表示制度については、消費者基本計画等に以下のとおり盛り込まれておりました。ちょうど1年ほど前ですけれども、経済財政運営と改革の基本方針2023、いわゆる骨太の方針2023の中に消費者庁関係の記述がございますが、その中で「食品表示基準の国際基準への整合化を推進する」といったことが書かれておりました。

また、令和2年に閣議決定されました5年間を計画期間とする消費者基本計画においては、「消費者にとって見づらい等の食品表示における課題を解決し、分かりやすく活用される食品表示とするため、食品表示の全体像に関する報告書を踏まえ、消費者の表示の利活用の実態等の現状把握を行うことを目的とした調査等を実施し、その結果を踏まえた検討を行う」とされておりまして、毎年改定されます消費者基本計画工程表において、昨年6月には、「合理的かつシンプルで分かりやすい食品表示制度の在り方について、国際基準との整合性も踏まえながら、有識者から成る懇談会において順次議論していく」ということになりました。

それを受けまして、4ページでございます。令和5年度食品表示懇談会ということで開催させていただきました。検討項目としては、食品表示制度に関するこれまでの経緯と現在の情勢と、それらを踏まえました今後の食品表示が目指していく方向性について、中長期的な羅針盤となるような制度の大枠を議論していただくということになり、10月から4回懇談会を開催させていただきました。

5ページ目でございます。食品表示懇談会開催要領でございます。趣旨としましては、大きな流れとして1つ、海外のほうになりますけれども、コーデックス委員会の食品表示部会において、「技術革新を利用した食品情報の提供に関するガイドライン」の策定に向け、国際ルールづくりの議論が進んでいるという状況がございます。こうした国際的な議論に、我が国としても能動的に対応していく必要があるのではないかということ。

また、ちょうど今年の4月ですけれども、食品衛生基準行政が厚生労働省から消費者庁に移管されました。昨年の途中の段階ではまだこれから移管されるという状況でして、そういった体制の変更などもあるという状況の中、今後の食品表示が目指していく方向性について中長期な議論を行うタイミングではないかということで議論をさせていただいたところでございます。

議論の結果、どんなことが取りまとまったかというのが6ページ目でございます。「令和5年度食品表示懇談会の取りまとめ」ということで、方向性として以下の6つのポイントが取りまとめられました。

1つ目が「諸外国との表示制度の整合性について」ということで、大きな方向性としては、我が国の状況や諸外国のコーデックス規格への対応状況を踏まえつつ、合わせられるところについては合わせていくべきではないか。

2つ目としまして、個別の食品の品目ごとの表示ルールにつきまして、横断的な基準に合わせる方向で見直すことを基本としつつ、食品ごとの個別の事情や制定の経緯、消費者の要望等を踏まえながら検討すべきではないかということ。それと、表示基準がその時々の情勢に照らして妥当なものであるかを定期的に確認することについても検討すべきではないかということでございます。

3番目としまして、趣旨のところでも申し上げました「食品表示へのデジタルツールの活用について」ということで、すぐにということではないですが、将来的に容器包装への表示に代えて代替的な手段によって情報提供を充実させることとした場合の議論を進めていく必要があるのではないか。新たに管理すべき情報や、その情報の管理方法や提供手段などについても議論を進める必要があろうということでございます。

4番目が「改正内容の施行時期について」ということで、食品表示法ができました食品表示一元化、旧JAS法とか食品衛生法、健康増進法の表示に関する部分を1つにまとめまして食品表示法ができたわけですが、その後も10年近くずっといろいろな改正が行われ続けてきたということで、その点について表示を作る側、する側の事業者の負担も大きいということで、各改正事項の施行時期や経過措置期間の終了時期を極力合わせるなど、実施時期の予見可能性を高めるといった方策も含めて議論していくべきではないかと。

5番目としまして、「食品表示制度の消費者への周知について」ということで、食品表示を正しく活用していただけるように、制度の周知普及をさらに実施していくべきだということ。

最後に、「各検討事項の議論の進め方について」ということで、各分野の専門家から成る議論の場を設けて、そこで議論を深掘りしていってはどうかということで、今年度、令和6年度からはデジタル活用と個別品目の表示ルールの2つの分科会を設けて検討していくことになりました。

7ページを御覧いただければと思います。「食品表示懇談会の今後の進め方」ということで、昨年度、大枠の議論について取りまとめていただいて、今年度は分科会①デジタルツールの活用と、分科会②個別品目毎のルールということで、2つの分科会を進めてまいります。

分科会②につきましては、実は初回を明日開催する予定でございます。分科会①のほうはまだ予定が立っておりません。この分科会で議論していただいた結果も踏まえて、親会である食品表示懇談会も開催していきたいと考えております。

8ページ目です。ちなみに、分科会①デジタルツールの活用のほうではどんなことを議論していただくことになるかというのを、昨年来のコーデックスの動きなども御紹介しながら説明させていただきます。

昨年5月の第47回コーデックス食品表示部会のほうで、「食品表示情報の提供へのテクノロジーの使用に関するガイドライン案」というのが議論されました。これは端的に申し上げますと、今、容器包装に表示することになっている情報を二次元コード、QRコードなど、デジタルツールを活用して情報提供するといったことに関するガイドライン案を議論しているという状況でございます。

この中で特に5番のところが重要かと思われます。「消費者への義務食品表示情報の提供がテクノロジーの使用により代替可能かを決定する上で考慮すべき事項」ということで、5.1のほうでは、どれぐらいデジタルツールが活用できるものになっているかということが条件としてありますよねというのが今の案では書かれています。

5.2のほうで、食品の名称及び健康や安全性に関する食品情報が、テクノロジーを使用した手段のみで提供されることがあってはならないということで、食品の名称及び健康や安全性に関する食品情報は容器包装上に書かなければならないだろうと。逆に申しますと、それ以外の品質に関する情報は、必ずしも容器包装でなくても、各国の判断に委ねられるのではないかというような案文で今議論が進んでおります。

一方、5.3にありますような、特定の実物の商品とひもづいている食品情報、ロット番号や日付表示といったものは容器包装に書いていかなければいけないのではないかと。こういった議論が国際的には進んでいるという状況でございます。

9ページ目は、コーデックスの今申し上げました議論の大本になっている包装食品の表示に関するコーデックス一般規格の概要をつけさせていただいております。

10ページ目です。分科会のデジタルツールの活用のほうで、食品表示懇談会の取りまとめの内容としては、デジタルツールについてどんなことが書かれているか、これが分科会の議論のベースになるわけですけれども、議論の内容としては、世界的な情勢や技術の発展、食品表示の見やすさの観点や消費者への情報提供の拡充という面から検討していくべきだというお話がありましたけれども、システムの運用や情報開示に当たって事業者が新たに負担するコストも大きいということで、どの情報をデジタルで提供すべきかを整理すべきということ。あと、効果的な運用の観点から、データベースの必要性とかサプライチェーン全体を通して効率的に取り組めるような情報共有の在り方も検討しなければいけないだろうということでございました。

取りまとめの内容につきましては、消費者への情報開示を充実するといった観点、国際的な議論に能動的に対応していくという観点から、デジタルツールにより情報提供を行う場合の議論を進めていくということになったところです。その際には、技術的な課題なども検討するということになっております。

ちょっと話題が変わりまして11ページですけれども、今度は分科会②のほうで個別品目ごとの表示ルールの見直しということでございます。こちらにつきましては、今、個別の食品ごとにあるルールを横断的な基準に合わせるという方向で見直すことを基本としつつ、それぞれの個別の事情などについて業界団体などからお話を聞きながら検討していただくということで、明日から進めさせていただく予定でございます。

内容としましては、12ページを御覧いただければと思います。今、食品表示基準の別表で規定されている個別品目ごとのルールは、昭和の後半の旧JAS法のJAS規格に表示基準があった時代に策定されまして、基本的にはその内容があまり変えられることなく今に至っているということで、時代とともにその役割はもう終わっているものがあるのではないかというような観点から、見直していくべきということでございます。

仮に、食品表示基準を改正する場合には、もちろん食品表示部会のほうで改めて御議論いただくわけですけれども、それぞれの規定の必要性などについて、まずは業界団体などからヒアリングして、委員の方々に議論していただくということで進めていきたいと考えております。かなり数がありますので、なかなか1年では終わらないかと思いますけれども、始めさせていただくということです。

13ページ、14ページに個別品目ごとのルールについて、今の食品表示基準でどんなものがあるかというのを列記しておりますけれども、これだけの数が団体ごとに整理したとしてもあるということで、これを順次ヒアリングしながら検討していきたいと考えております。

食品表示懇談会の状況につきましては以上です。

15ページから、分かりやすい栄養成分表示の取組に関する検討会の状況についてお話をさせていただきます。

「栄養成分表示における義務・推奨・任意表示の考え方」という16枚目のスライドを御覧いただければと思います。そもそも今の食品表示法、食品表示基準に基づきまして、栄養成分について、消費者における表示の必要性、事業者における表示の実行可能性、国際整合性、この3つとも満たすものについて義務表示としております。現行では、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量に換算したナトリウムを義務表示としております。推奨表示としまして、飽和脂肪酸と食物繊維ということにしておりまして、そのほかのものについては任意表示となっている状況でございます。

栄養成分表示そのものは今こういった状況でございますが、17ページを御覧いただければと思います。コーデックス委員会のほうでは、Front of pack nutrition labelingということでFOPNLと略称されていますけれども、こちらのガイドラインのほうが議論されていて、2021年、既に3年前にガイドラインが承認されているという状況でございます。

こちらのコーデックスのガイドラインにおいては、包装前面栄養表示、FOPNLについて、国内の法律に沿って任意また義務とすることができる、各国で政府が推奨するFOPNLは1つだけであるべきである、各国の根拠に基づいた国または地域の食事ガイダンスもしくはそれがない場合は健康・栄養政策に沿ったものでなければならない云々といったことがガイドラインに規定されております。

具体的にFOPNLとはどんなものかということで、18ページに今各国で取り組まれているFOPNL、加工食品の包装の前面に貼ることになっているマークなどの例を示しております。例えばスウェーデン、シンガポール、フランス、オーストラリアなどでは、任意の表示ではありますけれども、それぞれの食品について栄養面から見たスコアリングをして、Aなのか、Cなのか、Eなのか、フランスでしたらNUTRI-SCOREということで、それぞれ健康にいい成分が多い、あるいは健康に悪い成分が少ない、それだったらAのほうに寄り、逆だったらEのほうに寄るということで、消費者が選択しやすくするような形の仕組みを入れているということでございます。

一方、イタリアとか英国は、栄養素含有量表示型ということで、それぞれの栄養素についてどれだけ入っているかということと、それが1日摂取量当たりの何パーセントを占めるかといった情報を載せるような形にしております。

下のほうが義務表示としている国の例で、メキシコ、カナダ、タイなどを載せております。

これでも分かりにくいかと思いますので、19ページ目以降に、我が国で既に自主的に取り組まれている事業者さんの例を載せております。まず1つ目がイオントップバリュ株式会社さんで、真ん中の左側に載せておりますが、エネルギーとかたんぱく質といったものの量を載せているということで、裏面の一括表示欄に小さく書くのではなく、前面にこういった表の形で分かりやすく表示しているという例でございます。

20ページ目が日本コカ・コーラさんの例で、1本当たりのカロリーについて表示を前面にするということで、これも消費者に分かりやすく見ていただくというような形でございます。

21ページ目がネスレ日本株式会社さんで、こちらはそれぞれの熱量、脂質、飽和脂肪酸、糖類、食塩相当量などの量と、それの1日摂取量当たりの何パーセントを占めるかといったところ。さらに、これは実際に喫食する場合の状況を想定した、緑色の部分はミロという商品を牛乳150ミリリットルに溶かしたらこういう栄養になりますよというところを表示してあるものでございます。

このように国内では各社さんがそれぞれのやり方で取組を始めているという状況でして、コーデックスガイドラインのほうで規定している、なるべく国の中では1つのルールで統一してやったほうがいいという観点からすると、ルールの検討などをすべき段階ではないかと考えているところです。

そういうことで、22ページですけれども、「令和5年度 分かりやすい栄養成分表示の取組に関する検討会」ということで、我が国における包装前面栄養表示、FOPNLの在り方について検討をしていただくということで、昨年の11月から議論をしていただいております。

23ページ目に、半年議論していただいた段階での中間的取りまとめの内容を紹介させていただいております。まず、我が国の課題を解決するために重要な栄養成分としては、今義務表示になっている熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムにすべきではないか。また、栄養成分の量の表示を利活用しやすくするために、対象となる栄養成分の量の話だけでなくて、栄養素等表示基準値に占める割合を表示すること、つまり、1日に取るべき量のどれぐらいが取れます、取ってしまいますというところです。それと、あくまで現時点では実情を踏まえて自主的な取組を推進するということで、任意表示の取組と位置づけた上で、ただ、ばらばらなやり方ですと消費者も分かりにくいということになりますので、一定のルールが必要であろうというところまで取りまとめていただいたという状況でして、今年度も引き続き議論していただくことになると考えております。

3番目ですけれども、栄養強化目的で使用した添加物の表示について御説明させていただきます。

25ページを御覧いただければと思います。「食品添加物表示制度に関する検討会報告書」の概要ですけれども、令和元年度に食品添加物の表示制度について御議論いただきまして報告書が取りまとまっております。

こちらにその内容を載せていますけれども、下から2つ目の赤枠で囲ってある部分以外は基本的に対応してきているのですけれども、赤枠で囲った部分について、昨年度、調査などを実施させていただいたということで、現行では栄養強化目的で使用した添加物の表示は、一部の食品を除きまして、個別の品質表示基準で表示することになっている部分を除きまして表示が不要になっていますが、令和元年度の検討会では、原則全ての加工食品に表示する方向で検討すべきではないかと。ただ、事業者の影響等を調査して、それを踏まえて決めるべきということでございました。

そこで、消費者と事業者に関して調査を行った結果が26ページ以降です。

26ページが食品表示に関する消費者意向調査の中で、栄養強化の目的で使用したビタミン等の添加物は表示されないことがありますけれども、表示してほしいですか、あるいは表示されない食品があってもいい、一部の食品に限る表示でよいですかというような選択肢をお示ししてお伺いしたところ、表示してほしいという回答のほうが①と②を足して5割に達していまして、消費者の意向としては表示すべきということなのかなと考えております。

27ページですけれども、こちらは今度、事業者側に対して栄養強化目的で使用した食品添加物の表示に関する実態調査を行いました。そもそも表示義務商品以外も扱っていますかというところで、22パーセントの方が扱っていると回答されまして、省略していますかという御質問もしたのですが、省略している商品はないという方が9割を超えていまして、省略しているという方のほうがかなり少なかったということです。

その理由としては「表示面積がないから」などが挙げられておりますが、仮に栄養強化目的で使用した食品添加物の表示について全て表示することになった場合に問題点はありますかという質問に対しては、「問題はない」という回答が95パーセントという結果でございました。

これを受けまして、28ページですけれども、先ほど申し上げました食品表示懇談会のその他決定事項というところで、栄養強化目的で使用される食品添加物に関しまして、その記述を削除する方向で進めていくことで了承されたところでして、今後、基準の改正案をこちらの食品表示部会に諮問させていただくことになるのかなと考えております。

また話題が変わりまして、4番目、「栄養成分表示に関する改正予定について」ということで、30ページを御覧いただければと思います。

まず、栄養素等表示基準値の改正をおおむね5年置きに行っておりまして、厚生労働省において今検討されている日本人の食事摂取基準2025年版の策定を踏まえて、2024年度を目途に栄養素等表示基準値を見直す必要があると考えております。

これに伴いまして、食品表示基準別表第10に書いてある栄養素等表示基準値のほうを改正することになるかと考えております。また、栄養機能食品の上・下限値、別表11とか、栄養強調表示の基準値、別表12、13、こういったところも連動して併せて見直す必要があると考えております。

31ページ、「栄養成分等の測定及び算出の方法の追加について」ということで、かなり技術的な内容になりますけれども、調査検討事業などを実施しまして、その結果として分かってきたことにつきまして、これを反映させるような改正も必要かと考えております。

最後、32ページ目以降が「食品ロス削減の観点からの課題について」ということでございます。

33ページを御覧いただければと思います。「期限表示(消費期限・賞味期限)について」ということで、現行の制度を紹介しております。これは、食品表示基準第2条第1項のほうに規定がございまして、消費期限と賞味期限の定義がそれぞれございます。消費期限のほうは、比較的早く悪くなるもの、傷みやすい食品について、期限を過ぎたら食べないほうがよい期限でございます。賞味期限のほうは、劣化が比較的遅いもの、日持ちする食品ということで、かつ、その期限を過ぎたからといって食べられなくなるということではなく、おいしく食べることができる期限、定められた方法により保存した場合に期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限ということになっております。

こちらの期限表示につきまして、34ページを御覧いただければと思います。「食品ロス削減目標達成に向けた施策パッケージ」が昨年12月に取りまとめられておりまして、その中で「未利用食品等の提供の促進」という部分に、「食品ロス削減推進の観点からの期限表示の在り方の検討」ということが盛り込まれました。これは、平成17年に厚労省と農水省が策定しました「食品期限表示の設定のためのガイドライン」というのがありまして、そこで期限表示の設定根拠とか安全係数の設定などについて記述があるのですけれども、こちらにつきまして策定から20年近くたつということで、改めて実態を調査し、有識者から構成される検討会を設け、食品ロス削減の観点から見直すということ。その際に、賞味期限が到来した食品でまだ食べることができる食品の取扱いについても、具体的な検討を行いましょうということが記述されております。

また、(2)としまして「食品の提供に伴って生ずる法的責任の在り方を含めた食品提供を促進するための措置の具体化」とありますが、表示に関する部分としましては、期限表示、アレルゲンなどの食品安全情報の伝達手法について、一定の管理責任を果たすことができる食品寄附関係者、フードバンクさんなどが届出をした場合には、包装上のラベル以外の手法を認めるという法的措置を検討するということが記述されております。これは後ほど、どういう内容が想定されるかというのは御紹介いたします。

35ページを御覧いただければと思います。「食品期限表示の設定のためのガイドラインの見直し検討会」ということで、こちらは実は昨日、第1回検討会を始めさせていただいたところでございます。

「食品期限表示の設定のためのガイドライン」の内容につきましては、36ページに載せております。基本的には、①のところですけれども、食品の特性に配慮し、理化学試験や微生物試験等において数値化が可能な客観的項目に基づき設定しましょう、そして、②ですけれども、それに1未満の係数(安全係数)を掛けて、より少し短い期間を設定することが基本ですよということになっております。これらにつきまして、見直しを検討していきたいと考えております。

37ページ、38ページは、今、業界団体さんなどでつくられています「特性が類似している食品ごとの期限設定の現状」ということで、状況について御紹介しております。説明は割愛させていただきます。

最後に、39ページですけれども、「無償譲渡における表示の現行ルール」でございます。今、フードバンクさんなどがメーカーさんなどから食品の寄附を受けて、寄附を受けた食品を配布するときに、表示のルールについては今、食品表示法上は「販売」の定義の中に、不特定または多数の者に対する販売以外の譲渡を含むということになっておりますので、無償譲渡の場合も食品表示法による規制の対象であるということでございます。

これに伴いまして、今どういったことが食品寄附の現場で起きているかと言いますと、40ページは問題がない場合といいますか、適切に表示されている例ということで、外袋+個別ラベル、外袋+外袋ラベルということで、寄附された食品を小分けするときにも、小分けしたものにも表示をしていただくというルールになっているということでございます。

ただ、41ページを御覧いただければと思います。例えば、寄附される方が大量に寄附される、ダンボールにしか表示がないとか、詰め合わせ商品のうち外袋にしか表示がない場合、個包装には表示がない場合に、表示がない物を配るということになると、食品表示法に違反するという形になりますので、小分けをして配布するといった場合に、容器包装に表示をするという手段以外のことでも何らか対応できないかということを検討したいと考えております。

大変駆け足でしたけれども、資料1の説明は以上でございます。

○今村部会長 御説明、ありがとうございました。

複雑な表示制度全体を短時間で説明いただきまして、ありがとうございます。

それでは、委員の皆様から御意見、御質問をいただきたいと思いますが、1回目ということでありまして、今回、11時ぐらいを会議の目標としておりますので、簡潔な御議論の御協力をお願いしたいと思います。

御発言のある方は、会場の方は挙手で、オンラインの方は挙手ボタンでお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

では、菅委員、お願いします。

○菅委員 菅です。今日もよろしくお願いします。

幾つか御説明いただいた中で気になるところもあるのですけれども、今日ここで何か踏み込んだ議論をせよということでないと思っているので、一部について少し思うところを述べたいと思います。

資料1の6ページの取りまとめの中で、「(3)食品表示へのデジタルツールの活用について」ということで述べられておると思うのですけれども、「容器包装への表示に代えて代替的な手段によって情報提供を充実させることとした場合の議論を進めていく必要」というフレーズがあります。「こととした場合」と言われているように、将来の展開可能性を見越してデジタルツールの活用可能性を考えていくことには特段異論があるわけではないのですけれども、従前からのこの部会での議論との関係で少し引っかかりがありますのは、「代えて代替的な手段」という話と、現状の義務表示との並存の形での「情報提供の充実」という話とは、少し神経を使ってニュアンスの異なる形で整理されてきているものと理解していますので、国際的な動きなどもある中での早めの議論開始ということかもしれないですけれども、「代替」という言葉と「充実」という言葉で言ってきた議論がごっちゃにされて、「代替イコール充実」ということに議論がなってしまわないように意識していただきながら進めていただければなと思います。

資料1の8ページで御説明いただいているところでも、5として紹介されている部分については、一部消費者庁の脚注を付していただいているようですけれども、5.2の部分から、仮に一定の将来的な代替可能性が導かれる余地があるとしましても、それはあくまで5.1の前提条件を満たす環境にあることが重要だということも、同レベルで強調といいましょうか、確認されておかねばならないことのように思います。

テクノロジーを使用することが、事業者にとって対応可能なものになっていかなければならないということも大事な要請の一つだと思うのですけれども、それ以上に、消費者の情報アクセスにとって、それ以前より「妥当な手段」あるいは十分に使える容易な手段でなければ意味がないのだろうと思いますし、前のめりに技術的な代替可能性が議論されるあまりに、せっかくの手軽で便利な容器包装表示を駄目にしていくようなことにならないように留意していかねばならないのではないかと思います。

資料1の10ページにもありますように、「消費者への情報開示を充実する観点から」議論がなされればと思うのですけれども、それが少なくとも今の環境において「一部の代替」にまでならなければならないのかどうかはなお疑問もありますし、表示の「見やすさ」には情報量だけでない問題があることとか、一部を代替する場合には、仮に容器包装が少し見やすくなったとしても、その双方を見たい消費者にとっては「扱いやすさ」が後退するのではないかといった懸念への対応とか、何が言いたいかといいますと、「消費者が実際に買う現場」への配慮を十分しながら議論しなければいけないのではないかと思いました。これは意見です。

もう一点、資料1の34ページ、食品ロス削減の話で「施策パッケージ」とされる中で、「法的責任の在り方」という記述が見られるのですけれども、寄附の問題にしても、持ち帰りの問題にしても、食品ロス削減のために法的責任が不問になる部分をつくることについては非常に慎重な議論が必要ではないかと思っています。

食品被害は、被害者側からしますと、製造・流通側の責任を追及して被害救済を得ることがもともと非常に困難なケースが多いと思っていますので、ロスを減らすために安全性確保が不十分になってもいいとか、被害救済が得られなくなっても仕方がないということにならないような、慎重な議論をしていく必要があるのではないかなと思います。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。意見として承りたいと思います。

後でまとめてコメントをいただければと思います。まずは意見と御質問をざっとしていただけるとありがたいのですけれども、いかがでしょうか。

前田委員、お願いします。

○前田委員 ありがとうございます。前田です。

資料の6ページの(1)の「諸外国との表示制度の整合性について」というところで、アレルギー表示に関してです。我が国では、容器包装された加工食品等のアレルギー表示は非常に精度が高いものだと思っております。例えば、可能性表示をしないとか、木の実類とせずにクルミならクルミということで表示したり、そういったことで食物アレルギーのある患者は非常に食品の選択の幅が広がっております。そういったところを残しつつ、整合性を詰めていっていただけたらいいかなと思います。よろしくお願いいたします。

もう一点、食品ロスのところですけれども、これから法律がいろいろ変わってくると思います。そのときに経過措置の期間があると思うのですね。そちらの経過措置によって、この食品が安全かどうかということが分かるような仕組みをつくっていただきたいと思っています。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。

アレルギー表示は私と穐山先生は大変うれしいお言葉だったと思いますので、ありがとうございます。

ほかはいかがでしょうか。

川口委員、お願いします。

○川口委員 川口でございます。2点質問させていただきたいと思います。

まず、念のための確認ですけれども、FOPNLの検討について、これはコーデックスのガイドラインでは栄養成分表示の代替とされるべきではない、今の表示に加えてという表記になっていたかと思います。今回はそれと同様に、今の表示とはまた別に表面表示ということで検討されているのですねという確認が1点です。

もう一点は最後の食品ロスのところで、こちらは昨日から検討会が始まったということですけれども、この検討会のメインの目的は、フードドライブを推進するということなのか、それとも消費者に対して賞味期限は食べられなくなるというものではないということを周知することなのか、その辺がどうなのかなということが質問です。

資料はたまたま調査した団体の期限設定なのだと思いますが、賞味期限の長い、しかも常温であったり、pHとか水分活性が低くて比較的もちやすい食品が多く記載されています。賞味期限の中では、こういったものだけではなくて、例えばチルドのカレーであったり、消費期限に近いような食品もたくさんあります。メーカーとか事業者とか行政の方々はその辺は十分知識も持っていらして区別されていると思うのですけれども、消費者は意外とそういったものがよく分かっていないというのを様々な場面で感じることがあるので、その辺りもしっかりと検討してもらえたらなと感じた次第でございます。

以上でございます。

○今村部会長 ありがとうございました。

質問も含め各委員から最初に言っていただいて、最後に一括でお答えいただければと思います。

ほかはいかがでしょうか。

では、穐山委員、鈴木委員の順番でお願いします。

○穐山委員 全体的なところなのですけれども、昨今、無添加表示が結構トレンドになっているような感じがいたします。今、厚生労働省のHACCPが義務化になったので、かなり食中毒は減ってきているのかなと思うのですけれども、むしろ増えているような感じがいたします。これは厚労省の報告からも分かることです。

それは添加物に関してやはり誤解があるのですね。無添加表示は消費者にとって誤解があります。やはり保存料は非常に重要な添加物です。人類は食品の安全性で微生物との戦いにおいて、塩分を入れるか、乾燥させるか、容器包装で封じ込めるかでしたが、もう一つの方法として保存料が出てきたわけですね。保存料を入れないと微生物が増えますので危険ですよね。

昨今、SDGsの問題でプラスチックの容器も駄目ということになってしまう、また塩分を入れると今度は健康の問題で、栄養の表示のほうでも注目が高い表示です。そうすると、表示を個別に考えていき、消費者の要望通りに決めていくと、食の安全性は確保できるか心配に感じます。この辺は、保存料のような重要な添加物は適切に加工食品に入れていくということは必要と感じております。是非、表示の部会では大所高所から議論していただければなと思っています。

○今村部会長 ありがとうございます。

続いて、鈴木委員、お願いします。

○鈴木委員 鈴木です。よろしくお願いいたします。

食品ロス削減の部分についてですけれども、私が先ほど、小売のほうで品質管理とかそういったことをやってきたということをお話ししたかと思うのですが、商品の特性ごとにそういった期限を定めるというところで、分析をしている分析機関のほうでも、商品特性をきちんと理解していないところが地方の小さな分析機関とかにまだまだあるという部分であったり、商品の特性の中で、食品の事業者さんとか食品を取り扱う方が忘れやすいのが容器包装というところになってくるのですけれども、容器包装の資材によって中身が保たれるという品質保持の性能がかなり変わってくる部分があるのですね。

そこで、37、38ページの品質の特性が類似していたら、それだけで期限を同じように設定したらいいのかという部分で、包装資材のところが忘れ去られている部分と、あと、寄附者のところの40ページ以降のところで、外装に入っていて中が個包装になっているものを小分けして受益者の方にお渡しするというところで、実は大袋のほうにはガスバリア性があって、そこに品質保持剤として脱酸素剤を入れているような場合、個包装は逆に酸素の透過性がないと効果がないのですね。

そういったところで、小分けをすることによって受益者の方にリスクを負わせてしまうという商品が一部あるということも理解した上で、小分けができるものなのかどうか、そういった部分についても配慮した上で進めていかないといけないのかなと。

実はお餅のパックで個包装のほうに穴が開けてあるものは、消費者が不審に思ってクレームで上がってくるのですが、お餅の包装は、外装のところはバリア性を持たせて、中は空気が透過するようにあえて穴を開けています。大袋を開けたら冷蔵庫に入れて保管してくださいというような注意喚起の表示がしてあるものと、そういった表示がなく販売されているものがありますので、最終的にフードロスの削減を考えて商品設計するのであれば、小分けするときの条件のようなものも表示をしていくことも必要になってくるかと思いましたので、意見として述べさせていただきました。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。

では、小川委員。

○小川委員 小川です。2点です。

1点目は確認といいますか、8ページ目の「デジタルツールの活用」のところで、「健康や安全性に関する食品情報に何が該当するかは各国が判断できる」という記述の「安全性」についてですけれども、身体的安全性のほか、心理的な安全性、社会的な安全性など、安全性も多様かと思います。例えば宗教的な信条がある方が食べるときには、多分心理的な安全性になるかと思うのです。その辺りが国際的な議論ではどうなっていたのかという点と、国内で「安全性に関する食品情報」という場合は健康危害、身体的安全性と考えてよいですよねという確認が1点目です。

2点目は、41ページの無償譲渡の話で、食品の譲り渡しで問題となるような場合にどのような対応が現場ではされているのか、実態をよく存じ上げませんので、もし御存じであれば教えていただきたいというのが2点目です。

以上です。

○今村部会長 ありがとうございます。

全ての各論を議論していると物すごく時間が足りなくなりますので、御意見として聞いていただく部分と、答えられる部分は今回答えていただくということでお願いしたいと思います。

時間が押しているので、ぜひという方の御意見と御質問をお受けしたいと思います。

では、笠岡委員、お願いします。

○笠岡委員 サンベルクスの笠岡と申します。

スーパーマーケットになるのですが、ちょうど今月から弊社でも、こちらの40ページ、41ページのフードフードバンクの寄附者としての取組を始めたところです。寄附する物としては、加工食品とか、お菓子とか、季節の棚替えで売場から下げる商品とか、メーカーさんからいただいたサンプル品などをフードバンクさんのほうへ提供するという形で取り組んでいるのですが、フードバンクさんの表示に対する意識は、特にサンプル品だとパッケージと中身が違っていて、アレルゲンと期限表示はされているのですけれども、原材料表示が中身と違っているので表示されていないものとか、ちゃんと表示がされていないサンプル品についても特に問題なく受け入れますよというスタンスでフードバンクさんとはやり取りを進めていたのです。

ただ、最終的には、特にこども食堂さんとか、子供が食べるもので原材料表示がされていない物を寄附するというのはちょっと怖いよねということで、ちゃんと表示がされていて期限表示内のものだけを弊社のほうで選定して寄附するという形で今月からスタートしているのです。

やはり無償譲渡も食品表示法上の義務があって、ちゃんと表示されていない物を無償譲渡してしまうと食品表示法違反になりますよということが、フードバンクの活動をされている事業者とか寄附者側の私たちスーパーマーケットでもあまり知られていないのかな、認識されていないのかなというのを感じました。

○今村部会長 ありがとうございます。

もう大分お時間も超えているので、全体にはフードロスに関しての規制緩和への懸念と、コーデックスの御議論の中でどんなことがあったのかという御質問が多かったと思いますが、答えられる範囲で消費者庁からからお答えをいただければと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○消費者庁食品表示課清水課長 森田委員が手を挙げられていました。

○今村部会長 では、森田委員で止めさせていただきたいと思います。

○森田委員 私も無償譲渡の現行ルールなのですけれども、これに関してはこの前のガイドラインの検討会とは全然違う話だと思うのですが、こちらの表示部会で今後これから検討していく、そういう分け方でよろしいでしょうか。

○消費者庁食品表示課清水課長 はい。

○今村部会長 では、消費者庁からよろしくお願いします。

○消費者庁食品表示課清水課長 盛りだくさんな内容で、全部お答えできるか分からないですけれども。

○今村部会長 総括的にお答えいただければ、時間が全体に押していますので。

○消費者庁食品表示課清水課長 不足している部分があったら、また後でおっしゃっていただければと思います。

まず、菅委員からの御意見、御質問で、デジタルツールの活用についてはもう賛否両論あるというのは十分認識しております。また、食品寄附の関係での法的責任の問題は、表示の部分を超えている部分がありますので、そこは担当の検討している部署に御懸念については伝えたいと思います。

前田委員のアレルギー表示に関して、我が国の取組は精度が高いこと、可能性表示などがないということ、あと品目ごとに表示しているということも評価できるという点につきましては、懇談会のほうでも議論がかなりありまして、我が国の制度でいいところはもちろん残していくということで、整合性を図るといってもアレルギー表示の部分を大きく変えるという方向にはならないという形で整理していただいたと考えております。

食品ロスについては後でまとめてお話しさせていただきます。

川口委員からのFOPNLについて、コーデックスのガイドラインでは代替されるべきでないということだったがということですが、昨年度の議論の中間取りまとめの方向性としては、包装前面に書くということで、前面に書けば裏に書かなくていいということではないという方向の議論だったと認識しております。

食品ロスの関係で、期限表示検討会の目的としましては、ガイドラインの見直しというところがメインの目的でございまして、消費者の方への普及啓発といったところも論点として入らないわけではないですけれども、基本的には事業者の方が設定する消費期限・賞味期限の期限表示の手法を見直す点がないかというような形での議論なのかなと考えております。また、消費期限系、フローズンチルドといった商品についての特性というところも十分に考慮すべきかなと考えております。

穐山委員からの添加物の無添加表示に関しましては、今、ガイドラインができて2年間の経過措置期間が終わったところですけれども、引き続き取組は進めていくということで、自治体の監視指導計画の中にも無添加表示についてしっかり見ていってほしいというようなことを私どもから盛り込んでいたり、引き続き、そこの点については取組を進めていきたいと考えております。

鈴木委員からの商品の特性ごとに定めているというところにつきましては、いただいた御意見は期限表示検討会での参考にさせていただきます。

小川委員の安全性というところで、社会的・心理的安全性というお話がありましたけれども、基本的にコーデックスの議論は、まず9ページのGSLPFの世界があって、大本の1985年につくられた「包装食品の表示に関するコーデックス一般規格」があって、その上でいろいろなガイドラインができて、加工食品の表示をどういうふうにしていくかということになっているのですけれども、宗教的な部分の議論にはあまり入らないような形になっていると認識しております。

41ページの食品ロスに関係して、実態としてこういうものは違法だとしたらどうなっているのかというところですけれども、そこの実態はなかなか分からないところですが、私どもで聞いているところでは、個別に包装してまで、そんなコストをかけてまでは活用しないということで、焼却してしまう、捨ててしまうというのが多いのかなと聞いております。

あるいは、先ほど笠岡委員のお話にもありましたけれども、無頓着に、厳密に言うと違反だけれども配ってしまっているような部分もあるのかなと思いますが、その辺は私ども行政のほうでは把握し切れないところでございます。

取り急ぎ、すみません。

○今村部会長 ありがとうございました。

委員の先生方もたくさん御質問、御意見があると思いますが、今後こういった問題について議論を進めていきたいと思います。今日は、時間がかなり過ぎておりますので、議論としてはこれでとどめたいと思います。また御意見、御質問がありましたら事務局のほうにお寄せいただければ、回答できる範囲のことは事務局からも回答させていただきたいと思います。今日は予定した時間が参りました。私の司会の不手際もありまして、時間を大分超えてしまいましたことをおわび申し上げます。

≪3.閉会≫

○今村部会長 本日の議題はこれで一旦終了したいと思うのですけれども、事務局から何か連絡はありますでしょうか。

○友行参事官 本日、御熱心に御議論いただきまして誠にありがとうございます。

ただいま部会長からもお話がありましたように、時間の都合などにより質問できなかったものについては、後日、事務局までお寄せいただければ、確認の上、回答させていただきたいと思います。

次回の食品表示部会につきましては、追って御連絡させていただきます。

以上でございます。

○今村部会長 ありがとうございます。

それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。皆様、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)

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