厚労省・新着情報

(令和6年7月2日(火)10:47~11:02 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
私からは特にございません。 

質疑

記者:
小林製薬の紅麹原料を使った製品による健康被害問題についてお伺いします。先週6月28日に大臣から、紅麹製品による健康被害との関連が疑われる死亡事例が新たに76件判明したこと、また小林製薬に対して今後の調査計画を翌29日までに厚労省へ提出するよう求めたことが発表されました。その後、小林製薬側から調査計画についての回答はありましたか。また回答があった場合、その内容についてお聞かせください。また、調査にあたっては厚労省が直接進捗管理等に関与するとの方針も示されました。会社側の計画も踏まえ厚労省としてどのように関与し、そしていつまでに全体の調査を終了するのかについてもあわせてお願いします。 
大臣:
今回の小林製薬の紅麹製品による健康被害が疑われる死亡事例が新たに76事例報告されたことを受け、6月28日に厚生労働省より小林製薬に対して、76事例の調査の今後の進め方について早急に計画を作成し、翌29日(土)までに報告するよう指示いたしました。小林製薬からは29日(土)に、調査中の76事例について、遺族の同意の取得に向けたアプローチ、医療機関の同意の取得に向けたアプローチ、医療機関からの情報収集などに関し、それぞれの開始時期と終了時期の状況と今後の見通しについて報告がなされたところです。厚生労働省においては、今後調査の進捗管理を行うこととしており、29日(土)の小林製薬からの報告を踏まえ、同社に対して、76事例ごとに遺族の同意取得や医療機関の同意取得・情報収集などに係る期間を短縮できるよう、必要な助言を行っています。今後も厚生労働省において同社における調査の状況等についてしっかり管理を行い、調査の早期進展を促してまいりたいと考えています。 
記者:
障害者向けグループホームの運営会社恵の問題に関してお伺いします。厚労省は先週連座制の適用を通知し、その後関係する自治体担当者と連絡会議を開きました。今後利用者の受け入れ先などの支援策が優先事項と思いますが、会議を受けて、厚労省としてどのように自治体と連携していくかお考えをお聞かせください。また、社会福祉協議会などの業界団体に具体的にどのような協力を要請していくのか教えてください。 
大臣:
株式会社恵の運営する障害者グループホームの問題について、厚生労働省と関係自治体との連絡会議を先週28日(金)に開催しました。具体的には、厚生労働省より、今般の連座制の適用や、これを受けて必要となりうる様々な対応を説明し、各自治体との認識の共有を図るとともに、各自治体に対し、地域の関係団体などとも連携し同社のグループホームの利用者の状況を把握していただくなど、利用者の皆様が引き続き安心して日常生活を送ることができるよう万全の対応をお願いしたところです。また、全国社会福祉協議会などの全国規模の関係団体に対しては、先週26日(水)の段階で、都道府県や市町村とも連携の上、株式会社恵の利用者の継続的なサービス確保のためご協力いただくよう依頼したところです。今後とも自治体や関係団体と密接に連携し、利用者を中心にそのご家族も不安な気持ちを持たれることのないよう丁寧に対応してまいりたいと考えています。 
記者:
労災保険のメリット制について伺います。仕事が原因で病気やけがをした労働者を労災認定した際、事業主に不服を申し立てる権利があるかが争われている訴訟についての上告審で、最高裁は4日に判決を言い渡します。判決を前に改めて国としての主張と、どのような判決を期待するかお聞かせください。また昨年、労災保険料の決定段階で不服申し立てができる運用を始めていますが、判決に関わらずこうした運用は続けていくお考えでしょうか。メリット制の意義や制度そのものの見直しについての認識もあわせてお聞かせください。 
大臣:
労災給付の支給決定に対して事業主が取消しを求めた訴訟について、7月4日に最高裁において判決が言い渡される予定であると承知しています。国としては、労働者の保護を図る労災保険制度の趣旨を踏まえ、事業主が支給決定の取消しを求めることは認められないとの主張をしてきたところです。この主張に沿った判決がなされることを期待しています。ご指摘のメリット制については、企業の労働災害が増減すれば、それに応じて負担する保険料額も増減することから、事業主による労働災害防止の努力を促進するとともに事業主間の負担の公平を図る意義があると考えています。他方、メリット制により保険料負担が増える恐れのある事業主の手続保障を図るため、令和5年に、事業主が労災保険料に係る不服申立て等において、労災保険給付の支給要件非該当性を主張することができるよう変更を行ったところです。判決後の対応については、最高裁の判決の内容を踏まえた上で適切に対応してまいりたいと考えています。 
記者:
紅麹の、小林製薬の報告について確認ですが、この計画自体、大臣の先ほどのご説明ですと今後の調査に関しては厚労省は進捗管理をするだけで実際の調査自体は小林製薬が主体的に進めるということでよいのでしょうか。 
大臣:
それは事態によります。 
記者:
進捗管理が進まなかったときには厚労省が直接調査することもあり得るということでしょうか。 
大臣:
必要があれば。 
記者:
週刊東洋経済の今週発売号で「医療情報」をめぐる特集記事がありました。ワクチンについて疑義を唱えた投稿が次々に削除されているという問題が指摘されています。その記事で取り上げられたYouTube公式ブログには、YouTubeに優先的に通報できる「優先報告者」というプログラムがあり、「日本の厚生労働省や専門家」の意見を取り入れた旨書かれています。厚生労働省はYouTubeの「優先報告者」に参加していたのか教えてください。 
大臣:
今週発売の週刊東洋経済において、医療情報をめぐる特集記事があったことについては承知しています。お尋ねのYouTubeの「優先報告者」のプログラムについて、厚生労働省としてこれまで参加していた事実は確認されず、また現在参加していません。 
記者:
厚労省は2022年にコロナワクチンの推進を担ってきた「こびナビ」という民間団体に「上手な医療のかかり方アワード」厚生労働大臣賞を授与していました。今回の東洋経済の記事で、この団体が、政府が偽情報を監視し発信者をSNSから追放する「デ・プラットフォーム」を提言したり、自ら「優先報告者」となってワクチンに関する通報に関与していたことをその記事では明らかにされています。厚労省は「こびナビ」という団体のそうした取り組みについて是認、奨励する立場であったと理解してよろしいのでしょうか。 
大臣:
「こびナビ」は、2022年の「第三回上手な医療のかかり方アワード」において厚生労働大臣賞を受賞ということは承知しています。これは新型コロナウイルスやワクチン等に関して、ホームページ等を通じた多様な専門家による情報発信や、自治体向けのガイドブックの発行など広く啓発活動を行ったことが、医療のかかり方の改善に繋がるものと評価されたものです。ご指摘の「デ・プラットフォーム」等の取組は、厚生労働省としては把握しておらず、そのような取組に対して厚生労働大臣賞を授与したものではありません。 
記者:
前回の大臣の質問に関して2点お伺いします。1点目は、国際保健規則や今後の感染症対策に関してです。武見大臣は、必要な強制措置があっても決しておかしくはないとおっしゃっています。武見大臣は新たな感染症対策に際して、例えばで結構ですが、どのような強制措置を想定されていらっしゃいますでしょうか。 
大臣:
このパンデミックに対する予防・備え及びその対応の強化に関する国際的な規範を強化するということは、これは私は大変重要なことだと思います。いわゆるパンデミック条約については、作成交渉が行われているまさにその最中にあります。内容を予断することはなかなか難しい。その上で、WHOによる国家主権の制限や基本的人権の侵害について懸念を生じさせたり、パンデミックに際して各国の自主的な判断を妨げるような内容については議論が行われていないと承知しています。さらにWHOのホームページに公開されている条文案には、ワクチンの強制接種に関する条文は含まれておりません。そしてこれまでの交渉においても、そのような内容の議論は行われておりません。 
記者:
大臣がおっしゃる強制措置、例えば1つでいいのでどういったことが想定されているから強制措置があってもおかしくないとおっしゃっているのでしょうか。 
大臣:
私が申し上げているのは、やはり危険な感染症が将来発生し、しかもその病原性が非常に深刻で、かつまた感染力も高いというリスクの高い感染症が発生したときには、なるべく早い時期にこれを抑え込んでおくことが必要になります。そうした感染症が発生した地域を所轄する主権国家の政府は、やはり私はそうした地域の中で早くそうした対応をし、感染の拡大を阻止するということを、私は主権国家の政府として責務としてそれは負っているものだと思います。それが国際法上どのような規定になるかということはこれからの話で、少なくともIHRの中ではそうした法的な強制措置については指定されているわけではありません。 
記者:
もう1点、前回の記者会見からですが、ハンセン病患者に対する不当な差別問題がテーマでありましたが、大臣は「過去の歴史の中の1つの重要な出来事として、私は大変重く受け止めました」とおっしゃっています。ハンセン病患者の差別問題ですが、元々は政府が誤った医療情報を元に誤った隔離政策を行っていたことが根本かと思います。武見大臣は、今後誤った医療情報による誤った政策決定が行われないために、どのようなことが必要だとお考えでしょうか。 
大臣:
ハンセン病に関しては、国の誤った隔離政策というものによって国民に誤ったハンセン病に関する意識を植え付けてしまったことに対する反省、そして二度とこういう過ちを繰り返さない覚悟というものを持って、シンポジウムの開催や中学校へのパンフレットの配布、そして資料館の運営等の普及啓発に取り組んできたと思います。引き続き、こうしたハンセン病元患者の方々も高齢化されている状況もあります。こうした記憶が、やはりしっかり歴史として残るようにすることも、こうした経緯の中で重要なことであろうと私は思っています。 

(了)

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