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土屋復興大臣記者会見録[令和6年7月4日]

令和6年7月4日(木) 於)楢葉町コミュニティセンター大会議室前

1.発言要旨

 皆さま暑い中取材いただきまして誠にありがとうございます。本日、葛尾村及び楢葉町を訪問いたしました。

 まず、葛尾村では「佐久間牧場」を視察いたしました。「佐久間牧場」では自動搾乳機など最新の機械を取り入れ、効率的な大規模酪農経営を実践されておりまして、大変皆様が頑張っている姿を見て感動した次第でございます。

 また、楢葉町では、「株式会社福島しろはとファーム」及び「道の駅ならは物産館」を訪問いたしました。農業分野での更なるチャレンジとして、さつまいもの育苗、貯蔵に関する施設を視察いたしました。また貯蔵施設で熟成された楢葉町産さつまいもを使用した、楢葉町産干し芋も開発し、先月からは首都圏での販売が開始されたと伺っております。私も道の駅ならは物産館でこの干し芋を購入いたしました。楢葉町産干し芋が多くの消費者に知られ、震災からの復興の象徴として、また町の産業振興の一翼を担う存在として、ますます御発展することを期待しております。

 この「しろはとファーム」というところを訪問しましたが、かなり広域的にいろんな仕事をされているところが経営されているということで、びっくりいたしました。そしてまた、育苗に相当力を入れているということでは、今後の周辺の農業に対しても非常にいろいろな意味で後押しになるのかなというのを感じたところでございます。それから施設も、日本でもトップクラスというか、日本一だということを伺っておりましたが、そういう意味ではこれから本当に期待できるかなと感じております。

 楢葉町の干し芋は前にも何度か私も食べさせていただきましたが、しっとり感が良くて大変食べやすいかなと思っています。

 それと楢葉は柚子に大変力入れている町だと思いますが、その柚子のドレッシングとポン酢、私大変気に入っておりまして、自宅でも使っております。できる限り私もいろんな人に紹介していきたいと考えております。

 今回の訪問を通じて、先進的な酪農経営、新たな特産品の産地化による復興の取組を具体的に見聞きすることができ、大変有意義だったと思っております。引き続き時間を見て、現場主義を徹底して、更なる参考になる地域経営のいろいろなものを見学できればと思っております。

 今日はありがとうございました。

 

2.質疑応答

(問)大臣、今日見られてこられた所というのは、原子力災害の被災地で先進的な営農の取組をやってるところというのが中心になっていると思うんですけれども、原子力災害の被災地に関してはまだまだ営農再開に向けて課題が多いところであります。2025年度で第2期復興・創生期間が終了となるんですけれども、その後やっぱり長期にわたる支援というのは欠かせないと思いますけれども、その考えはいかがでしょうか。

(答)災害から13年と2カ月が経過しておりますが、避難指示の解除が早かった地域では営農再開が進みつつありますけども、一方で解除が遅かった地域はこれからが正に営農再開が本格化するということでございまして、様々な角度からの後押しが重要だと思っております。

 それから第2期復興・創生期間までの検証を行っているところでありまして、令和8年度以降の予算についても予断を持ってお答えすることはできませんが、生産者の皆様が安心して速やかに営農が再開できるよう、地域ごとに異なる課題やニーズに応じ、きめ細かな対応することが今後も重要と認識しております。

 こういう点におきましては、政府一体となって福島県の復興に更に取り組んでまいりたいと考えております。

(問)今日は暑い中、お疲れさまです。今日の視察で実際に例えば酪農の生産者、被災した生産者の方からの具体的な肉声、印象に残った声、こういうところを支援してほしいというような、そういう要望で印象に残ったその声というのがございましたか。

(答)特に要望というのはありませんでした。ただ、ちょうど施設ができて1年目、牛を飼い始めてということで、途中だという、これからもっと広げていきたいというお話はありました。

 そういう中で私なんかも「将来的に6次産業、今まだ始めたばっかりだから、そういうことにも力を入れてほしい」と言ったら、「それも考えています」という、大変前向きな明るい答えを聞いてうれしく思いました。生き生きと新しい搾乳機も入れたりして頑張っている姿は、やっぱり復興の皆様の後押し、力になるのかなというのを感じて帰ってまいりました。

(問)先月、内堀知事のほうから要望活動がありまして、具体的な要望があったわけなんですが、被災している地元の自治体の実務者レベルでは、随分国のほうからの復興に関する要望についてだんだんとクールになってきたというような、そういう声も聞かれるんですけども、その辺りは大臣どういうふうに受け止めていらっしゃいますか。

(答)先ほどもお話ししましたように、検証の段階でありまして、検証してこれから皆さんと話し合いましょうみたいな話をするとクールに感じるのかもしれませんけども、物事やっぱり、何しろ復興でずっと走ってまいりましたので、ここら辺でやっぱり検証は必要だと思いますので、その辺は理解していただきたいと思います。

 ただ、そういう点で皆さんが心配事だったらどんどん言っていただければいいんじゃないかと思います。特に現場の直接県民、市民の皆様と向き合っている方たちは、現場の声を拾う力があると思うので、どんどん復興庁の局のほうに言っていただいて、そしてやっぱりお互いにいろいろ意見交換をすることが必要だと思います。そういう時期に来ていると思います。

(問)先ほど復興事業について、これらの検証が必要ということがありましたけど、それはそのとおりです。税金を使ってるんで検証は必要です。けれども、今、現場で何か意見があるんだったら上げてくれってことおっしゃってますけど、それはもちろん必要です。けれども、政府側として現場で何が必要なのかっていうのを政府側で調べて政策を作るってことがより大事です。地元から声が上がらない限り作らないというのは、それは間違いです。

(答)そういう意味ではございません。

(問)それについて大臣のお考えをお伺いしたいんですけど、いかがでしょうか。

(答)もちろん局がありますので、特に人間が地元に入っていろいろ普段からいろんな意見は聞いていると思います。そういう中でも更に皆さんの不安があるんでしたら、いろいろと相談していただければと思うところでございまして。それによって我々も本当に必要なものをやっていこうという方向でございますので、御理解をいただきたいと。

(問)お時間かと思うんですけども、一つの冷淡に見えるっていうのは、その要望に対しての答えがイエスかノーかっていうことだけじゃなくて、我々は震災直後に、当時民主党政権でしたけれども、引き継いで自民党政権になったかと思うんですね。国の熱意とか動きを覚えてるんです。何とか復興支援しなきゃいけないという気持ちがありましたし、姿勢がありました。その時の熱量を覚えてるんです。それに比べて13年たったら下がるのは当たり前ですけども、その下がり具合ですよ。それが冷淡に見えるということです。そこは覚えていただきたいと思います。

(答)党のほうでは大変、東北の出身の議員も熱心に要望、それから地元の意見を聞いて汲み上げておりまして、そういう現場の声は議員からもいろいろと上がってきておりますので、総合的にしっかりと受けとめていきたいと考えております。

 今日は暑い中ありがとうございました。

(以  上)

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