厚労省・新着情報

(令和6年7月5日(金)12:39~12:53 さくら薬局)

広報室

会見の詳細

発言要旨

武見大臣:
 本日、マイナンバーカードを保険証として積極的に利用しているさくら薬局品川池田山店を視察し、会社としての取組を伺いました。現場の職員の方から直接お話しを伺うと、極めて臨場感があってわかりやすく、状況を把握することができました。さくら薬局はマイナ保険証の積極的な活用に取り組んでいらっしゃっており、6月の実績として、品川池田山店では29.1%の患者さんにご利用いただいているとのことです。全国のデータにおいても、薬局は昨年12月以降、利用率が急激に伸びており、本年5月時点で、昨年12月から約3.2倍の7.4%となっています。マイナ保険証の利用促進に積極的にご協力いただいているとの認識を改めてもっています。職員の方との意見交換では、マイナ保険証を利用いただくことで、薬局としても、患者さんの資格情報が素早く確認でき、特にレセプトでの1か月半かかる過程が省略され、リアルタイムで実際に情報が確認されることにより、患者さんの立場から見ても実際に重複投与その他、確認が直ちにできるというメリットが現実にあることがよくわかりました。そしてまた、レセプトの返戻というものが非常に減少し、薬局側での事務手続きというものも大変効率化されたということです。マイナ保険証により、高額療養費をスムーズに活用できる体制が構築できた、これは立替をしなければならないという高額療養費の今までの手間暇がここで解消されたということです。そしてマイナ保険証により、薬局で過去の健診データ、診察情報、薬剤情報の確認が可能となり、質の高い服薬管理に繋がっています。さらに電子処方箋システムを活用することで、紙の処方箋情報を含めたリアルタイムでの薬剤情報の把握や、重複投薬や併用禁忌のチェックが可能となり、より質の高い医療の提供に繋がっているということも、今日のお話を通じてよく確認できました。また、マイナ保険証の利用促進に向けた取組として、厚生労働省等が提供している動画を使ったデジタルサイネージ、顔認証付きカードリーダーの近くにわかりやすい案内板が大きくできていて、高齢者の皆様方もすぐ利用の仕方がわかるようになっています。こうした工夫をしていただいているということは、我々にとっては大変助かります。そしてマイナンバーカードを持参されていなかった方に対しては、お薬手帳にご案内のチラシを挟んでお返しする等を実施しており、こうした取組がやはり、この薬局における利用率の向上に繋がったのだと思いました。マイナ保険証を患者さんにご利用いただく際の操作・説明の事務負担など様々な課題も先ほどお話を伺いました。大変有意義な視察及び意見交換となり、我々の方からもさらにこうした手続きを簡略化するため何が課題かということも具体的に今日確認させていただくことができました。そして顔認証付きカードリーダーの増設支援を引き続き行います。今後、同意取得画面を省力化するなどの運用改善、これは直ちにこれに取りかからなければならないと思います。また目視モードの周知や、居宅同意取得型を活用したマイナ保険証による受付等の現場の窓口職員の負担軽減等をこれから実施することになります。マイナ保険証は医療DXのパスポートでもあります。未だマイナ保険証を利用いただいたことのない方もいらっしゃいますので、是非この際一度マイナ保険証をご利用いただき、そして1人でも多くの方々が活用していただくことにより、このマイナ保険証のメリットがより広くなっていくということを、ぜひ国民の皆様方にご理解いただきたいと思います。

質疑

記者:
今日非常に先進的な取組を行っているこの薬局を視察されましたが、全国の薬局や病院で使用率を上げるために、先ほどおっしゃったような色々な支援があると思いますが、この支援は12月2日までに完全にやるということでしょうか。それと、実際河野大臣と今回の視察を受けて、デジタル庁としてどのような支援ができるのか、改めてお考えがあれば教えてください。
武見大臣:
12月2日までにとにかくできる限り多くの国民の皆様方にこの電子処方箋、そしてこのマイナ保険証の活用というものをしていただけるよう、働きかけを継続することは当然ですし、またそれが12月2日を過ぎたとしても継続し、さらにご利用いただける方々を増やすために、継続して働きかけを続けることは、私は当然だろうと思います。
河野大臣:
先ほど武見大臣からお話しがありましたように、毎回同意のボタンを何回か押さなければならないということが大変だというお声がありますので、厚生労働省をサポートし、一度同意された方がもうそのままでよいと言うならば少しボタンを簡素化する、そうした改善をやっていきたいと思っています。
記者:
12月2日までに実際どのくらいの使用率を目指すということはございますか。
武見大臣:
特に具体的な数字はありませんが、ここのところご利用いただいている方の数は確実に上昇してきていますので、この勢いをさらに加速化させ、1人でも多くの方々にご利用いただけるよう努力を続けていきたいと思います。
記者:
今日本誌の取材で報道していますが、さくら薬局の別のお店で、後期高齢の方が8月に保険証が切れる、7月末に保険証が切れる、そして8月から保険証が使えなくなるためマイナンバーカードをつくってくださいと、5月6月と2度に渡って言われ不安になったという苦情がありました。本当は8月から保険証はくる、さらに保険証は12月以降も有効期限まで使えるということですが、そうした丁寧な案内がお店からはないということで、被保険者の方が不安になっているということですが、厚労省がつくっているトークスクリプトには、12月2日以降も有効であるということや、資格確認証が出ますといった文言はありませんので、そうしたことが利用者にとって不安になっているのかと思いますが、ご所感をお伺いします。
武見大臣:
丁寧に対応していかなければならないと思っています。皆様方もご存じの通り、マイナ保険証、12月2日を過ぎたとしても1年間は有効です。その間に改めてこうした、保険証は1年間有効ですので、その間にできるだけさらに多くの方にマイナ保険証を活用していただけるよう、こちらとしても働きかけをしていかなければならないと思っています。
記者:
トークスクリプトを改定されるということはありませんか。ほかにもいくつか聞きましたが、12月2日以降も保険証が使えると思っていない薬局が、さくら薬局以外も取材をしたらありました。いかがでしょうか。
武見大臣:
それは改めて考えてみたいと思いますが、基本的には1人でも多くの国民の皆様方がお使いいただき、そしてそのメリットをご理解いただき、そして1人でも多くの患者様に使っていただくことによりそのメリットがさらに大きく膨れ上がっていきます。そのことについての、やはりデジタル化の世界に入っていくことのご理解、これをやはり丁寧に進めていかなければならないと考えておりますし、それはしっかりまた強い意志と覚悟で進めていかなければならない。これ以上日本を、そうしたデジタル化という世界の中で遅らせていくことのデメリットというものについても、これからも国民の皆様方に丁寧にご説明していきたいと思います。
記者:
岐阜でのマイナ保険証トラブルで受診を控えて心筋梗塞で亡くなった死亡事例が出ていますが、そういった現場は視察・ご遺族からヒアリングするお考えはないでしょうか。
武見大臣:
そういった事実は、私は確認しておりません。
記者:
週刊新潮にも出ていますが。
武見大臣:
申し訳ございませんが、読んでいません。
記者:
問い合わせればわかるかと思います。そういう弊害の部分は目を向けないのでしょうか。
武見大臣:
とんでもありません。
記者:
死亡事例が何例出たら紙の保険証を見直すのでしょうか。
武見大臣:
私どもとしてはそういう事実が確認されるということがあれば、当然のこと、私どもとしてしっかり対応し、原因がどこにあるのか、そしてそれをどう解決していくのかは丁寧に考えていくことになります。
記者:
週刊新潮の編集部に聞けばわかる話かと思います。やる気はない、調べる気はないということですね。
記者:
河野大臣にお伺いします。医療機関の窓口などで声かけをしている方々へのヒアリングの結果が先日の医療保険部会で公表されました。声かけをしても、そもそも患者がマイナ保険証への理解が不十分のため使ってもらえないという意見もその中でありましたが、現状マイナ保険証について国民の理解が不足している部分はどのような部分だとお考えでしょうか。
河野大臣:
やはりマイナ保険証のメリット、例えば高額療養費、窓口の負担がなくなるといったようなメリットを、もう少ししっかりお伝えしていかなくてはならないと思っています。
記者:
それは、薬局の窓口だけではなく、それ以前に国側からということですか。
河野大臣:
厚生労働省と連携しながらやってまいりたいと思います。
記者:
大臣の冒頭の中で、今回の視察で具体的な課題も見えてきたとおっしゃっていましたが、ボタンの改善以外でもし具体的な課題が他にもあればお願いいたします。
武見大臣:
1番わかりやすかったのは、同意を何回もしなければならないことに対する手続きの簡略化の必要性、そして今、月に1回とすることはできないかという提案ですが、これはやはり毎回やらなくても済むようにさせるというような簡略化も必要かと。今日のお話の中で、極めて具体的によくわかりました。
記者:
今回の視察でわかったこと以外でも、両大臣が考える利便性の向上や利用率の向上に向けて課題として受け止めているものがありましたら教えてください。
武見大臣:
今申し上げたような、現場においてより丁寧にご理解いただくための働きかけ、そして現場の事務方の方々の利便性がどこまでしっかり簡略化され、スムーズになっていくのか、これはやはり実際にやってみてよくわかることがたくさんありますので、そういったところは今日実際事務の方からお話しを伺い、非常によく理解できたと思いました。
記者:
マイナ保険証の利用促進という点では今のお話しで理解しましたが、一方で資格確認証の周知広報はこれからどうされるのか、どうお考えかお聞かせください。
武見大臣:
実際に12月2日以降について、マイナ保険証の登録をされておられない方々に対しては、こうした資格確認証というものをこちらの方から送付させていただくことになります。したがって、それをお受け取りになるということで、それ以降も、実際に医療機関にアクセスするということについての問題は生じないと理解しています。
記者:
プッシュ型で送付するため問題ないということでしょうか。
武見大臣:
そういうことです。さらにプッシュ型だけでなく、もしお問い合わせがあればそれに迅速かつ丁寧に対応する必要性があると思います。そういった現場に関わることについても、こちらの方から詳細にしっかり指示を出していきたいと思います。

(了)

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