厚労省・新着情報

○日時

令和6年3月18日(月)17時30分 ~ 19時00分(目途)

 

○場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8D
 

○出席者

<委員等 敬称略>
遠藤久夫(座長)、新田秀樹、橋爪幸代、釜萢敏、清水惠一郎
鳥潟美夏子、幸野庄司、池田俊明
中村聡、往田和章、角本靖司、逢坂忠
<事務局>
須田審議官、荻原保険医療企画調査室長

○議事

○遠藤座長
 それでは、皆様おそろいですので、ただいまより第31回「社会保障審議会医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会」を開催いたします。
 本日も、感染症予防対策としまして対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催といたします。
 委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、お集まりをいただきましてありがとうございます。
 初めに、委員の出席状況について御報告をいたします。
 本日は、水野委員、大田委員が御欠席でございます。
 マスコミの方々のカメラの頭撮りにつきましてはここまでとさせていただきたいと思います。

(カメラ退室)

○遠藤座長
 それでは、議事に入らせていただきます。
 本日は「あはき療養費の令和6年改定の基本的な考え方(案)について」を議題といたします。
 事務局より資料が出されておりますので、説明をお願いしたいと思います。
○荻原室長
 保険医療企画調査室長です。
 資料、あ-1「あはき療養費の令和6年改定の基本的な考え方(案)について」を御覧ください。
 資料2ページ目からは「前回の議論について」として、前回1月25日の専門委員会でいただいた御意見を赤字で並べています。
 8ページ目以降が「2.令和6年改定の基本的な考え方(案)について」ということで、まず9ページ目を御覧ください。
 (1)番から(7)番まで、「あはき療養費の令和6年改定の基本的な考え方(案)」についてまとめています。
 「(1)往療料の距離加算の廃止」「(2)離島や中山間地等の地域に係る加算の創設」「(3)往療料の見直し及び訪問施術料の創設」「(4)料金包括化の推進」「(5)同一日・同一建物への施術」、こちらは前回までで御議論いただいた点をまとめています。
 「(6)その他の見直し」として2つ並べています。1つ目、請求の電子化や審査のシステム化といった効率的、効果的な審査体制の検討については、現在、柔道整復療養費ではオンライン請求の導入に関する検討を進めており、そちらの検討状況も参考にしながら、あはき療養費に関しても令和6年度以降、オンライン請求の導入に向けた課題の検討を始めてはどうかと提案しています。
 規制改革会議においても、あはき療養費についても柔整療養費の検討状況を見ながら検討を進めていくべきということで取りまとめられています。
 また、もう一点、施術管理者の登録についてです。更新の際に研修受講を促すいわゆる更新制についてはは、平成30年報告を踏まえて受領委任制度が導入され、現状は柔整師と同様に定期的に地方厚生局並びに都道府県知事による指導監督を受ける仕組みになっている点を踏まえ、導入しないこととして、それ以外の施術者の資質の向上などについては従来どおり各施術団体等がそれぞれで実施をしていくことにしてはどうかしています。
 また、(7)は、先ほどの柔整の議論ともリンクする部分がありますが、「物価高騰等への対応」です。
 1つ目は、今般の料金改定においては、まず(1)から(5)までのベースとなる料金体系の組換えについては財政中立における設定、単価の見直しというものを行いつつ、今回の改定率、改定財源の範囲内で必要な料金改定を行うという、いわば二段構えの形で料金の体系を変えていくということになります。
 その上で、原価の物価高騰や賃上げの状況、もしくは医療DXの推進といった観点を踏まえつつ、必要な改定を行っていくことが必要としています。
 2つ目ですが、物価高騰への具体的な対応として、例えば温あん法や電療料といったような機械器具を使った施術、施療の料金について、その性格上、光熱費などの値上がりによる影響を受けやすいという点を踏まえて、財政中立による水準の設定と改定財源の範囲の中で引き上げていくこととしてはどうかとしています。
 また、賃上げへの対応の観点や、この4月からオンライン資格確認が開始され、12月からは義務化をされることを踏まえまして、医療DXの推進といった観点から、財政中立による水準設定及び改定財源の範囲で、あはきにおける施術料、もしくは初検料などの引上げてはどうかとしています。
 10ページは、それぞれ具体的な論点について記載していますが、1つ目の「往療料の距離加算の廃止」は、基本的な方向性としては前回までの御議論の中で特段異論はなかったと考えています。
 中ほどにイメージで●●円としていますが、現状の往療料2,300円、4キロ超の場合は2,550円というのを、見直し後は往療料●●円としており、こちらについて令和6年改定の中では2,300円を上限として設定をする。4キロ超の距離加算、250円分については廃止をするということで、その廃止に伴う財源につきましては(2)の特別地域加算ですとか施術料といった形で財源を振り替えていくことにしてはどうかとしています。
 (2)、特別地域加算の創設と中山間地等の地域に係る加算の創設については、特別地域加算(仮称)として、施術料への加算という形で1回につき●●円の加算としていますが、具体的には(1)の距離加算の廃止の影響に配慮し、250円程度を上限として設定してはどうかと考えています。
 前回までの議論の中でいただいた御意見について、まず対象となるケースについてまとめていますが、12ページの表の論点の2つ目、右側の加算の算定パターンを御覧いただくと、対象となる特別地域の中にまず患家があるかどうかということで算定可能とするかどうかというのを分けています。施術所が当該特別地域内にあれば当然対象になりますが、特別地域外に施術所がある場合であっても、その患家が特別地域内にあって、そこに訪問して施術を提供する場合も対象とすると整理をしています。
 また、3つ目、こちらは前回までの議論の中で、例えば訪問看護のように患家に行くまでに1時間以上かかるといった要件を別途設定すべきではないかという御意見もありました。こちらの論点につきましては、現状、往療に関しては片道16キロを超える場合は、絶対的な理由がある場合という限定的な例外を除き、原則認めていないこととしており、16キロという距離制限がある中での1時間以上の設定というのはやや基準としてはバッティングすると考えています。そのため、今回の設定するに当たって、特段そういった時間的な要件は課さないこととしてはどうかとしています。
 続いて、13ページ目、14ページ目が(3)「往療料の見直し及び訪問施術料(仮)の創設」ということになります。現行の往療料を見直し、「定期的・計画的に行う場合」については施術料と訪問料を包括した訪問施術料という形での新たな料金体系を創設する。また、訪療の中でも突発的なケースについては従来どおりの往療料という形で算定可能とするというふうに体系を組み替えてはどうかとしています。
 こちらは、前回までの議論の中では、基本的な方向性に関しては大きな異論はなかったと考えています。その上で、議論の中では、往療となるケースについて整理すべきという意見がありましたが、こちらは前回示したとおり、基本的には医療、医師との連携というものを前提としつつ、それぞれのはり・きゅう・マッサージについて必要なケースを設定していくということでしています。
 14ページを御覧いただくと、こちらもこれまでの議論の中での論点と考え方というものを整理しています。特に2つ目、出張専門かそれ以外の施術所かということで往療料の考え方、もしくは訪問施術料の考え方を区分けすべきではないかという論点がありました。
 こちらの考え方については、考え方の2つ目の●を見ていただきますと、令和5年の頻度調査において、往療料を算定している支給申請書の1枚当たりの往療の算定回数を見ていますが、マッサージに関しては出張専門が1枚当たり7.1回、出張専門以外が6.7回、はり・きゅうに関しては出張専門が6.8回、それ以外で6.5回という形で大きな差というところまでは見られませんでした。
 平成30年報告でもこちらは議論があったというふうに認識していますが、まずは訪問施術制度を導入してということになったかと思っています。
 そういった点を踏まえますと、まずは訪問施術料という形で料金を設定しつつ、必要に応じて継続的に確認をした上で必要な対応を行っていくと考えてはどうかとしています。
 続いて15ページ目、(4)の「料金包括化の推進」についてです。こちらは前回までの議論でも、課題、懸念点などが最も多かった論点だと考えています。
 こちらに記載しているのは、平成30年報告書や令和4年度料金改定における引き続きの検討事項に基づき、マッサージ・変形徒手矯正術に関して、いわゆる施術部位数の包括化の検討・議論を重ねてきました。その際に、1から4に並べているような課題、懸念が示されていたかと認識しており、これらの点を踏まえて施術部位数の包括化をどう考えるかとしています。
 それぞれ御紹介すると、3部位以下の被保険者が2割程度いる中で今、平均が4.5部位前後ということで、仮に包括化された料金設定になりますと、この被保険者にとってはかなり負担増になるのではないかといった点。
 2点目、施術部位数を単純に包括化するということだけでは、回数の大幅増につながり得るのではないかといった点。
 3つ目、仮に包括化をされて完全にどの施術、どの部位数について施術を行ったかというのが分からなくなると、ブラックボックス化して審査の質が低下するのではないかといった点。
 ただし、医師の同意書を必要とする現行の取扱いは変わらないとすることによって、この点は解消し得るのではないかと考えています。
 4点目、前回の議論の中でもありましたが、同じマッサージとはいえ、同意対象となった傷病により施術の部位数というものが大きく異なっています。平均が4.5部位前後だとしたとしても、傷病によっては4.8から4.9部位程度が平均値である傷病もあれば、逆に4部位を切っているものも当然あります。そういった意味では、対象となる傷病によってもかなりばらつきがあり得るのではないか。そういった課題、懸念点があると考えています。
 2つ目ですが、令和6年度改定の議論では、平成30年報告に従い、まず先ほど(3)でも御紹介したような訪問施術制度の導入と、療養費の支給申請書の見直しを行うという方向で今、検討が進んでいます。その際に、支給申請書における施術部位の明確化を行うことで、先ほど申し上げたような3番の課題・懸念というのは可能な限り解消することができるのではないかと考えています。
 また、3つ目ですが、料金体系の見直しにより訪問施術制度を導入することで、料金体系は大きく変わることになります。そういった点を踏まえると、通所、もしくは訪問による施術の動向など制度変更の影響を把握していく必要があると考えており、令和6年、7年の療養費の頻度調査における集計項目についても併せて見直しを行い、訪問施術制度導入の変化といったところのデータを集計・収集して分析を行っていくことが必要ではないかということで記載しています。
 続きまして(5)、17ページ目を御覧いただくと、「同一日・同一建物への施術」について、6点目ですが、平成30年報告に基づき訪問施術制度を導入する、それに伴い、現状支給申請書に添付をさせている往療の内訳表の見直しを行う必要があるのではないかと考えています。
 現在の「往療内訳表」の記載内容を支給申請書のほうに反映することで、支給申請書1枚でその往療内訳表で従来書かせていた内容も踏まえながら審査を可能としてはどうかと考えています。
 また、同一日・同一建物の関係で申し上げると、18ページ目の主な論点のところの1つ目、複数人施術を行う場合の料金体系について、特に現状ですと訪問施術料1、2で、それぞれ1人、2人の場合と、訪問施術料3について3人以上といったケースが想定され得ると考えていますが、その関係で料金体系をどう設定していくかというのがもう一つあると考えています。
 この点、資料を少し先に飛んで恐縮ではございますが、例えば28ページを御覧いただくと、こちらは鍼灸になりますが、訪問施術料3の中で特に3人から9人の場合と、10人以上の場合ということで、同一建物であってもかなりばらつきはあり得るだろうと考えておりまして、仮に3人から9人の場合と、10人以上ということで、体系を分けるということも考えています。
 また、29ページがマッサージでして、同様に施術料3の中でも3から9人の場合と、10人以上の場合ということで、それぞれ設定するということは考え得るのではないかと考えています。
 続きまして20ページ目ですが、「(6)その他の見直し」ということで、こちらは先ほど御紹介したとおり、それぞれ必要な内容を記載しています。
 資料の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について御意見、御質問等があればいただければと思いますが、いかがでございましょうか。
 往田委員、お手を挙げておられますのでよろしくお願いします。
○往田委員
 全日本鍼灸マッサージ師会の往田でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 今回、事務局より御説明がありました訪問施術料の3について、新たに3人から9人まで、及び10人以上というところの考え方が示されたところについて意見を述べさせていただきたいと思います。
 実際、私も臨床をやっている立場として、施設等で同一日・同一建物で複数人の患者さんの施術を行うに当たって、一般的に見ると10人以上の施術を行うというのは結構、物理的、時間的にかなり困難な状況がありまして、あまり事例としてはないのではないかと考えております。
 それで、あるとすれば、例えばそういった施設と施術所、そこに往療に入っている施術所の経営が一体となっている場合であったりとか、何らかの業務上の便宜が図られているなどの場合が想定されるわけでございまして、今回10人以上の設定を新たに設けるということに関しては、おおむね特に反対意見はないのですが、それと併せてぜひここに関してはそこの施設と経営が一体とみなされる施術所であるとか、ないしはその施設を運営している法人の複数の施設に対する施術がある施術所から出てくるレセプトの割合がその特定の法人が運営する施設である場合、一定割合を超えた場合に関しては、この訪問施術料に関しては支給をしないというような、ちょっと別立てのルールが必要なのではないかと考えております。
 そういった事例というものは医科のほうでも介護のほうでも類似のものがあるわけでございますので、ぜひこの10人以上の設定をするだけではなくて、やはり不適切な消費の支出が疑われるような事例に関しては、今お伝えしたような内容で、疑義解釈通知等で訪問施術料を算定できないということを明記していただければと思っております。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょう。
 中村委員、お願いいたします。
○中村委員
 日本鍼灸師会の中村です。
 今回、往療制度と訪問制度を設けるという話で進んだことは非常によかったと思っています。
 残念なのが、はり・きゅうにつきましては全身を見て患者の健康状態をよくしていくということを可能にしているわけですけれども、マッサージについては今回の提案でもまだ部位が残ったということは残念なことでして、ここはやはり全身を診るほうがよろしいのではないかと思っています。超高齢化はさらに進み、多数の疾患を持ち、何らかの症状が出た方において、フレイルはさらに加速するわけでして、療養の給付でも介護の世界でも包括化されて全体を見ているわけですので、あはき療養費だけ部位が残っているというのは非常に残念なことであるということで、今後も全身を診る包括化の検討をしていただきたいと思っている次第です。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょう。
 それでは、お待たせしました、逢坂委員どうぞ。
○逢坂委員
 日本視覚障害者団体連合の逢坂でございます。よろしくお願いいたします。
 先ほど事務局の報告の中で審査のしやすさ、あるいは往療内訳を省略するというような観点で支給申請書をいろいろと工夫されているということで、私自身が見えないのでどういうふうな形で整理されているのかが分からない部分もありますが、できる限り分かりやすく見やすい支給申請書を作成していただきたいということです。
 それで、視覚障害があって成長されている皆さんは療養費の事務処理についてはとても大変な思いをされていると思うんです。そこに加えて、この4月からはオンライン資格確認も始まります。そういう点で、より困難性が高くなってきますので、少しでもそういうものが軽減される提案をお願いしたいというのが私の日本視覚障害者団体連合としての要望でございます。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございます。大変大事な御指摘だと思います。
 事務局、よろしゅうございますか。では、しかるべき御対応をお願いしたいと思います。
 ほかにいらっしゃいますか。
 それでは、角本委員、お手をお挙げになっていますのでどうぞ。
○角本委員
 ありがとうございます。
 日本あん摩マッサージ指圧師会の角本です。よろしくお願いいたします。
 これまで専門委員会でも発言させていただいたのですが、施術料の包括化について医療の分野などにおいて出来高払いから包括化が進んでいるということで、複雑な請求形態から明快な請求形態にすることが、とても重要だと考えております。医科と同様に包括化が必要だと考えております。
 その中で、今回の厚生労働省の資料によりますと、訪問施術が4区分まで増えて提案されています。通所を含めて5種類、それに部位数が5つあって、25の料金設定が発生します。料金が複雑になることを懸念しています。その上で、1から5の5つの課題において、訪問施術の創設ということで、4の料金の包括化の推進におきまして、施術料の包括化があってこその訪問施術制度であり、施術料の包括化を抜きに距離加算の廃止、訪問施術制度、同一日・同一建物の導入をするのではなく、1から5の課題についてセットで実施すべきという考え方には基本的に変わりはありません。
 しかし、4の料金包括化の推進につきましては、まだまだ御理解を十分いただけていないというところがございます。時期も迫っておりますので、この課題については継続して課題としていただきたいということを強く要望しております。よろしくお願いいたします。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 それでは、先ほどお手をお挙げになっておられます中村委員、お願いいたします。
○中村委員
 今回の資料の(7)の物価の高騰の対策についてお話をさせていただきます。
 ここのところ、光熱費が上がっているのも事実なのですが、私どもの施術料を上げていただかないと、人件費を上げていくことができずに、サービスの提供をする人員が不足してくるのではないかと心配をしております。
 介護保険分野での入職者、それから離職率は、今回初めて介護保険サービス業に入職するよりも退職するほうが多くなった。人材が他の職種に行ってしまう報告を聞きました。私たち、あはき業も今後超高齢化していく中でどうやって人材を確保し、身体にトラブルを持った方々を支えたらいいのか。マッサージ療養費の部位別請求を改め包括化をすることによってフレイルを予防することと同時に、賃金を上げていくという作業はお願いをしたいところであります。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 それでは、鳥潟委員、お待たせをいたしました。お願いいたします。
○鳥潟委員
 ありがとうございます。
 論点に沿ってお伝えしたいと思います。
 (1)の往療料の距離加算の廃止に関して特段の意見はなく賛成です。
 (2)の離島や中山間地等の地域に係る加算の創設に関しても基本的には賛成です。しかし、特別地域については、多岐にわたる法令で指定されているものに準拠するものと理解しているが、事務局でもう少し分かりやすく整理いただき、対象地域を明示していただくことを希望いたします。
 (3)以降の包括化にまつわる話について先ほど発言があったが、こちらは全て同時に進めることが望ましいという中で、料金包括化の推進に関しては、私どもも一概に賛成というところまでは理解が進んでおらず、なかなか難しいという印象を持っています。
 (5)の同一日・同一建物への施術ですが、事務局のご提案は1人、2人、あとは3人から9人、10人以上という細分化された案をご提示いただいたのですが、そこまで細分化する必要があるのかどうかについてもご検討いただけますと幸いです。
 また、これに伴い申請書の様式変更が考えられます。先の話にはなりますが、旧様式から新様式に変更する際は経過措置を設けたうえで、旧様式で申請する場合の記載方法を施術者の皆様に明確に通知いただき、保険者で判断できるような配慮をお願いいたします。
 以上になります。
○遠藤座長
 ありがとうございました。整理をした御意見、ありがとうございます。
 1つ確認ですが、逢坂委員、「手を挙げる」という状態がそのままになっておりますが、これは先ほどの状態で特段御意見があるというわけではないという理解でよろしゅうございますか。
 「手を挙げる」が消えました。ありがとうございます。
 ほかに御意見ございますか。
 幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
 ありがとうございます。
 6年改定も大詰めに来ましたので、残った課題を中心に意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず距離加算の廃止と地域加算ですが、方向性については異論ありませんが、財政中立で行うということなので、どういう点数設計をするかについては細かなところまでしていないのですが、こういう考え方で距離加算分を持ってきたという考え方をぜひ次回委員会までにはお示しいただきたいと思います。
 それから、こだわるところなのですけれども、我々は地域加算というのはやはり特別地域の負荷に対する報酬というふうに考えているので、その地域に配置されているということだけでつけるのはどうかと考えるのは変わっていなくて、特別地域内であっても都市部と同様に何ら負荷なく往療できるところに加算が要るのかというところはもう一度考えるべきだと思います。保険料の審査が複雑になるかということは、理由としては適切ではないと思いますので、これはもう一度検討していただきたいと思います。
 それから、訪問施術料の新設については、これは大きな見直しであって、考え方については特に異論を唱えるものではありませんが、この訪問施術料をどういうふうに設定するのかという考え方については今後、訪問施術料は大きな軸になると思いますので、考え方を示していただいて、これは改定後のかなり綿密な検証が必要になるのではないかと思いますので、どういった検証をするのかということについても詰めていく必要があると思います。
 その中で、定期的、計画的に行うということであれば、ともすれば頻回施術になるのではないかということを懸念していまして、できれば重篤な疾病で頻回施術が必要な患者を除いては医科の在宅訪問診療料のように月とか週の算定条件を設けるべきというのが我々の主張でございます。
 これを継続検討にするということであれば、これについてはやはり改定後の検証をする必要があると思っています。どういった訪問施術に対してどのような施術が行われているかどうかについては徹底した検証が必要だと思っています。
 それから、突発的な往療の往療料について、これはやはり医師との連携が必要だということは当たり前のことだと思うのですが、医師といつどのような形で連携を取って、記載欄にどのように記載するのか、これについては保険者がこれを審査する上でかなり重要な情報になってくると思いますので、これは別途、通知とかQ&Aでどのように書くべきかというのは伝える必要があるのではないかと思います。
 それから、この中で我々が主張していた大きなところは、出張専門と施術所を持った方の往療について算定に差をつけるべきではないかということを言っていて、それに対する答えが14ページの中辺りに載っていて有意差がないということで片づけられているのですが、これはちょっと違うかなと思っていて、このデータの取り方は多分施術所を持っていても8割くらいの専ら往療中心でやっているところのデータから取ってくれば、有意差はないのが当然であって、本当に施術所を中心にやっているところと、往療専門にやっているところとはデータに差が出てくると思いますので、そこのところは改定後もきちんと検証をしていくべきではないかと思いますので、これも引き続きの課題ということで提示させていただきたいと思います。
 それから、料金包括化の推進というのはいろいろ御意見が出ておりますが、やはり今回訪問施術という大きな制度改定をするので、これと一緒に部位ごとの包括化を行うというのは非常に危険だなと思いますので、前から言っていますように、訪問施術の制度が入ったらどのような施術行動になるかということをしっかりと検証してデータを取って、これならば包括化できるというふうなことであれば検討していくということで、令和8年度以降に課題を残して終わるべきかと思います。まずは訪問施術という制度の中でどんな施術行動になっているのかということをきっちりと検証して、そこから議論すべきではないかと思います。
 そういった中で17ページの提案にもあるのですけれども、往療内訳表の一部を支給申請書に組み込んで、往療内訳表はなくてもいいのではないかというようなことも書かれているのですが、これはちょっと慎重に検討する必要があるのではないかと思います。
 確かに距離加算がなくなったので始点とか終点を書く必要はないと思うのですが、いわゆるどんな訪問施術料が1、2、3というふうに4区分されていますので、こういった細分化された施術料の中でどういった施術がされているかというところをこの申請書のみで分析できるのかというところについてはちょっと無理があるのではないかと思っていて、これは無理やり申請書1枚に組み込まれているのですけれども、非常に複雑になっているところもあって、これは書くほうも見るほうもかなり複雑過ぎて果たしてこれは分析できるのかということが心配です。もう少し申請書は両方が分かりやすいもの、書くほうも見るほうも分かりやすいものにして、往療内訳表は少し形を変えて、書くほうも書きやすいし、見るほうも見やすいというような形に残したほうが分析もしやすいし、施術者側の方も申請を書きやすいのではないかと思うので、この往療の内訳を無理やりなくして申請書に1枚にするというのは、もう一度改定内容がはっきりした上で、どういった形でこれを残していくのかについては検討してはどうかと思います。
 それから、同一日・同一建物の施術については、今、言ったとおりなのですけれども、これからは1人ずつ往療料を取っていくことになるので、この訪問施術料の中に往療料はどういうふうに組み込んでいくか、特に訪問施術の3の3人以上9人とか、10人以上の場合に、往療料の要素をどういうふうに組み込んでいくのか。この考え方については点数を決める上で非常に重要な要素となるので、次回点数を決めるということであれば、この考え方をぜひ示していただきたいと思います。
 制度設計の考え方については特に異論を唱えるものではないのですけれども、細かな制度設計の在り方ですね。ここは非常に今回も重要になると思っていますので、意見として言わせていただきます。
 最後に物価高騰への対応ということなのですが、これは柔整の委員会の場でも申し上げたのですが、医療機関と同様に診療報酬の中で基本的部分に対応するということが提案されているのですが、これは保険診療機関と施術所の場合は構造が違いますので、これを診療報酬のようにあはきの療養費も当てはめるというのはちょっと乱暴過ぎるかなとは思っています。
 というのは、一番の理由としては保険医療機関というのは診療報酬がほとんどの世界なんです。ですから、ここでそういったものに対応するというのはかなり否定できないところなのですが、施術所というのは保険診療が対象になっていないものにあえて公的価格である基本料金にこれを乗せるかということについてはちょっと違うのではないかと思っていて、施術料金というのはいろいろな保険対象以外の料金もあるわけで、そういったものと合わせて検討していくべきで、公的価格にすぐ乗せるというのはちょっと違うのではないかと思っていますし、もう一つは診療報酬の場合はかなりこういったものに乗せた後にどういった影響があったとか、検証するのですが、施術所の場合にこの検証ができるのかというところの疑問が残ります。
 上乗せしたのはいいけれども、本当にこれが物価高騰とか人件費の対応になっているか、全く検証ができない環境において、これを案に乗せていくというのは非常に危険だと思いますので、これについては慎重に検討したほうがいいと思いますので、意見として言わせていただきます。
 そういうことで、制度全体についてはもう大詰めにきていて異を唱えるものではないのですが、今後、重要なのは細かい制度設計ですね。これをどうしていくかということについて非常に重要な課題が残っていますので、あと何回あるか分からないですけれども、それまでに事務的な説明も含めて十分にやっていってほしいと思います。
 以上です。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 それでは、池田委員、お待たせいたしました。よろしくお願いします。
○池田委員
 ありがとうございます。中央の池田でございます。
 料金包括化の推進についてでございます。資料の15ページの中にございますとおり、3部位以下の被保険者の方がいらっしゃるという状況の中で、料金包括化が審査の質の低下とか、あるいはブラックボックス化につながらないように検討を進めていただければと思っているところでございます。
 そして、このページに書いてありますように、訪問施術制度の導入通所または訪問による施術部位数等のデータ集計、分析を行うことは有意義なことだと考えております。引き続き詳細な制度設計に向けての御検討をお願いできればと思っております。
 以上でございます。
○遠藤座長
 ありがとうございました。
 ほかに何か御意見ございますか。
 よろしゅうございますか。大体御意見はいただけたかと思いますが、よろしゅうございますか。
 それでは、質疑はこれくらいにさせていただきたいと思います。事務局におかれましては、いろいろな御意見が出ましたので、そういうものを踏まえまして次回以降の準備をお願いしたいと思いますのでよろしくお願いします。
 それでは、本日の議題は以上でございます。
 次回の日程について、事務局からお願いします。
○荻原座長
 次回の日程につきましては、また調整の上で後日、連絡させていただきます。
○遠藤座長
 それでは、これをもちまして第31回「あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会」を終了したいと思います。
 本日は、お忙しい中、御参加をいただきましてありがとうございました。

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