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会見発言記事
松本総務大臣閣議後記者会見の概要
令和6年7月9日

冒頭発言

  こちらからはございません。

質疑応答

同性カップル世帯の住民票

問:
  長崎県大村市が、男性カップルの世帯に対し交付した住民票の記載の件についてお伺いいたします。同居するパートナーの続柄欄に「夫(未届)」と記載したものですが、総務省は、これに関する大村市からの問合せに対して、実務上の支障を来す恐れがあるという旨の回答をしたと聞いております。これに関して、改めて大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
答:
  ダイバーシティは大変大事なことだということは、まず申し上げたいと思いますが、住民基本台帳の位置づけということで、所管する総務省として申し上げますと、皆さんもご案内のとおりでありますが、住民基本台帳法の第1条で、市町村において、住民の居住関係の公証、選挙人名簿の登録その他の住民に関する事務の処理の基礎とするとともに住民の住所に関する届出等の簡素化を図り、あわせて住民に関する記録の適正な管理を図るため、住民に関する記録を正確かつ統一的に行なう住民基本台帳の制度を定め、もつて住民の利便を増進するとともに、国及び地方公共団体の行政の合理化に資することを目的とする、とありますように、実務上のものであるという位置づけでございまして、このことに基づいて、私どもとしては住民基本台帳制度の運用についてもお話させていただいております。
  住民票は、住民基本台帳法に基づいて住民の居住関係を公証する資料ということになっておりまして、住民票の記載をもって価値観や政策の運用について、新たに判断するというものではなくて、実情を表すものであるという実務上の位置づけであると理解いたしております。
  そのような点から、行政サービスの中には、世帯主との関係性等に基づいて提供するものがいろいろありますので、住民票の世帯主との続柄を含めた住民の居住関係に係る事項の記載については、現在の制度の運用に基づいて記載して公証するとしているところでございます。
  この考え方に基づいて、法律上の夫婦ではないが準婚として各種の社会保障の面では法律上の夫婦と同じ取扱いを受けている事実婚の方々について、「夫(未届)、妻(未届)」という続柄が用いられてきたということでございます。
  今回の大村市における取扱いは、担当部局において確認いたしますと、「法律上の夫婦ではないが準婚として各種の社会保障の面では法律上の夫婦と同じ取扱いを受けている」という前提はないということでございます。その中で、「夫(未届)」の続柄を記載した住民票の写しを交付したということでございました。また、続柄の記載が、必ずしも何らかの関係を公証するものではないとの見解をお示しになっているということでございますが、先ほど申しましたように、法制度、また、これに関連する判例等では、住民基本台帳は続柄を含めて、冒頭で法文を読ませていただいたように、公証資料であるという位置づけであると私どもとしては理解しておりまして、その立場からは、住民基本台帳法の運用実務としては課題があると考えて、その旨申し上げたところでございます。
  先ほど申しましたように、法律上の夫婦と各種の社会保障などの面で、同じ取扱いを受けている事実婚の方々の続柄と、今の段階では受けていない方々の続柄を同一にいたしますと、住民票の写しの続柄のみで、例えば各種社会保障の窓口などで適用の可否を判断することができなくなります。そのような面から、実務上の課題が生じる恐れがあると申し上げてきたところでございます。
  なお、同性パートナーの位置づけ、取扱い、各種社会保障制度を含めて、これは様々議論があるところでありまして、各制度の所管府省庁においても議論が進められていると理解しておりまして、総務省としては、その状況はしっかり注視してまいりたいと思っているところでございます。
改めて、現時点で様々な政策、制度がどのように運用されているかという前提のもとで、公証資料としての住民基本台帳という私どもの位置づけからは、先ほど申しましたように、住民票の写しの続柄のみで各種の政策に関して、社会保障の窓口等で適用の可否を判断することができなくなるということで、実務上の課題が生じる恐れがあると申し上げたところでございます。繰り返しになりますが、以上です。
問:
  大村市に示した見解は、総務省として住民票の記載内容の修正を市に対して求めるものでしょうか。または、地方自治法上の助言といった位置づけでしょうか。お願いします。
答:
  総務省としては、助言の考え方を丁寧に大村市にご説明申し上げました。私どもとしては、この助言を踏まえてご判断いただければと考えるところでございます。
問:
  今回のような事例は、大村市以外の自治体でも同様の事例というのはみられています。今も少しありましたが、住民票の記載に係る事務というのは自治事務だと承知していますが、総務省として今後、全国の自治体に対してどのような対応を取っていかれるか、お考えをお願いします。
答:
  先ほど申しましたように、まず、大村市に対しても助言を申し上げて丁寧にご説明申し上げたところで、この助言を踏まえてご判断いただければと考えていると申し上げたところであります。
  今お話がありましたように、あわせてかなりいろいろと各自治体からご照会、お問合せはいただいているようでございますので、政府におきまして、各自治体等の窓口で様々、連絡役もさせていただいている立場からは、常に自治体の皆さんとは情報共有を図っていくことが大事だと思いますので、今回の大村市とのやり取りも含めて、どのような形にするか、まだ具体的には定まっていませんが、情報共有は、かなりお問合せいただいていることを考えると、していく方向で考えてもよいのかなと思っています。
問:
  今回、大村市は総務省からの回答を受けて、大村市の今回取った対応が妥当であるかどうかについては、まだ答えをもらっていないということで、再質問をする考えも市の幹部が述べておりますが、再質問があった場合の対応については、どのようにされるお考えでしょうか。
答:
  基本的に、もちろん自治体の皆さんがお進めいただいている自治事務、他方では法定受託事務もあるわけでありますが、いずれにせよ、先ほど申しましたように、自治体の行財政をサポートするという基本的な総務省の使命からいたしまして、ご照会があればもちろん丁寧に回答していきたいと思っております。
  再質問ということであれば具体的にどのようなご質問を頂くかによって、お答えはまだ今申し上げられないかと思いますが、いずれにせよ、自治体の皆様とは常に丁寧に情報共有をした上で、しっかりと対応させていただきたいと考えております。

問:
  これで終了とさせていただきます。ありがとうございました。
答:
  はい。ありがとうございました。

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