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伊藤大臣閣議後記者会見録 (令和6年6月28日(金)13:00~13:20 於:環境省第一会議室)

1.発言要旨

 令和6年能登半島地震復旧・復興支援本部について申し上げます。
 本日、第8回の能登半島地震復旧・復興支援本部に出席いたしました。
 この中で、公費による解体の進捗及び面的な解体・撤去の加速化の状況、工程管理会議も活用した災害廃棄物処理の進捗確認の実施、仮置場の追加の確保及び7月中の解体廃棄物の海上輸送開始を目指すこと、などについて、私から報告をいたしました。
 また、本日の閣議におきまして、令和6年能登半島地震に係る予備費第5弾の使用を決定いたしました。
環境省関係では、災害等廃棄物処理事業に226億円、廃棄物処理施設復旧事業に11.5億円を使用することとなっております。引き続き、被災自治体における家屋等の公費解体や災害廃棄物処理の更なる加速化を全力で支援してまいります。
 以上でございます。
 

2.質疑応答

(記者)NHKの林と申します。幹事社からは、冒頭発言に沿った質問をさせていただきます。改めて能登半島地震の、今おっしゃっていただいた災害廃棄物処理、特に公費解体の進捗について、改めて大臣の評価というのは現状どのようなものでしょうか。
(大臣)公費による解体・撤去については、先月28日に発出した事務連絡のほか、申請受付事務への人的支援や申請書類の合理化の周知等の申請手続きの円滑化、工事前調整を担う補償コンサルタントの体制確保、強化等を図ることで、解体等の加速化を進めてきたところでございます。
 その結果、石川県の計画で示された推定の解体棟数、約2万2,000棟に対して、申請棟数は4月末時点の約1万棟から、6月24日には約2万1,000棟に増加しております。また、解体実施棟数は4月末時点の約300棟から、6月24日には約2,600棟に増加し、今後もさらなる増加が見込まれております。また、輪島朝市エリアや珠洲市の特に被害が大きい地区においては、面的な解体撤去により、解体等の工事の加速化を実施しているところでございます。
 災害廃棄物処理については、仮置場の増設を行っておりますが、今後も増設を検討していくとともに、7月中の解体廃棄物の海上輸送の開始を目指して取り組んでまいります。
 こうした取組は進めているところでございますが、被災者の皆様が求めているスピード感には追い付いておりませんので、被災地の復旧・復興はまだ道半ばだと思います。
 被災地の皆様に、「景色が変わった」と感じていただけるように、予備費も活用しながら、被災自治体における家屋等の公費解体や災害廃棄物処理の更なる加速化を全力で支援し、復興まちづくりにつなげてまいりたいと考えております。
 
(記者)共同通信、矢野です。よろしくお願いします。
 まず1点目、今日、温対計画(地球温暖化対策計画)の見直し議論が始まったと思います。改めて大臣として、新計画で重視する点と、決定時期ですね。どのようにお考えかということをお伺いできればと思います。
(大臣)本日の午前、中央環境審議会の小委員会と、産業構造審議会のワーキンググループによる合同会合が開催されまして、地球温暖化対策計画の見直しに関する議論が開始されたところでございます。
 私自身は公務により都合がつかなかったために、八木副大臣に代わりに出席してもらいました。会議は先ほど終わったばかりだと思いますので、詳細な報告は受けておりませんけれども、活発な議論が行われ、1.5度目標をしっかり達成していくということについては、意見が共有されたということは聞いております。
 今回の地球温暖化対策計画の見直しについては、来年の2月までに国連への提出が奨励されております次期NDC、すなわち2030年以降の温室効果ガス削減目標につながる、極めて重要なものだと思います。具体的なスケジュールやアウトプットについては、今後、合同会合の議論等を踏まえながら決定していくことになりますけれども、委員の皆様には精力的に議論をしていただいて、環境省として、経済産業省と緊密に連携をとりながら、政府としての案を取りまとめてまいりたいと考えております。
(記者)ありがとうございます。あともう一点、経産省が昨日、プラスチックの製造業に対して再生材の使用量の目標設定とか、使用実績の報告を義務化する方針を示しました。これ、上流・下流という意味では環境省とも関係すると思うんですが、この辺り、いかがでしょうか。
(大臣)再生材の使用については、政府ではプラスチック資源循環戦略において、2030年までに再生利用を倍増するとのマイルストーンを掲げております。環境省では、プラスチック資源循環法に基づいて、自治体や事業者によるリサイクル等の取組を進めておりますが、先の通常国会で成立させていただきました、再資源化事業等高度化法も活用して、製造業者等が必要とする質と量の再生材が確実に供給されるよう、再資源化事業等の高度化を促進し、資源循環産業の発展を目指すところでございます。引き続き、経済産業省をはじめとする関係省庁と連携して、循環経済への移行をしっかり進めてまいりたいと考えております。
 
(記者)毎日新聞の山口です。よろしくお願いします。温対計画の議論で、関連で1点お聞きしたいんですけれども、本日の会議の中で、日本の温室効果ガス排出量のオントラックについて委員の方から多数指摘がありました。その中では(我が国の)産業の海外への移転に伴って(温室効果ガス排出量も)減少しているんじゃないかという意見や、今後同じペースで減少させるというのはなかなか厳しいのではないかというような意見もございました。
 これまで大臣は、今の排出状況について順調なペースで減少しているというふうな御説明でしたけれども、現在の排出状況についての評価と、今後の見通しについてどのように考えられているのかというのをお願いできますでしょうか。
(大臣)先ほども話しましたけども、今日の会議は八木副大臣に出席していただいたところでございまして、詳細は、まだはっきりお聞きしておりませんけれども、種々の意見があったこともお聞きしております。
 ご下問の部分でございますけれども、日本は基本的にパリ協定に基づく1.5度目標にオントラックで、それ以上に二酸化炭素を減らしていると思います。
 ただ、これからいろんな状況もありますし、二酸化炭素を減らすというのは容易なことではありませんので、国内で減らす、そしてまた海外とのパリ協定6条に基づくJCM等も活用して、ネットで減らすことも合わせて、そしてまた技術革新もあると思いますので、しっかり環境政策の先導役を日本自身が果たせるように、CO2の排出削減をしていきたいというふうに思います。
 
(記者)テレビ朝日の中尾です。環境省は例年ですと7月の人事異動がある時期だと思います。まだ全容は明らかではないですけれども、7月といいますと水俣病の再懇談、それらがある時期でございます。その目前に、おそらく異動があるだろうというところで、今回の異動で、何らか水俣病の再懇談や今後の対応について影響というか、どのようにしたいというふうな大臣のお考えというのは、何かお持ちでしょうか。
(大臣)大体全ての役所が、環境省を含めて、この7月1日、あるいはこの1週間ぐらいの間に(人事が)動くわけでありますけれども、いずれにいたしましても、新体制がしっかりタスクフォースとしての役目を果たすように、新体制の下でも力を発揮できるように、勇退なさる方、あるいはポジションが変わる方もいらっしゃいますけども、逆に入ってくる方もいらっしゃいますから、総体としてタスクフォースの力が失われないように、しっかり進めてもらいたいというふうに思います。
(記者)ありがとうございます。タスクフォースについては、当初に水俣病問題の解決という目標かと思いきや、実際再懇談というところに終始しているのではないかというような指摘も相次ぎました。ただ、その中、今回ある程度重要な変更があるかもしれず、その中で、例えば併設とも言われたような目標設定みたいなものを改めて見直すような考えですとか、タスクフォースの目標というのを、改めてどういうところに位置づけたいかというところをお考えがあれば教えてください。
(大臣)タスクフォースそのものの目的は、しっかりと充実した懇談を再設定すること、そしてその究極的な目的は、水俣病問題を前進させることでありますので、そういう意味では変わりませんけれども、タスクフォースについては充実した再懇談をつくるということになると思います。
 再懇談は私が近々実施する予定でありますけれども、私の1回の再懇談だけで、68年にわたるいろいろな複雑で、かつ重要な問題が解決できるとも考えておりませんので、それは解決に向けた一つのステップだというふうに考えております。そしてまた再懇談は私のものだけでなくて、政務三役であり、あるいは事務方であり、なるだけ高い頻度で懇談なり意見交換の場をつくってまいりたいとは思っております。
 
(記者)西日本新聞の岡部と申します。私からも水俣病関連でお伺いできればと思います。被害者団体との再懇談なんですけれども、本日も関係団体との調整をしているというふうには聞いているのですが、スケジュール調整の進捗については、いかがでしょうか。
(大臣)今、最終段階の調整をしているところであります。
(記者)もう一両日中には、御説明いただけるような状況と思ってよろしいでしょうか。(大臣)多分、そうなるのではないかなと予測しております。ただ、今、最終段階の調整の中で、調整に時間がかかる可能性もあります。
(記者)そうすると、方向性としては8日の日と、あと10日、11日、その三日間の日程の方向という。
(大臣)今の段階では具体的な日程について、私の口から言及するのは控えたいと思います。
(記者)分かりました。あと、今回の再懇談においては、団体側のほうから提出されていた要望に対して、環境省側からも文章で回答する段取りかと思うんですけれども、その要望に対する回答の方針ですけど、どのようにお考えかお聞かせいただけますでしょうか。たしか、認定の見直しと申しますか、その辺りのところも要望に入っていたかと思うんですけれども、踏み込んだところまで検討されるのかどうか、その辺りも含めてお聞かせいただけますでしょうか。
(大臣)今回、文書においては、公式、非公式も含めて(要望が)5回あったと思います。それから、私が5月1日と5月8日に直にお聞きした御要望もあります。この前の公害の関係者の皆さんが来たときに、水俣の関係者からいただいた御要望もあるわけです。ですから、いろんなレベルの、またいろんな項目の御要望がありますので、一概に今こうだとは言えないわけですけれども、できれば関係団体とお会いするときに、その関係団体からいただいた御要望にはなるだけお答えしたいというふうに思っています。事前に全部文書で出すか、あるいは私がその時に口頭で言うのかも含めて最終調整をしているところでございます。
(記者)救済について、特に求める声が大きいかと思うんですけれども、その辺り、救済の幅を広げるとか、そういったところも前向きに考えるようなお考えはございますでしょうか。
(大臣)今の段階では、そういう個別のことについて言及するのは控えたいと思います。
 
(記者)エネルギーと環境の大村です。1点だけ。NDCの目標なんですけれども、G7でIPCCの数字である2035年60%の数字が出ていますね。これは先ほど、目標設定の期限というか、2030年以降とおっしゃられたと思いますが、2035年目標というのは視野に入っているのか、その際にこの60%という数字がどのような意味合いを持つと考えているのか、その二つ、お願いいたします。
(大臣)今、二つの数字を挙げられましたけども、目標年次、目標値を含む次期NDCについては、現時点では予断できないものもありますし、IPCCによる科学的知見、それから排出削減の実績等踏まえつつ、環境省が中心となって、関係省庁とも連携しながら、しっかり検討していくというのが現在のスタンスでございます。
(記者)はい、分かりました。
 
(記者)NHKの林と申します。すみません、水俣の再懇談について、細かい日程や回答は調整中ということだったと思うのですけれども、大臣は従前から懇談については問題が少しでも前進する、そういう解決方法を見つけていきたいと繰り返しおっしゃっていたと思うのですけど、最終段階になって、大臣の思いをもう一度聞かせていただきたいんですが、いかがでしょうか。
(大臣)全ての政策課題、あるいは政策のいろいろな問題というのは一夜によって、あるいは1回の懇談によって100%解決するものではないと思いますけれども、やっぱり顔と顔を合わせて、長い時間話し合って、そしてまたお互いに相手の気持ちとか、状況とかを理解する中で、私はそれを解決と言うかどうか分かりませんけれども、私の言葉で言えば、少なくとも前進できるというふうには思っております。
(記者)そういう懇談を目指したいということですよね。
(大臣)そう思って、しっかり時間が取れる形での懇談の再設定が、最終段階になっているということでございます。
 
(記者)共同通信の清と申します。水俣病の再懇談についてなのですけれども、一問一答形式にするとか、そういう形式のことで、お話しできることがあったらお願いしたいです。
(大臣)その形式についても今、最終的な詰めを行っているところでございまして、現時点でどうするかということは、まだ明言できないというのが実情でございます。
(記者)もし形式について、かける想いや狙いなど、お話しできることがあったら、お願いしたいのですが。
(大臣)形式というよりは、やっぱりゆっくりと時間を取る、それから全部で8団体あると思うのですけれども、8団体それぞれ御要望とかスタンスが、必ずしも同じでないところもありますので、そういう面もあって、全体でやる会議もあるでしょうし、個別の1団体とやるという会議もあるだろうと思っています。そこも含めて、再懇談の最終調整をしているところでございますので、今の段階でこうするということは、明言できないということだと思います。
(記者)ありがとうございます。
 

会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=UvAfyXGn6ew&t=931s
 

(以上)

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