厚労省・新着情報

(令和6年7月26日(金)18:06~18:22 NPO法人自殺対策支援センターライフリンク・一般社団法人いのち支える自殺対策推進センター(JSCP))

広報室

会見の詳細

発言要旨

大臣:
 本日、自殺対策推進センター及びライフリンクの相談事務所を視察してまいりました。元々、自殺対策は我が国が3万人を超す自殺者が出ていた当時に、参議院の厚生労働委員会で山本孝史さんからの提言で、この自殺対策をテーマにした参議院の厚労委員会を開こうという提案があり、与党筆頭理事の私と野党筆頭理事の山本さんで、このテーマを取り上げることといたしました。その結果として参議院で決議案を出し、それがベースになって基本法の制定ということが超党派でできたという経緯があります。自殺対策についての大きな柱は、自殺に関わる様々な要因というものをしっかりと把握して、いかにそれを防止するかということでした。そのために、担当が障害福祉部長ということであり、障害福祉部長が、担当がナショナルセンターの研究所の中にこのセンターを作ってしまい、結果として社会的要因を含めた包括的な自殺対策の総合センターというものを作れずにそこで10年間ほど塩漬けになっていました。それを尾辻先生と私と多くの超党派の議連の仲間で参議院の厚労委員会で何度も集中で質疑をし、そしてナショナルセンターから分離させ、改めて独立したかたちで、政府とも緊密に連携をとった自殺対策センターを作ったという経緯があります。手間暇がかかって大変でしたが、こうした独立したかたちになって、かつ、また当初警察情報も中々入れてもらえませんでしたが、今や自殺対策にはかかせない警察情報もしっかり入ってくるようになって、社会的要因として文科省からもこどもの自殺に関わる情報を入れていただけるようになって、自殺対策の情報が幅広く収集できるシステムがこのセンターによってできてきたということを今日は改めて認識いたしました。その上で、大変多くの方々が協力をしてくださって、童謡や絵本の専門家の方々の協力まで得られて、特に若年層を対象として自殺の気持ちを持つようなこども達がアクセスしやすいようなそうした仕組みまで作ってくれていました。この相談対応システムというものは、私も体験しましたが、こういう仕組みでこども達の気持ちを繋げていくのかということが若干でもわかったような気がします。このセンターは清水さんの努力もあり、こうして体制も整ってきましたが、まだまだこれから各都道府県・市町村と連携をしっかりさらに強化し、そして警察・文部科学省を含め各省庁との連絡というものをさらに強化し、こうした相談業務が実際に確実に命を救い、そしてまた生きることの喜びを改めてもっていただけるようなサポートができるよう、更なる継続と努力が必要だと私は思いました。今までよくやってきたと思います。たくさんの障害を乗り越えて20年、ようやくここまできたかという感じがいたしますが、これからさらにこれを基盤にして全国的なネットーワークを強化していっていただいて、我が国のまだまだ多い自殺対策に大きく貢献していってもらいたいと思いました。私からは以上です。 

質疑

記者:
今回、中高生の自殺者数が高止まりの傾向が見られる中、ウェブサイト「かくれてしまえばいいのです」を体験されました。体験されて特に印象に残った部分をお聞かせください。
大臣:
こどもたちが簡単なゲーム感覚で上手に惹き込まれていく、そうした仕組みというものを、やはりこどもの気持ちがよくわかった童話作家のような方に作っていただいているということは大変ありがたい話だと思いました。皆様非常に積極的にご協力いただいており、このセンターは決して資金が裕福にあるわけではありませんので、そうした方々の協力なくしては、あのようなこどもの気持ちを惹きつけるようなソフトはできないだろうと思いましたので、やはりそうした協力をしてくださる方々に非常に感謝の気持ちを持ちました。
記者:
先ほど、20年かかってここまできたかというお話しがありましたが、今の対策で足りないところ、もう少しここをこうしたらよいのではないかと考えられているところはありますか。
大臣:
これは各省庁間の連携です。特に、こども対策はこども家庭庁に所轄が移り、改めて自殺対策は厚生労働省で引き続き大人を中心に全体を把握していますが、やはり各省庁間の連携をしっかりやるということと、そして特に警察情報についても警察が随分協力してくれるようになってきましたので、単に相談するという業務だけでなく、実際に相談した後にも一定の措置状態になったとしても、その後しっかりフォローできるような仕組み、これをやはりもう少し具体的に省庁間で連携して強化させなければならないというそうした認識をもっています。実際にこのセンターでも、相談業務でその場はなんとか対応できたが、その後実際に措置入院のようなかたちで対応されたのか、あるいは別のかたちになったのか、あるいはさらにその方が再度自殺されるような試みをしたことがあったのかどうなのかというフォローアップのための情報がまだ十分入手されていないというところがあり、この問題はやはりどのように解決していくのかということは、このセンターだけでなく我が国の自殺対策を考える上でも重要だと思います。そのためには、やはり警察とそして厚生労働省との間の連携というものがもっと緊密に強化される必要性があると思います。
記者:
今日センターと意見交換等されたと思いますが、公表できる範囲で、具体的にどういった話があったのかと、また大臣からセンターに向けて今後こうして欲しいなど求めたことがもしあれば教えてください。
大臣:
まさに今申し上げた通りです。実際に公開できないような緊迫したやり取りについても今日は直接、文字ですが、確認させていただき、しかもそれを1人で対応するのではなくチームで対応し、そしてその気持ちを思い止まらせるということの経緯が誠に大変な作業だということがよくわかりました。これをやっていくのは本当に、1日何100件もあるということの中で大変な作業だと思います。我々は政治家であり厚生労働大臣という立場からすれば、やはり制度としてさらにはシステムとしてこうした役割をもっと確実に実施し、自死される方を少なくするというところに我々の関心は常に集中させるべきだろうと思いますので、その観点は明らかにやはり引き続きまだ自殺に関連する省庁間の連携、そしてこうした相談業務というものについてはフォローアップを含めた自殺防止の体制の強化、これは省庁間の連携なくしてはできませんので、そうしたことが今日よく認識できました。
記者:
自殺防止対策の強化というお話がありましたが、来年度の概算要求が8月末に迫りますが、何か概算要求に自殺対策の部分を盛り込んでいきたいというお考えはありますでしょうか。
大臣:
私は厚生労働大臣になる前に議連の方の会長をやっており、その時から自殺基本法について10年経つわけなので、改めて基本法の改正というものを来年の通常国会を目途としてやれたらどうかということは既に議論しておりました。ただ実際に今度はそれをどういうかたちで基本法改正としての手続きをしていくかということはまさにこれからの議論になります。
記者:
また再び改正というのはどういったところが1番の要素になりますか。
大臣:
10年経ってまだ足りていない分野です。先ほど申し上げたような各省庁間の連携や情報の共有の在り方から、更には各都道府県との連携の強化など、もっと強化すべきところはありますので、そういうところは基本法の中で再度修正して強化することが必要なのではないでしょうか。
記者:
世の中は夏休みの時期で、ちょうど夏休みを終えるとこども達、小中学生の自殺が増えるという傾向にあります。そうした中で間もなく夏休みを迎えますけれども、大臣としてこども達に対するメッセージがあればお願いします。
大臣:
今日もお話を伺ってみると、なかなか自殺されておられるお子さん方の事前の兆候を把握することは難しく、例えば学校についても、中には皆勤賞をされているお子さんまでいらっしゃって、不登校のお子さんが悩んでいるということではなくてむしろかなりのお子さん方が学校に毎日通いながら悩んでいるという状況であって、お子さん方の心の悩みを把握するということはなかなか難しいということがよくわかりました。したがって夏休みの最中色々なことを経験されてくると思いますが、やはりそういうこども達がまず親御さんに話ができるような関係があれば1番いいですが、もしそのようなことができない時には、この自殺対策支援センターで作った可愛らしい童話のものがありますので是非アクセスいただいて、皆さん方がその中で生きる気持ちをしっかりもっていただけることができればいいなと思います。
記者:
小林製薬の問題で、問題となった紅麹コレステヘルプと同等量の紅麹原料を使った製品が新たに5つ見つかったということで、小林製薬から当初の報告に不備があったと発表されたことについて大臣の受け止めをお願いします。
大臣:
詳細は承知しておりませんが、小林製薬については、私どもからの調査依頼の趣旨に必ずしも沿わずに販売した会社と製造した会社が違っていたりすると、その違いを理由にして、その内容について趣旨に沿ったかたちでの調査をせずに報告しなかったというようなケースがあったということも聞いておりますので、そういう点は改めてしっかり是正していただかなければなりません。こうした問題点は小林製薬にも伝えて、こういうことが起きないようにしていただくための措置は取っていただくつもりです。

(了)

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