厚労省・新着情報

(令和6年8月2日(金)10:54~11:09 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
本日、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の変更について閣議決定されました。今回の変更では、時間外労働の上限規制の遵守徹底、過労死等の再発防止指導、フリーランスなどの対策の強化、業種やハラスメントに着目した調査・分析など過労死等防止対策を充実させてまいります。今後とも関係行政機関とも連携しながら、過労死ゼロの実現に向けて全力で取り組んでまいります。私からは以上です。 

質疑

記者:
30日の社会保障審議会年金部会で遺族厚生年金について、厚労省は現役世代でこどもがいない人の受給期間を男女とも5年間とする案を審議会に示しました。現在の男女の格差是正に繋げる狙いがあると思いますが、大臣の受け止めと今後の議論の進め方について教えてください。 
大臣:
7月30日の年金部会では、男女問わず20代から50代の子のない配偶者の遺族厚生年金について「配偶者の死亡という激変に際した生活再建の有期給付」とする見直し案を示しました。これは女性の就業進展や共働き世帯の増加等を踏まえ、制度上の男女差解消を意図するものです。また、20年以上の長期間の経過措置を設けながら段階的に進めると同時に、既に遺族年金を受給されている方や高齢で配偶者を亡くされた方、お子さんがいらっしゃる世帯については、現行の仕組みを維持することを検討しています。基本的な方向性について多くの委員から異論はなかったものと承知していますが、引き続き国民に対して見直しの趣旨・内容を丁寧に説明するとともに、年末に成案が得られるよう与党とも相談しながら詳細な検討を進めてまいりたいと考えています。 
記者:
政治資金パーティーについてお伺いします。大臣は29日に政治資金パーティーを開かれましたが、このパーティーの参加人数と、政治資金規正法上の特定パーティーに該当するかどうかを教えてください。 
大臣:
これはまさに背に腹は代えられないところで、私の事務所の金庫は7月の中旬で全く空になることになっていましたので、実際にこれは必要不可欠ということで政治資金パーティーというものを現行の法律に基づいて開催しました。やってみたところ、大体コロナの前の段階に戻ってきたかという感じで、少し少なかったかもしれません。まだ勘定はしていないのでわかりません。 
記者:
お見受けしたところ数百人規模かと思いますが、大規模なパーティーの自粛を求めている大臣規範との整合性についてはどうお考えですか。 
大臣:
大臣規範でそうなっていますので、私としても特に盛大にやろうというつもりでやったわけでは全くありません。 
記者:
自民党の派閥による政治資金パーティーの裏金問題があったばかりですが、その中でパーティーを開かれるということについてのお考えをお願いします。 
大臣:
政治と金の問題で、裏金作りに使われたという派閥のパーティーの在り方に関しては、過去において極めて遺憾なことであってはならないことだと私は思っています。ただ私の今回の政治資金パーティーについては、しっかりそうした現行法に基づいて行ったわけで、なければ7月の中旬で事実上私の事務所は破産宣言をしなければならないくらいの状況になりましたので、実際に閣僚になってから1回もそうした資金集めはしませんでしたので、そういった状況であったことも踏まえ、実際に通常と同様のかたちでやらせていただいたと。集まった方は大体コロナの前の段階より少し減ったくらいでした。 
記者:
現在パブリックコメントがなされている感染症法の省令改正案についてお尋ねします。今回の変更は急性呼吸器感染症(ARI)のうち、これまで5類に指定されていなかった風邪全般を5類に指定し、特定感染症予防指針の対象にも含める趣旨だと理解しています。軽症の風邪を今回サーベイランスの対象にすることのメリット、あるいは費用、費用対効果をどう見積もっておられるのか教えてください。また特定感染症予防指針の対象に今回風邪を入れるということですが、今後、風邪を予防するためのワクチン開発も視野に入れておられるのか教えてください。 
大臣:
急性呼吸器感染症を感染症法の5類感染症に位置付けることで、新型コロナウイルス感染症等、個別に把握している感染症以外の急性呼吸器感染症についても、平時から探知できる体制整備が可能となります。この結果、個別に把握していない急性呼吸器感染症についても、迅速に適切な感染症対策の検討を行うことに繋がると考えています。定点医療機関における報告に係る事務負担やサーベイランスに係る費用にも配慮しながら、報告を求める具体的な症例について検討を進めたいと考えています。また、急性呼吸器感染症についても個別の対応について定める特定感染症予防指針を今後策定する予定ですが、同指針に記載する事項やご指摘の「風邪のワクチン開発」に関しては、対象となる感染症の特性も踏まえて引き続き検討していきたいと考えています。 
記者:
これまで個別に把握していなかった急性呼吸器感染症を見つけるためにサーベイランスを行うということかと思いますが、現実には、それは個別に今まで5類に指定されていなかったものは、いわゆる風邪になるかと思います。いわゆる風邪、200種類以上の原因ウイルス、病原体があると言われていますが、そうしたものを今回全部把握できるような体制にするということかと思います。相当負担が大きくなるのではいか、費用もかかるのではないかと思いますが、そのあたりはどのように見積もっておられるのでしょうか。 
大臣:
急性呼吸器感染症というものは、急性の上気道炎(鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎、咽頭炎、喉頭炎)、下気道炎(気管支炎、細気管支炎、肺炎)を指す病原体による症候群の総称を言います。新型コロナウイルス感染症とは異なる「かぜ」の原因となるコロナウイルスもここに含まれます。おおよそ5類の対象となる急性呼吸器感染症の中にいわゆる風邪コロナも含まれうるが、引き続き定点医療機関における報告に係る事務負担やサーベイランスに係る費用にもしっかり配慮しながら、報告を求める具体的な症例について検討を進めるという立場です。 
記者:
費用がどれくらいかかるのかということはまだ見積もっていないということですか。 
大臣:
それはまだ現在検討中ですので、そこまでやっているわけではありません。 
記者:
先ほど大臣のお答えにありました特定感染症予防指針は個別に決めていないということですが、場合によってはこれまで対象になってなかった風邪コロナに関するワクチンを作るということも視野に入っているとお聞きしてよろしいでしょうか。 
大臣:
今般の急性呼吸器感染症を5類に位置付け、特定感染症予防指針の対象とする方針というものは、ワクチンが有効な感染症である場合にはワクチン開発も検討されますが、いずれにせよ急性呼吸器感染症に関する特定感染症予防指針に記載する事項、ワクチン開発の方針についてはこれから引き続き検討していくということです。 
記者:
臓器移植についてお伺いします。先月26日の臓器移植委員会で、日本臓器移植ネットワークのコーディネーターの不足による対応や到着の遅れが医療現場や家族にとって負担になっていると委員から指摘がありました。これについて大臣の受け止めと、今後JOTのコーディネーターの不足、対応の遅延の実態について調査する予定はあるかどうかお考えを教えてください。 
大臣:
コーディネーターの到着の遅れにより家族を待機させたり、医療機関内での調整が遅れるなどといったご負担をおかけすることは極力避けるべきです。こうした事案も含め、臓器あっせんに係る現状と課題を把握するため、7月3日に日本臓器移植ネットワークに対し、主治医等から連絡を受けた全ての事例の内容や対応状況を報告するよう指示しました。その結果も踏まえ、臓器あっせんの在り方について今後確実に検討を進めてまいります。今のままで良いとは思っていません。 
記者:
長崎の被爆体験者についてお伺いします。9日の「長崎原爆の日」に、大臣は総理とともに被爆体験者の方々と面会する予定と聞いております。大臣は今年2月の国会で、被爆体験者との面会を「検討する」と答弁されました。これを機に面会の実現に至ったと認識しておりますが、被爆体験者側からはこれまでも面会の要望があった中で、大臣は今年に関しては面会について「検討する」と答弁され、実際に会うことを決めたのはどういった理由からでしょうか。また被爆体験者は被爆者健康手帳の交付などの救済を求めています。これに関し、今年の面会では国として何か方針を示されるのかお聞かせください。 
大臣:
8月9日の長崎原爆平和祈念式典後に例年、長崎市の主催で被爆者の方々からご要望をいただく会が開催されており、私もこれに参加させていただきます。被爆体験者の方々の同席については、今年2月の国会質疑、ご指摘のものも踏まえ長崎市に調整を依頼しました。被爆者健康手帳の交付については、被爆地域として指定されていない地域においては身体に原子爆弾の放射能の影響を受けるような事情の下にあったとは言えず、原子爆弾投下後間もなく雨が降ったとする客観的な記録も今のところありません。こうした判決が実際には確定しています。このため長崎の被爆体験者の方々に被爆者健康手帳を交付することについては、過去の裁判例との整合性に課題があるため、政府としては被爆体験者の方々に対し、昨年4月から医療費助成の対象を拡充するなど被爆体験者の支援に努めているところであり、引き続き長崎県、長崎市とも相談をしながら必要な対応を検討してまいります。昨年4月から一部がんもこれに追加したところです。それ以前はいわゆる被爆体験の中で実際に精神的なショックを受けられた方、そうしたことに係る精神疾患等は入っていましたが、これに改めて昨年4月以降はがんを加えたという経緯があります。いずれにせよ、こうした皆様方のご意見に対し丁寧に真摯にお話しを伺うことが必要、それが私の国会答弁の際の趣旨ですので、それが基本だということをご理解いただきたいと思います。 

(了)

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