農林水産省・新着情報

坂本農林水産大臣記者会見概要

日時 令和6年8月27日(火曜日)10時49分~10時59分 於: 本省会見室
主な質疑事項
  • 水産業を守る政策パッケージの履行状況等について
  • 米の品薄について
  • 猛暑による農作物への影響と対応策について
  • 上陸が予想される台風第10号による影響について
  • 政府備蓄米の放出に関する要望について

質疑応答

記者

  政府は、水産業を守る政策パッケージを打ち出していますが、岸田首相が先日福島県を視察した際、追加支援策を検討する旨の発言がありました。水産業を守る政策パッケージの履行状況及び必要な拡充項目や課題を聞かせてください。

大臣

  先週24日に、岸田総理が福島を訪問した際に、ALPS処理水の海洋放出に関して、「水産業のなりわい継続支援に万全を期す」旨を表明され、今週、関係閣僚会議を開催して、「秋の経済対策も見据えて、対策の方向性を示したい」旨発言されたことは承知しています。
  農水省としては、昨年以来、水産業を守る政策パッケージ等により、国内消費の拡大、国内加工体制の強化、輸出先の多角化等の支援策の実施を進めてきたところです。
  総理が言及されたとおり、関係閣僚会議で示される対策の方向性を踏まえ、引き続き、関係省庁と連携し、対策の実施に万全を期してまいります。
  水産業を守る政策パッケージにおける各種支援策については、事業の実施が相当程度進んでいるものと承知していますが、詳細な執行状況については、予算計上をしている経産省にお尋ねください。

記者

  米の店頭での品薄報道が相次いでいますが、米の品薄が緩和されるのはいつぐらいなりそうか、農水省として供給を支援するような政策を打ち出す考えがあるのか聞かせてください。

大臣

  令和5年産米の需要が堅調に推移したことなどを背景として、令和6年6月末の在庫量は、近年では低い水準となっています。こうした中、米の在庫が最も少なくなる端境期である8月に、南海トラフ地震臨時情報とその後の地震や台風等により買い込み需要が発生したこと、輸送業者がお盆休みに入った影響もあり、商品の搬入に停滞が生じたことなどにより、品薄となった店舗が生じているものと考えています。
  例年、新米は8月中には九州から千葉、茨城等の産地の早期米が出回り始め、9月には1年の出荷量の4割程度まで本格的に出回ります。産地の情報によると、6年産米の生育は順調に進んでいます。平年より一週間程度収穫が早まる産地もあり、あわせて出荷も前倒しで行われる見込みです。
  このため、米が品薄になっている状況は、今後順次回復していくと見込んでいますので、消費者の皆様方におかれましては、必要な量だけお米をお買い求めいただくなど、落ち着いた購買行動をお願いします。
  米の取引業者である集荷業者や卸売業に対しましては、常日頃から集荷・販売・在庫状況等の情報を徴収して、毎月公表することで、きめ細かな情報提供を行うとともに、円滑な流通を努めていただくよう働きかけているところです。
  昨日も局長と卸売大手5社が話し合いをして、円滑な集荷販売をお願いしたところです。既に新米の出回りも始まっていますが、農水省としては、今後とも引き続き円滑な流通の確保に向けて取り組んでまいります。

記者

  猛暑により稲の収穫時期が早まっていますが、米をはじめ、農作物への猛暑の影響をどう見ているのか、農水省として注意などを呼びかけることがあればお願いします。 また、台風10号の影響についても聞かせてください。

大臣

  今年も、猛暑日が多く、非常に気温の高い日が続いていますが、気象庁が発表している1か月予報では、今後も引き続き全国的に気温が高くなるとの見通しが示されています。
  このような状況の中、米については、生育が例年に比べ1週間程度早まっている産地も見られることから、これから収穫時期を迎える産地においては、刈り遅れの防止等の対策が重要となります。
  また、果樹についても、一部産地での日焼け果の発生が懸念されることから、遮光資材の設置や十分なかん水を講じることが重要となります。
  農水省としては、これらの高温に伴う農畜産物の被害防止に向けた技術指導が産地で徹底されるよう、本年4月25日及び8月2日に都道府県等に通知を発するなど周知を行っており、引き続き、現場での対応を促してまいります。
  さらに、今週は台風第10号の上陸が予想されており、大雨や暴風などによる農作物等への影響も大変心配されます。気象情報を十分に確認し、作業者の安全確保を最優先に、被害防止に向けた対応に努めていただくようお願いします。

記者

  昨日、大阪府の吉村知事が米の品薄を受けて、政府備蓄米の放出を要望しましたが、これを受けての見解と対応について教えてください。

大臣

  本日、大阪府の吉村知事から私宛に、「米の流通状況改善について」要望書が郵送されてきました。引き続き、お米の円滑な流通の確保に向けて取り組んでまいります。
  政府備蓄米の放出についても要望がありましたが、民間流通が基本となっている米の需給や価格に影響を与える恐れがあるため、慎重に考えるべきものと考えています。

記者

  備蓄米を放出するとすれば、入札などをして、1週間、2週間、3週間ぐらいかかると思いますが、そうなるとあまり意味がなくなるのかなと。物理的にも意味がないということですか。

大臣

  あくまでも民間(流通)が基本となっています。備蓄米ですので、かなりのことがない限りは、流通関係に影響を与える恐れがありますので、そこは慎重に考えなければいけないです。

記者

  一方で、お盆が明けると米は戻るのかなというかすかな期待がありましたが、昨日現在でまだスーパーの棚にお米がない、これまでにない状態かと思いますが、いつ頃解消できるのか、その辺どう見ていますか。

大臣

  新米が通常より早く出回り始めていますので、いつ頃という断言はできませんが、不足感は徐々に減少していくものであろうと思っています。特に新米の収穫が進む端境期として、本年産の新米の取引もこれから行われていきますので、民間流通に影響を与えることについては、慎重にしていかなければいけないと思います。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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