厚労省・新着情報

(令和6年9月3日(火)11:41~11:59 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:

私からは特にございません。 

質疑

記者:
先月30日に厚生労働省が公表した人口動態統計の速報値では、今年上半期の出生数は前年同期に比べて20,978人減の350,074人と上半期として過去最少となり、通年の出生数は初めて700,000人を割る可能性があります。大臣の受け止めをお聞かせください。また、このように少子化に歯止めがかからない中、厚労省の本年度の予算概算要求では共働きの支援や女性の就労支援などを盛り込んでいますが、少子化対策や人口減対策について厚労省としてどう進めるか教えてください。 
大臣:
少子化の進行は、ものすごく危機的な状況にあると認識しており、若年の人口が急激に減少する2030年代に入るまでのこれからの6年間、これがやはり、言うなれば我が国にとってラストチャンスの非常に重要な時期で、この時期に待ったなしに効果的な少子化対策をいかに進めるかということを私どもは常に考えているということを申し上げておきたいと思います。このため厚生労働省としては、共働き・共育ての推進や、若い世代の所得向上を通じた少子化対策、さらに女性活躍の推進等を加速化するための出生後休業支援給付の創設や育児時短就業給付の創設などを含めて、必要な予算を概算要求に盛り込んだところです。こども家庭庁を始めとする関係省庁とも連携する必要性が大変多くありますので、そうした関係省庁と連携しながらこうした少子化対策の取組を確実に進めていきたいと考えています。 
記者:
医師の働き方改革についてお伺いします。本日の新聞1面でも報じましたが、弊社の独自調査により、病院で働く勤務医のおよそ4人に1人が、働き方改革が始まった4月以降も、年960時間の残業時間、原則の上限を超えていることがわかりました。現時点でも医師の働き方改革はまだ道半ばの状況にあるということが浮き彫りになりましたが、それに対する大臣の受け止めと、またこうした医師の長時間労働を今後抑制していくために、厚労省としてどのような対策に力を入れていくのかについてお願いします。 
大臣:
医師の働き方改革については、これまで各医療機関においてはタスク・シフトやタスク・シェア、そしてICTを活用することなど労働時間短縮に医療機関全体で取り組んでいただき、本年4月の施行に向けた調査において、医師の時間外労働の減少がみられていたところです。今回の報道にある調査については、対象が限定的で一概に評価することはできませんが、厚生労働省としては、医療機関における取組に対して引き続き、財政的な支援のほか、適切な労務管理に関する助言等を実施するとともに、施行後の状況をしっかりと把握しつつ、都道府県と緊密に連携を図りながら様々な取組を推進していきたいと考えています。特に、同時並行的に状況の把握を各都道府県と連携しながら進めているところであり、こうした調査の結果というものはできるだけ早く把握し、その対応策にも反映させていきたいと考えています。 
記者:
マスクの感染予防効果についてお尋ねします。エアロゾル感染、空気感染の場合、通常のマスクで防ぐことはできるのでしょうか。 
大臣:
基本的にまず国立感染症研究所の報告で、WHO等の調査等、これを出典とし、新型コロナウイルス感染症の感染経路は主にエアロゾル感染、飛沫感染及び接触感染の3つとされています。WHOは、新型コロナウイルスの拡大を防ぐため、こうした状況を把握した上でマスクの着用を推奨しています。このため政府においては、これまでも新型コロナウイルス感染症の感染予防として、換気や手洗い・手指消毒、さらにマスクの着用などの基本的な感染対策が有効であるとして国民の皆様方に周知してまいりました。すなわち、こうした一連の感染予防という観点の中で、こうしたWHO等の方針といったようなことも踏まえつつ、我が国の中においてもこうしたマスクの着用をコロナウイルス対策としてこれを推進しているということです。 
記者:
飛沫感染の場合マスクで防げるということはわかりますし、接触感染の場合手洗いが有効であるということはわかりますが、エアロゾル感染の場合マスクは有効なのでしょうか。 
大臣:
新型コロナウイルス感染症の感染経路、これはエアロゾル感染だけではなく、飛沫感染や接触感染ということもあることから、基本的な感染症対策が必要になってきます。その中でのマスクの着用という考え方です。 
記者:
もしマスクがエアロゾル感染に有効でないとすれば、この2つの感染が防げたとしても効果はないということにはならないでしょうか。 
大臣:
そうはなりません。 
記者:
そうはならない、一定の有効性はあるということですか。 
大臣:
有効性は確実に私どもとしては認識しています。 
記者:
エアロゾル感染の場合はどのくらいの確率でそれを防げるでしょうか。 
大臣:
それはまだわかりません。 
記者:
それはわからない。感染研のホームページでもWHOのホームページでも最後にこの同じ一文があります。「研究は進行中であり、知見は今後更新される可能性がある」ということが書かれていますが、感染がどのように拡がるかは正確にはわかっていないということでよろしいでしょうか。 
大臣:
今まさに感染に係るさまざまな科学的な検証が世界各国、あるいは国際機関等で行われているところです。こうしたことを踏まえ、私どもとしても、さらにより確実な感染防止対策というものをとっていきたいと思います。 
記者:
エアロゾル感染についてのマスクの有効性というものは、まだ正確には把握できていないという理解でよろしいでしょうか。 
大臣:
その点については現状では少なくともWHOにおける方針、そしてさらには我が国の中での各有識者の方針、こうしたものを勘案しながら、政府としてのマスク着用についての推奨をさせていただいているところです。 
記者:
知見は今後更新される可能性がある旨書かれていますが、まだ未知数があるということでよろしいでしょうか。 
大臣:
現状においては効果があるとみなし、私どもとしてはこれを確実に実施するよう国民の皆様方にも推奨させていただいているところです。 
記者:
どのくらいの確率で防げるのでしょうか。 
大臣:
それはまだわかりません。 
記者:
弊社を含む全国18の地方紙が8月に実施したマイナ保険証のアンケートで1万2,000人の回答がありました。それについて2点お伺いします。現行の健康保険証廃止への支持は約2割に留まりました。マイナ保険証を使うという人でも半数近くは現行保険証との選択制を希望していました。武見大臣はこの結果をどう受け止めますか。またアンケートでは、マイナ保険証のトラブル時の対処法や要配慮者への対応があまり知られていないこともわかりました。マイナ保険証への不安や疑問の声も多く届いています。12月2日に迫った健康保険証の廃止を見直す考えはありませんか。 
大臣:
マイナ保険証は、より良い医療の提供を可能にするほか、さらに医療DXのパスポートとして様々なメリットをいち早く享受していただくためにも、マイナ保険証を基本とする仕組みへ移行することとしています。まさにアナログからデジタルへと社会の1つの基本が変わってきて、その中でデジタル化とデータサイエンスというものが、間違いなくこれからお一人お一人の医療を提供するその質に関わる研究開発の基盤になっていきます。こうしたものを考えたとき、それをしっかり国民の皆様に届ける、そしてそのための1つの重要なパスポートとしてこうしたマイナ保険証というものは極めて重要な役割を持っていると、こう認識しています。したがって、こうした仕組みへの円滑な移行に向けてデジタルとアナログの併用期間を設けるといった必要な措置を講じるとともに、国民への更なる周知広報という観点から先日開催した医療保険部会において、より国民の不安の解消に繋がるような内容の発信を行っていくことなども示しています。このプロセスに関わるやはり国民の皆様方への理解、そしてまた不安がある場合にはその不安の払しょくに向けて適切に対応していきたいと思います。貴社のアンケート結果では、情報漏えいが不安といった声が寄せられた一方で、メリットを実感された方もいらっしゃると認識しています。またより多くの皆様に、先ほど申し上げたようなメリットを感じていただき、積極的にご利用いただけるよう不安の解消にも努めていき、そして引き続きそのための努力を私としても徹底して行いたいと思います。 
記者:
関連してもう1度聞きますが、マイナ保険証を使う、実際使っている方の中でも選択制を希望する方が半数いたというところについてもう1度お尋ねしますが、その方々は高齢の家族がいて心配だということや、読み取り機のトラブルが実際にあるというところで紙の保険証も残して欲しいという意見を寄せていらっしゃいます。不安の解消というお話しもありましたが、メリットの強調だけではそういった国民の声には届かないと思いますので、周知の在り方についてどのように不安を解消していくのかもう少し具体的にお願いします。 
大臣:
それは今申し上げた通り、メリットについても徹底してご理解いただく努力がこの時代の大きな変革期において本当に必要になってきています。それをぜひ国民の皆様方にご理解いただくとともに、この移行期というものになかなかついて行けない世代や、あるいはそういった個々の方々の事情があることも私どもは正確に把握し、この移行期における不安解消のための努力というものは徹底してやらなければならないと思っています。そうした努力については、それぞれ事務方から詳しいことはさらにお聞きいただければと思います。 
記者:
総裁選に関して1点お伺います。総裁選をめぐり、現役世代の社会保険料引き下げを訴える候補者もいらっしゃいます。こういった訴えについて大臣の受止めをお聞かせください。また社会保障では世代間対立に陥りがちですが、民間保険と異なる社会保険の意義、これについて大臣はどう捉えていらっしゃいますか。 
大臣:
やはり自由民主党の総裁選挙というものは実際に総理を選ぶことに確実に繋がるので、そうした意味で極めて重要な選択になります。したがってこうした総裁選挙というものの中で、ただ単なる人気投票というようなことが行われることについては、もしそうした傾向があるとしたらそれは決して好ましくない、むしろいかに今の歴史的な転機にある我が国においてどのような政策、そして何を行うことが大切か、これについてやはり徹底して、国民の皆様の前でこうした総裁候補の方々のご議論をしていただく必要性があります。その中でこうした少子高齢化社会の中での社会保障の在り方、そしてその中での負担の在り方といった議論もその中でしていただく必要性があるのだろうと私は思います。そして私どもの立場としては、高齢化などにより社会保障給付が増加する中においても、社会保障負担率の伸びを抑制するため、所得の増加を先行させ、徹底した歳出改革により社会保険料負担を全体として軽減していくことが重要だという基本的な立場を私どもとしてはとっています。その際、現役世代の負担にも配慮することは当然必要になってくるわけであり、したがって能力に応じてそれぞれ各世代の皆様方が必要に応じて支え合う、全世代型社会保障の考え方をよりしっかり徹底させていくことが必要だと思います。そして社会保険制度は、社会連帯の理念を基盤にしており、ともに支え合う仕組みです。民間保険とはその点異なります。全ての国民の加入を義務付けていること、保険料は各自のリスクではなく賃金等の負担能力に応じて設定されていること、そして被用者本人のみならず事業主も保険料を負担し、国や地方公共団体も費用の一部を負担すること等により負担可能な保険料で保険に継続的に加入し、必要な給付を受けることができることに、この公的な保険の意義があると考えます。こうした公的な保険の枠組みの中で、どこまでその医学・医療の進歩、イノベーションというものをしっかりカバーしていくことが今後将来にわたって可能であるかどうか、これについてはやはり相当しっかりした議論がこれからさらに必要になるだろうと私は思っています。 
記者:
前回8月30日の記者会見において武見大臣は、「薬害の一義的な定義はないが、国や企業の法的責任が裁判において認められるものは少なくとも薬害と言える」とおっしゃいました。それに関して質問します。現在、新型コロナワクチンの健康被害に関わる国や企業の法的責任が問われる係争中の裁判はありますか。もしあるのであれば現在何件の裁判があるのか、またコロナワクチンによって被害を受けたと主張されている原告の方は合計で何名なのか教えてください。 
大臣:
新型コロナワクチンの健康被害に関して係争中の案件は確かにあります。ただ、その件数や原告の詳細等についてはまさに係争中の課題であり、今厚生労働省の立場としては、発言を差し控えさせていただきたいと思います。 
記者:
10月からこの新型コロナワクチンの定期接種が始まりますが、その接種するかどうかの判断に、今どれくらいの国民が国に対して裁判をしているのか、こうした状況も踏まえて接種するかどうか判断できるのではないかと思いますが、大切な情報だと思いませんでしょうか。国民がどれくらい国に対して裁判を起こしているのか、その件数というものは。 
大臣:
こうしたワクチン等の安全性に関する説明は、厚生労働省としては常に適時適切にやらなければいけませんし、また副反応がもし起きた場合の対応、そしてその救済措置ということもすでに制度としてできており、それを確実に適用させていくことが必要になってくると思います。そうした中で、その法律的な案件というものは次元、質の少し異なった問題になってきます。したがってその点に関しては今お答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。 

(了)

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