農林水産省・新着情報

坂本農林水産大臣記者会見概要

日時 令和6年9月6日(金曜日)11時06分~11時20分 於: 本省会見室
主な質疑事項
  • (大臣から)ブラジル出張(G20農業大臣会合)について
  • 米の流通状況及び対応策について
  • 米の品薄に対する情報発信等について
  • 食料供給困難事態対策法に基づく各種措置の対象について
  • 令和6年産米の生産動向を踏まえた来年以降の生産見通しについて

冒頭発言

大臣

  本日、私から1点、報告がございます。9月9日(月曜日)から15日(日曜日)まで、G20農業大臣会合及び日ブラジル農業・食料対話のため、ブラジルに出張します。G20農業大臣会合においては、昨年のG7宮崎農業大臣会合での成果も踏まえつつ、引き続き、世界の食料安全保障の確保のために、農業の生産性向上と持続可能性の両立を実現すべきと参加国に呼び掛けてまいるつもりです。
  日ブラジル農業・食料対話では、ブラジルからの穀物の安定供給や、日本産農林水産物の輸出促進に向けた環境整備等について意見交換を行ってまいります。詳細は、この後プレスリリースします。
  また、私の不在時においても、昨今の米の円滑な流通への対応のみならず、いつ起こるか分からない地震や台風等の自然災害への迅速な対応を含め、武村副大臣を中心に、しっかりと対応してまいります。これに加えて、私からも、ウェブ会議等を通じて、いつでも必要な指示ができるようにし、出張中においても万全の体制がとれるようにします。本日、私からは以上です。

質疑応答

記者

  米の品薄や価格の上昇が続いており、依然、消費者にとっては厳しい状況が続いていますが、改めて今後の見通しと対応策をお願いします。

大臣

  米の品薄状況が続いている中、農水省としては、円滑な米の流通に向けた取組を行ってきました。既に大手の卸売業者からは昨年の同時期以上の供給が行われていますが、一部の地域において、店頭での購入に対して納品が追いつかない状況があると承知しています。このため、米の集荷業者・卸売業者の全国団体に対し、米の円滑な流通の確保に向けた一層の対応を行うよう、本日、改めて要請します。詳細は、事務方にお尋ねください。
  いずれにしても、一般的には、円滑な流通が進めば、価格も落ち着くものと考えていることから、農水省としては、スーパー等に米が安定的に届くよう、米の流通に対して、引き続き、米の出荷、在庫等の状況を把握し、関係団体への働きかけやホームページ等を通じて丁寧な情報発信を行ってまいります。

記者

  米の品薄を招いたことについて、農水省として情報発信が少し足りなかったのではないかという指摘も一部ありましたが、何か対応する予定はありますか。

大臣

  一部の地域において、店頭での購入に対して納品が追いついていない状況を踏まえ、米の集荷業者、卸売業者の全国団体に対し、米の円滑な流通の確保に向けた一層の対応を行うよう、これまでも行ってきましたが、本日改めて要請を行います。その上で、米の流通状況については、農水省のホームページを通じて、現在のスーパー等での販売状況、スーパー等に対する卸売業者の納入状況、令和6年産の検査状況、産地からの出荷見込み、令和6年産米の作柄などの情報提供を行っています。
  さらに、私が名誉編集長をしているYouTubeチャンネル「BUZZ MAFF(バズマフ)」のメンバーに声をかけ、全国の産地での収穫や出荷が進んでいる様子等を取材してもらい、順次BUZZ MAFFらしく発信をしていきます。本日9時からBUZZ MAFFを発信しています。
  今後も引き続き、米の流通状況について、消費者の方に向けて、きめ細やかな情報発信を積極的に行ってまいります。

記者

  先の通常国会で食料供給困難事態対策法が成立しましたが、実際に施行されれば消費者に対する買い過ぎの抑制や、出荷販売の調整などの措置を実施していくことになるかと思いますが、今回の米の品薄のような事態にも対応が可能となるのでしょうか。また、これから基本計画の策定も進んでいくと思いますが、今回のような品薄の発生を策定の検討に生かすような考えはありますか。

大臣

  食料供給困難事態対策法については、来年春に施行できるよう準備を行っているところですが、全体需給として必要な在庫水準が確保されている今般の状況では、食料供給が全国的に大幅に不足する事態やその兆候がある事態には該当せず、同法に基づく各種措置の対象となる事態ではないと考えています。
  米の品薄状況などに対しては、産地や卸売業者からスーパー等に安定的に供給され、消費者の皆さんのお手元に届くように取り組むことが重要と考えます。また、こうした状況に関する情報を消費者の皆様に発信していくことも重要であると考えており、現在のスーパー等での販売状況、スーパー等に対する卸売業者の納入状況、令和6年産の検査状況、令和6年産米の作柄などの情報提供を行っています。
  農水省としては、米の流通に対しては、引き続き、出荷、在庫等の状況を把握し、関係団体への働きかけや丁寧な情報発信に努めてまいります。

記者

  新米が出回り始めていますが、米不足みたいなことが世の中で言われており、新米の価格維持の配慮を優先して農水省の対応が遅れたのではないかという声も上がっていますが、そのような声に対してどうお考えでしょうか。

大臣

  新米の出荷はすでに先月から早期米が出回り始め、すでに店頭に並び始めているコシヒカリに加え、来週からは北海道産のななつぼしや東北産のひとめぼれといった主産地の主力銘柄も本格的に供給されます。今月からは、全国で年間出荷量の4割程度まで流通が本格化します。そして、各産地からの情報によると、6年産米の生育は全国的に順調に進んでおり、平年より一週間程度収穫が早まる産地もあり、あわせて出荷も前倒しで行われる見込みです。
  米の取引価格の設定水準については、需給バランスなど民間の取引環境の中で決まっていくものであり、農水省としてコメントすることは差し控えますが、今後、新米が順次供給され、円滑な米の流通が進めば、需給バランスの中で、一定の価格水準に落ち着いてくるものと考えています。
  今後も、スーパー等に米が安定的に届くよう、米の流通に対して、引き続き、米の出荷、在庫等の状況を把握し、関係団体への働きかけやホームページなどを通じて丁寧な情報発信を行ってまいります。

記者

  今回の米の品薄状態について、国は毎年、米の生産量の目安という形で出されていますが、そこに余裕があればこういった事態は起こらなかったのではないかとの指摘もあります。備蓄米を出すのは時間がかかるし、事態法とは今回はまた違う状況であったと思いますが、米の輸出促進等も唱えている中、来年以降のお米の生産量の目安等について、増産等の検討や生産量の目安の検討において、少し方針を変えるといったことはありますか。

大臣

  主食用米の需要については、長期的に減少を続けており、最近では毎年10万トン程度減少しています。このような状況を踏まえ、農業者や産地が自らの経営判断により主食用米や麦・大豆などについて需要に応じた生産を推進しています。この結果、6年産の主食用米においても、最近の米の需給状況を踏まえたものとなっており、前年度より増加した産地が、主産県を中心に16県、前年並みが18県、前年度より減少が13県となっています。
  また、米の海外への輸出の促進や米粉の利用拡大など米の新たな需要創出、拡大に積極的に取り組んでおり、引き続き、米についても輸出も含めて需要に応じた生産を推進してまいります。
  なお、来年、令和7年産の米の生産の見通しは、需要や在庫の動向や令和6年産の生産の動向を踏まえ、秋に開催する、例年は10月下旬に開催する食糧部会に諮問し、決定することになります。その中で、主食である米について、今回のような年一作の端境期において、需要と供給にどのような動きがあったのか、その背景や原因などについてしっかりと分析を行い、次年度以降にきちんとつなげてまいります。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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