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土屋復興大臣記者会見録[令和6年9月5日]

令和6年9月5日(木)16:21~16:37 於)復興庁 福島県環境創造センター交流棟「コミュタン福島」正面玄関

1.発言要旨

 

 皆さんこんにちは。どうも今日はありがとうございます。

 昨日から本日にかけて、大熊町、双葉町、南相馬市、いわき市、葛尾村、三春町を訪問いたしました。

 まず大熊町では、大野駅周辺及び大阪大学福島拠点を視察いたしました。大野駅周辺では、現在建設工事が進められている産業交流施設など、特定復興再生拠点区域の整備が着実に進んでいる様子を感じ取ることができました。また、大阪大学の新たな活動拠点として設置されました大阪大学福島拠点では、福島環境放射線研修をはじめ、復興にかかわる様々な問題解決に向け、大熊町のみならず、ほかの自治体等とも連携した大阪大学の皆様の取組についてお話を伺いさせていただきました。

 双葉町では、中野地区で昨年開業しましたひなた工房双葉を訪問し、衣料品のリメイクやオーダーシャツの生産、双葉オリジナルのシャツの開発といった事業についてお話を伺いました。2年前にようやく避難指示が解除され、本格的な復興と新しいまちづくりに取り組んでいる双葉町の活性化に寄与したいという強い思いを感じたところでございます。

 南相馬市ではhaccoba及びあすびと福島を訪問いたしました。haccobaでは空き家をリノベーションした酒蔵を見ることができ、様々な原料を使い伝統製法を用いた酒づくりを通じて、地域の人たちが集まる新しいコミュニティの場所を提供する取組を伺うことができました。また、あすびと福島では、ドローンやグリーン水素カーによる小中学生などの体験学習の場や、高校生が地元で活躍する大人たちを記事にし、同世代の高校生にSNSで発信する活動など、それぞれの年代に合わせた成長の場づくりの取組を伺うことができました。

 いわき市では、福島県立小名浜海星高校を視察し、職業教育推進校ならではの特色ある教育学校や乗船実習を行う練習船を視察いたしました。生徒の皆さんが実践的な職業教育を通じて、地域産業を支える核として活躍することを期待しております。

 葛尾村では、かつらお胡蝶蘭合同会社を訪問いたしました。胡蝶蘭を栽培しているハウスでは温度管理がされており、一つ一つ手作業で丁寧に栽培されており、肉厚な花を咲かせておりました。またブランド名のホープホワイトは、復興への希望の思いを込めて作られたというお話を伺いました。

 最後に三春町では、ここ、福島県環境創造センター交流棟「コミュタン福島」を訪問いたしました。放射線や環境問題など、福島の現状や環境回復について、体験型の展示や全球型のシアターなどで分かりやすく学ぶことができる施設だと感じました。福島県民に限らず、全国・世界から多くの方に訪れていただきたいと願っております。

 本日の視察先や復興の現場の状況をしっかりと受け止め、引き続き現場主義を徹底して、1日も早い被災地の復興再生に向けて全力で取り組んでまいります。

以上です。

 

2.質疑応答

(問)何点かお伺いしたいと思います。1Fの燃料デブリの試験的取出しが今回一度中断という形を取られましたが、どのように復興大臣としてはこの中断を受け止めていらっしゃいますか。改めて教えてください。

(答)今回の取出しは世界的にも前例がなく、技術的な難易度の高い取組であり、今後廃炉の根幹となる最も困難な作業段階に入っていくところだったわけでございます。

 東京電力には、経産大臣の指導をしっかり受け止めて、地元の皆様の信頼を損なわないよう、これまで以上に強い緊張感を持って、安全確保に万全を期して取り組んでいただきたいと思っています。

(問)少し回答がかぶる部分があるかと思いますが、今回パイプの接続のミスでしたり確認不足の部分だったり、初歩的なミスが続いての話だと思うんですけれども、そういった部分についてはどのようにお感じになられていますか。

(答)しっかりと東京電力自身が現場作業等に責任を持つことが重要だと思っております。

(問)再来週から早くて再開ということでありましたけれども、進めるに当たってどのように改善をして作業を進めてほしいという願いでございますか。

(答)経産大臣がしっかりと指導しているということと受け止めておりますので、それ以上私からは答えませんが、大臣が相当にいろいろなことを指示したようでございますので、今度こそと思っております。

(問)廃炉に向けてこのデブリの取出しが始まった第一歩だと思いますし、51年に向けて必要なプロセスだと思うんですけれども、どのように進めてほしいか、総括として、願いといいますか教えてください。

(答)廃炉に向けては、これから何十年もかかる、まさにデブリ取出しは本当に第一歩であると思っております。ですから事故のないように、本当に緊張感を持って長い間のこれからの作業を進めていただきたいなと思っております。

(問)少し変わるんですけども、最後なんですが、富岡町で特定帰還居住区域の復興再生計画、今日から除染と解体の工事がスタートしました。こちらも新たな一歩ということでスタートを切りましたけれども、どのように受け止めていらっしゃるか、そしてこちらもどのように進めてほしいかというその2つを教えてください。

(答)除染に関しては、今日9月5日に着工すると発表があって、まさにスタートしたわけでございます。これは帰還したい方は待ちに待ったといったことだと思いますし、1日でも早く除染が終わって皆さんがお家に戻れるようにという思いでございます。そのためにもしっかりと進めていただきたいと思っています。

(問)大臣はこの復興大臣に就任されてまもなく丸1年となるんですけども、この1年間、いろいろ被災地を御覧になられて、こんなふうに変わってきたとか、こんなふうに復興が進んできたとか、何か感じ取られたものありましたらお聞かせください。

(答)本当に私もできる限りいろいろなところに行かせていただきました。就任当初は市町村をまず回るので、市長さん、町長さん、村長さん、そして知事等とお会いすることが多くて、そういう方からお話を伺っていましたが、それから私ももうちょっと市民の目線でこの復興というのをどう考えているかということを伺いたいと思いまして、いろんなところを訪問いたしました。訪問する度に、いろんなテーマで訪問しておりますので、こういうこともあるんだとか、こういう人たちが移住してきているんだとか、子供たちはどう考えているんだとか、本当にありとあらゆる層の方ともお会いすることができたなと思いますし、また当時のお話もまさに被災した方から現場の声を聞くことができました。

 今1年たって感じるのは、すごく未来の福島に対する期待が私自身は大きくなっています。それは何かというと、やはり復興という、復興庁ができて皆さんとともに一生懸命福島の復興に努力してまいりましたけれども、それがしっかりと着実に生きてきたという気がいたします。

 これからもまだ続くわけでございますけども、その中で最も大事なのは、あの東日本大震災の体験をしていない子供たちがこれから大きく育っていきます。その子供たちに、やはりこういうことがあったんだと、そこから立ち上がってみんな頑張ってきたんだと、みんなのふるさと福島をもっともっとみんなでよくしようねというふうな思いが根付いてくれればうれしいなと思います。

 まさにF-REIもスタートいたしましたし、F-REIの存在は大きくなると思います。このF-REIの存在によって、日本の全体の未来の形がこの福島に徐々に出来上がってくるんではないかと期待しております。それによって、世界に向けていろんなメッセージも送れると思っておりまして、非常に私は福島に期待しております。

以上でございます。

(問)今回の部分でお伺いしたいんですけど、今回伺った部分の目的というか狙いと、あと今回回ってきてその部分がこう見えたかどうか、課題とかがもしあれば、一緒に合わせて教えていただきたいと思います。

(答)今回は教育というのをテーマに合わせていただきました。教育といっても、子供の教育だけではなくて、人材育成とか、どういうような教育関係で活動しているか、取り組みをしているか。復興事業を活用した企業の取組なんかも状況を視察したものでありまして。復興にものすごく大事なのは先ほどもお話ししましたけど、いろんな部分での人材育成というのは将来の福島に大切だと思っておりまして。こういう切口で教育関係、人材育成がどうなっているかなっていうのを見にまいりました。

その点、思った以上にいろんな活動をしているなというのを感じたところでございます。特に今日この最後のコミュタン、ここは今ちょうど山形から、米沢から子供たちが来てすごく目を輝かせて実験したりしてるのを見させていただいて、これは福島県内の子供たちじゃなくて、まさに県外からも来てるんだなということもありましたし、これが全国に広がって、修学旅行とか、それから社会科見学でここに来て、福島のいろいろなことを学んでもらえればうれしいと思っています。

どうもありがとうございました。

 

(以 上)

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