総務省・新着情報

会見発言記事
松本総務大臣閣議後記者会見の概要
令和6年9月6日

冒頭発言

  私から1つ。
 
家計調査結果】 

  1件、ご報告ですが、本日の閣議におきまして、家計調査結果について報告しました。
  内容は、お手元にお配りしている資料のとおりでございます。
  詳細は、統計局にお問い合わせください。
 
  私からの報告は以上です。

質疑応答

偽・誤情報

問:
  偽・誤情報対策について伺います。デジタル空間の情報流通の健全性確保に関する有識者会議が、4日、インターネット上の偽・誤情報対策への対策を取りまとめました。SNS事業者に対して投稿削除などの対応を促す制度整備を政府に求めていますが、パブリックコメントでは、特にSNS事業者やメディアから「表現の自由」を確保するため、慎重な配慮を求める声が上がりました。今後の具体的な制度整備に向け、総務省としてどのように対応を進めていかれるお考えでしょうか。

答:
  違法・有害・偽・誤情報の流通・拡散、社会活動への影響などには強い問題意識を持っております。実際に、残念ながら生命、身体、財産、まさに人々の権利を侵しているような状況も発生してきておりますし、表現の自由という面でも、表現の自由によって支えられている国民の皆様の知る権利を守るという意味でも、このようなネットの状況が看過できるのかどうかという認識だと思います。
  ご承知のとおり、総務省としましては、流通・拡散を抑止するための施策として、今年5月に情報流通プラットフォーム対処法を成立させたところでありまして、違法・有害情報対策として、ぜひデジタル空間の健全性確保にも資するように、できる限り早期に施行に向けて作業を進めるように、私からも担当部局にお願いしているところでございます。
  その上で、流通・拡散を抑止するための施策を、今申し上げたような制度でいくつかあるわけでありますが、事業者がどこまで社会的責任を果たしていただいているのか。皆さんもご覧いただいていると思いますが、あえてこの場で、今回パブリックコメントの対象となった健全性の報告書の部分について、部分的に取り上げさせていただきたいと思いますが、これは、検討会の文書をそのまま読み上げる部分で、念のため申し上げれば、検討会とりまとめ案の85ページの部分ですので、ぜひご引用いただきたいと思います。
  本検討会におけるプラットフォーム事業者ヒアリングの結果を踏まえると、デジタル空間における情報流通の適正化や利用者の表現の自由の確保に向けた情報伝送プラットフォーム事業者による取組として、我が国国内における偽・誤情報の流通・拡散への対応状況(情報の削除等)を含む取組状況に関する透明性・アカウンタビリティの確保は、総じて不十分であり、取組状況そのものについても全体として十分とは言えない。事業者団体による偽・誤情報対策に関する自主的な行動規範の策定に関する議論が白紙に戻り、中断されていることにも鑑みると、情報伝送プラットフォーム事業者による自主的な取組のみには期待できない状況であり、新たな具体的な対応が必要である。
  有識者の先生方のご認識として、大変厳しい認識を持っていただいていると考えております。
  加えて、今後、生成AI等の新たな技術やサービスの進展・普及による偽・誤情報の爆発的増加・巧妙化も懸念されるほか、情報伝送プラットフォームサービスに組み込まれたアルゴリズム等の影響(フィルターバブル、エコーチェンバー等)により、人々が多様な情報を受信できずに適切な判断を下すことが困難となり、インターネット上で集団分極化が進み、結果として社会経済の混乱や民主主義への悪影響をもたらす可能性が指摘されるなど、誰もが自律的に情報を発信し情報を摂取できる場としてのインターネットの存立が脅かされつつある近年の状況に鑑みると、情報伝送プラットフォーム事業者による取組を中心としたデジタル空間の情報流通に関して、健全性を確実かつ持続的に確保するためのガバナンスを確立することが急務である。
  このようにご指摘を受けているところでありまして、プラットフォーム事業者の皆さんには、ぜひ社会的責任をご認識いただくと同時に、社会的責任を果たすように、いろいろパブリックコメントをいただいている皆さんはこの部分もお読みいただいていると思いますが、プラットフォーム事業者の皆さんにもぜひこの部分の評価をお読みいただいて、自主的な取組もしっかりとお進めいただくようにお願いしたいと思っているところでございます。
  また、有識者の検討会、先生方の方から、具体的な措置をこれからも情報伝送プラットフォーム事業者に対して求めることが適当であるとして、いくつか挙げていただいております。偽・誤情報に関して、違法・不当な広告の掲載停止措置に関する基準の策定公表、透明性の確保などについての更なる制度整備についてのご提言と受け止めてまいりたいと考えておりますし、もちろんいただいたパブリックコメントに対しては、しっかりお答えしていきたいと思いますが、特にプラットフォーム事業者の皆さんには、今、申し上げたような現状認識についてのご理解いただきたいと思っております。
  先ほど申しましたように、違法・有害・偽・誤情報が拡散・流通することで、先ほどの文言にもありましたように、自律的に情報を発信し、情報を摂取できる場といえるかどうかという指摘もあったと受け止めなければいけない。その意味でも、表現の自由の基盤ともいえるプラットフォームについて、ガバナンスを確立させるという意味でございます。
  そういう意味では、社会的責任をプラットフォーム事業者の皆さんにお願いしていますが、プラットフォームそのものが大変公的な要素が高い中で、運営は営利企業の皆さんがやっておられる。アテンション・エコノミーについても様々ご意見をいただいているところでございますが、偽・誤情報によってアテンション・エコノミーでもし利益を得られるとすれば、本当にこれが表現の自由の保護の対象となるべきなのかどうかといったような指摘もいただいているところでありまして、まさにアルゴリズムを含めて、プラットフォーム事業者の皆さんがどのようにプラットフォームのガバナンスを効かせていくのかということが大きく求められているとご理解いただきたいと思っております。
  その上で、ネットの社会の様々な問題に対しては、私も、この前も申しましたが、ブラック対策とホワイト政策ということで、問題があるものを排除する、ブラックなものを排除するという意味で、プラットフォーム事業者の皆さんが社会的責任を果たしてガバナンスを効かせていただくことも大事だと思いますし、他方では、これは適正な発信者も責任をもって発信している情報であるといったようなホワイトな部分をしっかりと表示、伝わるようにするということも努力していきたいと思います。
  その意味では、技術的にラベリングの模倣が起きないようにするという意味で、そういった技術の開発、これはOPなどいろいろ進められておりますし、他方では、偽・誤情報自身を見分けることも含めた技術開発や、実証実験など、これも国際的にも連携して協力もしていきながら、総務省としては総合的に対策を進めてまいりたいと思っているところでございます。
  民主主義社会にとって、表現の自由が根幹であるという認識は改めて申し上げたいと思いますが、先ほど申しましたように、今のネットの状況はどのように認識をすべきなのか。国民の知る権利を守るためのガバナンスの効いた情報社会であるためには、更なるガバナンスが求められるのが今の現状であると、有識者の先生方と私も認識を共有させていただいて、ガバナンスをしっかり効かせるために社会的責任を果たしていただくよう、プラットフォーム事業者に要請する制度をどう考えていくかということかと思います。
  いろいろな意味で、プラットフォーム事業者に対しても、制度的な要請も行っている海外の国々などもあるわけですが、そういった国々も表現の自由についてしっかりと重んじながら、そういった制度を組み立てる国もあると認識しておりますので、国際的な連携も含めて対応をしっかりやっていきたいと思います。

問:
  以上で会見を終わります。
答:
  はい。

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