厚労省・新着情報

(令和6年9月20日(金)11:42~11:56 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:

まず、結核及び呼吸器感染症の知識の普及啓発のため、これまでの「結核予防週間」を「結核・呼吸器感染症予防週間」として9月24日から実施いたします。この取組を通じて、結核対策及びマスク着用を含む咳エチケット、手洗い、換気などの呼吸器感染症対策の徹底を呼びかけていきたいと思います。また、この秋冬はインフルエンザに加え、新たに新型コロナの定期接種も実施する予定ですので、対象の方には接種をご検討いただきたいと思います。 
次に、エムポックスの感染が拡がっているコンゴ民主共和国から痘そうワクチン約300万回分の供与の要請を受けて、日本時間9月18日夜に同国政府との間でワクチン等の贈与に関する書簡の署名・交換を行いました。世界保健機関、WHOによると、当面必要なワクチンは400万回分と見積もられており、日本によるワクチンの贈与はそれに大きく貢献するものです。できるだけ速やかにワクチン等を届けられるよう、引き続き同国政府やWHO等とも連携し迅速に進めていきたいと考えています。 
9月22日から26日まで、国連総会ハイレベル・ウィーク期間中の関係ハイレベルイベントへの出席等のため、アメリカ合衆国のニューヨークに私、出張いたします。関係ハイレベルイベントでは、我が国が共催するUHCに関するサイドイベントや、昨年のG7広島サミット以降主導している「グローバルヘルスのためのインパクト投資イニシアティブ」、トリプルIに関するサイドイベントで基調講演を行い、国際保健に関する我が国の取組を積極的に発信してまいります。またテドロスWHO事務局長やアジェイ・バンガ世界銀行総裁など国際保健の主要関係者等と会談を行い、今後の国際保健の更なる推進について議論を行う予定になっています。私からは以上です。 

質疑

記者:
長崎の被爆者体験者の訴訟についてお伺いします。控訴期限が24日に迫る中、大臣は一昨日、首相大臣官邸で総理とともに地元の意見を聞かれました。地元からは控訴の断念を求める声が上がっているほか、合理的な解決策については広く救済を求める声もありますが、今後地元の意見をどのように反映させながら解決策、また控訴判断されるのか、現在の検討状況についてお聞かせください。 
大臣:
18日に、9月9日の長崎地裁判決を受け、長崎県知事・長崎市長が総理に地元の思いをお伝えしたいということでしたので、面会の場に私も同席しました。これはオンラインで行われた面会です。総理からは、長崎県及び長崎市に対して、被爆体験者の皆様が高齢化されていることなども踏まえ、政府として早急に課題を合理的に解決できるよう具体的な対応策の調整を厚生労働大臣に指示したところであり、政府として可及的速やかに対応策をお示しすべく努めていること、また訴訟については、地元の思いをお聞かせいただいたが、厚生労働大臣・法務大臣に引き続き判決を精査させ然るべき対応を検討させるとのお話がありました。現在、この総理のご指示を踏まえ、私ども、その調整を進めているところです。 
記者:
臓器移植の関係でお伺いします。18日の厚生科学審議会臓器移植委員会で移植医療体制の改革案が示されました。あっせん機関の複数化、移植希望者が登録する移植施設の複数化などが柱となりますが、いつ頃の導入を目指されるのでしょうか。時期の目処があれば教えてください。 
大臣:
一昨日の臓器移植委員会において、臓器あっせん機関の負担軽減を図るとともに、移植実施施設における辞退事例を減らすなどの観点から、あっせん機関や移植希望登録施設の複数化などについてご議論いただいたところです。厚生労働省としては、引き続き臓器移植委員会でご議論をいただき、その結果を踏まえ、順次必要な対応を行う予定ですが、現時点においてその結論の時期は未定です。ただ、できる限り迅速に進めようという考え方で取り組んでいるところです。 
記者:
年度内等、何か目標のようなものはございますか。 
大臣:
今の時点で具体的な目標はまだ申し上げられませんが、迅速に進めるよう私の方からは指示を出しています。 
記者:
家政婦に関する訴訟の判決についてお伺いします。家政婦と介護ヘルパーを兼ねて住み込みで働いていた女性の遺族が、労災の不支給決定の取り消しを求めていた控訴審判決で、東京高裁が19日、女性の死亡を労災と認める判決を出しました。今回の判決の受け止めと、上告するかどうかを含めた今後の対応について教えてください。 
大臣:
ご指摘の訴訟について、国の主張が受け入れられなかったということは承知しています。本件の判決は、本件の家政婦について、雇われている者、労働者であり、当然に労災補償の対象になるというものです。したがって、家事使用人に対する労働基準法の適用の在り方とは関係がないと理解しています。今後の対応については、判決内容を十分に精査するとともに、関係機関等ともしっかり協議した上で適切に対応していきたいと考えています。 
記者:
マイナ保険証について伺います。保団連の調査では、マイナ保険証の利用でカードリーダーの不具合や資格無効などのトラブルがあり、そのほとんどのケースで現行の保険証で資格確認し対応している実態が明らかになりました。トラブルがなくならない以上、マイナ保険証の利用者も確実に医療を受けるために12月2日以降の経過措置期間中も保険証を携帯すべきだと思いますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。 
大臣:
マイナンバーカードでオンライン資格確認ができなかった場合、保険証を持参していなくても、マイナンバーカードとマイナポータルの資格情報画面を提示していただくことで、資格確認は実際には可能です。これに加え、過去の受診で必要な情報を把握していれば患者への口頭確認や、過去の受診からも資格を確認できない場合には資格申立書を記載していただくことで、10割負担でなく3割等の適切な負担割合によって受診できる旨をすでに厚生労働省としてもお示しさせていただいております。また、カードリーダーの読み取りエラーなどの様々な事象への対応もお示ししているところです。医療機関も患者の方も安心してマイナ保険証をご利用いただけるよう、こうした内容を改めて周知するとともに、個々の医療機関で生じている課題も踏まえ、引き続きマイナ保険証を基本とする仕組みに円滑に移行できるよう、丁寧に取り組んでまいりたいと考えています。 
記者:
一昨日、9月18日、製薬会社Meiji Seikaファルマの現役社員たちが書いた「私たちは売りたくない!危ないワクチン販売を命じられた製薬会社現役社員の慟哭」という書籍が発売され、Amazonの本の総合ランキングで1位になるなど大きな反響を呼んでいます。本には、Meiji Seikaファルマの26歳の男性社員が、新型コロナワクチンを接種した3日後に死亡し救済制度で認定をされたことや、現役職員達がこの新型コロナワクチンを販売しなければならない苦悩などが赤裸々に語られています。そこで伺います。ワクチンを販売する側である製薬会社の社員達すら「売りたくない」と表明せざるを得ない状況にあり、それに世間も衝撃を受けていますが、武見大臣は新型コロナワクチン接種体制について見直すなどお考えはありますでしょうか。 
大臣:
ご指摘の書籍は、私は承知していませんが、Meiji Seikaファルマのレプリコンワクチンであるコスタイベ筋注用については、9月12日の薬事審議会医薬品第二部会において薬事承認について了承されたことを踏まえ、翌13日に薬事承認を行っています。PMDAの承認審査においては、本剤の安全性について、ファイザー社の新型コロナウイルスワクチンと比べて有害事象の種類や発現割合等に明確な差は認められていませんでした。さらに昨日の審議会において、本剤を含め5社のワクチンについて定期接種で用いることが了承されましたが、その際、薬事承認の審査で評価された安全性及び有効性の知見を改めて評価しており、本剤の安全性及び有効性は適切に確認されていると認識しています。したがって、今後とも科学的な知見の収集に努めるとともに、専門家に評価いただき、ワクチンの安全性の評価を適切に行い、新たな知見が得られた場合には速やかに医療機関等に情報提供するなどの対応をしっかり行ってまいりたいと考えています。 
記者:
1958年の海上保安庁の船の被ばく事件についてお聞かせください。先日、大臣から「客観的に事実を解明することの必要性」について発言がありましたが、当時の資料を探索するなど、事実関係を確認する考えはありますか。事実関係を確認する、もしくはしない、いずれの場合でも、そのように判断する理由を教えてください。 
大臣:
ご指摘の資料については、本年3月の行政文書開示請求を受けて、行政文書ファイル管理簿に関連する記載がないか、関係課室に保管されていないか、外部倉庫の保管リストに関連する記載がないかを確認した結果、関連文書の存在が確認されず、不開示決定をしたところです。したがって、先日もお答えしたとおりですが、現時点では当時の資料を改めて確認することは考えていません。 

(了)

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