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伊藤大臣閣議後記者会見録 (令和6年9月6日(金)11:30~11:47 於:環境省第一会議室)

1.発言要旨

 原子力関係閣僚会議の開催についてお知らせいたします。
 先週8月27日のGX実行会議における総理の発言を受け、本日、原子力関係閣僚会議が開催され、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に向けた対応について議論が行われました。
 私からは内閣府原子力防災担当大臣として、地元から御要望のあった避難対策の実効性向上等、原子力防災の取組について発言しました。
 総理からは、地元の地理や気候を踏まえた避難路の整備など、避難対策の実効性向上等のための対応を着実に進めること。関係閣僚の緊密な連携の下、能登半島地震の教訓も踏まえつつ、緊急時対応をはじめとする原子力防災体制の充実・強化に向けて速やかに対応を進めること、などについて指示があり、豪雪時の対応を要する柏崎刈羽地域の原子力防災体制の充実・強化にしっかり取り組んでまいります。
 関係閣僚会議で示された対応の方針について、本日、福島審議官(内閣府)等を新潟県に派遣して、説明させます。引き続き、関係省庁一体となって取組を進めてまいります。
 以上でございます。
 

2.質疑応答

(記者)テレビ朝日の屋比久です。よろしくお願いします。
 2点質問させていただきます。
 1点目が、消防庁が3日に発表した8月26日から9月1日までの全国の熱中症の救急搬送者数は2,237人で、これは前週の約3分の1に減少していました。環境省としては、熱中症警戒の呼びかけ期間のピークは過ぎたというふうにお考えでしょうか。
 2点目としましては、先週気象庁の異常気象分析検討会が、今年の夏の暑さは昨年と並ぶ歴代1位の暑さであると発表しました。今年4月から運用を開始した熱中症特別警戒アラートも含めて、環境省として行ってきたこの夏の暑さ対策・対応をどのように総括をされているでしょうか。
 この2点をお願いいたします。
(大臣)御指摘のとおり、全国の熱中症による緊急搬送人員は、最も多かった7月下旬や8月上旬に比べて、徐々に少なくなってきていると承知をしております。
 一方で、気象庁の発表によると、9月の前半も引き続き気温が高くなることが多い、ともされています。このため、環境省としては引き続き、熱中症予防を呼びかけたいと考えておりまして、報道機関の皆様には、熱中症の予防に関する発信に引き続き御協力を願えれば幸いでございます。
 分析でございますけれども、環境省において、本年4月24日から10月23日までの間を、「熱中症警戒アラート」及び「熱中症特別警戒アラート」の運用期間とし、現在も運用期間中でございます。
 これまでのところ、本年4月の改正気候変動適応法の全面施行を踏まえ、熱中症特別警戒アラートの運用やクーリングシェルターの指定の制度等を開始するとともに、ウェブサイト、SNS、ラジオ、ポスター等を通じて、国民の方々へ広く熱中症予防の呼びかけを行っております。
 御指摘のこの夏の総括については、これらの運用が終わった後に今夏の状況や各取組についての分析を行っていくこととしたいと考えております。
 以上でございます。
 
(記者)日経新聞の大高と申します。
 柏崎刈羽原発の件で、何点かお尋ねしたいんですけれども、まず総理から避難路の整備について進めるようにというお話があったということですが、内閣府原子力防災担当大臣として、いつ頃めどに回答ができればとお考えなのかというのが1点目。
 もう一点、地元からは30キロ圏外への避難路の整備というのも要望としていると思うんですけれども、ほかの原発との公平性とかというのも課題になってくると思うんですが、その辺りのお考えをお聞かせください。
(大臣)まず、総理からの御指示でございますけれども、地元の皆様、住民に向けて、今でも今年7月から8月にかけて、関係市町村において開催された7回の新潟県主催の住民説明会に内閣府と経済産業省、原子力規制庁が合同で説明をしてきたところでございます。今後も皆様の声に真摯に耳を傾けて、地元理解を得るための取組を継続してまいりたいと思います。
 いつまでにという御質問でありましたけども、引き続きやるということで、具体的な手法等については、今後、関係省庁とも説明会やSNSの活用、マスメディアへの発信などを含め、具体化してまいりたいというふうに考えております。
 それから、道路の整備等についての御質問がありましたので、その前段のことを御説明申し上げたいと思いますけれども、本日の原子力関係閣僚会議では、原子力災害時の住民避難を円滑にするための避難路整備促進に向け、経済産業省、内閣府、国土交通省において協議の枠組みを新たに立ち上げることといたしました。
 新潟県にも入っていただきながら、協議の枠組みの下、整備に向けた課題の整理、事業の進捗のフォローアップ等の取組を継続的に行っていくこと等を想定しておりまして、本日の総理指示を踏まえて関係省庁と協議しつつ、具体化を進めてまいりたいと思います。
 いつから始めるかとかいう話ですが、現時点ではまだ決まったものはないんですけども、速やかにメンバーや運営の在り方について、具体化を進めてまいりたいと思います。そこも含めて、今、御下問のUPZをその間どうするかということも、しっかり地元の理解を深めつつ、そして関係省庁の連携の下に決めてまいりたいと、そういうふうに考えております。
(記者)もう一点よろしいですか。
 今日総理が柏崎刈羽原発の再稼働の重要性が高まっているという御発言をされたということもあり、豪雪地帯であることだとか、それなりに特性を踏まえて整備を進めるということは理解はするんですけれども、ほかの原発との公平性というところに対しては何かお考えありますでしょうか。
(大臣)御下問でございますけれども、原発立地地域というものは、それぞれ地域性、あるいは気候があります。そこを踏まえて、それぞれの原発立地地域が再稼働するに当たっては、必要な原子力防災体制というものをしっかり協議を含めて決めていきたいという考えです。
 
(記者)毎日新聞の山口です。よろしくお願いします。
 自民党の総裁選についてお尋ねしたいと思います。立候補を表明している茂木幹事長から、環境省と資源エネルギー庁の統合という省庁再編案の御発言がありました。所管をされている伊藤大臣として、この資源エネルギー庁と環境省が部分的にも統合するということに関して、どのように受け止められましたでしょうか。お尋ねできますでしょうか。
(大臣)環境大臣、あるいは内閣府原子力防災担当大臣として出席しておりますので、総裁選に絡んだことについてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
(記者)実際、それぞれの役割があって、省庁も別々に動いているという状況かと思うんですが、なかなかお答えするのは難しいかと思うんですが、現実味のあるようなことかどうかというのは、いかがお考えでしょうか。
(大臣)それについても、現在、今の枠組みの下での大臣をやっておりますので、この枠組みが将来どうするかということについてのコメントは差し控えたいと思います。
 
(記者)新潟日報の貝瀬です。
 柏崎刈羽原発の関係でお伺いいたします。今日、閣僚会議は新たなメンバーを加えて全閣僚でという形で行われたと思いますけれども、岸田政権は残り少ないという中で、ここで改めてこういう形で検討していくことの理由や意義については、どんなふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
(大臣)9月末から10月にかけて、いろいろな政権の枠組みなりが変わると思いますけれども、ただ原子力防災に関しては、継続性、そしてまた住民の皆様の安心・安全を確保することというのが重要でありますので、その時期にかかわらず、必要な時期にこのような閣僚会議をするということは意味があると思います。
 
(記者)エネルギージャーナル社の清水です。どうも。
 GXの推進会議でも強く提起され、かつ、先日、排出量取引に関しての専門家会議が開かれたことに関して伺うんですが。排出量取引の当面の対象は産業用ということで、現在自主的にやっているやつを制度化するということですが、大臣も御承知のように産業用というのは、日本全体のCO2排出量の50%とか60%ぐらいで、残りの環境省が所管している生活、民生系とか業務とか、そういうものへの排出量取引を産業用に適用する見合いのスキーム等については、どういう方針というかお考えかをちょっと聞かせてください。
(大臣)御下問でございますけれども、産業用と各家庭、あるいは産業以外のものの排出量というのは、具体的な計算の方法、あるいはどのようにCO2の排出を削減するかという方針は、必ずしも同等ではないというふうにまず考えております。そういった中において、今回のGX実行会議の下に設置されるカーボンプライシング専門ワーキングチーム、これは経済、エネルギー、環境等の分野の有識者から構成されておりまして、今後そういう有識者、産業界からのヒアリングを通じて、本格稼働後の制度の在り方を具体的な設計について論点、整理が行われることとなります。
 ですから環境省としては、この制度の具体化に向けて、今御下問のことにも関連して、関係省庁と緊密に連携・協力をして、ベストな形をつくるために貢献してまいりたいと。その考えで、現時点でこういうふうにすべきだということを言及することは困難だというふうに考えております。
(記者)これに関連して、内閣府は経産省も含めてGX推進法の改正を予定していると明言していますよね、官房長官が。環境省は地球温暖化対策推進法という法律をきっちり持っているわけで、これで排出量取引に関連した制度の新たな設計というか、先ほど伺った民生、生活系なんかを対象としている。それを考えているんですか。
(大臣)環境省としては、もともと地域・暮らしに根差した形でCO2の削減というものを目指しております。したがって、取引というのも1つの方法ですけども、例えば、環境省が進めております脱炭素先行地域を指定する、地域主体で二酸化炭素を減らすという1つのやり方もあると思います。究極の目的は、気候変動を止めたい。そのためには、75%を占めている温室効果ガス、75%の二酸化炭素を減らさなければならない。産業界のほうは、排出を数値化するのは非常に簡単ですし、排出者の特定も可能です。ただ地域とか消費者というのは、なかなかそれを計算するのは容易なことではありません。ですから、やはり別の枠組みであれ、違うメソッドで二酸化炭素を減らすというほうが適当ではないかなというふうに、私は個人的には考えております。ただ、御下問もありますので、その件も含めて、有識者会議でしっかり検討されるものというふうに承知しております。
(記者)需要家へのプラスアルファの措置というか、例えば、グリーン製品なんかを購入した場合は、それが安くなるとか高くなるとかポイントをつけるとか、そういういろんなアイデアもあるようですけども。やっぱりGXでも重視している需要家対策というのを環境省の対策の中で盛り込んでいくという考えはあるんですか。
(大臣)いろんなインセンティブが考えられると思いますけれども、例えば既に実施しておりますレジ袋有料化というのも1つの方法ですし、エコマークを商品につけることによって、環境に配慮した形で消費者の消費行動を促すというのも1つの方法だと思います。環境省としてはあらゆる方法を通じて、消費者あるいは地域のサイドで二酸化炭素の排出を減らすような取組をこれからもいろいろ推進し、また新たに検討も加えてもらいたいと、そういうふうに考えております。
 

会見動画は以下にございます。
https://youtu.be/i-PpdACP1pU?si=ZgvMTzdXhy1PspMO
 

(以上)

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