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坂本農林水産大臣記者会見概要

日時 令和6年9月24日(火曜日)10時52分~11時03分 於: 本省会見室
主な質疑事項
  • (大臣から)イタリア出張(G7農業大臣会合)について
  • (大臣から)木材利用促進月間について
  • ALPS処理水の海洋放出に伴う日本産水産物の輸入規制の撤廃に向けた取組について
  • 鶏卵価格の現状や今後の見通しについて
  • 北陸地方や東北地方を中心とした大雨被害について
  • 農林中金の投融資・資産運用に関する有識者検証会の開催について

冒頭発言

大臣

  本日、私から2点、報告がございます。1点目は、明日9月25日(水曜日)から30日(月曜日)まで、G7農業大臣会合に出席するため、イタリアに出張します。
  今回の会合においては、先日のG20農業大臣会合でも賛同を得たように、昨年のG7宮崎農業大臣会合での成果を踏まえつつ、引き続き、世界の食料安全保障の確保のために、農業の生産性向上と持続可能性の両立を実現すべきと参加国に呼び掛け、より一層の協力関係を築いてまいるつもりです。詳細は、この後プレスリリースします。
  また、私の不在時においても今般の大雨被害への対応については、武村副大臣を中心に、現地と密接に連携を行い、被害状況を把握した上でしっかりと対応してまいります。これに加えて、私からも、ウェブ会議等を通じていつでも必要な指示ができるようにし、出張中においても万全の体制がとれるようにします。
  2点目は、木材利用促進月間についてです。令和3年10月に都市(まち)の木造化推進法が施行され、10月は木材利用促進月間、10月8日は木材利用促進の日とされています。
  農水省では、森林資源の循環利用とカーボンニュートラルに資する地域材の利用促進に向けた木づかいシンポジウムを開催するとともに、木材利用推進コンクールの表彰や、ウッドデザイン賞の発表も行われます。詳細は、この後プレスリリースします。国民の皆様にも、この機会にぜひ木の良さに触れていただき、木材利用の意義について理解を深めていただきたいと思います。本日、私からは、以上です。

質疑応答

記者

  先週20日、日中両政府の合意の下、中国政府が日本産水産物の禁輸措置を段階的に解除すると発表しました。本格的な輸入再開時期は不明ですが、日本政府は中国向けの輸出が多かったホタテなどについて、新たな輸出先の開拓や販路の拡大に取り組んでいます。日本産水産物の輸出について、脱中国依存を進める今の方針を見直す考えはあるのか、現在の輸出状況とあわせて聞かせてください。

大臣

  農水省としては、今般発表された日中間の共有された認識も踏まえ、引き続き、中国に対して科学的根拠に基づかない輸入規制の撤廃を求めてまいります。
  また、これまで「#食べるぜニッポン」などの取組を通じて国内での消費拡大への協力を求めるとともに、水産業を守る政策パッケージに基づき、海外バイヤーの招へいやホタテの加工業者等の海外派遣の取組を支援するなど、ホタテ等の水産物の輸出先の転換を図ってきたところです。水産物を含め、農林水産物・食品の更なる輸出拡大に向けては、日系のみならず現地系スーパーやレストラン、新興国、地方都市等の新たな市場開拓が重要と考えられており、今後とも、輸出先の多角化に取り組んでまいります。方針としては変わりません。

記者

  最近また卵価格が少し上昇してきていますが、受け止めと今後の見通しを教えてください。

大臣

  鶏卵の卸売価格につきましては、本年の上半期は需要の低迷により200円/kg前後で推移しましたが、猛暑の影響により、供給量が一時的に減少しました。そして、例年通り月見商戦などの季節性の需要が高まったことなど、複数の要因が重なったことにより、現在は260円/kg(9月24日時点)と上半期と比べて、価格は上昇傾向にあると承知しています。
  今後の鶏卵価格の見通しについて予断をもって申し上げることは困難ですが、例年であれば、年末の需要期に向けて、鶏卵需要は上昇していく傾向にあります。これは、クリスマスや鍋物商戦などによります。
  一方で、猛暑の影響は徐々に解消されていくことから、需給状況は改善される見込みであると考えています。

記者

  (先週)金曜日から週末にかけて、能登半島を中心に、秋田、山形、新潟などの米どころで大きな大雨被害がありましたが、特に能登半島の被災地における現在の農林水産業への影響と、対応について聞かせてください。

大臣

  停滞前線や低気圧の影響で、石川県能登地域を含む北陸地方や東北地方の日本海側では、記録的な大雨となりました。今般の大雨により、お亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被害にあわれた全ての方々に心よりお見舞いを申し上げます。
  農林水産関係の被害については、現時点で調査中ですが、新潟県から農作物(水稲)の冠水、石川県から畜舎の停電・断水、農地・農業用施設や治山施設等の被害の報告を受けています。
  農水省としては、MAFF-SAT(農林水産省・サポート・アドバイスチーム)として、これまで延べ41人の職員を被災自治体に派遣するなど、支援を開始していますが、引き続き、現地との連携を密にし、被害状況を把握した上で、適切に対応してまいります。

記者

  特に米どころの被害ということで、米の出荷について心配する声もありますが、何か米に関することで対応等はありますか。

大臣

  今のところ、米に関しての大きな被害の報告はありませんが、私からは4点指示を出しています。農林水産関係の被害状況の迅速な把握、人命第一の方針の下、地方自治体と連携し、被災した農林水産関係施設等の災害応急対策と早期の復旧に向けた対策の実施、食料支援の実施を含め、対応可能な体制の整備、国民に対する適時的確な情報提供について、省をあげて取り組んでいくよう指示をしました。

記者

  農林中金の問題で、国が検証会を立ち上げるということですが、改めての受け止めと、会議を通してどのようなことを明らかにし、改善に向かいたいのか考えを伺います。

大臣

  農林中金は今年度決算において、約1.5兆円規模の赤字となる可能性があると承知しています。国際的な規制水準を超える十分な自己資本を有し、かつ、総額約1.3兆円の資本を調達する等の財務の健全性確保の取組を行うと聞いています。
  また、農業経営の規模拡大や事業多角化・複合化が進み、更なる資金ニーズが高まっている中で、農林中金等の有する豊富な資金をいかに農業・食品産業に向けた投融資に活用していくかについて、検証を行うことも重要と考えています。
  こうしたことを踏まえ、農林中金の投融資・資産運用に関する有識者検証会を今月中に開催するべく、調整を進めています。農林中金の財務の健全性に関する不安が解消された中で、将来に向けて農林中金の資金運用をよく分析し、課題を明らかにしていきたいと思います。

記者

  どういうふうに経営の改善につなげたいのか、展望はありますか。

大臣

  農水省としては、農林中央金庫における有価証券運用等について、同金庫からの報告やヒアリング・立ち入り検査等の通年のモニタリングを通じて、状況の把握・指導をこれまで行ってきました。
  農水省としては、引き続き、金融庁と連携し、金融市場等の動向が同金庫に与える影響を的確に把握するとともに、有価証券運用を含め、同金庫における適切なリスク管理態勢の構築などに向けて指導してまいります。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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