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伊藤大臣閣議後記者会見録 (令和6年9月13日(金)11:00~11:19 於:環境省第一会議室)

1.発言要旨

 第36回「星空の街・あおぞらの街」全国大会の出席について御報告いたします。
 明日14日土曜日、高円宮妃殿下御臨席のもと、山形県朝日町で開催される第36回「星空の街・あおぞらの街」全国大会に出席いたします。
 この大会は、美しい星空、あおぞらが見える綺麗な大気環境の保全に向けた意識の向上と、郷土の環境を活かした地域おこしの推進が目的でございます。
 今回の開催地である朝日町は、世界環境デーである6月5日を条例で「空気の日」に制定するなど、様々な取組を行い、多くの住民の方々が環境保全の取組に関わり、それが地域活性化にもつながっていると承知しております。
 こうした優良事例を全国に発信し、大気環境の保全を通じた地域づくりを後押してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
 

2.質疑応答

(記者)おはようございます。テレビ朝日の屋比久です。よろしくお願いします。
 本日午後に開催される太陽光発電設備リサイクル制度小委員会に関連した質問です。
 今年1月には中間取りまとめが公表されて、8月にはガイドラインの見直しが行われました。そういった流れの中で、太陽光発電のリサイクル義務化といった報道も一部で出ています。それらを踏まえた上で、以下の2点を教えてください。
 1点目としては、政府としては太陽光発電のリサイクルを義務化する方針なのかどうか。
 その上で、今日から立ち上がったこの小委員会というのは、どういう位置づけで、どういった役割を果たすことが期待されているのかといった2点を教えてくださいお願いします。
(大臣)使用済み太陽光パネルは、2030年代後半に顕著に排出量が増加することが予想されております。循環経済への移行を進めていくためにも、使用済み太陽光パネルのリサイクルを促進することは重要であると考えております。
 環境省としては、本年1月の再生可能エネルギー発電設備の廃棄・リサイクルのあり方検討会の中間取りまとめを踏まえ、使用済み太陽光パネルの引渡し及び引取りが確実に実施されるための新たな仕組みの構築に向けて、これまで検討を進めてまいりました。
 リサイクルの義務化もその選択肢の一つと考えてございます。どのような仕組みが望ましいかについて、今回設置した中央環境審議会、産業構造審議会合同の小委員会において、委員の皆様に御審議いただきたいと考えております。
 その委員会でございますけれども、本年7月の循環経済に関する閣僚会議での総理の御発言も踏まえて、太陽光パネルのリサイクルの制度的対応に関する検討を加速するために、中央環境審議会に太陽光発電設備リサイクル制度小委員会を設置して、経済産業省の審議会と合同で審議を行うこととしたものでございます。
 今回の小委員会には、検討会に参画いただいた有識者の方々に加えて、自治体、経済界、産業廃棄物処理の業界団体の代表の方々にも新たに参画していただくことになっておりまして、本年冬頃をめどに一定の結論を得るべく、精力的に御議論いただきたいというふうに考えてございます。
 
 
(記者)共同通信の堀口です。
 自民党総裁選に絡む件でお伺いします。
 昨日、自民党総裁選の所見発表演説会がありました。その際に候補者の1人で、小林鷹之前経済安保相が、エネルギー政策について触れまして、再エネに偏り過ぎた現在のエネルギー基本計画を年内に見直すというような御発言がありました。
 この件についてお伺いします。
(大臣)自民党総裁選の候補者の発言に対しての直接のコメントは避けたいと思いますけども、再エネについては、主力電源として最優先の原則で最大限の導入を取り組むことが我が国の方針でございます。
 同時に、単独の完璧なエネルギー源は存在しないということでございますので、再エネ以外の多様なエネルギー源を適切に組み合わせることが重要というふうに考えております。
(記者)小林さんからは、再エネ偏重であるというようなお考え、以前、政権を支えられた閣僚だった方から、そういう発言があったんですけども、伊藤大臣からしますと、再エネの偏重であるという認識はありますか。
(大臣)前段で申し上げたように、総裁候補者の発言に対しての直接のコメントは避けたいと思いますけれども、今申し上げたように、政府としては、現時点の状況においてベストミックスという形でエネルギーの構成を考えていくということでございます。
 
(記者)環境新聞の小峰です。
 今の共同通信の質問に関係してですけれども、経済安保相の高市早苗さんが、出馬記者会見で、環境エネルギー省の設置を私が総理になったら、したいというふうに言ってましたけれども、伊藤大臣の御見解をお聞かせください。
(大臣)これも前段の答えと同じになって恐縮ですけども、総裁候補のそれぞれの発言についての直接のコメントは避けたいと思います。
 いずれにいたしましても、現時点でベストと考えているエネルギーミックスを考えておりますし、その上で、私は現在の岸田内閣の閣僚でございますので、現在の省庁の状況でベストの政策を推進したいというふうに考えております。
(記者)更問ですけれども、コメントを避けたいということで今おっしゃいましたけれども、特に高市発言についてですけれども、伊藤信太郎大臣は麻生派ですので、麻生派の親分から、高市さんに秋波を送るような発言を控えろと言われてるんじゃないんですか。うちは河野太郎で一応決まってるんだからと、その辺のところに言われてるんじゃないかなと思いますけどいかがでしょうか。
(大臣)そのような事実は全くありません。
 
(記者)読売新聞、田中と申します。
 太陽光パネルのほうに戻るんですけれども、当然議論はこれからという部分はあると思うんですが、配置されたパネルの回収を高めるというのも当然懸案の一つかと思うんですが、リサイクル業を掲げていらっしゃる方のお話を聞くと、例えば、ガラスとかを再生材として販売するというときに、なかなか販路がないとか、要するに、ビジネスとしてなかなか現状は成り立ちにくいという声も聞くんですけれども、その辺りで、リサイクルを手がける方々が、事業者がビジネスとして成立するような方策というのも併せて考えていきたいということになるんでしょうか。
(大臣)そこも含めて、今回の小委員会が環境省と経済産業省のそれぞれの合同であるという形になってると思いますし、今年の通常国会で成立した循環資源、あるいは廃棄物の高度化の中でも、今申し上げたように、高温処理することによってガラスと金属部分、また、中に入っている鉛とかセレンとか、あるいはカドミウムとかを分離して、再使用できるものは再使用するという、そのための補助制度というのも環境省で出しているところでございます。いずれにいたしましても、この廃棄物処理ということの中で、やはり循環資源という考え方で、また、その循環資源になるものがビジネスで成り立つような仕組みというものは環境省また経済産業省と共同でしっかり進めてまいりたいというふうに考えております。
 
(記者)エネルギージャーナル社の清水です。
 神宮外苑の問題で伺いたいんですがね。外苑の再開発。
 先日事業者が東京小池知事の要請に応じて従来の改善計画を見直したものを出してきたと。これは事実としてあるということですね。それで伺いたいのは、環境省はこの神宮外苑の問題について、環境行政、自然保護行政として、あるいは自然環境行政として、今、どういう立ち位置なり、どういう指導力を発揮しようとしているんですか、あるいは発揮しないんですか。
(大臣)この神宮外苑の再開発についてございますけども、この事業そのものは、東京都の条例に基づき環境影響評価手続が実施されたものでございまして、事業者において、知事の意見に基づく環境配慮を含めた対応をしていくものというふうに考えております。
一般論として申し上げれば、樹木を含めた都市緑地は都市に生きる生物の生息や成育の場であるとともに、都市住民にとって身近な自然との触れ合いの場として非常に重要だというふうに考えております。そこで、環境省としてはこれまで同様、今回は東京都ですが、関係自治体からの求めに応じて、事例紹介、技術的助言等を行っていくという方針でございます。
(記者)今、都のアセスでやっているというお答えだったと思うのですが、やっぱりそこがちょっと問題じゃないかという気がするんですね。前にもちょっと質問したことありますけども、やっぱり神宮外苑というのは、確かに東京都に存在はするけども、そこを利用活用する人たちは全国にいるわけで、あるいは非常に大変な思い出の地でもあるし、宗教的な側面もあるでしょう。そういうものを都の都民に限った手続でアセスが十分かどうかを判断するというのは、やっぱりややおかしいと思うのですよ、私は。
 やっぱり国のアセスとして、そういうものをやっぱり環境省が主導性を発揮してやっていくという仕組みにしないと。都民のものとして全て結論を出されているのでは全くそこはちぐはぐだと思うんですよ。そこは別に私が説明しなくたって一般の国民から見ればそう思うだろうと思うんですけどね。
 アセス法も来年ぐらいには改正を予定して、再エネ事業やなんかでね、それもきっちり入れ込むというようなこともあるようですけども。やっぱりアセス条例のその欠陥的な部分というのは、今度の神宮外苑の問題も契機として、神宮外苑の問題だけじゃないと思うんですよ。恐らく公共の再開発があるかどうかは別として、だから日比谷公園なんかの問題も再開発も予定されているし、そういうものに対して、環境省が何か沈黙しているということ自体が、あるいは事業者の再開発計画見直しが妥当かどうか。自然環境の観点から見て本当に科学的なのかどうかというか。海外からもいろいろ言われているけれども、そういうことが必要だと思いませんか。そういう、考えはないんですか。
(大臣)貴重で重要な御意見として伺っております。
 ただ、現時点においては現行の環境アセス制度の下で適切な対応していくということだろうと思います。
 制度なり法律を超えて運用するということは現時点で不可能だと思いますけども、御意見、大変貴重なものだと思います。
(記者) 海外のユネスコとかいろいろ意見も出て、それで一方で環境省はこの間の柏崎刈羽の原発の防災計画じゃないけども、IAEAからもいろいろ意見をもらっている。なんか海外からの参考意見も取り入れるものと取り入れないというものが非常に恣意的なような感じがしているのですけどもその辺はどういう認識ですか。
(大臣)御意見を拝聴しました。
 ただ、原子力防災、あるいはほかの分野におけることと、都市の緑地開発におけるものと制度、仕組みが違いますし、それに関連する海外の機関の位置づけも違いますので、一概に恣意的にやっているというものではなくて、法律なり、仕組みなり、それからその事象の特性に応じて適切に判断しているということだと思います。そしてその現行制度がどうも違うんじゃないかという御意見を拝聴しましたので、それを踏まえて今後検討してまいりたいと思います。
 
(記者)共同通信の矢野です。よろしくお願いします。
 先ほどのエネルギー構成について1点、大臣は「単独の完璧なエネルギーはなくバランスが重要」という話をされていて、小林議員の発言はさておいて、再エネを主力電源として最大限導入拡大していくという方針の中で、火力発電とか原発の必要性位置づけについて、環境省としてどう考えているかというのを改めてお伺いできればと思っています。
(大臣)さっきベストミックスという言葉を使いましたけれども、その中には当然、原子力といわゆる化石燃料も入っていると思います。日本が置かれている政治的な状況、日本の今の産業構造や生活状況、そういうことを考えますと、大きく言えば三つのカテゴリーがありますけど、その一つのカテゴリーで安定的なエネルギー供給というのは現実的には不可能だと思います。ベストミックスというのは、やはり政治状況やあるいは科学技術の変化によって変わってくるものだと思います。ですから、先ほど現時点でのベストミックスということを申し上げたわけで、ベストミックスのパーセンテージは将来において変わってくると思いますし、トレンドとしては再生エネルギーを最大化していくということが時代の要請だし、日本のとるべき道であるというふうに考えております。
 
(記者)毎日新聞の山口です。よろしくお願いします。
 太陽光パネルの件で1点だけお聞きしたいんですが、先ほど、リサイクルの義務化も選択肢の一つという御発言がありましたけれども、仮に義務化をするとすればいつまでにしたい、あるいはする必要があるというのは大臣の中での目標感というのは今のところお持ちでしょうか。
(大臣) 現時点では、義務化が選択肢の一つであるという状況でございますので、この時点において、義務化をする場合の何年以内ということをお示しするのはかなり困難だろうというふうに考えております。
 

会見動画は以下にございます。
https://youtu.be/95OvyKWrBMc?si=neBw4YSvKB6z851p

(以上)

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