厚労省・新着情報

(令和6年9月27日(金)10:46~11:04 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:

「赤い羽根共同募金」運動が10月1日から全国でスタートいたしますので、本日の閣議において、各大臣に共同募金へのご協力をお願いしました。この運動は我が国の地域福祉活動の推進に大きく貢献しております。本年1月の能登半島地震を始め、災害時のボランティア活動の支援にも大きな役割を果たしています。街頭だけでなく、職域、学校、自治会等を通じた募金活動が行われますので、全国の皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。私からは以上です。 

質疑

記者:
日本臓器移植ネットワークから打診があったものの移植の辞退となった事例について、初めての集計結果が24日に公表されました。去年1年間に192の臓器について移植が成立せず、理由としては院内体制による辞退が延べ500人を超えています。この結果についての大臣の受け止めと、今後厚労省としてどのように対応していきたいかお聞かせください。 
大臣:
基本的には、移植に係る需給の規模が非常に大きくなってきているという状況を踏まえ、それぞれにどう対応するかという受け入れ体制については当然、充実強化を図っていかなければならないという基本的な考え方がまずあります。その上で、ご指摘の集計結果については、移植が成立しなかった事例の辞退理由の多くは「ドナーの医学的理由」や「体格差や年齢差」といった医学的な理由であり、人員や病床の不足といった院内体制が主要な理由ではありませんが、このような移植が成立しなかった事例をできるだけ減らしていく必要性を認識しています。このため9月18日に開催された臓器移植委員会において、レシピエントの選択基準等の精緻化や移植希望登録施設の複数化等についてご議論をいただいているところです。こうした議論の結果を踏まえ、こうした状況に順次適切に対応していきたいと考えています。 
記者:
関連してお伺いします。今回の調査では、移植が不成立だった192臓器のみを分析対象としていますが、移植が成立した639臓器についても、院内理由による辞退があったと学会調査などで明らかになっています。こちらについて厚労省として639臓器についても調べる予定はありませんでしょうか。 
大臣:
提供された臓器を可能な限り移植に用いることができるようにするということが大切だと考えます。そこで移植が成立しなかった事例を分析対象として、移植実施辞退数やその理由を集計したものです。今回の調査の結果や臓器移植委員会での議論を踏まえ、これから順次適切に必要な対応を行っていく予定です。今後の移植の実態をしっかり把握し、然るべき対応を行っていきたいと考えます。 
記者:
実態を把握されるということでは、調べることも検討しているという理解でよろしいでしょうか。 
大臣:
今まさにあらゆる観点から、こうした実態の把握については検討しているところです。その結果どうなるかということになるかと思います。 
記者:
国連総会出席についてお伺いします。大臣は9月22日から26日まで、国連総会のハイレベルイベントに出席のためニューヨークに出張されていました。イベントでは基調講演なども行ったと存じていますが、大臣が発信された具体的な内容と、国際保健の主要関係者との会談などを通じてどのような成果を得たのかお聞かせください。また、今後の厚労行政に反映していくことなどがあれば併せてお伺いします。 
大臣:
ちょうどつい最近、厚生労働省としては歴史的に初めてこの「厚生労働省国際保健ビジョン」というものを発表させていただいたところです。その内容について世界銀行総裁のアジェイ・バンガ総裁や、あるいはテドロスWHO事務局長といったようなグローバルヘルスの主要なリーダーの人たちとお目にかかったときには、その詳細をしっかり説明させていただきました。そしてその中でも特に彼らとの関係も深い分野というものが、これはUHCナレッジハブという、そのUHCのファイナンスに関わる分野であり、これは先の長崎のG7保健大臣会合のアウトカムドキュメントの中でもそうしたナレッジハブの必要性というものが文書で確認されているところです。それを受けて、この国際保健ビジョンを通じ、具体的に我が国がホストになり、こうした保健財政の専門家を、実際にこれは保健省だけにとどまらず、財務省も含めて実際にこうしたWHOそして世界銀行が協力してこの研修プログラムを運営していくという、こうした観点についての意見交換を行ってまいりました。いずれも極めて積極的な反応で、かなりのところまで相当しっかりした合意ができましたので、こうした研修プログラムの他に、さらにはUHCフォーラムといって、実際にグローバルヘルスの主要な国際機関やゲイツ財団やウェルカム・トラストといった民間の大きな機関等の代表者も含めて、このUHCに係る議論をそうした指導的立場にある人たちで構成するUHCフォーラムといった、これは仮称ですが、そうしたものを創設し、それによって一過性でなく、UHCをSDGsの3の目的にあるように、2030年までにより確実に達成できるよう、その持続可能なドライビングフォースとして新たに設定するという役割もそこに新たにつくりだし、ナレッジハブの一貫とさせていただいております。こうした内容についてはいずれも、やはり途上国の多くの課題というものは、自国における保健財政の規模の拡大がなかなか思うに任せないというところがあります。実際にこれから主要な国際機関でもリプレニッシュメントミーティングがいくつも開かれますが、その状況下というものは、地政学的にも非常に対立が厳しく、またパンデミックなどの影響もあり、多大な支出を多くの政府が執り行った後ですので、非常にそうした意味での資金の調達がしにくい時代状況にこれから入ってまいります。したがって、そうした時代状況であればこそ、自国の保健財源というものを、低・中所得国がしっかり確保し、自国民の保健医療の体制整備に活用し、そして2030年までにより質の高いUHCを達成するよう働きかけるということが大切であり、日本はまさにそうした主導的役割を担う準備があることをご説明し、そして大変多くの共感を、こうした国連機関の多くの指導者、そして実際にパネルディスカッション等もありましたので、そうしたところで得ることができました。大変大きな成果があったと思います。 
記者:
認知症に対する治療薬について伺います。24日、国内で初めて認知症に伴う行動障害に使える薬として「レキサルティ」が承認されました。高齢化に伴い認知症患者の増加が想定される中、こうした新薬が日本でも使えるようになることの意義をお聞かせください。また今後、認知症患者が安心して治療を受けられるように、新薬の承認、創薬の支援などをどう進めていくのか、改めてお考えをお願いします。 
大臣:
本年9月24日に、アルツハイマー型認知症に伴う過活動、あるいは攻撃的言動に対する適応が確認された抗精神病薬のレキサルティ、その旨確認され、承認されたところです。この適応で承認された初めての医薬品であり、認知症の人とその家族の皆様が安心して日常生活を営むための治療の選択肢が増える意義があると思います。認知症の病態等の解明や、認知症及び軽度の認知機能の障害に係る研究を推進するとともに、安心して治療を受けられる保健医療福祉の相談体制も同時に整備してまいりたいと思います。 
記者:
10月1日から、主として65歳以上の新型コロナワクチン接種の定期接種が始まります。それに関連してお伺いします。武見大臣は歴代の大臣の中で最もワクチンによる死亡認定を行った大臣になります。昨年9月13日の大臣就任以降、619名もの新型コロナワクチンによる死亡事例を救済制度で認定されています。救済制度は1977年、47年前から運用されていますが、これまでの全てのワクチンの死亡認定の合計が現在993名です。その内実に6割以上武見大臣がこの約1年間で認定した事例で占めている状況です。誰よりも新型コロナワクチンの死亡リスクを感じていらっしゃるであろう武見大臣にお伺いしますが、武見大臣も定期接種の対象者となりますが、新型コロナワクチンを接種するかどうかについてお決まりでしょうか。その判断の根拠もあわせてお聞かせいただければと思います。 
大臣:
当然、私、新型コロナの定期接種が始まる10月1日以降に、必ず接種いたします。そして対象となる65歳以上の方や、60歳から64歳までの一定の基礎疾患をお持ちの方々にも、ぜひ接種をご検討いただきたいと思っています。 
記者:
もしかしたら今日が大臣の記者会見最後かもしれないと思いますので、無礼を承知で申し上げますが、必ず受けますということですが、これまでお伝えしてきた通り、この新型コロナワクチンのリスクは極めて高いと思っています。どうか慎重な判断を、大臣自身もしていただければと願っています。 
記者:
新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いします。夏以降に流行したオミクロンKP.3は、その起源株であるオミクロンJN.1と比べて中和抗体に対して高い逃避能を有することがすでに指摘されています。10月から定期接種で用いられるレプリコンワクチンですが、次々と変異していくウイルスに対してどの程度の有効性があるのか、データとして明らかなことがあればご教示ください。また、後者のレプリコンワクチンに関して安全性を確認するための治験の期間、治験の対象人数が十分なのか、その判断の根拠をお答えいただければと思います。 
大臣:
10月からの定期接種については、先日の審議会において5社のJN.1系統のワクチンを使用することとされています。KP.3系統の株に対するJN.1系統対応ワクチンの有効性については、国立感染症研究所において、XBB.1.5ワクチンと比較してKP.3系統の株に対しても効果が期待できると調査結果は評価しています。したがって今後も引き続き、流行する株の系統の動向を注視していきたいと考えています。 
記者:
追加の質問についてはいかがでしょうか。 
大臣:
基本的には全て、極めて専門的な知見をもった審議会で相当な資料を周到に調査していただいて、そしてその中での判断ということになってまいります。その結果が今申し上げた結果になってきたものですので、それを踏まえて対応するということになると思います。 
記者:
先ほど質問されていたように、ワクチンの効果、利益とリスクというものは非常に難しい判断だと思いますが、1番の議論の根拠というものがもし大臣のお言葉としてもう少しお伺いできればありがたいです。 
大臣:
これは過去にもいくつもこうした議論をしてきましたが、新型コロナワクチンの重症化する割合が高齢者で非常に高いと。そして今年度から高齢者を対象として重症化予防を目的に定期接種を行うこととしています。確実にやはり、基礎疾患のある高齢者といった方々に対するこうしたワクチン接種の予防的効果というものは、多くの研究者によって確実に確認されてきていますので、その上での判断になっています。また新型コロナワクチンは入院の予防効果、これが45%見られており、有効性などに関する国内外の科学的知見として重症化予防効果が、また同時にこうした観点からも確認されています。したがってそうした観点から効果を評価し、そしてもし副反応というものがある場合には、より確実にそれに対応できる準備も進め対応していく、これが私どもの基本的な立場です。 

(了)

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