厚労省・新着情報

日時

令和6年6月19日(水)16:00~18:00

場所

Web併用形式
赤坂インターシティコンファレンス4階 the Green

出席者

出席委員(6名):五十音順、敬称略 ◎委員長
日本血液製剤機構:敬称略 
KMバイオロジクス株式会社:敬称略 
武田薬品工業株式会社:敬称略 
日本赤十字社:敬称略 
事務局:

議題

  1. 1. 感染症定期報告について
  2. 2. 血液製剤に関する感染症報告事例等について
  3. 3. 献血血液等の研究開発等への使用に関する報告について
  4. 4. その他
  5. 5. 血漿分画製剤の持続可能な安定供給体制の構築に向けた検討について(非公開)

配布資料

資料ページをご参照ください。

議事

議事内容
○鈴木課長補佐 定刻となりましたので、ただいまより「血液事業部会令和6年度第1回運営委員会」を開催いたします。本日はお忙しい中、御参集いただき誠にありがとうございます。この度は、御参加いただく方の利便性等の観点から、Web併用での審議とさせていただきます。
 なお、本日の会議は議題1~議題4は公開、その後、議題5を非公開で行います。入退室の御案内などは、事務局から説明させていただきます。また、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の皆様におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 次に、会議における委員の出席についてですが、委員名簿にあります6名全員に御出席いただいていることを御報告いたします。こちらも資料でお配りしておりますが、本日は参考人として、一般社団法人日本血液製剤機構より、中西代表理事理事長執行役員、星山代表理事副理事長執行役員、廣田執行役員事業本部長、木村経営戦略本部経営戦略部部長、柚木研究開発本部研究開発推進部主席、浦山研究開発本部中央研究所感染性病原体研究室室長、続いて、KMバイオロジクス株式会社より、永里代表取締役社長、羽室執行役員生産本部長、副島研究開発本部研究開発推進部部長、矢治生産本部SCM部部長、川上生産本部生産技術部分画技術開発課課長、爲石生産本部生産技術部技術管理課専任課長、次に、武田薬品工業株式会社より、石丸血漿分画製剤研究開発部門PDTファーマシューティカルサイエンスヘッド、洪成田工場マニュファクチャリングサイエンス室課長代理、加藤希少疾患事業部血漿分画製剤領域統括部長、塩入希少疾患事業部血漿分画製剤領域企画渉外ヘッド、杉本希少疾患事業部血漿分画製剤領域企画渉外課長代理に御出席いただいております。また、日本赤十字社血液事業本部より、谷中央血液研究所所長、藤田経営企画部部長、後藤技術部次長、川島技術部製造管理課課長にお越しいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 加えて、事務局に人事異動がありましたので御報告いたします。血液対策課長の岩崎容子が山本の後任として着任しております。すみません、遅れての出席となります。また、同じく、血液対策課課長補佐として金子、源、そして、需給専門官に山本が着任しております。よろしくお願い申し上げます。
 続いて、全ての委員の皆様より、薬事審議会規程第11条への適合状況を御申告いただいており、本日の議題について影響がないことを確認しておりますのでご報告させていただきます。委員の皆様には、会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いいたします。タブレット上に「1 議事次第」から「17 資料4-4」までのPDFファイルが表示されているか御確認をお願いいたします。ファイルが表示されていない場合や、不足がある場合には、お近くの職員にお声掛けください。
 本日はWeb併用での審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、審議の進行方法について御説明させていただきます。審議中に御意見、御質問がございましたら、挙手等によりお示しいただきますようお願いいたします。座長から、順に発言者を指名いただきます。指名された方は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、議事録作成のため、まずは、お名前を御発言ください。ノイズを減らすため、御発言が終わりましたらマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
 なお、発言者が多くなり、音声のみでの判別が難しいほど混雑した際は、一度、皆様の発言を控えていただき、発言したい委員については、その旨のメッセージをチャットに記入していただくよう、事務局又は委員長からお願いする場合がございます。その場合には、記入されたメッセージに応じて、委員長より発言者を御指名いただきます。
 Web参加の皆様におかれましては、議事進行中に会場の音声が聞こえづらい状況が続き審議参加に支障を来す場合には、チャット等でお知らせいただくようお願い申し上げます。
 間もなく議事に入りますので、カメラ撮影はここまででお願いいたします。それでは、以降の進行は、田野﨑委員長、お願いいたします。
○田野﨑委員長 皆さん、こんにちは。これまでの説明に、何か御意見や御質問はございますか。よろしいでしょうか。それでは、議事に入りたいと思います。
 まず、議題1「感染症定期報告について」、事務局より資料の説明をお願いいたします。
○鈴木課長補佐 資料1-1を御覧ください。初めに、感染症定期報告(研究報告概要一覧表)を御説明いたします。
 1ページです。令和5年12月~令和6年2月までの3か月間の受理データです。今回は、対象期間において、重複を除き1つの文献報告でした。本体については、いつものように配布のみとしておりますが、資料1-2に全文を掲載しております。
 論文概要を説明いたします。Novel Flavi-like virus in ixodid ticks and patients in Russiaということで、「フラビウイルス科内の新規推定属に分類される可能性が示唆される」として、ハセキダニウイルスが、ダニ媒介性にヒトに感染したことが検出されたという報告です。潜伏期間は2~5日間で、数日間の発熱を伴いますが回復したとの記載で、輸血用血液を介して感染する可能性が示唆されていますので、今後の報告などを注視してまいります。
 本日は、受理データとは別になりますが、参考資料1として、感染研より文献報告を御準備いただいております。そちらについては、後ほど、水上先生より御説明を頂戴したいと思っております。
 続いて、3ページから、感染症定期報告(個別症例報告概要)ということで、外国症例報告一覧を載せております。こちらの期間としては、令和5年12月~令和6年2月の受理分となっております。4ページ以降に、同一成分ごとに、感染症報告の2例について一覧としてまとめております。今回、報告のあったロット番号は、日本に輸入されていないことが確認されております。詳細の説明に関しては割愛いたします。事務局からの説明は、以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。ただいまの説明について、水上委員から追加で御発言があればお願いいたします。
○水上委員 ありがとうございます。今回、文献が1つということで、本件について説明したいと思います。この文献1ですが、新しいフラビウイルス様ウイルスのハセキダニウイルス(HSTV)が、日本に近いウラジオストクとシベリアの中心都市であるノヴォシビルスクのマダニ咬傷者から検出されたという報告でございます。
 マダニが媒介するウイルス感染症としては、フラビウイルス科に属するダニ媒介性脳炎やブニヤウイルス科に属するSFTSが知られております。近年、エゾウイルスやオズウイルス、トゴトウイルスなど、ヒトへの感染性と病原性を持ち合わせたウイルスが国内でも発見されております。その抗体を保有する宿主動物の生息域の拡大や、狩猟、林業従業者、あるいは、不明熱患者での抗体保有状況等から、輸血感染が起こり得る感染症として注目されております。
 これ以外にも国内では、マダニに存在するウイルスがたくさん報告されており、近年、Jingmen tick virus、ヒト病原性新興マダニ媒介性ウイルスや、近縁種のタカチホウイルスなどは、ヒトで健康被害を起こしている可能性が示唆されております。それ以外にも、ヒトへの感染性や病原性が不明なウイルスもたくさん報告されており、この分野に関しては注意深く解析する必要があると思います。
 今回、報告されたハセキダニウイルスですが、以前、アジア、欧州、アフリカ、カリブ諸島で報告されていたBole tick virus(BLTV4)やトリンバゴウイルス(TBOV)の近縁種で、ロシアのウラジオストクで急性呼吸器病変を伴う発熱を引き起こしており、今回、初めてヒトへの病原性が明らかとなった症例といえます。
 本邦で、ハセキダニウイルスやBLTV4の同定に関する報告は、今のところございません。また、これらのウイルスが輸入される可能性は現時点では極めて低いと考えられますが、同じフラビウイルス属のダニ媒介性脳炎ウイルスを媒介する国内種のヤマトマダニやシュルツェマダニが本邦では存在しており、また、2023年8月には山形大学の小峰先生らが、東北の離島において、SFTSVを媒介するタカサゴキララマダニを含めた5種類の南方系のマダニが発見されております。
 その中には、今回、BLTV4が検出されたカクマダニという近縁種も同定されております。鳥類が、離島を中継地としてダニの生息域の拡大に寄与しているというふうに考えております。特にウラジオストクは日本から比較的近く、渡り鳥等を介して移動する可能性は否定できないと考えております。
 また、ロシア、ウクライナ問題の発生以前に関しては、2019年のデータで、ロシアからの訪日旅行客は年間10万人を超えております。また、特にウラジオストクは関西便が就航していたこともあり、潜在的には、商業、観光による人的交流が盛んな場所ですので、引き続き、注意が必要かと我々は考えております。
 今回、感染研から、この論文以外にもう1つ、文献2という形でエムポックスの文献について御報告させていただければと思います。こちらは、発症前のエムポックス感染者の献血、輸血感染に関する論文です。米国CDCの発行するEmerging Infectious Diseases誌に掲載されたもので、タイトルはこちらに書かれているとおりです。
 これは、今までこちらでも何度も報告してきましたが、エムポックス感染者においては、血中エムポックスDNAの検出事例が多数報告されてきましたけれども、ウイルスの分離は報告がなく、また、現在までに輸血による感染事例もございませんでした。欧米では、エムポックスの感染が増加した時期のプール血漿を用いた検証がなされ、米国及び英国いずれも全て陰性であったことと、無症候者による献血はなかったと結論付けられております。現時点においても輸血による感染リスクは極めて低いと考えております。
 また、前回、本委員会でも御報告させていただきましたが、日本ではNCGMにおいて感染者が増加した時期、2023年1~3月におけるMSMの方の血中DNAの解析を行っております。こちらではPCR陽性例5例のうち、1か月以上経過しても無症候だった方が3名程度あります。また、PCR陰性でその後に発症した例が4例あり、無症候者の割合がUnderestimateされているというような御報告がありました。
 ただし、献血に関しては、過去6か月以内に男性同士の性交渉をされている方の献血は不可というふうになっており、現状、日本においても無症候の方が献血する可能性は低いと考えられております。
 今回の論文は、エムポックス発症前の献血者の血液からMPXVのDNAが検出され、献血者由来の血小板製剤を輸血された受血者は11歳の女の子でデング感染の治療中だったのですが、輸血後1か月間、MPXVのDNAは最終的には検出されず、また発症もしなかったという事例です。
 エムポックス患者が献血していたことは、クリニックで診察した医師からタイの保健当局に報告があり、そこから、タイのNational Blood Center(NBC)に連携されて、当時、既に赤血球製剤が作られていたのですが、すぐに回収されましたが、最終的には4人プールによる血小板輸血のみが輸血されてしまっていたという事例です。
 今回の報告から言えることは、最終的に、この論文のFigureを見ていただくと分かるのですが、Donorが赤でRecipientが青という形で経過をずっと書いていて、RecipientはいずれもDNAが検出されなかったことと、最終的に症状も出なかったということで、やはり、輸血による感染リスクは低いことが再度確認された一方で、本邦においても、同様の連携が行えるのか再確認する必要があるかと考えております。
 日本でも、検査目的で献血をする方が一定数どうしても起こり得るというのが推測できますし、また、献血後に発症した人が、医師や日赤に報告するのかどうかは不明です。エムポックスの診断ガイドライン等を見ても、過去に直近で献血歴があるかどうかということを確認することはございませんので、こういうところが、もし連携がうまくいかないと情報を連携できない可能性があると考えております。そういうこともあり、エムポックスと診断した際に献血の有無が確認されているか。その場合に、関連機関で連携できるのかを再確認してもよい事例かと思い、今回、このように報告させていただきました。
 上記の観点から、輸血による感染は起こっておりませんし、引き続き、輸血による感染リスクは低いと考えられますが、無症候の方からの献血、それから輸血事例は起こり得ることが初めて報告された事例になりますので、今回、この場で報告させていただきました。私からは以上です。
○田野﨑委員長 水上委員、詳細な御説明をどうもありがとうございました。ハセキダニウイルスの1例の報告と、加えてエムポックスの陽性Donorからの血小板輸血での事例になりますが、委員の先生方から、御意見、御質問があればお願いしたいと思います。濵口委員、お願いします。
○濵口委員 ありがとうございます。今、感染研から報告のあったダニ媒介性のウイルスについて少しお聞きします。一応、リスクとしては存在するのだけれども、日本以外の国も含めてですが、実際に輸血による病原体の感染がリスクとして高まっているのか、ある程度リスクというところでとどまっているのかどうかを、もし御存じであれば教えていただきたい。
 それから、もしリスクが高まるとした場合、次のアラートとして、どういうふうなことを考えておくことが重要なのか。例えば、先ほどもおっしゃったダニへのウイルスの保持の状況をいろいろ調べるなどについて、何かコメントいただければと思います。
○水上委員 ありがとうございます。今回の事例に関しては、遡及的にいろいろ調べたところ、見付かった経緯もありますので、引き続き、海外での事例が蓄積してくることによって、ある程度リスクの推定が可能になるかと思います。現時点では、それ以外の報告はまだございませんので輸血による感染は極めて低い状況、ただ、リスクが検知された状況であるかと考えております。
 一方で、日本に入ってくる可能性は、ダニの調査や不明熱の方々の検体が、各都道府県の衛生試験所にあり、感染研も含めて、今回、新規の病原体が検出されたこともありますので、多分、幅広に検出する形で調査が継続されているかと思います。もし日本で、こういう病原体がダニにいるということになると、やはり、もう1つレベルが上がってくるというふうに考えております。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。濵口委員、よろしくお願いします。
○濵口委員 すみません。日本赤十字社にお聞きします。国内のエムポックス輸血感染の対策として、いろいろな方策を考えられていると思いますが、今、状況として大丈夫というふうに考えていいかどうかについてのコメントをお願いします。
○日本赤十字社血液事業本部谷中央血液研究所所長 日赤の谷です。日赤のほうでも、そういう報告がDonorさんからあれば遡及調査ができるように、PCRで、感染研のやり方を参考にして検査系を確立していますので、COVID-19のときと同じように遡及調査をできる体制を取っています。よろしいでしょうか。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。ほかはよろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、事務局におかれましては、今後とも感染症定期報告についてお願いいたします。あと、資料の最後にあるように、重複の事例に関しては1つにまとめて、一覧表を作成することになります。
 次に、議題2「血液製剤に関する感染症報告事例等について」に移りたいと思います。事務局より資料の説明をお願いいたします。
○鈴木課長補佐 資料2-1を御覧ください。血液製剤に関する医療機関からの感染症報告事例等について、こちらも同様に、令和5年12月~令和6年2月までの3か月間の感染症報告事例をまとめております。
 1ページ、新規及び追加の報告は、輸血用血液製剤は8件、血漿分画製剤は2件でした。そのうち、輸血用血液製剤との因果関係が否定された報告は3件で、血漿分画製剤との因果関係が否定された報告は0件です。2番に示しておりますように、輸血用血液製剤による病原体感染症報告事例の内訳としてHBVが1件で、こちらは3ページの最上段の症例になります。これは前回の速報で挙げさせていただきましたが、献血者陽転化情報を基に遡及を行った事例になります。供血者由来及び輸血者由来のウイルスの塩基配列の一致も確認しております。5番の「その他」では、細菌等感染報告事例において、当該輸血用血液の使用済みバッグを用いた無菌試験は陽性事例が0件でした。3ページの最下段の4例が細菌等感染報告例(疑い例を含む)になりますが、識別番号で示しているAA-23000037については、赤血球製剤投与後2日を経過しての発熱時の血液培養検査から、表皮ブドウ球菌の検出ということでした。
 次の番号23000042につきましては、残念ながら転帰は「死亡」という報告なのですが、もともとの原疾患が血液腫瘍だったこともありまして、血小板製剤の投与前から抗生剤の投与もされており、血小板製剤の投与翌日の発熱時の血培でBacillus cereusが検出されたということでした。3番目の23000044番は様々な原疾患が書いてありまして、赤血球製剤投与ということで、開始後1時間以内に発熱により投与を中止しまして血培を取ったようですが、その血培で陽性でしたけれども抗生剤対処などで、転帰は「軽快」となっております。最後の23000046も、「未回復」という転帰なのですが、原疾患のために、血小板製剤投与前から好中球減少症ということで、記載のとおり対処されておりまして、輸血翌日にも発熱があり、最後の血培からの検出ということです。
 4ページには、国内血漿分画製剤による病原体感染症報告事例の一覧を掲載しておりますが、これは文献報告等製剤由来の抗体陽性という判断をされております。
 続きまして、資料2-2を御覧ください。「供血者からの遡及調査の進捗状況等について」です。「血液製剤等に係る遡及調査ガイドライン」に基づく、日本赤十字社における供血者からの遡及調査実施の進捗状況を日赤より毎回御提出していただいております。今回は、こちらも令和5年12月~令和5年2月分ということで、全体の速報値ということで、1ページですが、3月まで全部、年度分の速報で頂いております。この表の左側と中央は比較のために一昨年と昨年をいつものように示しております。一番右のコラムが昨年度、令和5年度分の速報値です。前回、3月の運営委員会では、12月31日分まででしたので、そこに3月31日までの分が累積されたことになります。
 一番上の1.遡及調査対象献血血液の概要についてですが、(1)調査対象とした献血件数は、HBVが前回よりも343プラスして計1,386、HCVは43プラスの計182、HIVは6件プラスで17件になり、HEVはプラス1,353で計5,129件で、これが全部で1年間の遡及対象の量になります。(2)調査対象とした輸血用血液製剤の本数とか、(3)医療機関に情報提供を行った輸血用血液製剤の本数についての記載は、このとおりの推移となっております。(3)のうち、薬機法第68条の第1項に基づく医薬品副作用感染症報告を行った件数は、HBVが2件で、これは前回から変化はありません。
 2.遡及調査対象の内、プールNAT結果が陰性かつ個別NAT結果が陽性であった献血血液はありません。3.遡及調査対象の内、個別NAT結果が陰性の輸血用血液製剤の投与により、受血者の陽転が確認された献血血液の数は前回と同様で、追加はありませんでした。
 次に3ページ、医薬品医療機器等法第68条の11に基づく回収報告状況を個別に羅列しております。簡潔ですが、事務局からは以上になります。よろしくお願いいたします。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。感染症報告のまとめとしては、令和5年12月から令和6年2月までの3か月間、前回、報告のあったHPvirusの感染症治療があります。松下委員、よろしくお願いします。
○松下委員 松下です。資料2-1の一番最初の行の方、40番の方ですね。B型肝炎の感染が実際に成立して、原因はドナーの陽転ですが、この感染の原因になったドナーの方の献血が2023年8月であり、11月の献血時に各種B型肝炎の検査が陽転しているのですが、2023年8月の1つ前の献血はいつだったのでしょうか。
○田野﨑委員長 後藤さん、お願いいたします。
○日本赤十字社血液事業本部後藤技術部次長 日赤の後藤です。1つ前の献血は6月にありました。
○松下委員 ということは、6月の献血血液は普通に供給されているのですね。
○日本赤十字社血液事業本部後藤技術部次長 はい。されております。こちらの(6月の献血血液から製造された血液の受血者)ほうについても、念のため遡及調査は行っておりまして、陽転は認められておりません(事務局注:受血者死亡により調査不能であった)。
○松下委員 分かりました。このドナーの方ですが、このときが何回目の献血者なのですか。かなり頻回にされている方なのでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部後藤技術部次長 はい。たくさん献血していただいている方で、100回まではいっていないですが、多く献血されている方でした。
○松下委員 では、検査のための献血だった可能性はかなり低いということですね。
○日本赤十字社血液事業本部後藤技術部次長 通常どおり献血していただいたのではないかと推測しております。
○松下委員 分かりました。ありがとうございました。
○田野﨑委員長 よろしいでしょうか。どうもありがとうございます。ほかの委員の先生方から御質問とかコメントはありますか。E型肝炎の方は、最初、E型肝炎のIgAの検査で偽陽性だったということでよろしかったでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部後藤技術部次長 病院の検査で偽陽性だったかという御質問でしょうか。そうですね。この方は輸血後の血液を日赤でも検査させていただいて、全て陰性ですので、このIgA抗体の検査は偽陽性だった可能性があるかと思います。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。このIgAの抗体の偽陽性はどのぐらいの頻度であるとか、ということに関しては、よろしいでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部後藤技術部次長 そこに関しては情報がありません。申し訳ありません。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。学会報告になっているようなところも確認いたしましたが、たまにあるということと、あと、保険適用である検査法がこれしかないということなので、そういう意味では、感度も余り高くないので今後の課題の一つかなと考えております。ほかに、委員の先生方から御質問、コメントがあればお願いしますが、よろしいでしょうか。どうもありがとうございます。そうしましたら事務局におかれましては、今後とも感染症症例や遡及調査結果の報告をお願いしたいと思います。
 次に、議題3「献血血液等の研究開発等への使用に関する報告について」に移りたいと思います。事務局より資料の説明をお願いします。
○鈴木課長補佐 事務局の鈴木です。こちらについては要点のみとなりますが、御説明させていただきます。資料3-1を御覧ください。「献血血液の研究開発等への使用に関する報告の概要」を作っております。本報告の趣旨については、後ろに別添として付けておりますように、令和2年の血液法の一部改正の通知において、法12条の採血等の制限の考え方を示しております。昨年度分について、日赤及び国内製造を行う分画メーカーより、血液製剤の製造に伴って副次的に得られた物等を使用し、又は提供した量、その使用目的等の使用状況について、本運営委員会に報告していただくものとなっております。
 2番として、「各企業の提供状況について」をまとめておりますが、昨年度の総提供件数は443件で、内訳としては新規が46件、継続が397件でした。
 個別の一覧については、資料3-2にたくさんありますが、研究開発等課題名、献血血液の使用目的や献血血液の区分、提供された献血血液の種類、量などをまとめております。簡潔になりますが、事務局からは以上になります。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。こちらに関して何か、御質問や御意見はありますか。この一覧表で、例えば3番の所が168万mLと、結構な量になりますが、日本赤十字社におかれては、これは特に何かで問題があることはないということでよろしかったでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部川島製造管理課課長 日赤川島です。現在のところ、特に問題は発生していないと認識しております。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。その他、御意見、御質問はありますか。特にないようであれば。どうもありがとうございました。簡単ですが、この献血血液等の使用状況としては、どんどん増えてきていると思いますが、引き続き、また御報告をお願いしたいと思います。それでは、本日、非公開の議題が控えておりますが、その前に公開議題として、議題4の「その他」に移りたいと思います。事務局及び参考人より、それぞれ説明事項を用意しているということです。まず、「令和5年度の主要血液製剤の供給状況」について、事務局より資料の説明をお願いいたします。
○山本需給専門官 事務局より御説明申し上げます。資料4-1を御覧ください。「令和5年度の主要血液製剤の供給状況について(速報値)」の御説明です。
 2ページ目に推移をお示ししておりますが、免疫グロブリンの自給率が減少しております。今後のグロブリンの需要増加と、国内メーカーの現状の製造能力を踏まえると、グロブリンについては減少傾向が続くものと考えております。また、アルブミンに関しては、令和4年度に基礎的医薬品の適用を受けて薬価がそろったこと、また、国内メーカーの周知活動などもあり、徐々にではありますが、自給率が上昇しているものと考えております。
 3ページ目以降、アルブミン製剤の供給量の推移、4ページ目がグロブリン製剤の供給量の推移です。また、第Ⅷ因子製剤の供給量の推移、あと、参考として血液凝固第Ⅷ因子機能代替製剤の推移もお示ししております。最終ページは、令和5年度の日本赤十字社の原料血漿確保状況等の実績値です。今回は速報値ですので、精査をしまして、他の製剤を含めた数値を年末の血液事業部会のほうに改めて御報告申し上げます。資料についての説明は以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。よろしくお願いします。
○鈴木課長補佐 次に、事務局より、国内血漿分画製剤の製造企業から、「血漿分画製剤のウイルスに対する安全性確保に関するガイドラインの対応状況」について御説明のお時間を少し頂きます。まず、事務局より本件にかかる経緯の補足を簡単に御説明いたします。
 参考資料2と参考資料3としてお配りしておりますが、令和4年度第1回運営委員会においても、安全技術調査会の報告として上げていた本ガイドラインの改正を令和6年3月29日に一部改正としてお示しできました。参考資料3ですが、4月15日付けで事務連絡にて、このガイドラインへの対応状況について、本日、参考人として来ていただいているメーカー3社が参加されている検討会で取りまとめていただくように御依頼いたしました。本日は、その取りまとめについて、3社を代表してKMバイオロジクス社より御報告を頂きたいと思っております。それでは、よろしくお願いいたします。
○KMバイオロジクス株式会社爲石参考人 資料4-2を御覧ください。血漿分画製剤のウイルスに対する安全性確保について、KMバイオロジクスの爲石より報告させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 1ページ目です。本題は、「血漿分画製剤の安定供給の推進のための業務提携の在り方検討会」として御報告するものです。これを「3社検討会」とさせていただきます。本題に先立ち、3社検討会について御説明いたします。
 3社検討会は、「ワクチン・血液製剤タスクフォース顧問からの提言」を受け、国内メーカー3社の連携により、血漿分画事業が抱える課題をあるべく姿へ改善すべく設立されたものです。その活動内容は、安定供給、国内自給、経営基盤強化、献血血液の有効利用の4つのテーマに関して協議しており、適宜、血液事業部会運営委員会へ報告させていただいております。今回は、基本コンセプトの1つである安定供給にひも付き、3社検討会の分科会の1つ、「ウイルス安全性に関する技術交流会」というものの中で協議させていただきました。技術交流会の具体的な中身は赤の四角の中に囲ったものです。
 続いて、2ページ目に移ります。本題に入る前に御留意いただきたいことの説明です。本資料は、血液対策課様より3社検討会宛てに事務連絡を頂いたことから、先ほど述べた技術交流会のメンバーにてまとめたものになります。国内メーカー3社の有するウイルス安全性にかかる情報のうち、公表可能な情報を用いて本資料を作成しております。
 3ページ目です。本題の内容に入ります。まず、現在の検査箇所及び検査対象についてです。表中の左の列には、改正ガイドライン中の検査箇所ごとに求められる要件を示しております。中央の列では各メーカーでの検査箇所、右の列では各検査の内容説明を表示しております。なお、プール血漿については、工程前検査あるいは中間血漿分画物いずれにも該当し得ると考えましたので、ガイドライン要件の枠には当てはめず、各社の実施内容を記載しております。
 では、内容詳細に移ります。まず、「原血漿」については、日本赤十字社様より採漿後に各社が受け入れておりますので、内容は同一です。ガイドラインが求める要件以上の検査を実施しているという内容です。
 続いて、1つ下の「ミニプール血漿」についてです。KMバイオロジクスでは、ガイドラインの要件に上乗せする形で、全製剤一律にHAV及びヒトパルボウイルスに対してNATを実施しております。また、日本血液製剤機構では、一部の製剤について、表の内容で対象ウイルスや製剤を選定した上でNATを実施している状態です。
 続いて、1つ下の「プール血漿」です。3社ともに、HBV、HCV及びHIVについてNATを実施しております。武田薬品工業は、これに加え、HAVのNATも実施し、検出されないということを確認しております。
 続いて、「中間原料」です。ここでは、改正ガイドラインにならい、中間原料はPⅡ等を意図しております。これらを社外から受け入れておりませんので、検査の該当/実施はありません。
 最後に一番下の段、「製造工程での検査」です。3社とも、最終製品にて、表中に示した5種類のウイルスについて検査を実施しております。血液製剤機構では、これに加え、HEVのNATを実施し、検出されないことを確認しております。検査箇所及び検査対象については以上です。
 続いて、4ページを御覧ください。各検査箇所での陽性事例についてまとめたものです。2017年の第2回安全技術調査会において、非公開議題の資料として、各社から各ウイルスの陽性率について御報告されたものと認識しております。これを受けて今回の御報告では、情報の更新として、2017年~2023年までの陽性事例を基に情報をまとめた結果です。KMバイオロジクスが実施しているミニプール血漿では、HAVが検出された場合、パルボウイルスが一定の規格値を超えた場合、個別バッグを特定した上で排除しております。日本血液製剤機構にて一部の製剤で実施しているミニプールでは、HAV、HEVでの陽性事例はなく、ヒトパルボウイルスは陽性と判定したものを排除しています。
 続いて、プール血漿です。3社ともHBV、HCV、HIVの全てのウイルスにおいて陽性事例はありませんでした。加えて、武田薬品工業のみが実施しているHAV-NATにおいて、陽性と判定されたプール1バッチが排除されております。
 最終製品では、3社とも、現在承認されている製剤において、全てのウイルスに関して陽性事例はありませんでした。陽性事例の報告は以上です。
 資料の5ページを御覧ください。各ウイルスに係るウイルス除去及び不活化処理についての情報をまとめました。表中の一番左にガイドラインの要件の中身を示し、その中で、下線部で示した所が今回の改正で追加された要件を示しております。以下、対応状況を説明します。
 まず、製造工程におけるウイルスクリアランス試験は、各社とも実施しております。続いて、評価に用いたウイルスですが、表中に示しているモデルウイルス、あるいは評価対象ウイルスを用いております。
 続いて、エンベロープウイルスに対し、頑健性の高い2つ以上の原理が異なる2工程以上を導入すること、並びに非エンベロープウイルスに対して頑健性の高い工程を少なくとも1つ導入する点において、一部の製剤で現在対応中ですが、それら以外のものは導入済みということを確認しました。
 以上より、3社ともに、クリアランスに係るガイドラインを満たすことを確認しております。なお、各社の各製剤の個別の背景情報及びクリアランス能の具体的な結果は非公表情報とさせていただきました。
 また、スライドには表示しておりませんが、各社にて、各社の製造工程に混入し得る理論的な最大ウイルス量とウイルスクリアランス能を用いて、最終製品でウイルスが残存するリスクというものを評価し、血液対策課様に御報告しております。
 最後の6ページ目に移ります。ここまで御提示した情報により、3社において、各製剤のスクリーニング体制、クリアランス工程及び製造工程における検査によりウイルス安全性対策を実施しており、改正ガイドラインに準拠することを確認しました。また、一部の製剤では、ガイドラインに準拠できるよう現在、対応中です。以上より、国内メーカーにおけるウイルス安全性対策は、確保された状態にあると考えます。
 最後に、今後に向け、3社検討会としてコメントをさせていただきます。我々3社は、今後も連携してウイルス安全性に関する技術交流活動を通じ、血漿分画製剤のウイルス安全性の更なる向上を追求していく考えでございます。この度は、貴重な報告の場と時間を頂きまして誠にありがとうございました。以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。3社検討会のことについて、まとめて御発表いただきました。委員の先生方、御質問やコメントなどがあればお願いしたいと思います。濵口委員、お願いします。
○濵口委員 御説明ありがとうございました。3社検討会の中で、武田薬品工業のプール血漿においてHAVがNATで陽性になったので、1バッチを適切に排除したということなのですが、プール血漿を全部廃棄したということでいいのですか、そのときのNATの結果が規定よりも超えていたためということでよろしいのでしょうか。公表できる範囲で結構ですので、教えてください。
○武田薬品工業株式会社洪参考人 武田薬品工業の洪と申します。プール血漿、約1700LでHAVが過去1ロットのみ、濱口先生がおっしゃられたとおり、陽性になりました。この際は、社内規格として陽性のものに関しても全て排除するということになっておりましたので、このプール血漿に関しては全て排除をさせていただきました。このときに混入していたHAVの量に関してなのですが、あくまで限界希釈法ということで限定させていただきましたが、大体10オーダーのHAVが混入しておりました。以上になります。
○田野﨑委員長 よろしいでしょうか。HAVに関しては、国内で必ずしもスクリーニングがされていないようなのですが、こちらに関して、企業間で少し足並みがそろっていないところがあるようにも思いますが、この辺について、何かコメントなどは頂けますでしょうか。
○KMバイオロジクス株式会社爲石参考人 KMバイオロジクスの爲石です。おっしゃるとおり、HAVについては、スクリーニングを実施している、していないというところは企業間でも差があるところと思います。一方で、HAVは採漿の時点でスクリーニングがされていないということもあり、あるいはそのリスク、病原性というところも鑑みて、あとは、クリアランスで除去、不活化されやすいという性質もありますので、(弊社が血漿を受け入れた段階で)HAVをスクリーニングするかしないかというところは、今、正に見直しを行っているところです。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。羽室様。
○KMバイオロジクス株式会社羽室参考人 KMバイオロジクスの羽室です。補足させていただきます。HAVについても、弊社でも継続検査するかどうかというところを議論したのですが、やはり、公衆衛生が良くなっていますので、国内でのHAVの感染というのが非常にまれになっているという背景が1点です。もう1つは、国内での流行時期と、弊社が受け入れた血漿のHAVの陽性率というものを見たのですが、必ずしも一致していなくて、非常にまれにしか入ってこないということでは、恐らく、日本赤十字社様のスクリーニング(問診)といったところで十分に排除されているのではないかというように結論しています。また、弊社で受け入れた、非常にまれですが、HAV陽性の基準のウイルス濃度についても、その後の工程で十分に不活化除去できるということを確認しておりますので、そういう意味では、足並みはそろっていなくても、やはり各分画メーカーでのHAVの検査の必要性については、やっぱりもう一度見直す必要があるのかなというように考えております。以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。こちらに関して、日本赤十字社のほうから、もし何かコメントがあればお願いしたいと思います。
○日本赤十字社血液事業本部後藤技術部次長 日赤の後藤です。HAV、A型肝炎については数もとても少ないですし、国に報告される数からしても、そこまではまだ影響しないかなというのと、実際に輸血で感染した事例というのもほとんど起きておりませんので、リスクとしては、E型肝炎などよりは低いのかなというように考えております。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。引き続き注視していくということでお願いしたいと思います。何か、ほかに御質問やコメントなどがあればお願いしたいと思います。濵口委員、お願いします。
○濵口委員 今回は、国内3社で、ガイドラインに合致しているかどうかというのをお互いに検討していただいたということなのですが、先ほど、厚労省のほうから報告があった外資の血液製剤についても、やはりこれからどんどん増えてくるということを考えると、海外のガイドラインには沿っているのかもしれませんけれど、やはり国内のガイドラインにも合致していただく必要があるし、その報告については同じように求めていくべきかなというように思うのですが。予定など、もし、そういったものがありましたら教えてください。
○鈴木課長補佐 御指摘ありがとうございます。具体的に、何か予定というものまではまだ描けてはおりませんけれども、今回ガイドライン改訂を機にということで、まずは国内で製造を行っているメーカーからこのようにまとめていただいた状況です。先生がおっしゃるように、海外血漿の製剤というのも、もちろん国内での流通もありますので、海外から入ってきているもの、国内で使われるものについては国際基準で、国内のガイドラインも満たしているということを何かしら定期的に見ていくことの必要性というのは我々も考えております。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。羽室様。
○KMバイオロジクス株式会社羽室参考人 KMバイオロジクスの羽室です。最後に、3社検討会の報告に加えて、3社検討会ではなく、KMバイオロジクスとしてのコメントを2点させていただきたいと思います。
 1点目です。今回の報告の中でも触れたKMバイオロジクスのみが実施している全製剤一律でのHAV及びヒトパルボウイルスB19に対するミニプールNATスクリーニングについて、その意義と効果を見直し、ウイルス安全性は確保した上で、今後、継続の是非を検討していきたいというように考えております。
 2点目です。今後、新しいウイルス不活化除去技術の導入等の検討をKMバイオロジクスとして行ってまいります。また、ICH-Q5A(R2)ウイルス安全性評価ガイドラインを参考にしながら、ウイルスクリアランスに関する諸問題について、今後も3社で議論することを提案していきたいというように考えております。以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。よろしいでしょうか。そうしましたら、国内3社におかれましては、引き続き血漿分画製剤のウイルス安全性確保について連携して検討を進めていただければとお願いいたします。どうもありがとうございました。
 続いて、ヘブスブリン筋注及び献血ヴェノグロブリンの供給停止について、事務局及び日本血液製剤機構から御説明をお願いいたします。
○山本需給専門官 事務局です。資料4-3、4-4の供給停止について、まず、事務局より御説明申し上げます。最初に資料4-3の「ヘブスブリン筋注用200単位、1000単位の供給停止について」です。乾燥抗HBs人免疫グロブリンであるヘブスブリン筋注用は、輸入血漿から製造しているところ、ヘブスブリン筋注用から抗HBs人免疫グロブリン「JB」へ切り替えることで、国内自給率向上に貢献することができるため、供給を停止するというように承知しております。この点、国内自給率向上の観点からは、特に差し支えないものというように考えております。
 続いて、資料4-4の献血ヴェノグロブリンIH5%静注5g/100mLの供給停止についてです。献血ヴェノグロブリンIH5%静注用については、5g/100mL以外の4規格がありますが、令和3年度第4回運営委員会に報告して供給停止手続を進めているところですが、JB様より、5g/100mL規格についても供給停止をしたいという御相談がありました。10%製剤の発売に伴い、需要が大きく減少しているということで、今後も需要の更なる減少が見込まれるところです。このため、5%製剤のうち残りの1規格である5g/100mLについても供給停止をし、10%製剤へ製造を集約することで、生産性の改善とともに有効利用を図り、安定供給や国内自給への貢献を図りたいというように聞いております。この点、やむを得ないものというように考えております。
 それでは、資料の説明をJB様からお願いいたします。
○日本血液製剤機構木村参考人 日本血液製剤機構の木村と申します。よろしくお願いいたします。資料4-3を御覧ください。2ページ目です。ただいま概要を説明いただきましたとおり、1つ目は弊機構が製造販売する輸入血漿由来の筋注用抗HBs人免疫グロブリン製剤の供給を停止し、弊機構の献血由来の同等製剤に集約を図りたいというものです。
 現在、厚生労働省による特殊製剤国内自給向上対策事業に基づいて、日本赤十字社において、HBワクチン追加接種プログラムが行われております。抗HBs人免疫グロブリン製剤用の原料血漿確保量は、それによって増加を続けており、現状、献血製剤のみで輸入血漿由来の製剤の医療需要を十分に賄うことができると考えております。
 続いて、3ページ目です。現在、国内において抗HBs人免疫グロブリン製剤の筋注については、ヘブスブリン筋注用を除き2剤が製造販売されております。今般、弊機構が製造販売する赤い丸を付けている非献血由来の製剤を供給停止し、献血由来に集約する申し出となります。
 資料4-3に続きまして、資料4-4を御覧ください。献血ヴェノグロブリンIH5%静注5g/100mLの供給停止についてです。2ページ目です。献血ヴェノグロブリンIH5%静注については、10%製剤の発売に伴い、需要が大きく減少しております。現在、2023年度上期で見ると、10%製剤の供給割合が98%を超えているという状況です。
 3ページ目です。弊機構では、令和3年度の本委員会において、当時5%製剤は全5規格ありましたが、5g製剤の規格を除く4規格の供給停止に係る報告を行い、供給停止の手続を進めているところです。今後、残りの5gの規格についても、需要の減少が想定されております。将来的には医療需要が製造下限を下回る、製造したものが全て供給しきれないという状況も想定されますので、今回、供給停止の申し出をさせていただいたところです。弊機構においては、10%製剤に製造集約させていただくことで、需要低下によって、供給前に有効期限切れとなる状況を回避し、血液製剤の有効利用を図りたいと考えております。
 4ページ目です。現在、静注用人免疫グロブリン5%製剤については、献血ヴェノグロブリンIH5%静注を除き、3製剤が国内で製造販売されております。
 5ページです。各種製剤の効能・効果の一覧です。献血ヴェノグロブリンIH10%静注製剤は、同製剤5%製剤の全ての効能・効果を有しているので、代替は可能と考えております。以上です。
○田野﨑委員長 御説明をどうもありがとうございました。B型肝炎に関してはワクチンの普及に伴って、そして、献血ヴェノグロブリンIHに関しては規格の整理ということになりますが、何か、御質問やコメントなどがあればお願いしたいと思います。よろしいでしょうか、お願いします。
○武田委員 資料4-4の2ページに供給停止する背景ということで、10%製剤の発売に伴って、どんどん5%製剤が減ってきているという図があったのですが、最後まで1.4%とか、1.9%というところで使われていたという、これは何か理由があったのかなど、お話できる範囲で伺えますでしょうか。患者さんが、発売停止によって困ることがないかという趣旨で、お聞きしたいと思います。
○日本血液製剤機構廣田参考人 JBの廣田です。私のほうから回答をさせていただきます。今、御照会いただいた内容ですが、特に10%発売当初は医療機関の先生方が10%を避けられていたというケースがあり、患者さんがうんぬんというのはありませんでした。それで10%に切替を進めており、直近では5%5gは全国で10軒程度の納入実績になっており、特にそういう懸念事項はございません。
○田野﨑委員長 よろしいでしょうか、ほか、何かありますか。どうもありがとうございました。本日、公開で行う議題はここまでですが、何かあれば。濵口委員、お願いします。
○濵口委員 先ほど、厚労省のほうから出されていた供給の所のデータについて少しお伺いしたかったのですが。これから、国内自給率が下がってくる、それから大幅に外国のグロブリン製剤が必要になってくるというグラフがあったと思います。外国からの供給が数年前に比べると倍に増えているという見方もできるかなと。一方で、国内の供給というのは頭打ちになっているところで、今後長期にわたって海外に頼って供給を続けていくことが本当に可能なのかどうかというのは心配です。私、病院に勤めておりますけれども、やはりグロブリン製剤の治療については、臨床の現場では困窮しています。本当に使いたい人には使えないというような状況がありますので、ここについて、やはり、ここ数年のシミュレーションとして本当に落ち着くのかどうか、外資がきちんと供給してくれるのかどうか、国内のメーカーがもう少し増やしていくことが可能なのかどうか、総合的な見極めが必要かなというように思うのですけれども。この辺り、御説明いただければと思います。
○山本需給専門官 ありがとうございます。事務局です。国内自給の向上については喫緊の課題と認識しております。グロブリンについては国内の製造可能量、キャパシティーを上回る需要が生じており、安定供給のためには、現状、どうしても輸入製剤に頼らざるを得ない状況となっております。他方、海外における医療需要も増加しておりますので、ちょっと短期的に見た限りでは、輸入製剤に頼らざるを得ない状況というように考えております。他方で、中長期的には、やはり国内自給率の向上ということで、我々、メーカーさんと連携して、何らかの対応策を検討してまいりたいというように考えております。以上です。
○田野﨑委員長 よろしいでしょうか、まだ課題がたくさん残っているかとは思いますが、資料4-1の4枚目のグロブリン製剤の推移に関してということであったと思います。ほかには、よろしいでしょうか。
 それでは、これより非公開議題に移ります。事務局、お願いいたします。
○鈴木課長補佐 田野﨑委員長、ありがとうございました。議題5については、本議題の議論にあたり、内資系3社の今後の設備投資予定等の企業秘密情報に係る説明を行うため、非公開とさせていただきます。非公開議題は、17時10分頃より行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、まずは3社の参考人の皆様は別室に御移動をお願いします。
(3社参考人退出)
大変恐縮ですが、日本赤十字社の方、傍聴の皆様は御退席のほど、よろしくお願いいたします。
 (議題5は非公開で行われた。)

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