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会見発言記事
松本総務大臣閣議後記者会見の概要
令和6年10月1日

冒頭発言

【退任挨拶】
  節目ですので、私から一言御挨拶を申し上げたいと思います。
改めて、先ほどの閣議で総辞職ということで辞表を提出してまいりました。御案内のとおり、昨年12月14日に着任いたしまして、この間、メディアの皆様はじめ、皆様に大変お世話になりましたが、12月14日は、実は予算編成の大詰めの段階でありまして、私自身、ちょうど令和6年度予算も概算要求に携わらせていただいたので、ぜひともこことここは確保したいという部分について、最後、残っていた部分は予算編成作業に関わらせていただくことになって、一定の範囲では目的を達した予算編成ができたかと思っております。
  また、通常国会でかけられた法案の大半も、準備は前任のときに行ってきたものでありまして、何事もそうですが、種を蒔いて育てて刈り取っていくという段階で、ちょうど今回は、前回種を蒔いて育てたものを刈り取る時期にもなったかなと思います。引き続き育てなければいけない案件もあるし、また、種を蒔かなければいけないと思っておりますが、何より12月14日に就任して、2週間も経たない1月1日に大きな地震が能登半島で発生してしまいました。
  皆様もそうだと思いますが、1月1日の午後というのは、ある意味で被災された方も本当に大変だったと思いますが、一番気持ちがゆっくりしようと思っているときであっただけに大変でありましたが、私たちは元旦も皇居へ御挨拶に伺うなど行事がいろいろありますので、動ける状態からすぐに様々な手を必死になって打ちましたが、何より総務省の職員はじめ各自治体の職員の皆様の使命感の高さには本当に私自身も改めて感謝しなければいけないと思いました。
  というのも、元旦の午後であるにもかかわらず、速やかに皆さん動き始めていただいて、一番早い人は元旦のうちに動いて現地に向かっていただくなどの対応をしていただきました。消防職員に限らず事務のサポートも含めて、本当に皆よくやってくれたことには改めて感謝し、職務に対する使命感に敬意を表したいと思います。
  総務省は、行政分野、所掌範囲が広く、これはつまり、国民生活への影響も大変大きいと考えている中で、職員の皆さんは、今申し上げたように使命感を持って取り組んでいただいておりますが、改めてやり甲斐を感じられるように、また、職員の皆さんの気持ちが叶えられるような職場づくりができればと思って、いろいろと申し上げてまいりました。
  もちろん、しっかりと国民の皆さんを支えることに加えて、国の力を引き上げていくことも国民の皆さんのためになることですので、そういった世界をリードする国づくりにも取り組んできたところでありまして、このような取組をさらに新たな展開を進めていかなければいけないと思っております。いくつか今申しましたように、蒔いてきた種を刈り取り、また、種を蒔くことができたということで、大変皆さんにも、関係いただいた、ご協力いただいた皆さんにも感謝をしたいと思います。
  御礼を申し上げて、退任のご挨拶といたします。

質疑応答

在任期間の振り返り

問:
  大臣、お疲れさまでした。1問お願いします。在任期間を振り返って力を入れた政策と、どのような思いをもってこうした政策に取り組まれたのか、お願いいたします。

答:
  まず、思いということで申し上げれば、職員の皆さんには大変注文の多い大臣で大変だったのではないかと思いますが、制度の面からも、大臣という形で私も組織の責任者の立場をお預かりするわけですが、ある意味で、政治の立場から入ってくる者としては、例えば今回のデジタルのような新たな分野で判断・決断が必要なものをどのように責任を持ってやっていくか。また、改めるべきものはどう改めるのかというのが私の役割だと思いますので、注文が多いと先ほど申しましたが、私からお願いする案件は、引き続きという言葉はできるだけ使わないでくださいなどの注文を付ける大臣ですので、なかなかやっかいだと思います。
  また、組織のトップとしては、先ほど申しましたが、ぜひやり甲斐が感じられるように、そのためには風通しのいい組織をということで、前回のときも職員全員の皆さんの意見を大臣に直接出していただくような仕組みを付けましたが、今回もぜひ若い方々、その意味では組織の順番を超えてでも直接話をする機会も大事にしたいと思ってやってきたところでございます。
  また、総務省は本当に大変大きな組織でありますが、今、与えられている課題を考えると、総務省の総合力を生かすという意味では、縦割りの組織を横につないだ方がいいところもたくさんありましたので、これもやはりトップの仕事かなと思って組織横断的な仕組みをいくつか作っていただいたり、それによって成果も上げていただいたと思います。
  政策への取組という意味では、私ども、政治、行政は国民の皆様をしっかりお支えする、国民の皆様を守る、そして、国民の皆様のために備えるということが大事ではないか。お支えする、お守りする、そして、備える。そんな意味で、1つは、消防力というのは、備えるという意味で極めて大事で、例えば緊急消防援助隊の初動・出動についても、実は前回のときから点検させていただいたりしてきておりました。
  残念ながら緊急消防援助隊要請を待たずに動き始めることも可能であることも確認してやっていただきましたが、要請を待たずに動かなければいけないような事態が、能登だけでも2回も起こってしまったのは本当に悲しい思いでありますが、備えることでしっかり対応したいと思います。備えるという意味では、今回の能登半島地震の振り返りも、消防に限らず職員の応援派遣や、また、通信の基盤、放送のインフラなどについても、何が課題であったのかということでしっかりと備えていただくことをしております。
  そして、大きな意味では、人口減少社会の中で地方を支える、守る、そういったことも大事でありまして、DXの推進、また、地方経済の好循環のため、地域で賃上げをどう定着させていただくか、基盤の通信をどうするかといったような課題もあったかと思っているところであります。
  また、デジタル分野でも、国民の皆様を守るという意味では、違法・有害・偽・誤情報のネット社会から国民の皆様を守るためにも、情プラ法の改正はじめ、制度的にもいろいろさせていただきましたが、まだこれはやらなければいけないことが残っているという認識で、今、次の段階へ進む道筋を進んでいただいているところであります。
  また、通信という意味では、携帯電話料金を4社体制で公正な競争を確保することで料金水準を適正に維持するといったような作業も、電波の割当を含めて進めてきたところであります。
  もちろん、先ほど申しましたように、政策という意味では、何よりも国民の皆様をお支えする、守る、そして、備えるということですが、同時に将来に向けて希望を持ちつつ、かつ、力を付けるためには先端を引っ張るということも大事なことでありまして、もちろん今申しましたように、最先端を引っ張りつつ、しっかりとこれを横展開すると同時に、メリットは国民の皆さんどなたにも届けられるようにしなければいけない。
  その意味では、今回のNTT法、電気通信事業の課題などは、まさに両方の問題を同時に解決しなければいけない問題でありましたが、先端の国力を上げていくという意味では人口知能、AIへの取組などは、広島AIプロセスのフレンズグループへの拡大など、順調に担当の皆さんにも頑張っていただいて大いに前へ進めることができまして、今、既にグローバルサウスはじめ、途上国からはAIのガバナンスを含めてルール形成で日本が世界を主導した成果ともいえると思いますが、AIの係る制度の作り方に関する照会であったり、また、実際にAIの開発についてであったり、様々日本を頼ってくるという流れもあります。併せて民間企業のAIはじめ、デジタルの先端企業も日本への投資も相当増やしていただいているのは、もちろん日本政府からの支援もあるわけですが、やはり日本が先端地域、AIはじめ日本は中枢の地域の1つであるという認識がメリットになっているのではないか、そのように思っているところでございます。
  そういった政策を進めるという意味では、政策評価や統計も大事で、こういったことについても、昨年、政策評価基本方針、公的統計基本計画を改定しましたので、蒔いた種をまたしっかりと実らせていくというのが私の役目だったと思います。
  改めて、総務省、総務大臣を担っている間は、大変、地震、豪雨はじめ大きな災害に直面することが多い中で、改めて、災害で命を落とされた方々にご冥福をお祈りすると同時に、ご遺族にお悔やみを申し上げ、また、被災者の皆さん、しっかり応援してまいりたいと思います。お見舞い申し上げながら、これから前を向いて共に復旧・復興に取り組んでまいりたいと申し上げて終わりたいと思います。

次の総務大臣に期待すること

問:
  次の大臣、お名前も報道はされていますが、次の大臣にどのようなお仕事をされることを今、期待されていらっしゃるかお聞かせいただければと思います。

答:
  報道は承知していますが、どなたになるかはこれから決まることだと思いますが、これまでも、歴代の総務大臣の先輩方、先ほども少し申し上げたように幅広い行政分野で、本当に国民の皆様の生活に大きく関わり、また、日本の国の力をどうするかということにも大変大きな影響がある分野であるということはよく認識して就任されている方ばかりであったと思います。
  次の方も、そのような視点から、次の総理が指名されると思いますが、改めて、所管分野をざっと申し上げれば、地方行財政、選挙、消防、情報通信、放送、郵便、行政相談、行政評価、統計となってくるわけであります。その分野について、先ほど申しましたように、私自身も更なる取組を進めなければいけない課題ということで、今まさに種を蒔いて育てている途上のものもいくつかありますので、何より概算要求をさせていただいたものの中にほとんどそれは含まれておりますが、そういった政策をここまでどんな思いで進めてきたかしっかりお話しして、また、次の大臣のご判断のもとでさらに前に進めていくことをお願いしたいと思っております。

問:
  終わります。ありがとうございました。
答:
  はい。皆様ありがとうございました。

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