経産省・新着情報

2024年10月1日(火曜日)
10時04分~10時16分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

在任期間の振り返り

おはようございます。
昨年12月の就任以来、約9か月半の間、日本経済のため「できることは何でもやる」、そういう覚悟で、全力で取り組んでまいりました。
まず何よりも、元旦に発生した令和6年能登半島地震、及び先月の大雨によりましてお亡くなりになられた方々に心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。また、被災された全ての方々に対して、心からお見舞いを申し上げます。
1月の発災直後より、私も陣頭指揮をとりまして、省を挙げて必要な対応を進めてまいりました。現在も、なりわいの再建支援を進めていたところですが、先日の大雨で一部の仮設工房にも被害が確認されております。安心して復興を進められるよう、引き続き、経済産業省として、被災者に寄り添った対応を進めてまいります。

次に、産業政策についてです。岸田政権の下で、国内投資は大きく拡大をいたしまして、名目GDPは初めて600兆円を超えました。賃上げも5.10%の高い水準を実現しました。30年ぶりの日本経済の「潮目の変化」、これを確実なものにしていく必要があります。
特に産業政策の国際競争が熾烈化する中で、半導体を始めDXやGX、経済安全保障等の分野への大胆な投資の促進、産業競争力強化法改正により戦略分野への投資・生産に対する大規模な税制措置を創設したほか、地域の雇用と成長を担う中堅企業やスタートアップへの支援の強化にも取り組んでまいりました。
国内投資とイノベーション、所得向上、この好循環の実現に向けて、今が正念場でありまして、引き続き、経済産業省、全力で取り組んでいただきたいと思います。

エネルギー・GXについてですが、GXを加速させ、国内投資を後押しするために、GX2040ビジョンとエネルギー基本計画の見直しの議論、これを開始いたしました。足下では、脱炭素電源利用促進に向けて、ペロブスカイトや洋上風力への支援、再稼働に関する閣僚会議の開催、核燃料サイクル確立のための取組のほか、水素・CCS推進に向けた事業環境整備のための新法を制定いたしました。

4点目は、福島復興についてであります。就任以降5回福島を訪問し、現地の声を伺いながら、帰還困難区域の避難指示解除に向けた取組や、芸術文化による新たな魅力づくりなどを通じて、復興を推進してまいりました。
また、福島第一原発の廃炉に不可欠なALPS処理水の海洋放出に伴う、日本産水産物の風評対策につきましても、私自身、省内の若手と三陸・常磐もののお弁当をいただくなど、先頭に立って進めてまいりました。その上で、一部の国の輸入規制につきましては、輸入規制の即時撤廃に向けて継続した取組が今後も必要であります。
廃炉対策、ALPS処理水の安全性・透明性の確保、風評対策・なりわい支援など、福島の復興に向けて、引き続き、省を挙げて取り組んでいただきたいなと思います。

5点目は、対外経済政策であります。のべ8回の海外出張、100人近くの外国要人と会談をいたしました。例えば、日米、あるいは日欧間で、価格以外の持続可能性等の観点からの連携を進めて、産業政策の「協調」を進めたほか、グローバルサウス各国との連携強化を図ってまいりました。
また、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)につきまして、本年8月に第2回閣僚会合を開催して、電力、運輸、産業分野の脱炭素化を推進するイニシアティブの合意を主導してまいりました。加えて、海外製品の直接販売の機会増大を踏まえ、消費生活用製品安全法の改正を行って、国内消費者の安全保護を図ってまいりました。

6点目ですが、中小企業、書店振興、万博についてです。
中小企業の賃上げ原資確保に向けまして、下請振興法に基づく指導・助言の実施ですとか、価格転嫁対策に取り組むとともに、省力化補助金や中堅・中小グループ化税制の創設等により、中小企業の成長・収益力の強化も後押ししてまいりました。
また、書店振興プロジェクトを立ち上げまして、私自身も車座対話や書店視察をいたしました。今週目途で、書店活性化のための課題について、パブリックコメントを行う予定であります。
万博につきましては、開催まで残り200日を切る中、先月、万博会場のシンボルである大屋根リングの木造建築部分が完成するなど、着実に準備を進めてまいりました。今後とも、すべての来場者にとって魅力のある万博となるよう、全力で準備に取り組んでいただきたいと思っています。

最後になりますが、私の原点たる経済産業政策の現場に18年ぶりに戻り、強く感じたことがございます。それは、産業政策自体が国際競争をするという時代に突入する中で、経産省の政策一つ一つが日本の経済産業社会の有りように、大きな影響を与えているということであります。経済産業省の職員一人一人が日本の未来を築くという高い誇りと責任感を持って頑張っていただけるよう、これからもどのような立場でも応援していきたいと思っています。そして、約9か月半の間、共に働き支えてくれた後輩職員に感謝を心から申し上げたいと思います。
また、記者クラブの皆さんにも大変お世話になりました。この場をお借りして感謝申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
私からは以上です。

質疑応答

衆議院の早期解散

Q:昨日、石破新総裁の方から10月27日投開票という方針が示されました。当初、予算委員会を開いてから解散を行うなどというような発言もありました中、この変遷から野党からは手のひら返しだと言われるような、今状況となっております。この早期解散の方針について齋藤大臣の受け止めをまず伺わせてください。

A:衆議院の解散につきましては、総理の専権事項でありますので、私からコメントすることはありませんが、一衆議院議員として申し上げれば、我々衆議院議員は常在戦場でありまして、常に首を洗って待っている存在でありますので、いつ解散を行われようと何の感想もありません。あとは戦うだけであります。

SBIホールディングスとPSMCの提携解消

Q:話は変わりますが、先週SBIホールディングスが台湾の半導体大手PSMCとの宮城県での半導体事業の解消を発表しました。宮城県では地元経済の発展を期待していたことから失望の声も聞かれています。この件についてどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。

A:これは企業の個別投資判断になりますので、私の方からいいとか悪いとかいうコメントは控えたいなというふうに思います。

Q:とはいっても、半導体事業については国を挙げて進めている部分もあるかと思いますが、改めてその点において。

A:個別の案件は別に、半導体はこれから世界で需要が伸びる産業でありますので、半導体産業については、先ほど冒頭で申し上げましたように、世界の産業政策の国際競争に負けないように、経済産業省として全力を挙げていくべき政策課題だとは思います。

在任期間の受け止め、次期大臣への期待

Q:最後に、冒頭、在任期間の経産省としての取組をかなりお話されていたと思いますが、改めてなんですが、齋藤大臣として、この9か月間どのように受け止められているのか改めて伺いたいということと、次期大臣についていろいろと報道がなされていますが、次期大臣に対して期待されるようなことについて伺わせてください。

A:今日発足する内閣においても、30年ぶりのデフレからの脱却に向けた経済政策というのは、おそらく最優先課題になろうかと思っています。とりわけ国内投資拡大や賃上げといった「潮目の変化」、マクロ経済で出てきましたので、こうしたマクロ経済の変化を継続させ、そして強化していくために、引き続き、投資促進策や転嫁対策、それから中小企業の生産性向上対策、こういったものを切れ目なく推進していくことが次の内閣においても必要だろうと思います。産業政策に関しても先ほど申し上げましたように、世界が自国産業ファーストで、かつては考えられなかったような巨額の政府資金を一つの産業に投入するという全く新しい時代に入ってくる中で、これまで経済産業省として、半導体、GX、かなり思い切った手を世界の産業競争力競争に負けないように打ってきていますので、これについては引き続き力を入れて、悔いのないようにやっていただきたいなと心から思います。

次世代半導体支援

Q: 大臣、今の御発言にも関連すると思うんですが、ラピダスプロジェクトを含む半導体政策についてお尋ねします。
大臣は、やるリスクよりやらないリスクというものを強調して、大胆で継続的な政策を打つ必要性を訴えてこられました。ラピダスへの政府の出資などを可能にする関連法案の提出も控える中で、この先の半導体政策の規模感ですとか方向性はどうあるべきだとお考えでしょうか。
また、ラピダスプロジェクトの成功に向けて必要なこと、大事なことを何か一つ挙げるとしたら、どういったものでしょうか。一つじゃなくても結構ですが、成功に向けた必要なことを最後にお願いいたします。

A:まず、これまで申し上げてまいりましたけど、半導体はDX、GX、あるいは安全保障の観点から極めて重要なキーテクノロジーであります。今後世界で需要も大きく増えるということもありますので、その需要を我が国がしっかり取り込むという観点から、大胆かつスピーディーに政策を講じてきたし、これからも講じていかなくてはいけないと思っています。
特に、ラピダスが量産を目指しております次世代半導体は、我が国産業の未来を左右する最重要技術であると思っておりまして、私自身が強い想いを持って、国として一歩前に出た支援を行ってきたところであります。
課題はまだたくさんあるわけでありますが、日米欧連携のもとで開発を進めている量産技術の確立、これと顧客の獲得、それから量産投資に必要な資金調達、人材の確保や育成など多くの課題があると思っていますし、これらをしっかり解決していかなくてはいけません。
本年6月に閣議決定をした骨太の方針を踏まえて、半導体分野での国内投資を継続的に拡大するとともに、次世代半導体の量産等に向けて、出融資の活用拡大等を含め、必要な支援を行うための法案、これを早期に国会に提出すべく関係省庁と検討を進めておりまして、新内閣におきましても、しっかりと検討を進めていっていただきたいなと思っていますし、今後、立場が変わりましても、引き続き半導体産業の発展に力を尽くしていきたいと思います。

どうも皆さん、お世話になりました。ありがとうございました。

以上

最終更新日:2024年10月1日

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