厚労省・新着情報

(令和6年10月11日(金)10:43~10:58 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:

本日の閣議において、令和6年版過労死等防止対策白書が決定されました。本白書は、過労死等防止対策推進法に基づき、毎年、国会に報告しているものであり、今回の白書では、過労死等の状況に加え、医療従事者の労災認定状況、DX関連の業務に従事する技術者や、芸能・芸術従事者の過労死等をめぐる調査分析結果などを報告しています。政府としては引き続き、過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会を実現するという使命感をもって、過労死等の防止のための対策に全力を挙げて取り組んでまいります。私からは以上です。 

質疑

記者:
弊社の取材で、足立区や千葉市などで同じ運営会社が展開していた「住宅型有料老人ホーム」の職員が、給料の未払いを理由に一斉離職したことがわかりました。地元行政が介入するかたちで、入居する高齢者が退去を求められるなど混乱が生じています。また、離職した元職員に対して離職票が発行されず失業手当などが支給されない事態になっています。厚労省として、このような事態を把握されているか、また対応をする予定はあるか教えてください。また、この「住宅型有料老人ホーム」について専門家からは、「介護付き有料老人ホーム」と比較し介護士の人数規制がなく入所者の金銭負担が少ない一方で、事業者の参入ハードルが低すぎるために、このような事態が今後も増える恐れがあると指摘しています。厚労省としての受け止めと今後の対応を教えてください。 
大臣:
まず報道については承知しています。そして報道された住宅型有料老人ホームの事案については、関係自治体を通じて状況把握に今、努めているところです。事案の詳細については、お答えは控えさせていただきますが、厚生労働省としては本事案について関係自治体や関係団体と連携して対応してきたところであり、昨日付で入居者全員の転居先や必要な生活環境が確保されたと承知しています。また、雇用保険については、事業主から必要な手続が行われず、離職者が失業給付を受けるために必要な離職票の交付が遅れる場合には、ハローワークによる職権での手続を行うなど、離職者が失業給付を受給できないことがないよう、万全を期してまいりたいと考えています。本事案が発生したことについては誠に遺憾であると感じており、その経緯や入居者の処遇等の実態については、より詳細な把握に努め、関係自治体と連携し、老人福祉法等に基づく必要な対応を行うとともに、より実効性の高い指導監督の手法について検討してまいりたいと考えています。 
記者:
新型コロナウイルスワクチンの定期接種が10月1日から始まりました。足元の接種状況と今後の接種の見通しについて教えてください。また冬の到来を控えるこの時期に新型コロナウイルスワクチンを接種することの意義について改めて教えていただけますか。 
大臣:
新型コロナワクチンの定期接種については、65歳以上の方や、60歳から64歳までの一定の基礎疾患をお持ちの方を対象に、各自治体において本年10月1日より順次接種を行っているところです。今シーズンの新型コロナワクチンの供給見込み量は、各メーカーから全体として約3,224万回分と報告を受けていますが、そのうち約4割は定期接種の開始から供給可能な状況であり、今後も順次供給される見通しと承知しています。新型コロナワクチンの定期接種は、重症化予防を目的とし、ご指摘があったように、これまで冬季に感染拡大が見られていることから、この時期から開始しているところであり、定期接種の対象の方はぜひ接種をご検討いただきたいと考えています。 
記者:
最低賃金についてお伺いします。石破政権が掲げる「2020年代に1,500円」の目標ですが、実現するには過去の上げ幅を大幅に上回るペースで引き上げる必要があります。また、日本商工会議所の小林会頭も支払い能力への懸念から、慎重な検討を求める見解を表明しています。政府として今後、中小企業の懸念への対応も含め、どのように実現を図っていくかお考えをお聞かせください。 
大臣:
ご承知と思いますが、最低賃金については最低賃金法に基づき、企業の「賃金支払能力」を含む3要素を考慮し、公労使3者で構成する最低賃金審議会での議論を踏まえ決定するものです。政府としては、最低賃金を着実に引き上げ、2020年代に全国平均1,500円という高い目標に向かってたゆまぬ努力を続け、最低賃金の引上げを加速してまいりたいということは総理も申し上げているとおりです。これまでも生産性向上支援など中小企業の持続可能な賃上げを達成するために必要な環境整備に取り組んできたところですが、引き続き関係省庁と連携し、価格転嫁対策の徹底や生産性向上支援等により、中小企業等が着実に賃上げできる環境整備に取り組んでまいりたいと考えています。 
記者:
靖国神社の例大祭の関係でお伺いします。秋の例大祭中に神社の方に参拝されるかどうか、行かれる場合は何日に行かれるか、参拝されない場合、真榊を奉納される予定はあるかどうか、お願いします。 
大臣:
その件については、個人として適切に判断してまいりたいと考えています。現時点で、どういうことをするということを確定的に決めているわけではありません。 
記者:
世界初のレプリコン型ワクチンの製造会社、Meiji Seikaファルマの小林大吉郎社長が8日、「mRNAワクチン中止を求める国民連合」と「日本看護倫理学会」を名誉毀損で提訴すると発表しました。これら2団体は、接種者から未接種者への悪影響が及ぶ、いわゆるシェディングが起こる可能性もあることなどから同ワクチンの安全性に疑問を投げかけています。しかし、シェディングについては武見前大臣も「現時点ではないものと承知しています」と発言していますし、mRNAワクチンによる健康被害が薬害にあたるかについても「現時点ではお答えを差し控えたい」と答弁するなど、「現時点」という言葉を必ず添えて否定するにとどめており、Meiji Seikaファルマの対応は行き過ぎではないかと考えます。福岡大臣は長らく薬害被害者を支援する議連の活動をしてこられましたが、この提訴についてご所見をお聞かせください。 
大臣:
まず、ご指摘の訴訟が提起されたとの報道については承知していますが、個別の訴訟に関することなので、コメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。その上で、私がこの職に就く前に議員としてもずっと薬害問題に取り組んできたことについてお話がありました。その点については、引き続き医薬品による悲惨な被害を再び発生させることがないよう、医薬品の安全性、有効性の確保に最善の努力を尽くしてまいりたいと考えています。 
記者:
ただ今後、新たな知見が追加されていく余地ということがあることはお認めになりますか。 
大臣:
いずれにしても、これはいかなる事例もそうですが、科学的知見についてはしっかりその状況をみながら対応していくということになろうかと思います。 
記者:
新たな知見が見つかることも可能性としてはあるという理解でよろしいでしょうか。 
大臣:
現時点で想定はしていませんが、いずれにしても、どういった状況かということはしっかり実態をみながら、科学的知見も含めてしっかりウォッチしていきながら、判断していきたいと思っています。 
記者:
冒頭の過労死防止白書についてお伺いします。今回の白書では芸能分野のスタッフの労働環境について分析があり、拘束時間が非常に長く、うつ病の疑いが多いという傾向がわかりました。芸術・芸能分野はフリーランスで働く方も多く、契約の立場が弱いにも関わらず労働時間等の規制の対象に現状なっていないというケースもありますが、今後こうした人たちに対して、厚生労働省として働き方改革にどのように取り組んでいくのか、大臣のお考えをお願いします。 
大臣:
まず本年の過労死等防止対策白書では、芸術・芸能従事者のうちスタッフとして働く方々について、一般就業者全体に比べ、うつ傾向等が高いほか、ハラスメントや取引上のトラブルを経験した方が多いなどの実態が報告されているところです。長時間労働の削減に向けた労働関係法令の遵守指導に努める一方、本年8月に決定した「過労死等防止対策大綱」では、芸術・芸能従事者の方も含め、フリーランス等の多様な働き方に応じた取組を推進していくこととしたところです。具体的には、例えばフリーランスの方が安心して業務に従事できるよう、本年5月に策定されたガイドラインに基づき、過度な長時間就業とならないよう発注者に安全衛生対策・健康管理の取組強化を促すとともに、発注者がハラスメントに関する相談体制の整備等を行うことを義務付けた「フリーランス・事業者間取引適正化等法」について、11月からの円滑な施行に向け、周知広報に取り組んでまいりたいと考えています。以上申し上げたようなことを含めて、環境整備をしっかり図ってまいりたいと考えています。 
記者:
石破首相が表明した「新たな地方経済・生活環境創生本部」の設置について、厚労省の所管としてはどのような取り組みをしていくか、現時点であればお考えをお聞かせください。 
大臣:
本日の閣議において、内閣に、内閣総理大臣を本部長とする「新しい地方経済・生活環境創生本部」を設置することが決定され、私も含め、全ての国務大臣が本部員となっているところです。「地方こそ成長の主役」との発想に基づき、地方がそれぞれの特性に応じた発展を遂げることが重要な課題だと認識しています。厚生労働省としては、これまで地方における社会課題への対応として、例えば、仕事と育児の両立支援、医療・介護分野でのDXの推進、デジタル人材の育成・確保といった取組を進めてきたところです。今後も、総理の方針を踏まえ、地方創生に資する取組を一層推進してまいりたいと思います。 
記者:
福岡大臣の政治資金について伺います。福岡大臣が支部長を務める自由民主党佐賀県参議院選挙区第一支部に、佐賀県医療センターの部長である大臣の姉、お姉様から、2021年に200万円、2022年に300万円の寄付がされてます。もし寄付金特別控除を受けていたとなると、弟の政治団体にお金を渡すことで本来支払うべき所得税などを免れていたというような問題が生じるかと思いますが、この件は寄付金特別控除の手続きをされているかどうか確認させていただけますか。 
大臣:
まず私の姉については、私と住まいも全く別であり、また生計も全く別にしているものです。その上で寄付金特別控除の手続をしているかどうかについては、それぞれの方が判断されるという観点から、私自身は承知していません。いずれにしても、私自身の政治資金については、政治資金規正法に則って適正に処理をしているところです。 
記者:
ただ大臣自身が、今年の5月にもニュースになっていたかと思いますが、2022年にまさにご自身が政治団体に200万円を寄付し、寄付の控除を受けていたということですよね。実のお姉様が同じようにされていたらまずいのではないかと思うことが一般の感覚かと思いますが、確認されないでよろしいのでしょうか。 
大臣:
いずれにしても、前回私が訂正したときの話といたしましては、私自身が代表を務める政党支部に私自身がお金を寄付し、その控除を受けていたということに対して道義的にいかがかというような指摘があり、それを受けて対応したものです。先程来申し上げておりますように、全く姉とは生活も生計も別にしているという状況の中で、そちらについてどう判断されるかということについては、現時点では個人の姉の判断ということだと思っています。 

(了)

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